- 転入学と編入学の、いちばんシンプルな見分け方
- 高校の転学を定めた学校教育法施行規則第92条
- 「転入学」という語が施行規則に出てこないこと
- 小中学校では仕組みそのものが違うこと
いちばんシンプルな見分け方
| どういう状態か | |
|---|---|
| 転入学 | いまの高校に籍があるまま、別の高校へ移ること。退学の手続きをしない |
| 編入学 | 一度やめて籍がない状態から、改めて第2学年以上に入ること |
通信制高校の募集要項で「転入学は随時、編入学は年2回」のように扱いが分かれているのは、この違いによるものです。籍が切れないうちに動いたほうが、在学期間や単位の扱いで有利になることが多いため、悩んでいる段階で一度相談しておく価値があります。
高校の転学は、施行規則第92条
「他の高等学校に転学を志望する生徒のあるときは、校長は、その事由を具し、生徒の在学証明書その他必要な書類を転学先の校長に送付しなければならない。転学先の校長は、教育上支障がない場合には、転学を許可することができる。
2 全日制の課程、定時制の課程及び通信制の課程相互の間の転学又は転籍については、修得した単位に応じて、相当学年に転入することができる。」
第2項が、全日制から通信制へ移る場合の直接の根拠です。「修得した単位に応じて、相当学年に転入することができる」とあるとおり、それまでに取った単位を持っていける仕組みになっています。
編入学の根拠は、施行規則第91条
「第一学年の途中又は第二学年以上に入学を許可される者は、相当年齢に達し、当該学年に在学する者と同等以上の学力があると認められた者とする。」
条文に「編入学」という語は使われていませんが、これがいわゆる編入学の要件規定です。
今回e-Gov法令検索で確認したところ、「転入学」という語は学校教育法施行規則に一度も登場しません。第92条第2項に動詞の形で「転入することができる」とあるだけです。また「編入学」という語は施行規則にありますが、出てくるのは大学・短期大学・高等専門学校・専修学校に関する条文だけで、高等学校の文脈では使われていません。
2つの語を正面から使い分けている法令
「転入学」「編入学」を見出しとして使っているのは、単位制高等学校教育規程(昭和63年文部省令第6号)です。
「第四条(編入学) 単位制による課程に係る編入学は、相当年齢に達し、相当の学力があると認められた者について、相当の期間を在学すべき期間として、これを許可することができる。」
「第五条(転入学) 単位制による課程に係る転学又は転籍は、修得した単位及び在学した期間に応じて、相当の期間を在学すべき期間として、これを許可することができる。」
第5条は見出しが「(転入学)」なのに本文は「転学又は転籍」となっていて、法令としてはやや変わった書きぶりです。原文のままです。多くの通信制高校は単位制なので、実務上はこの規程が効いてきます。
小中学校は、まったく別の仕組み
高校では「校長が許可する」という形ですが、小中学校には「転学の許可」という手続きがありません。就学すべき学校は、学校教育法施行令に基づいて市町村の教育委員会が指定します。
| 場面 | 根拠 |
|---|---|
| 引っ越しで市町村が変わる | 学校教育法施行令第6条第1号(住所地の変更で学齢簿に新たに記載)+第5条の準用で、新しい教育委員会が就学校を指定 |
| 同じ市町村内で学校を変えたい | 学校教育法施行令第8条(指定校変更)。保護者の申立てにより、教育委員会が相当と認めるときに変更できる |
| 住所地以外の市町村の学校に通いたい | 学校教育法施行令第9条(区域外就学) |
| 転学したときの書類 | 学校教育法施行規則第24条第3項(前の学校の校長が指導要録の写しを転学先へ送付) |
相談するときに確認したいこと
- いまの学校に籍があるか(転入学か編入学かが決まります)
- これまでに修得した単位数と、そのうち何単位が認定されるか
- 在学期間がどう通算されるか(卒業までの年数に直結します)
- 出願の時期(転入学は随時受け付ける学校が多い)
- 学費と、就学支援金の扱いがどうなるか
やめる前に相談してください。退学してしまうと転入学ではなく編入学の扱いになり、在学期間の通算で不利になることがあります。
よくある質問
NIJIN高等学院は、通信制高校に在籍しながら日中の居場所と学習のサポートを受けられるサポート校です。転入学・編入学のタイミングや、これまでの単位をどう活かせるかの相談にも対応しています。
