- 後悔につながりやすい7つの理由と、その根拠
- 費用のつまずきを数字で確かめるグラフ(入学時の費用・英語サポート・バス)
- 後悔が起きやすい時期(入学直後・小学校中学年・進学の節目)
- 入学前に確認しておく7つのことと、相談の順番
- 見学・体験入学で確かめる10のチェック項目
- すでに通っていて迷っている家庭が取れる選択肢と、移るときの手順
- 後悔しにくい学校の選び方
結論:後悔につながる7つの理由(早見)
| 理由 | 起きる時期 | 入学前に防げるか |
|---|---|---|
| 1. 日本の卒業資格が出ないと後から知った | 小学校卒業・中学進学のとき | 防げる |
| 2. 学費が想定より高かった | 入学時・毎年の値上げ | 防げる |
| 3. 日本語の読み書きが遅れた | 小学校中学年ごろから | 計画すれば小さくできる |
| 4. 日本の学校に戻るのが難しかった | 転校・受験のとき | 事前に確認できる |
| 5. 通学が続かなかった | 入学後すぐ〜数年 | 防げる |
| 6. 英語についていけなかった | 入学後1〜2年 | 学校選びで小さくできる |
| 7. 肩書きを誤解していた(認定・候補校) | 高校・大学進学のとき | 防げる |
この記事は、特定の家庭の体験談を集めたものではありません。制度と公表情報から、つまずきやすい点を整理したものです。メリットも含めた全体像はインターナショナルスクールのメリット・デメリットを見てください。
7つの理由は3つのグループに分かれる
後悔の中身は、制度・お金・毎日の生活のどれかです。
01
制度のつまずき
卒業資格が出ない(理由1)、日本の学校に戻りにくい(理由4)、肩書きの誤解(理由7)。入学前に調べれば、ほぼ防げます。
02
お金のつまずき
学費が想定より高い(理由2)。授業料以外の費用と、毎年の値上げを見落とすことで起きます。
03
毎日のつまずき
日本語の遅れ(理由3)、通学(理由5)、英語についていけない(理由6)。入学後に少しずつ表に出てきます。
制度とお金は「調べれば防げる」、毎日の生活は「計画すれば小さくできる」つまずきです。

後悔につながりやすい7つの理由
1. 日本の卒業資格が出ないと後から知った
文部科学省は、一条校でないインターナショナルスクールに日本国籍の子どもを通わせても、保護者は就学義務を果たしたことにならないと明記しています。さらに、一条校でないインターの小学部を終えた子どもが一条校の中学校への入学を希望しても、制度上は認められないと説明しています。「英語の小学校に通っている」つもりが、制度上は「小学校に通っていない」扱いになることがあります。
2. 学費が想定より高かった
授業料だけを見て決めると、入学時の費用と毎年の費用で予算が崩れます。横浜インターナショナルスクールは登録料が148万円、ホライゾンジャパンは建物基金が75万円です。関西学院大阪インターナショナルスクールは2026-27年度に約4%値上げしました。総額の出し方はインターナショナルスクールの学費にまとめています。
3. 日本語の読み書きが遅れた
授業が英語中心になると、漢字を書く量と日本語の文章を読む量が減ります。話し言葉は保てても、学年相応の読み書きに届かなくなることがあります。日本で進学する可能性があるなら、日本語の時間を家庭で確保する計画が必要です。
4. 日本の学校に戻るのが難しかった
学費や転居で通えなくなったとき、日本の公立学校へ移ることになります。文部科学省は、こうした場合に子どもが未就学にならないよう市町村の教育委員会に配慮を求めていますが、学年の扱いや学習の差は残ります。インターナショナルスクールの編入・転校で整理しています。
5. 通学が続かなかった
全日制のインターナショナルスクールは都市部に集中しています。那覇市では、小学生以降の学校は南城市・うるま市・読谷村など市外にあります。スクールバスは年16万〜30万円かかる学校もあります。片道の時間を、雨の日の朝に実際に測ってから決めてください。
6. 英語についていけなかった
学年が上がるほど、入学時に求められる英語力は高くなります。吹田市のAICJ大阪校は、随時募集の条件を「複数年の英語教育を受けていること」としています。英語サポート(EAL・ESL)が別料金の学校も多く、ホライゾンジャパンは年50万円です。
7. 肩書きを誤解していた
