- 重大事態の2つの類型(いじめ防止対策推進法第28条第1項)
- 「疑いがあると認めるとき」という要件
- 不登校が重大事態にあたる場合があること
- 全国でどのくらい起きているか
いじめ重大事態とは
「学校の設置者又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態(以下『重大事態』という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行うものとする。
一 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
二 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。」
押さえておきたい2つの言葉
| 言葉 | 意味するところ |
|---|---|
| 疑いがあると認めるとき | いじめがあったと確定してからではありません。疑いの段階で調査を始めると条文に書かれています |
| 行うものとする | 「できる」ではなく「行うものとする」。学校の設置者または学校が行うべきこととして定められています |
不登校は、第2号にあたることがある
第2号は「相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑い」です。いわゆる不登校重大事態です。けがや金銭被害がなくても、いじめが理由で長く休んでいる状況そのものが、独立した類型として書かれています。
調査の進め方は、文部科学省「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」(令和6年8月改訂版)に示されています。この改訂で、それまで別にあった「不登校重大事態に係る調査の指針」(平成28年3月)が廃止され、ガイドラインに統合されました。
全国でどのくらい起きているか
文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、重大事態の発生件数は次のとおりです。
| 区分 | 令和6年度(令和5年度) |
|---|---|
| 重大事態 総数 | 1,404件(1,306件) |
| 第1号(生命心身財産) | 768件(648件) |
| 第2号(不登校) | 896件(864件) |
調査には「1件の重大事態が第1号及び第2号の両方に該当する場合は、それぞれの項目に計上されている」という注記があります。768件+896件=1,664件になりますが、総数は1,404件です。単純に足すと誤りになります。
相談するとき
- 学校が、いまの状況を重大事態として認識しているか
- していない場合、その判断の理由
- 調査を行う組織はどこに設けられるのか(学校か、設置者か)
- 調査の結果を、どういう形でいつ知らせてもらえるのか
学校や教育委員会とのやりとりで行き詰まったときは、都道府県・市区町村の教育委員会のいじめ相談窓口、法務局の「子どもの人権110番」、弁護士会の子どもの人権相談などがあります。24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は、子ども本人も保護者も利用できます。
いじめは、お子さんにも保護者にも大きな負担がかかる問題です。ひとりで抱え込まず、学校の外の窓口にも早めに相談してください。心身の不調が続く場合は、医療機関へのご相談もご検討ください。
