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特別児童扶養手当は発達障害でも対象?認定基準と申請【2026年版】

2026 10/16
助成金 発達障害
2026年9月10日2026年10月16日

特別児童扶養手当は、発達障害でも対象になります。国が定める障害程度認定基準の「精神の障害」には、発達障害の欄がはっきり設けられています。知的障害をともなわない発達障害も、対象として書かれています。

「知的な遅れがないから、うちは無理だろう」。そう思って申請しないまま終わっているご家庭は、少なくありません。

審査で見られているのは診断名ではありません。毎日の生活に、どれだけ大人の手がかかっているか。その一点です。同じ「自閉スペクトラム症」でも、身のまわりのことが自分でできている子は非該当になります。逆に、常に大人がそばにいないと生活が回らない子は認定されます。

いま、やることは3つだけです

  1. 市区町村の窓口に電話して、診断書の様式(様式第4号)をもらう(相談は挟まなくて大丈夫です)
  2. 家での困りごとをメモに書き出す(食事、着替え、パニックの頻度など)
  3. メモを持って受診の予約を取る

「申請する=障害を認めること」ではありません

診断が出たばかりだと、手続きを始めること自体がためらわれると思います。ただ、この手当が見ているのはいま、この子の生活にどれだけ手がかかっているかという事実だけです。子どもの将来を決める判定でも、レッテルでもありません。しかも支給は請求した月の翌月分からで、さかのぼりはできません。迷っている期間は、そのまま受け取れない月になります。

目次

そもそも、どんな手当?いくらもらえる?

障害のある20歳未満の子を育てている保護者に、国から出るお金です。月額は1級58,450円、2級38,930円。

受け取るのは子ども本人ではなく、保護者です。対象は、20歳未満で精神または身体に政令で定める程度の障害がある子を育てている父母、または父母に代わって養育している人です。

2026年(令和8年)4月分からの月額は、埼玉県や群馬県の案内のとおりです。

等級 月額(令和8年4月分から) 状態のめやす
1級 58,450円 日常生活で常に他人の介助・保護を受けなければ、ほとんど自分のことができない程度
2級 38,930円 他人の助けを借りる必要まではないが、日常生活が極めて困難な程度

振り込みは年3回です。4月(12〜3月分)、8月(4〜7月分)、11月(8〜11月分)に、4か月分がまとめて入ります。1級なら1回あたり23万円ほどがまとめて動く、という感覚です。

支給が始まるのは、認定請求をした日の属する月の翌月分から。過去にさかのぼって受け取ることはできません。

認定請求(にんていせいきゅう)とは、書類をそろえて「この子は対象になりますか」と正式に申し込むことです。窓口で相談しただけでは、この日付は動きません。書類を出した月が起点になります。
費用と負担のイメージ
手当の額は年度ごとに改定されます。必ず最新の案内で確認してください

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発達障害でも、本当に対象になる?

なります。認定基準に発達障害の欄があり、知能指数の要件は書かれていません。

障害程度認定基準の「精神の障害」には、発達障害についてこう書かれています。

等級 発達障害の認定基準(原文)
1級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動が見られるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
2級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動が見られるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの

読み替えるとこうなります。1級は「常に援助が要る」、2級は「援助が要る」。差はここです。IQでも診断名でもありません。

知的障害には別の基準があります。2級は「食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要」で、かつ「会話による意思の疎通が簡単なものに限られる」とされています。

同じ基準には、「併存する他の精神障害がある場合は、併合認定の取扱いは行わず、総合的に判断して認定する」とも明記されています。自閉スペクトラム症とADHDがあり、そこに不安症状も重なっている。そんなお子さんは、足し算ではなく、全体でどれだけ生活が難しいかで見てもらえるということです。

手帳がないけど、申請できる?