「IB候補校」は認定校ではありません。「加盟」と「認定」も違います。藤沢市の湘南インターナショナルスクールはPYPの候補校、那覇市のHybridMom International School Okinawaも候補校です。認定の有無は、高校卒業後の大学入学資格に関わります。
費用のつまずきを数字で確かめる
7つの理由のうち、金額で確かめられるものをグラフにしました。どれも各校の公式サイトに載っている金額です。「知らなかった」をなくすために、先に大きさをつかんでください。
入学する年だけにかかる費用——24万〜188万円
登録料・入学金・保証金・建物基金などの合計です。授業料とは別にかかります。
各校の公式サイトの金額を編集部が合計。関西学院大阪=登録料33万円+出願料4万円/幕張=入学金20万円+施設協力費40万円/ホライゾン=登録料50万円+Building Fund 75万円/LCA=入学金100万円+保証金30万円/横浜=登録料148万円+Campus Development Fee 39万9,000円。出願料は一部の学校のみ含みます。
入学時の費用は、いちばん低い学校といちばん高い学校で約8倍の差があります。授業料の差(約3.6倍)よりも大きい差です。「授業料が安い学校」と「入学時の費用が安い学校」は、同じとは限りません。LCA国際小学校は授業料が年162万円と低めですが、入学時の費用は130万円で、今回並べたなかで2番目に大きくなります。
英語サポートとスクールバス——使う家庭だけにかかる費用
料金表の下のほうに書かれていて、見落としやすい費目です。
各校の公式サイトの金額。英語サポート=EAL・ESL(英語がまだ十分でない子どもへの追加の授業)。
英語がまだ十分でない子どもが途中の学年から入ると、英語サポートの費用が上乗せされます。ホライゾンジャパンインターナショナルスクールでは年50万円で、スクールバスも使うと合わせて年80万円が授業料の外にかかります。入学前の見積もりにこの2つを入れていなかった、というのが「想定より高かった」の典型です。
値上げも数字で見ておきます。関西学院大阪インターナショナルスクールは、2026-27年度に全学年で約4%値上げしました。年227万円の4%は、約9万円です。仮に同じ率の値上げが毎年続くと、6年後の授業料は約1.27倍になります。これは編集部の計算による一例ですが、「料金表は毎年変わる」前提で資金計画を立てることが大切です。
7つの理由と対策を1枚で整理する
7つの理由それぞれに、入学前にできる対策があります。表にまとめました。
| 後悔の理由 | 入学前にできる対策 | 確かめる場所 |
|---|---|---|
| 1. 卒業資格が出ない | 学校の種類を確かめ、進学の扱いを相談する | 学校、教育委員会 |
| 2. 学費が想定より高い | 初年度・2年目以降・高校卒業までの総額を計算する | 今年度の料金表 |
| 3. 日本語の読み書きが遅れる | 日本語の授業時間を確かめ、家庭での時間を決める | 学校の時間割 |
| 4. 日本の学校に戻りにくい | 戻る可能性がある時期を決め、日本の教科書の学習を続ける | 教育委員会 |
| 5. 通学が続かない | 平日の朝に、実際の経路で片道の時間を測る | 自分で試す |
| 6. 英語についていけない | 英語サポートの内容・期間・費用を確かめる | 学校の募集要項 |
| 7. 肩書きの誤解 | 「認定」「候補」「加盟」のどれかを原文で確かめる | 認定機関のサイト |
このなかで、対策にいちばん時間がかかるのが日本語の読み書きです。入学してから毎日続ける必要があるからです。日本の小学校では、6年間で1,026字の漢字を学びます。学校の授業で扱わない分は、家庭で進めることになります。1日10分でも、毎日続けるほうが、週末にまとめて取り組むより身につきやすくなります。
もう1つ、対策を先送りしやすいのが通学です。説明会は休日に開かれることが多く、道も電車も空いています。平日の朝、子どもの足で、雨の日を想定して歩いてみてください。那覇市のように、小学生以降の学校が市外にしかない地域では、スクールバスの停留所までの送迎も毎日の予定に入ります。
後悔はいつ起きるのか——時期ごとの整理
7つの理由は、同じ時期に起きるわけではありません。入学してすぐに表に出るものと、何年も経ってから気づくものがあります。時期ごとに並べると、いつ何を確かめればよいかがわかります。
