「2学期からは学校に行く!」と本人は言っているけれど、新学期が近づくにつれて様子が怪しかったり、話題を避けるようになったり……。「口ではそう言うけれど、本当に大丈夫かな?」「もしかして、その場しのぎの嘘なのかな?」と、モヤモヤしたり不安になってしまうこと、ありませんか?
動き出せない姿を見ると「このまま夏休みが終わったらどうなるんだろう」と焦ってしまいますが、それはお子さんからの「嘘」ではなく、心と体の必死なサインかもしれません。
この記事では、不登校を少し前向きに捉え直しながら、夏休み終盤に揺れ動く子どもの心の変化や、時間のある夏休みのうちに知っておきたい神奈川県内の具体的な学びの選択肢について優しくお伝えします。
「2学期からは行く」って言ったのに…!それって場所に「嘘」なの?
- 急にだまりこむ・会話が減り部屋に閉じこもる
- 朝起きられず、昼夜逆転や体調不良(頭痛・腹痛・体のだるさ)が増えてくる
- 「夏休みが終わる」「2学期」「学校」の話題を極端に避ける・表情が暗くなる
- ゲームやスマホばかりしている(※現実の不安やストレスから心を休めようとしている状態です)
- 宿題や新学期の準備に対して無気力・手につかない
- 友達からの誘いを断るなど、外とのつながりや外出を嫌がるようになる
夏休み前半は穏やかに過ごしていたのに、2学期が近づくにつれて様子が変わってくる……。この状況、親御さんとしては「場所に大丈夫なの?」と不安が募ってしまいますよね。
ですが、国や専門機関の支援指針でも「不登校は甘えや怠けではなく、頭では分かっていても体が動かない心の状況である」ということが明確に示されています。
「不登校は特定の児童生徒にのみ起こるものではなく、誰にでも起こり得るものです。不登校は甘えや怠けではなく、頭では『行かなければ』と分かっていても動けないというのが、子どもの心の状況です。児童生徒の意思を十分に尊重し、個々の状況に応じた柔軟な支援を行うことが求められています」
—— 出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について/COCOLOプラン」 より要約つまり、「学校へ行く」と言った言葉自体に嘘はなく、新学期が近づくにつれて行きたい気持ちと行けない不安が激しく葛藤している状態なのです。プレッシャーを感じて一番ショックを受け、悩んでいるのはお子さん自身です。まずは「2学期に向けて心の中で必死に葛藤しているんだな」と、その気持ちを受け止めてあげたいですね。
夏休みに起きる、子どもの心の中の3つの変化
夏休みから2学期へ向かう時期、子どもの心の中ではどのような変化が起きているのでしょうか。
「2学期からは行かなきゃ」という焦りと、体が重く動かない現実に板挟みになり、自分を責めています。
期待に応えられない罪悪感から、「行く」と口では言いつつも、親の表情を敏感に探っています。
元のクラスに戻る以外の「自分らしくいられる居場所」があることを知ると、少しずつ心が落ち着きます。
2学期に向けて焦る気持ちが出てきたら、まずは夏休みのうちに以下の小さなステップから始めてみませんか?
2学期の登校について問い詰めず、まずは夏休みを穏やかに過ごせる環境づくりを最優先にします。
子どもに提案するためではなく、「学校以外の道もある」と親自身が安心するために資料請求や見学予約をしてみます。
どんな進路を選んでも受け止める準備があることだけを、日常会話の中でさりげなく伝えておきます。
夏休みのうちに知っておきたい神奈川県の「新しい学びの場」と行政支援
「元のクラスに戻るか、休むか」の二択だけではありません。時間に少し余裕のある夏休みのうちに、一人ひとりの個性や体調に合わせて選べる選択肢を知っておくことが、親の安心に繋がります。
「選択肢が多くてどこから手を付ければいいかわからない…」という場合は、お子さんの「今の心のエネルギー量」と「好きな過ごし方」を基準に考えてみるのがおすすめです。
※機関や施設によっては、夏休み期間中に保護者の方のみの事前相談や、見学・体験を受け付けているところもあります。状況により対応が異なりますので、まずは一度お問い合わせの上、情報収集から始めてみてください。すぐに利用や入校を決める必要はありません。
各自治体の教育委員会が運営する公的な支援施設です。専門のカウンセラーや指導員が常駐し、学習支援や心のケアを行っています。原則として無料で利用でき、在籍校の出席扱いにも繋がる安心の選択肢です。
文部科学省の指定を受け、特別なカリキュラムで学べる正規の小・中学校(一条校)です。授業時間を抑え、少人数で一人ひとりのペースに合わせた指導で無理なく卒業資格を取得できます。
民間企業やNPOが運営する多様な居場所です。体験活動中心、アットホームな居場所、学習サポート重視、自然体験型、オンライン型など、お子さんの個性や体調に合わせて選べます。
(川崎市)
「子ども夢パーク」内。のびのび遊んで過ごせる居場所。
(横浜市)
地域の温かい目で見守られる安心の生活・活動空間。
(県内各地)