できます。手帳がなくても、診断書があれば申請できます。

入口は2つあると考えてください。診断書で申請する道と、重度の手帳で診断書を省く道です。

東京都心身障害者福祉センターは、精神の障害として「自閉スペクトラム症等により日常生活に著しい制限を受ける方等」を対象に挙げています。提出された診断書をもとに、都の医師が審査して認定します。手帳の有無は入口の条件になっていません。

逆に、重度の手帳があれば診断書を省略できることがあります。札幌市は、療育手帳のA判定などでその扱いをしています。

診断書は障害の種類ごとに様式が分かれます。知的障害・精神の障害(発達障害を含む)は様式第4号です。

気をつけたいのが期限です。有効期間を「作成日から2か月以内」とする自治体が多く、書いてもらってから提出まで空くと無効になります。受診予約を取る前に、窓口で期限を聞いてください。

子どもの話を聴く
認定で見られるのは診断名ではなく、日常生活にどれだけ援助が必要かです

うちの収入だと、対象外?

見られるのは親だけではありません。同居している祖父母の所得でも止まります。

所得制限は、受給者本人・配偶者・同居している扶養義務者(祖父母や兄姉など)それぞれの前年所得を見ます。いずれか1人でも限度額以上だと、その年度(8月から翌年7月まで)は支給が停止されます。

同居の祖父母の所得で止まるケースがあるのは、このためです。神奈川県や大阪府が示す限度額は次のとおりです。

扶養親族等の数 受給者本人 配偶者・扶養義務者
0人 4,596,000円未満 6,287,000円未満
1人 4,976,000円未満 6,536,000円未満
2人 5,356,000円未満 6,749,000円未満
3人 5,736,000円未満 6,962,000円未満

扶養する人が1人増えるごとに、枠は広がります。本人は38万円、配偶者・扶養義務者は21万3千円が加算されます。きょうだいが生まれれば、その分だけ通りやすくなるということです。

ここで大事なのは、この「所得」が年収そのものではないことです。給与所得控除などを引いたあとの額に、各種控除を加味したものを指します。年収の数字だけを見て「うちは無理」と決めないでください。窓口で計算してもらえます。

もし止まっても、受給資格そのものは残ります。翌年の所得が下がれば、また支給が始まります。

申請は、どう進むの?

窓口は市区町村ですが、認定するのは都道府県です。5つの段階があります。

  1. 市区町村の窓口で様式をもらう。障害福祉課や子ども福祉課などが担当です。診断書の様式(様式第4号)と、自治体ごとの必要書類・期限を確認します。
  2. 診断書を書いてもらう。知的障害用の診断書では、知能検査の結果は過去2年以内に実施したものを求める自治体があります。検査から時間が経っていれば取り直しが必要です。
  3. 書類をそろえて認定請求する。認定請求書、診断書、請求者と対象児童の戸籍謄本(交付から1か月以内)、請求者名義の預金通帳、マイナンバー確認書類、本人確認書類などです。
  4. 都道府県知事(政令市は市長)の審査を待つ。窓口は市区町村ですが、認定するのは都道府県です。
  5. 認定後の有期再認定に備える。障害の種類や程度により1〜2年の有期認定になることがあり、期限が来ると診断書を出し直します。
有期認定(ゆうきにんてい)とは、期限つきの認定のことです。1〜2年で区切られ、そのたびに診断書を出し直します。一度通れば20歳まで続く、という制度ではありません。

どんなときに、落ちる?

いちばん多いのは、診断書に「困っている場面」が書かれていないケースです。

まず、診断書の内容にかかわらず対象外になるものが3つあります。

  • 児童が日本国内に住所を有しないとき
  • 児童が障害を理由とする公的年金を受けられるとき
  • 児童が児童福祉施設等に入所しているとき(通園施設は除く)

ここに当てはまらなければ、勝負は診断書の中身です。

基準が見ているのは援助の必要度でした。診断名と検査値だけが並んだ診断書では、生活の様子が伝わりません。医師が知っているのは診察室での短い時間だけです。家庭でしか見えないことは、こちらから伝えないと載りません。

受診の前に、こんなことをメモにして渡してください。記載が具体的になります。

  • 食事・着替え・入浴・排泄・持ち物の管理で、どこまで大人が手を出しているか
  • パニック、飛び出し、自傷・他害などがどのくらいの頻度で起きているか
  • 予定変更や感覚刺激で崩れたとき、落ち着くまでにどれくらいかかるか
  • 学校で受けている配慮(別室・支援員・通級・特別支援学級など)
  • 保護者が仕事や生活をどこまで調整して対応しているか

有期再認定のときも同じです。状態は変わっていないつもりでも、診断書の書き方が前回より簡潔になっただけで、等級が下がったり非該当になったりします。更新のたびに、生活の様子を書き出して医師に渡してください。

障害児福祉手当と、どう違う?

