付き添い登校で限界のあなたへ。親が休むことが子どもの安心につながる理由

付き添い登校

毎朝の付き添い、教室での待機、仕事との両立。子どものためにと走り続けて、気づけば自分がへとへとになっていませんか。この記事は、お子さんではなく『あなた』を休ませるための記事です。

不登校・行き渋り 最終更新 2026.08.02

付き添い登校で疲れた親の休み方——まず知ってほしいこと

玄関で靴を履く小学生の子どもを、そばにしゃがんで見守っている保護者

付き添い登校や母子登校は、外からは見えにくい負担の連続です。玄関で足が止まるお子さんに寄り添い、教室のうしろで一緒に過ごし、帰宅すればいつまた行き渋るかと気を張る。仕事を早退したり、下のお子さんの世話を調整したり、家事も止まらない。それを何週間も、ときには何か月も続けているうちに、心と体がすり減っていくのは当然のことです。

なぜこんなに疲れるのか。付き添い登校は『子どもが安心するまで親がそばにいる』という関わりで、これ自体はとても大切な支えです。ただ、支える側の親には休憩がありません。子どもの不安を受け止め続ける役割は、感情のエネルギーを大量に使います。さらに『いつまで続くのか』という先の見えなさが、疲れを何倍にもします。つまり、あなたが弱いから疲れているのではなく、休みなく重い役割を担い続けているから疲れているのです。

そしてもう一つ知ってほしいのは、親が倒れてしまっては付き添いそのものが続かない、ということです。親が少し休んで穏やかさを取り戻すことは、遠回りに見えて、実はお子さんの安心にも直結します。あなたが休むことは、わがままでも手抜きでもありません。

ひとりで抱えないで

毎日ほんとうによくやっています。まずはその事実を、あなた自身が認めてあげてください。付き添いをひとりで抱え込まないで、どうか頼れる先を一緒に探していきましょう。

よくあるサイン

頬に手を当て、疲れた表情で考えこんでいる保護者

お子さんのサインには敏感でも、自分の限界のサインは見逃しがちです。次のような『保護者自身の疲れのサイン』が出ていないか、そっと確認してみてください。

  • 朝がいちばんつらい:目が覚めた瞬間に『また今日も』と気が重く、起き上がるのがしんどい。
  • 眠れない・眠りが浅い:疲れているのに寝つけない、夜中に目が覚めて子どものことを考えてしまう。
  • 涙が出やすい:些細なことで泣けてくる、または何も感じなくなって気持ちが平らになっている。
  • イライラが止まらない:本当はやさしくしたいのに、子どもや家族につい強い口調が出てしまう。
  • 楽しめない・食べられない:好きだったことに興味がわかない、食欲がない、または食べすぎてしまう。
  • 『私がしっかりしなきゃ』が口ぐせ:頼ることに罪悪感があり、しんどいと言えずに全部背負い込んでいる。

これらのいくつかが2週間ほど続くようなら、それは『あなたが休む番』が来ているサインです。がんばりの不足ではなく、休息の不足だと受け取ってください。

うちの子は当てはまる?チェックリスト

疲れを軽くする第一歩は、抱え込みを分けることです。今日から少しずつできる『休み方・頼り方』のチェックです。

  • 付き添いの範囲を決める:『教室まで』『昇降口まで』など、どこまで付き添うかを毎日ではなく段階で決め、それ以上は無理をしないと自分に許可を出す。
  • 誰かに5分だけ話す:家族、友人、SC(スクールカウンセラー)など、解決でなく『聞いてもらう』相手を一人つくる。
  • 送り迎えを分担する:配偶者・祖父母・ファミサポなど、週に一度でも代わってもらえる日をつくる。
  • 自分の休息時間を予定に入れる:帰宅後の15分、子が学校にいる間の一杯のお茶など、休む時間を『予定』として先に確保する。
  • できない日があってよいと決める:付き添えない日、家事が回らない日があっても『それでいい』と前もって決めておく。
  • 自分を責める言葉に気づく:『私のせい』『もっとできるはず』という考えが浮かんだら、いったん保留にして深呼吸する。