つまずきが表に出るタイミング
あとの時期に起きるつまずきほど、やり直しに時間がかかります。先に確かめる価値が大きいのは、下の2つです。
時期が遅いつまずきほど、入学前に確かめにくいと感じるかもしれません。けれども、卒業資格も認定の状況も、学校の公式サイトと文部科学省の資料で、入学前に調べられます。卒業後の資格についてはインターナショナルスクール卒業後の進路で、義務教育との関係はインターナショナルスクールと義務教育で解説しています。

後悔しやすい家庭に共通する5つのパターン
制度と公表情報から整理すると、後悔につながりやすい決め方には共通点があります。特定の家庭の話ではなく、つまずきの構造から逆算したものです。当てはまるものがないか、確かめてください。
こう決めるとつまずきやすい
左の列は、どれも「調べなかった」「決めなかった」ことから起きています。学校の質の問題ではありません。後悔の多くは、学校選びの失敗ではなく、確認の不足から生まれます。右の列のように、1つずつ確かめてから決めれば、同じ学校に通っても結果は変わります。
とくに見落としやすいのが、保護者の負担です。全日制のインターナショナルスクールは、給食がなく弁当が必要な学校、スクールバスがなく送迎が必要な学校、行事やボランティアへの参加を求める学校があります。子どもだけでなく、家族の生活が続けられるかを考えてください。
入学前に確認しておく7つのこと
| 確認すること | 誰に聞くか |
|---|---|
| この学校は一条校か、各種学校か、無認可か | 学校。都道府県の私立学校一覧でも確かめる |
| 公立小中学校の学籍はどうなるか | 住んでいる市区町村の教育委員会 |
| 初年度と2年目以降の支払いの総額 | 学校(今年度の料金表をもらう) |
| IB・WASC・CISなどは「認定」か「候補」か「加盟」か | 学校。認定機関のサイトでも確かめる |
| 英語サポートの内容と追加費用 | 学校 |
| 日本語・国語の授業が週に何時間あるか | 学校 |
| 卒業生が日本の中学・高校・大学にどう進んだか | 学校 |
吹田市は、インターナショナルスクールなどの非1条校は「私立学校へ進学するときの届出」に該当しないと公式に明記しています。自治体によって窓口の対応は違うので、入学を決める前に必ず教育委員会へ相談してください。
確認はこの順番で進める
先に確かめるほど、あとの手間が減ります。
見学・体験入学で確かめる10のチェック項目
資料でわかることを確かめたら、次は学校に足を運びます。説明会では良い面が中心に語られるので、こちらから聞くことを決めておきます。
見学のときに聞くこと・見ること
聞きにくい質問にどう答えるかで、学校の誠実さがわかります。
体験入学ができる学校なら、必ず参加してください。子ども本人が「ここに通いたい」と感じるかどうかは、どの資料にも書かれていません。帰り道に、楽しかったことと困ったことを両方聞いておくと、判断の材料になります。

すでに通っていて迷っている家庭へ
「このまま続けていいのか」と感じたとき、選択肢は「続ける」か「やめる」かの2つだけではありません。
続ける・やめる以外の3つの道
不安の中身によって、合う道が変わります。
01
一条校の国際系へ移る
卒業資格が不安なら、英語で学べる一条校が候補になります。相模原市のLCA国際小学校や千葉市の幕張インターナショナルスクールは、日本の小学校の卒業資格が出ます。
02
地元の学校+放課後の英語
学費や通学が負担なら、地元の小学校に通い、英語は放課後クラスで続ける方法があります。鎌倉市では5校のうち4校が小学生向けのクラスを持っています。
03
オンラインを組み合わせる
近くに学校がない場合は、オンラインのインターナショナルスクールという道があります。対面の体験は少なくなる点を理解したうえで検討します。
どの道を選ぶ場合も、先に教育委員会へ相談しておくと、学籍の手続きで困りません。
まず、不安の中身を言葉にしてみてください。不安の種類によって、取るべき行動が違うからです。
| いま感じている不安 | 最初にすること | 相談する相手 |
|---|---|---|
| 卒業資格や進学が心配 | 学校の種類と、進学先の受験資格を確かめる | 教育委員会、志望する学校 |