自分のペースで過ごしながら学習や会話を楽しめる場所。
(全国・自宅から参加)
家から参加できるバーチャル校舎。高い出席扱い認定実績。
(茅ヶ崎市)
カリキュラムなし。「何をするか」を自分で決める学び場。
(横浜校等)
通信制高校へのスムーズな進学や将来を見据えた手厚い支援。
現在、神奈川県から保護者の方へ直接支給される補助金制度はありませんが、各市町村によっては独自に利用料等の補助金・助成金制度を設けている場合があります。
まずは、お住まいの自治体(市町村)で支援制度が実施されているか確認してみることをおすすめします。
- 「◯◯市 フリースクール 補助金」
- 「◯◯市 不登校 助成金」
- 「◯◯区 フリースクール 利用料支援」
※対象条件や支給額、申請時期などは自治体によって異なります。詳しくはお住まいの市役所・区役所の窓口(教育委員会や子ども家庭相談課など)へご確認ください。
| 項目 | ① 公的サポート (教育支援センター等) |
② 学びの多様化学校 (不登校特例校) |
③ フリースクール等 (民間・オンライン含) |
|---|---|---|---|
| 運営主体 | 各市区町村・教育委員会 | 自治体 / 学校法人 | NPO法人・民間企業 |
| 目的・特徴 | 学校復帰支援・個別相談・安心できる居場所 | 特別なカリキュラムでの学習・卒業資格取得 | 心の休息、多様な体験、オンラインでの探究学習など |
| 出席扱い | 原則として出席扱い | 自動的に出席扱い(転校扱い) | 校長判断で出席扱いが可能(認可実績多数)※1 |
| 費用目安 | 無料(教材費等実費) | 公立:無料 私立:所定の学費 |
月謝制(自治体の通所補助制度あり) |
| 主な事例 | ・横浜市ハートフル ・川崎市ゆうゆう広場 ・神奈川県立総合教育センター(相談)等 |
・鎌倉市立由比ガ浜中(公) ・大和市立引地台中(公) ・横浜きりん学園(私)など |
・フリースペースえん(川崎) ・フレンドリースペース金沢(横浜) ・NIJIN Academy(オンライン)など |
※1:文部科学省のガイドラインに基づき、民間施設やオンライン校での活動を在籍する小中学校の「出席」として認める学校が増えています。現在の学校を辞めることなく活用できる安心の仕組みです。

2学期が不安なとき、相談できる窓口
「死にたい」「消えたい」という言葉が出ている場合は、登校の話より先に、下の窓口へ連絡してください。保護者からの相談も受け付けています。夏休み明けは、子どもの気持ちが大きく揺れる時期です。
| 窓口 | 対象・内容 | 連絡先 |
|---|---|---|
| 24時間子供SOSダイヤル (文部科学省) | 子ども本人・保護者。いじめや悩み全般 | 0120-0-78310 24時間・年中無休・無料 公式ページ |
| こどもの人権110番 (法務省) | 人権に関わる相談 | 0120-007-110 平日 8:30〜17:15 公式ページ |
| チャイルドライン | 18歳までの子ども本人。電話とチャット | 0120-99-7777 毎日 16:00〜21:00 公式サイト |
| 神奈川県の教育相談 | 就学・不登校・発達の相談。多くは無料 | 文部科学省「教育相談」の案内 |
| まもろうよ こころ (厚生労働省) | 電話・SNS相談窓口の一覧 | 公式ページ |
なお、国の通知では「学校に登校する」という結果のみを目標にしないという考え方が示されています(文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」)。2学期の初日に間に合わせる必要はありません。
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不登校の全体像は不登校の基礎知識ガイドに。朝の行き渋りが始まっているなら行き渋りとは?対応と連絡帳の書き方、「休ませていいのか」で迷うときは学校を休みたいと言われたときの考え方をご覧ください。 神奈川の学びの場は神奈川のオルタナティブスクール一覧・横浜市のフリースクール・川崎市のフリースクールに、公的な支援は神奈川県の教育支援センター一覧にまとめています。 制度そのものは教育支援センターとはとフリースクールとは?完全ガイドへ。
「元の教室に戻る」以外の選択肢を、2学期が始まる前に知っておく
NIJINアカデミーは、全国どこからでも参加できる小中一貫のオルタナティブスクールです。神奈川県内からも多くの子が参加しています。在籍校と連携した出席扱いにも対応しています。まずはオンラインで話を聞くところからどうぞ。
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「ALL HAPPY」を掲げる小中一貫のオルタナティブスクール。累計1,000名以上が入学し、在籍校と連携した97%の出席認定率を公表しています。
無料体験に申し込む ▶2学期が始まる前の1週間で、家庭ができること