チェックの見方

全部できなくて大丈夫です。ひとつでも当てはまって『やってみようかな』と思えたら、それだけで十分に前進しています。チェックは自分を採点するためではなく、休むきっかけを見つけるためのものです。

やってしまいがちな対応と、その注意点

まじめでやさしい保護者ほど、自分を追い込む対応をしてしまいがちです。もし当てはまっても責めず、少しだけゆるめる方向に切り替えていきましょう。

  • 毎日フルで付き添おうとする:『休むと後戻りする』と考えて休みなく続けると、親が先に限界を迎え、結果的に支えが途切れてしまう。休息は後退ではなく持続のための投資です。
  • 自分の不調を後回しにする:『子どもが先』とすべてを子ども優先にすると、親の心身が削れて笑顔が消え、家庭全体の空気が張りつめてしまう。
  • 誰にも弱音を吐かない:『心配をかけたくない』と抱え込むほど孤立し、疲れが見えないまま深刻化する。弱音は助けを呼ぶ大切な合図です。
  • 他の家庭と比べて焦る:順調そうな子と比べて『うちだけ』と感じると、あなたの努力もお子さんの歩みも見えなくなってしまう。比べる相手は昨日の自分で十分です。

してあげたい関わり(具体的な声かけ例つき)

家の中で子どもをそっと抱きしめている保護者

NG例 → OK例

『私ががんばらないとこの子はだめになる』 → 『私が元気でいることが、この子の安心になる』
『休むなんて甘えだ、もっとやらなきゃ』 → 『ここまでよくやった、少し休んで立て直そう』
『こんなことで疲れる自分が情けない』 → 『これだけのことを続けていれば疲れて当たり前だ』

声かけは、お子さんへだけでなく『自分自身へ』も大切です。あわせて、日々の負担を分けるための工夫も持っておきましょう。

  • 『助けて』を先に言う練習:限界まで我慢せず、まだ余力があるうちに周囲へSOSを出す。早めの相談ほど選べる手段が多い。
  • 家事のハードルを下げる:総菜や冷凍、時短家電に頼り、『ちゃんとやる』を一時的に手放す。回復期は最低限で十分です。
  • きょうだいや家族と役割を分ける:送りは父、迎えは祖母など、一人に集中しがちな役割を見える化して分担する。

回復への道すじ——3つの段階

1

第1段階 とにかく休む

まずは親自身の睡眠と食事を守り、付き添いを最小限に絞る。罪悪感が出ても『今は充電期間』と割り切り、心身の底を上げることを最優先にします。

2

第2段階 頼り先を増やす

担任・SC・家族・地域の支援など、頼れる相手を一つずつ増やす。負担を分散させ、あなた一人で抱える構造そのものを変えていきます。

3

第3段階 少しずつ手を離す

お子さんの様子を見ながら、付き添いの範囲を段階的にゆるめる。親子とも無理のないペースで、双方が自分の時間を取り戻していきます。

学校との連携の進め方

付き添いの負担は、学校と相談することで大きく変わることがあります。遠慮せず、次の順で話してみましょう。

  • 担任と現状を共有する:毎朝の付き添いで親がどれだけ消耗しているかを具体的に伝える。『親が限界に近い』ことも、子どもの状況と同じくらい大切な情報です。
  • スクールカウンセラー(SC)へつなぐ:お子さんだけでなく保護者自身の相談窓口としてSCを活用する。予約は担任や学校を通して申し込めます。
  • 柔軟な登校・合理的配慮を相談する:登校時間をずらす、別室で過ごす、途中で帰るなど、親子の負担を減らす形を学校と一緒に探す。無理のない登校の形は相談できます。
  • 送り迎えの負担軽減を具体的に相談する:教室まででなく昇降口で先生が引き継ぐ、付き添いを週の一部にする、地域の見守りを使うなど、親の負担を減らす方法を提案してもらう。

