入院中も、子どもの学びをつなぐ方法はあります。病院内の学級、在籍校のオンライン授業、教員による訪問指導などが選択肢になります。ただし、学習より治療や休養を優先する日があって当然です。利用できる方法は地域や学校、入院先、子どもの体調によって異なるため、主治医と在籍校に相談しながら無理のない形を考えます。
この記事では、入院・自宅療養中に学校と相談できる教育支援、院内学級と遠隔授業の違い、出席や評価の確認点を文部科学省の資料に基づいて整理します。病気や治療についての判断を行う記事ではありません。
入院中の子どもの勉強はどうなる?まず知っておきたい結論
学校とのつながりを保つ方法は一つではありません。入院中に病院内の学級等で学ぶ方法、在籍校に籍を置いたまま教員がICTを使って授業を配信する方法、状態に応じて教員が訪問する方法があります。退院後に自宅療養が続く場合も、訪問や遠隔指導が検討されることがあります。
文部科学省が公表した令和4年度調査では、学校に在籍する「病気療養児」は9,165人でした。同調査で、同時双方向型の授業配信が行われたのは2,191人(24%)です。これは令和4年度の全国調査値で、現在の利用可能人数や個別の学校で受けられる保証を示すものではありません。調査の用語では病気・障害の状況を踏まえて学校や教育委員会が判断し、年間延べ30日以上の欠席を一つの参考にしています。
最初の相談では、授業を受けることを前提にせず、子どもの体調や治療予定、本人の希望を共有しましょう。主治医に学習参加の可否を確認し、在籍校には教材の受け渡しや連絡方法を尋ねます。調整の窓口が分からないときは、病院の相談担当者から学校や教育委員会へつないでもらえるか確認できます。
治療の段階が落ち着き、主治医と家庭が自宅での学びを検討できる場合は、学校の支援に加えてオンラインの学び場も比較できます。NIJINアカデミーは小中学生向けのオンライン等の学び場ですが、病気療養児向けの学校制度や医療支援ではなく、在籍校の授業・院内学級を置き換えるものでもありません。参加できる状態かは、主治医や家庭で確認したうえで公式情報をご覧ください。
入院中・自宅療養中に相談できる学び方
どの仕組みが使えるかは、在籍校と教育委員会、入院先、療養期間や体調などで変わります。名称が似ていても、学籍の移動を伴う方法と、在籍校の授業に参加する方法では手続きが異なります。
| 方法 | どんな学び方か | 確認する窓口 | 相談時のポイント |
|---|---|---|---|
| 病院内の学級 | 病院内の小・中学校等の特別支援学級、または病院内にある特別支援学校の本校・分校・分教室等で学ぶ方法 | 病院の相談窓口、在籍校、教育委員会 | 対象、在籍・転学の手続き、受け入れ時期、授業内容 |
| 在籍校の遠隔授業 | 在籍校の教員が病院や自宅へICTで授業を配信し、リアルタイムでやりとりする方法 | 担任、校長・教頭、教育委員会 | 実施できる授業、接続方法、体調不良時の中止、出欠・評価 |
| 訪問教育・訪問指導 | 教員が病院や自宅等を訪問して行う教育・指導。制度上の対象や実施主体は学校種等で異なる | 特別支援学校、教育委員会、在籍校 | 利用できる制度、頻度、場所、安全や感染対策 |
| 教材・課題による支援 | プリント、教材、課題、面談等で学びをつなぐ方法 | 在籍校 | 量や提出期限、評価への扱い、休む場合の連絡方法 |
文部科学省の実態調査では、病院内の学級は小・中学校等の病院内にある特別支援学級や、病院内にある特別支援学校の本校・分校等として定義されています。制度の呼び方や学籍の扱いは設置形態で違うため、「院内学級に通う」という言葉だけで決めず、実際にどの学校に在籍することになるかを聞いてください。
病院に学級があるか、空きがあるかは入院先ごとに異なります。短い入院期間や病状によって利用が難しいこともあります。病院に教育相談窓口がない場合は、医療ソーシャルワーカーなどに、学校や地域の教育委員会と相談する担当者を確認します。
オンライン授業の出席扱い・成績はどう決まる?