別の手当です。そして、両方同時に受けられます。

名前が似ていて混同されやすいので、並べて比べます。

特別児童扶養手当 障害児福祉手当
誰に支給されるか 監護している父母または養育者 障害のある児童本人
対象 20歳未満で中度以上の障害がある児童 20歳未満で重度の障害があり、日常生活で常時の介護を必要とする在宅の児童
月額 1級58,450円/2級38,930円 16,560円
支給月 4月・8月・11月(年3回) 2月・5月・8月・11月(年4回)

ちがいは2つです。お金を受け取る人(保護者か、子ども本人か)と、対象の幅です。障害児福祉手当のほうが対象は狭く、「常時の介護を必要とする」重度の状態が要件になります。

金額は横浜市が令和8年4月現在で月額16,560円と案内しています。

そして併給はできます。下妻市は「この手当と児童扶養手当、こども手当、障害児福祉手当との併給は可能です」と明記しています。

ただし、担当窓口が分かれていることが多いのが落とし穴です。片方を申請しただけでは、もう片方を案内されないことがあります。相談のときに「両方の対象になりますか」と自分から聞いてください。

記入する書類
診断書は所定の様式。日ごろの困りごとを具体的に伝えておくと精度が上がります

よくある質問

Q. 知的な遅れがなく、IQも標準域です。それでも対象になりますか。

認定基準の発達障害の欄に、知能指数の要件は書かれていません。見られるのは「社会性やコミュニケーション能力」と「不適応な行動」、そして日常生活への適応に援助が必要かどうかです。IQが標準域でも、こだわりや感覚過敏、不適応行動によって常時の援助が要る状態であれば対象になりえます。分かれ目は、その状態が診断書に書かれているかどうかです。

Q. 不登校の状態は、審査で考慮されますか。

不登校そのものは認定要件ではありません。ただし基準が見ているのは日常生活への適応です。登校できない背景に集団場面での不適応や感覚の問題があり、家庭で常時の対応が必要になっているなら、それは診断書に書かれるべき実態です。「学校に行けていません」で終わらせないでください。

Q. 一度非該当になりました。もう申請できませんか。

もう一度、認定請求できます。認定は請求時点の状態で判断されるためです。状態が変わった場合や、前回の診断書に生活の実態が十分書かれていなかった場合は、結果が変わることがあります。ただし支給は請求した月の翌月分からです。窓口で前回の判定理由を確認したうえで、早めに動いてください。

Q. 手当を受けると、他の支援が受けられなくなりませんか。

この手当を受けたことを理由に、放課後等デイサービスや通級指導の利用が制限される仕組みはありません。反対に、受給していることを独自の福祉サービスや医療費助成の対象判定に使っている自治体もあります。お住まいの自治体の案内をあわせて確認してください。

今日できることは、ひとつだけです

市区町村の窓口に電話して、診断書の様式をもらってください。それだけで進みます。

伝える言葉は決まっています。「特別児童扶養手当の診断書の様式をもらいたい」。相談を挟まなくても、様式は受け取れます。

手にすると、医師に何を書いてもらう必要があるかが具体的に見えてきます。そのうえで受診予約を取り、家庭での様子のメモを持っていく。それだけで診断書の中身が変わります。

そのあと、余力があれば次の3つも並行して考えておくと動きやすくなります。

  • 障害児福祉手当も対象か聞く
    窓口が別なことが多いので、自分から尋ねないと案内されません。
  • 知能検査の実施日を確認しておく
    過去2年以内のものを求める自治体があります。古ければ取り直しに時間がかかります。
  • 子どもが日中を過ごす場所も並べておく
    放課後等デイ、フリースクール、それからNIJIN放課後プロジェクトスクールのように、家から参加できるオンラインの居場所もあります。

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