相談先・受診を考える目安

眠れない・食べられない状態や気持ちの落ち込みが2週間以上続く、涙が止まらない、何も感じない、といった様子が生活に影響しているなら、保護者自身が医療や相談機関を頼るタイミングかもしれません。これは弱さではなく、家族を守るための大切な選択です。お子さんのことで今すぐ話を聞いてほしいときは、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)も利用できます。

にじいろが大切にしていること

付き添い登校の日々は、時間割やテストでは決して測れないものです。子どもの隣で不安に寄り添った時間、何度も自分を奮い立たせた朝、それでも手放さなかったやさしさ。それらは、数値で測られる学びから、経験で語れる学びへと、親子で歩んできた確かな道のりです。だからこそ、その道を歩き続けるあなた自身を、どうか大切に休ませてあげてください。にじいろは、お子さんだけでなく、支えるあなたのことも応援しています。

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目次

この記事の内容を確かめるための一次資料

学校とのやりとりは、担任個人の考え方に左右されやすい部分です。だからこそ国が学校に何を求めているかを知っておくと、話が噛み合いやすくなります。「認めてください」ではなく「要件を満たすには何を用意すればよいですか」と聞くのが、実務上いちばん通ります。

下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。

このテーマに関わる公的資料
資料何がわかるか
文部科学省「生徒指導提要」学校の生徒指導の基本方針(改訂版)
文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業」SC・SSWの役割と配置の考え方
文部科学省「就学援助」学用品費・給食費などの経済的支援
文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」小中の不登校353,970人。全国の最新の実数
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針
同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合)教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件
同 別記2(自宅でICT等を活用した学習)自宅学習を出席扱いにする7つの要件
文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件
文部科学省「COCOLOプラン」誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策
文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」全国1,045市区町村の公式相談窓口
教育機会確保法(e-Gov法令検索)第13条が「休養の必要性」を条文で認めている
こども家庭庁「子育て支援」子育て世帯が使える支援制度の全体像
国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料

学校に相談するときの進め方

1

① 支援の目標をすり合わせる

「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。

2

② 具体的な場所を挙げる

「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。

3

③ 出席扱いの要件を一緒に確認する

「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。

4

④ 決めたことを記録に残す

面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター全国1,045市区町村の窓口一覧

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

よくある質問(FAQ)

付き添いを休むと、子どもが後戻りしませんか?
一時的に不安が強まることはあっても、親が穏やかさを取り戻すことは長い目で見て安心につながります。休むことは後退ではなく、支え続けるための準備です。段階的に、無理のない範囲で調整していきましょう。
親が休むことに罪悪感があって休めません。
『子どものために』休むと考えてみてください。あなたが元気でいることは、お子さんにとって一番の安心材料です。罪悪感は、それだけ真剣に向き合ってきた証でもあります。
誰に相談すればいいか分かりません。
まずは担任に現状を伝え、スクールカウンセラーにつないでもらうのが始めやすい方法です。SCは保護者自身の相談にも応じてくれます。家族や地域の支援も少しずつ広げていきましょう。
仕事があり、これ以上付き添いを続けられそうにありません。
限界を我慢する必要はありません。送り迎えの分担や登校時間の調整など、負担を減らす形を学校と相談できます。『続けられない』と正直に伝えることも、大切な一歩です。
自分が疲れているかどうか、よく分かりません。
眠れない、涙が出やすい、イライラする、何も楽しめない、といった状態が続いていたら疲れのサインです。子どもだけでなく、自分の心と体にも同じやさしさを向けてあげてください。

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本記事は保護者の方へ向けた一般的な情報提供を目的としたもので、特定の診断や治療を示すものではありません。お子さんの状態には個人差があります。気になる様子が続くときは、学校やスクールカウンセラー、専門の相談機関にご相談ください。緊急時やつらい気持ちが強いときは、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)などの窓口もご利用いただけます。
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