文部科学省の小・中学校等向け通知では、病院や自宅で療養している子どもに同時双方向型の授業配信を行う場合、校長が指導要録上の出席扱いとすることや、成果を教科の評価に反映することができると示しています。「授業を配信したら必ず出席扱い」という意味ではありません。
通知は、病気療養児に該当するかどうかを学校または管理機関が、診断書等や子どもの状態などを基に判断すること、受信側で保護者等と連携して体調管理や緊急時対応を整えることを挙げています。また、本人の体調変化に留意し、授業が適当でない場合に直ちに中止できるようにすることも求めています。
令和4年度調査で同時双方向型配信を実施した小・中学生のうち、出席扱いとされた割合は60%でした。調査上の集計であり、利用家庭の個別結果や、現在の各学校の認定率を示す数字ではありません。体調等により十分に参加できなかったこと、学校・教育委員会の規定、休学や評価方法など、認定されない理由も報告されています。個々の判断は在籍校に確認しましょう。
- 入院中に利用できる院内学級・遠隔指導・訪問指導はあるか
- 誰が対象を判断し、申請や連絡をどの順番で行うか
- 授業に参加できる曜日・時間、音声や映像を使わない参加方法はあるか
- 体調が悪い日の中止・欠席連絡をどうするか
- 出欠記録、課題、教科の評価をどのように確認するか
- 教材や端末の貸し出し、通信環境の準備を誰が担うか
高校段階は義務教育とは単位認定などのルールが異なります。この記事の小中学校等の出席扱いを、そのまま高校に当てはめないでください。高校生は在籍校の教務担当へ、授業・課題・試験・休学や復学の扱いを確認します。
退院後に自宅療養が続くときの引き継ぎ方
退院しても、すぐに通学を再開できるとは限りません。文部科学省は自宅療養中も、状態に応じて特別支援学校の教員による訪問やICTを活用した遠隔指導を行えると説明しています。退院日が決まる前後に、病院、家庭、在籍校、教育委員会の間で連絡担当を決め、情報をつなぐ方法を話し合いましょう。
引き継ぐ内容は、診断名や検査結果をすべて伝えることではありません。学習参加に必要な範囲として、本人・保護者が共有に同意したうえで、学校生活で必要な配慮、参加できる時間の目安、急な体調変化時の連絡先、課題や教材の受け渡し、登校を再開する場合の段階などを確認します。医療情報を誰にどこまで共有するかも相談してください。
文部科学省調査の集計では、同時双方向型配信を行った小・中学校のケースで、週1日程度・1日1時間以内の利用が比較的多く見られました。これは全ての子どもに適した時間割を示すものではありません。授業時間や頻度は、子どもの希望とその日の状態を優先し、学校と調整します。
退院・療養の見通し/学校側の連絡担当/本人が受け取りやすい連絡方法/学習を休む合図/教材の受け渡し方法/出欠や評価の確認担当を、短く一枚にまとめておくと関係者間で共有しやすくなります。
オンラインの学び場を検討する場合の確認点
在籍校の支援や院内学級とは別に、療養後の自宅で、体調が許す範囲で学びの場を探したい家庭もあります。民間のオンラインスクールは公立学校の授業配信や病院内の学級とは別のサービスです。医療の判断、在籍校の出席扱い、治療中の学習計画を代行するものではないため、学校の支援と混同しないことが大切です。
NIJINアカデミーの概要
- 対象
- 小学1年生から中学3年生まで(公式サイト掲載情報)
- 学び方
- 自宅から参加するメタバース校舎と、地域のリアル教室を組み合わせる方法があります。各家庭で選べる通い方は公式案内で確認してください。
- 費用
- 公式学費ページではメタバース通学の月額25,443円(税込)、初月の入学金33,000円(税込)と案内されています。リアル教室や追加サービスの費用は別途条件があります。
- 問い合わせ
- 公式の体験・説明申込ページ
情報源:公式サイト、学費・プラン。2026年10月25日確認。料金や受け入れ条件は更新されることがあるため、申込前に公式情報をご確認ください。
このサービスは、病院内の授業や医療的ケアを提供する施設ではありません。小中学生が自宅でオンライン学習を検討する際の民間の選択肢の一つとして紹介しています。参加が負担にならないか、授業形式や費用が希望に合うかを確認し、在籍校の支援とどう併用するかは家庭・学校・必要に応じて医療関係者と話し合ってください。
