毎朝の付き添い、教室での待機、仕事との両立。子どものためにと走り続けて、気づけば自分がへとへとになっていませんか。この記事は、お子さんではなく『あなた』を休ませるための記事です。
付き添い登校で疲れた親の休み方——まず知ってほしいこと

付き添い登校や母子登校は、外からは見えにくい負担の連続です。玄関で足が止まるお子さんに寄り添い、教室のうしろで一緒に過ごし、帰宅すればいつまた行き渋るかと気を張る。仕事を早退したり、下のお子さんの世話を調整したり、家事も止まらない。それを何週間も、ときには何か月も続けているうちに、心と体がすり減っていくのは当然のことです。
なぜこんなに疲れるのか。付き添い登校は『子どもが安心するまで親がそばにいる』という関わりで、これ自体はとても大切な支えです。ただ、支える側の親には休憩がありません。子どもの不安を受け止め続ける役割は、感情のエネルギーを大量に使います。さらに『いつまで続くのか』という先の見えなさが、疲れを何倍にもします。つまり、あなたが弱いから疲れているのではなく、休みなく重い役割を担い続けているから疲れているのです。
そしてもう一つ知ってほしいのは、親が倒れてしまっては付き添いそのものが続かない、ということです。親が少し休んで穏やかさを取り戻すことは、遠回りに見えて、実はお子さんの安心にも直結します。あなたが休むことは、わがままでも手抜きでもありません。
ひとりで抱えないで
毎日ほんとうによくやっています。まずはその事実を、あなた自身が認めてあげてください。付き添いをひとりで抱え込まないで、どうか頼れる先を一緒に探していきましょう。
よくあるサイン

お子さんのサインには敏感でも、自分の限界のサインは見逃しがちです。次のような『保護者自身の疲れのサイン』が出ていないか、そっと確認してみてください。
- 朝がいちばんつらい:目が覚めた瞬間に『また今日も』と気が重く、起き上がるのがしんどい。
- 眠れない・眠りが浅い:疲れているのに寝つけない、夜中に目が覚めて子どものことを考えてしまう。
- 涙が出やすい:些細なことで泣けてくる、または何も感じなくなって気持ちが平らになっている。
- イライラが止まらない:本当はやさしくしたいのに、子どもや家族につい強い口調が出てしまう。
- 楽しめない・食べられない:好きだったことに興味がわかない、食欲がない、または食べすぎてしまう。
- 『私がしっかりしなきゃ』が口ぐせ:頼ることに罪悪感があり、しんどいと言えずに全部背負い込んでいる。
これらのいくつかが2週間ほど続くようなら、それは『あなたが休む番』が来ているサインです。がんばりの不足ではなく、休息の不足だと受け取ってください。
うちの子は当てはまる?チェックリスト
疲れを軽くする第一歩は、抱え込みを分けることです。今日から少しずつできる『休み方・頼り方』のチェックです。
- 付き添いの範囲を決める:『教室まで』『昇降口まで』など、どこまで付き添うかを毎日ではなく段階で決め、それ以上は無理をしないと自分に許可を出す。
- 誰かに5分だけ話す:家族、友人、SC(スクールカウンセラー)など、解決でなく『聞いてもらう』相手を一人つくる。
- 送り迎えを分担する:配偶者・祖父母・ファミサポなど、週に一度でも代わってもらえる日をつくる。
- 自分の休息時間を予定に入れる:帰宅後の15分、子が学校にいる間の一杯のお茶など、休む時間を『予定』として先に確保する。
- できない日があってよいと決める:付き添えない日、家事が回らない日があっても『それでいい』と前もって決めておく。
- 自分を責める言葉に気づく:『私のせい』『もっとできるはず』という考えが浮かんだら、いったん保留にして深呼吸する。
チェックの見方
全部できなくて大丈夫です。ひとつでも当てはまって『やってみようかな』と思えたら、それだけで十分に前進しています。チェックは自分を採点するためではなく、休むきっかけを見つけるためのものです。
やってしまいがちな対応と、その注意点
まじめでやさしい保護者ほど、自分を追い込む対応をしてしまいがちです。もし当てはまっても責めず、少しだけゆるめる方向に切り替えていきましょう。
- 毎日フルで付き添おうとする:『休むと後戻りする』と考えて休みなく続けると、親が先に限界を迎え、結果的に支えが途切れてしまう。休息は後退ではなく持続のための投資です。
- 自分の不調を後回しにする:『子どもが先』とすべてを子ども優先にすると、親の心身が削れて笑顔が消え、家庭全体の空気が張りつめてしまう。
- 誰にも弱音を吐かない:『心配をかけたくない』と抱え込むほど孤立し、疲れが見えないまま深刻化する。弱音は助けを呼ぶ大切な合図です。
- 他の家庭と比べて焦る:順調そうな子と比べて『うちだけ』と感じると、あなたの努力もお子さんの歩みも見えなくなってしまう。比べる相手は昨日の自分で十分です。
してあげたい関わり(具体的な声かけ例つき)