| 学費が続くか心配 | 高校卒業までの総額を計算し直す | 学校の事務室(援助・割引の制度) |
| 日本語の遅れが心配 | 学年相応の読み書きと比べてみる | 担任、日本語の先生 |
| 子どもが学校を嫌がっている | 理由を聞く。英語・友だち・通学のどれかを分けて考える | 担任、学校の相談窓口 |
| 通学がつらい | 片道の時間と、朝の起床時間を見直す | 学校(バスの経路)、家族 |
子どもが学校を嫌がっているときは、理由を決めつけないことが大切です。英語がわからなくて授業がつらいのか、友だちとの関係なのか、朝が早すぎるのかで、対応はまったく違います。学校を移ることが解決になる場合もあれば、ならない場合もあります。
学校を移ると決めたときの手順
日本の学校へ移ると決めた場合も、順番を守れば混乱を減らせます。文部科学省は、こうした子どもが未就学にならないよう、市町村の教育委員会に配慮を求めています。
日本の学校へ移るときの4ステップ
手続きの詳しい流れは、編入・転校の記事で解説しています。
時期は、学年の変わり目に合わせると、子どもの負担が小さくなります。日本の学校は4月始まり、インターナショナルスクールは8月や9月始まりが多いので、ずれが出ます。どの学年に入るかは、年齢をもとに教育委員会と相談して決まります。詳しくはインターナショナルスクールの編入・転校にまとめています。
後悔しにくい学校の選び方
ここまでの7つの理由は、裏返せば学校選びの基準になります。
- 卒業資格を先に決める。日本の卒業資格が必要なら、一条校から探します
- 高校卒業までの学費を計算する。小学校の6年間だけで判断しません
- 通学は片道の時間で決める。学校の評判より、毎日続けられるかを優先します
- 肩書きは原文で確かめる。「認定」「候補」「加盟」の違いを公式サイトで読みます
具体的なチェックの順番は、インターナショナルスクールの選び方で解説しています。
不安の種類で合う通い方が変わる
| 全日制 | 一条校 | 地元校+英語 | |
|---|---|---|---|
| 卒業資格の安心 | × | ○ | ○ |
| 費用の軽さ | × | △ | ○ |
| 英語で過ごす時間 | ○ | △ | △ |
| 通いやすさ | △ | × | ○ |
全日制=各種学校・無認可の全日制インター/一条校=一条校の国際系/地元校+英語=地元の学校に通い、放課後やオンラインで英語を続ける形。○=有利 △=学校・地域による ×=不利。
「全日制のインターに通う」ことだけが、英語で学ぶ方法ではありません。後悔の理由の多くは、全日制の各種学校・無認可の学校を選んだときに起きるものです。一条校の国際系や、地元の学校に通いながら英語を続ける形なら、卒業資格と費用のつまずきは起きにくくなります。
まとめ:後悔を防ぐ3つの問い
最後に、入学を決める前に家族で話し合ってほしい問いを3つにまとめます。1つ目は「この学校は、制度の上でどんな学校か」。2つ目は「高校卒業まで、学費を払い続けられるか」。3つ目は「通えなくなったとき、どこへ移るか」です。
3つとも答えが出ていれば、入学後に起きることの大半は想定の範囲に収まります。答えが出ない問いが残るなら、学校や教育委員会に聞いてから決めても遅くはありません。出願の締め切りに追われて決めるよりも、1年待って確かめてから決めるほうが、結果として子どもの負担は小さくなります。

よくある質問
この記事の内容を確かめるための一次資料
- 文部科学省「就学事務Q&A 11. 学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」(ページ)
- 吹田市「国立・私立小中学校等へ入学する場合の手続き」(ページ)
- Yokohama International School「Tuition & Fees」(ページ)
- Horizon Japan International School「Tuition and Fees」(ページ)
- Osaka International School of Kwansei Gakuin「Fees」(ページ)
- AICJ INTERNATIONAL SCHOOL「大阪校 入学のご案内」(ページ)
- 文部科学省「大学入学資格について」(ページ)
- NIJIN GLOBAL ACADEMY 公式サイト(ページ)