病気療養児の学びについては、文部科学省の小児がんと学校生活・支援の解説も参考になります。また、一般的な学校への行きづらさや学びの場を探している場合は、フリースクール見学を子どもが嫌がるときの進め方、中学生の放課後にオンラインの居場所を探す方法もご覧ください。この記事では、病気による療養と教育支援に焦点を絞っています。
入院中・療養中の子どもの学びでよくある質問
入院中も学びを続ける方法はあります。文部科学省は、病院内の学級や特別支援学校への転学、在籍校の教員によるICTを活用した遠隔指導などを示しています。どの方法を利用できるかは、子どもの状態、在籍校や教育委員会の体制、病院側の環境によって異なるため、まず主治医と在籍校に相談してください。
院内学級は、病院内に設置された小・中学校等の特別支援学級や、病院にある特別支援学校の本校・分校・分教室などを指します。入院すれば自動的に在籍や利用が決まるわけではありません。対象、受け入れ時期、転学の手続きは、病院の相談窓口、在籍校、教育委員会に確認してください。
在籍校の教員がICTを使って授業を届ける方法があります。文部科学省の通知では、病院や自宅で療養する子どもにリアルタイムで授業を配信し、同時にやりとりする形式を扱っています。実施には学校側の体制と、受信場所で体調管理や緊急時対応ができることなどの調整が必要です。
小・中学校等では、病気療養中の子どもに同時双方向型の授業配信を行った場合、校長が指導要録上の出席扱いとし、学習の成果を評価に反映できる取扱いが文部科学省通知に示されています。ただし一律の認定ではありません。体調や参加状況、学校の運用を踏まえて在籍校に確認してください。
文部科学省の実態調査では、病気療養に伴い在籍校から病院内の学級等へ転学し、療養の終了後に元の学校へ戻る「復学」が用語として整理されています。実際の学籍手続きや復学の時期・方法は個別の状況で異なるため、転学を決める前に教育委員会と両方の学校へ確認してください。
文部科学省の通知は、体調の変化に留意し、同時双方向型授業が適当でないと考えられる場合には直ちに中止できるようにすることを求めています。参加時間、カメラや音声の利用、休憩・中止の連絡方法を、学校と保護者で事前に相談しましょう。治療上の判断は主治医に確認してください。
文部科学省は、退院後に自宅で療養する場合も、状態に応じて特別支援学校の教員による訪問や、ICTを活用した遠隔指導が可能と説明しています。利用できる制度や担当教員は地域・学校によって異なるため、退院前に病院の相談窓口、在籍校、教育委員会へつなぎ方を確認すると相談が途切れにくくなります。
在籍校の授業配信を出席扱いにできる場合や、学習成果を評価に反映できる場合がありますが、自動的に出席・成績へ反映されるわけではありません。文部科学省の調査でも、配信を実施した全ての子どもが出席扱い・単位認定になったわけではなく、体調や参加状況などが理由として挙げられています。評価方法を在籍校に確認してください。
まず主治医や病院の医療ソーシャルワーカー等に、学習や学校との連絡を相談できる窓口を尋ねます。同時に、在籍校の担任・管理職へ入院期間の見込み、授業参加の可否、教材や課題の受け渡しについて連絡してください。院内学級や転学の調整が必要な場合は、教育委員会の担当部署につないでもらえるかも確認します。
授業への参加を無理に続けず、治療や休養を優先してください。文部科学省通知も、体調の変化を踏まえて授業を中止できる体制を求めています。家庭で学習を促すかどうかを含め、治療や休息に関する判断は主治医と相談し、学校には参加が難しい日の連絡方法を決めておきましょう。
参考にした公式資料
- 文部科学省「病気療養児への支援」(2026年10月25日確認)
- 文部科学省「同時双方向型授業配信を行った場合の出欠の取扱い等について」(2026年10月25日確認)
- 文部科学省「令和4年度病気療養児に関する実態調査結果」(2026年10月25日確認)
- 文部科学省「令和4年度病気療養児に関する実態調査の結果について」(2026年10月25日確認)
- NIJINアカデミー公式サイト(2026年10月25日確認)
- NIJINアカデミー 学費・プラン(2026年10月25日確認)
- NIJINアカデミー 体験申込(2026年10月25日確認)