NG例 → OK例
『私ががんばらないとこの子はだめになる』 → 『私が元気でいることが、この子の安心になる』
『休むなんて甘えだ、もっとやらなきゃ』 → 『ここまでよくやった、少し休んで立て直そう』
『こんなことで疲れる自分が情けない』 → 『これだけのことを続けていれば疲れて当たり前だ』
声かけは、お子さんへだけでなく『自分自身へ』も大切です。あわせて、日々の負担を分けるための工夫も持っておきましょう。
- 『助けて』を先に言う練習:限界まで我慢せず、まだ余力があるうちに周囲へSOSを出す。早めの相談ほど選べる手段が多い。
- 家事のハードルを下げる:総菜や冷凍、時短家電に頼り、『ちゃんとやる』を一時的に手放す。回復期は最低限で十分です。
- きょうだいや家族と役割を分ける:送りは父、迎えは祖母など、一人に集中しがちな役割を見える化して分担する。
回復への道すじ——3つの段階
第1段階 とにかく休む
まずは親自身の睡眠と食事を守り、付き添いを最小限に絞る。罪悪感が出ても『今は充電期間』と割り切り、心身の底を上げることを最優先にします。
第2段階 頼り先を増やす
担任・SC・家族・地域の支援など、頼れる相手を一つずつ増やす。負担を分散させ、あなた一人で抱える構造そのものを変えていきます。
第3段階 少しずつ手を離す
お子さんの様子を見ながら、付き添いの範囲を段階的にゆるめる。親子とも無理のないペースで、双方が自分の時間を取り戻していきます。
学校との連携の進め方
付き添いの負担は、学校と相談することで大きく変わることがあります。遠慮せず、次の順で話してみましょう。
- 担任と現状を共有する:毎朝の付き添いで親がどれだけ消耗しているかを具体的に伝える。『親が限界に近い』ことも、子どもの状況と同じくらい大切な情報です。
- スクールカウンセラー(SC)へつなぐ:お子さんだけでなく保護者自身の相談窓口としてSCを活用する。予約は担任や学校を通して申し込めます。
- 柔軟な登校・合理的配慮を相談する:登校時間をずらす、別室で過ごす、途中で帰るなど、親子の負担を減らす形を学校と一緒に探す。無理のない登校の形は相談できます。
- 送り迎えの負担軽減を具体的に相談する:教室まででなく昇降口で先生が引き継ぐ、付き添いを週の一部にする、地域の見守りを使うなど、親の負担を減らす方法を提案してもらう。
相談先・受診を考える目安
眠れない・食べられない状態や気持ちの落ち込みが2週間以上続く、涙が止まらない、何も感じない、といった様子が生活に影響しているなら、保護者自身が医療や相談機関を頼るタイミングかもしれません。これは弱さではなく、家族を守るための大切な選択です。お子さんのことで今すぐ話を聞いてほしいときは、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)も利用できます。
にじいろが大切にしていること
付き添い登校の日々は、時間割やテストでは決して測れないものです。子どもの隣で不安に寄り添った時間、何度も自分を奮い立たせた朝、それでも手放さなかったやさしさ。それらは、数値で測られる学びから、経験で語れる学びへと、親子で歩んできた確かな道のりです。だからこそ、その道を歩き続けるあなた自身を、どうか大切に休ませてあげてください。にじいろは、お子さんだけでなく、支えるあなたのことも応援しています。
動画で見る|【不登校】夏休み明けに増えるのは「子どもが急に行きたくなくなる」からではありません。子どもが学校に行けなくなるまでの本当の理由
学校以外にも、その子に合う学びの場があります
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学校とのやりとりは、担任個人の考え方に左右されやすい部分です。だからこそ国が学校に何を求めているかを知っておくと、話が噛み合いやすくなります。「認めてください」ではなく「要件を満たすには何を用意すればよいですか」と聞くのが、実務上いちばん通ります。
下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| 文部科学省「生徒指導提要」 | 学校の生徒指導の基本方針(改訂版) |
| 文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業」 | SC・SSWの役割と配置の考え方 |
| 文部科学省「就学援助」 | 学用品費・給食費などの経済的支援 |
| 文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」 | 小中の不登校353,970人。全国の最新の実数 |
| 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」 | 「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針 |
| 同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合) | 教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件 |
| 同 別記2(自宅でICT等を活用した学習) | 自宅学習を出席扱いにする7つの要件 |
| 文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」 | 2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件 |
| 文部科学省「COCOLOプラン」 | 誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策 |
| 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」 | 全国1,045市区町村の公式相談窓口 |
| 教育機会確保法(e-Gov法令検索) | 第13条が「休養の必要性」を条文で認めている |
| こども家庭庁「子育て支援」 | 子育て世帯が使える支援制度の全体像 |
| 国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」 | 研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料 |
学校に相談するときの進め方
① 支援の目標をすり合わせる
「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。
② 具体的な場所を挙げる
「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。
③ 出席扱いの要件を一緒に確認する
「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。
④ 決めたことを記録に残す
面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
家庭でいまできること
制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。
いま家庭で確かめておきたいこと
睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)
食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか
頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)
「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか
保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか
学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか
声のかけ方で迷ったときは
「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。
逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。
| 相談先 | 聞けること | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー) | 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 | 無料 | まず学校での配慮を相談したいとき |
| 教育支援センター(市区町村) | 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い | 原則無料 | 学校の外に一歩を踏み出したいとき |
| フリースクール(民間) | 体験活動中心の居場所、少人数の学び | 月1〜5万円程度 | 興味や「やってみたい」から入りたいとき |
| オンライン | 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 | スクールにより異なる | 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき |
| 医療機関(小児科・児童精神科) | 体の不調の背景、診断と治療 | 保険診療 | 睡眠・食事・体の症状が続くとき |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者どちらの相談も | 無料・24時間 | いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310) |
どこから始めればいいか迷ったら