新学期の直前は、子どもの不安がいちばん高くなる時期です。やるべきことは「登校の約束を取りつける」ことではありません。行けても行けなくても大丈夫だという前提を、先に家庭の中に作っておくことです。
| タイミング | やること | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 1週間前 | 生活リズムを少しずつ戻す(起床時間だけ) | 「2学期はどうするの」と結論を迫る |
| 3日前 | 行けなかった場合の選択肢を、親のほうから先に言葉にしておく | 持ち物や宿題の確認から入る |
| 前日 | 「行っても行かなくても大丈夫」と伝える。連絡方法だけ確認 | 早く寝かせようと急かす |
| 当日の朝 | 30分で区切る。休むと決めたら罰にもごほうびにもしない | 玄関で議論を続ける |
| 行けなかった日 | 学校へは保護者から連絡。本人に電話をさせない | 「明日はどうするの」を当日中に聞く |
朝の具体的な関わり方は行き渋りの朝、家庭でできる30分の関わりに時系列でまとめています。
2学期から使える神奈川県内の選択肢を、費用と出席扱いで比べる
「元の教室に戻る」以外の道は、神奈川県内にも複数あります。費用のかからない公的な選択肢から順に当たるのが現実的です。
| 選択肢 | 費用 | 出席扱い | 神奈川県内の情報 |
|---|---|---|---|
| 別室登校・保健室 | 無料 | 認められることが多い | 在籍校に相談 |
| 教育支援センター (適応指導教室) | 原則無料 | 認められることが多い | 神奈川県の教育支援センター一覧 |
| 学びの多様化学校 | 公立は無償 | 在籍を移すため「出席」 | 学びの多様化学校とは |
| フリースクール/オルタナティブスクール | 月1〜5万円台 | 校長判断 | 神奈川の一覧/横浜市/川崎市 |
| オンラインの学び場 | 月1〜3万円台 | 要件を満たせば認められる場合がある | 費用を抑えた選択肢 |
出席扱いの要件と、学校への伝え方は不登校の基礎知識ガイドにまとめています。
校長が解説する動画で理解する
夏休み明けは、1年でもっとも子どもの不調が出やすい時期だと言われています。
【夏休み終了】夏休み明けに不登校が増える理由と対策
魔の9月、子どもが危ない
よくある質問(FAQ)
「2学期からは行く」と言っていたのに行けませんでした。嘘だったのでしょうか?
嘘というより、言った時点では本人も本気だったことがほとんどです。夏休み中は学校の刺激から離れているため「行ける気がする」のですが、日が近づくと体が現実を思い出します。約束を守らせようとするより、言えたこと自体を受け止めてください。
2学期の初日だけでも行かせたほうがいいですか?
本人が望むなら意味がありますが、初日に間に合わせること自体が目的になると逆効果です。国の通知でも、登校という結果のみを目標にしない考え方が示されています(文部科学省の通知)。
夏休み中に、学校へ連絡しておいたほうがいいですか?
はい。始業式の朝に初めて相談するより、事前に共有しておくほうが選択肢が増えます。「2学期は別室や時差登校も検討したい」と伝えておくと、学校側も準備できます。
フリースクールに通ったら、出席扱いになりますか?
在籍校の校長の判断です。自動では認められません。見学時に「在籍校への報告書は出してもらえますか」「出席扱いの実績はありますか」の2点を必ず確認してください。
神奈川県内で、費用をかけずに使える支援はありますか?
各市町村が設置する教育支援センター(適応指導教室)は原則無料です。神奈川県の教育支援センター一覧に市町村別の窓口をまとめています。
「死にたい」と言われました。どうすればいいですか?
登校の話は一度すべて止めてください。24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は24時間・無料で、保護者からも相談できます。この記事の相談窓口の章もご覧ください。
まとめ:夏休みのうちに親が安心し、2学期へ向けて小さな一歩を
夏休みが終わりに近づき、2学期が目の前に迫ってくると、「自分の育て方が悪かったのかな」「このまま新学期を迎えたらどうなってしまうんだろう」と、親御さん自身も焦りや不安で押しつぶされそうになるかもしれません。
ですが、いまお子さんが立ち止まり、悩みながら夏休みを過ごしているのは、自分を守り、自分らしい生き方を必死に探している大切な期間でもあります。そして、現在の神奈川県内には、「元の学校に戻るか、引きこもるか」という二択ではなく、お子さんの状態に合わせて選べる多様な選択肢が広がっています。
2学期が始まる前に無理に決着をつける必要はありません。まずは親御さん自身が「元の学校以外の選択肢」を知っておき、ゆったりとした気持ちでお子さんを受け止められる状態を作っておくことが一番のサポートになります。
「学校に通うこと」だけが成長の道ではありません。この夏休みをきっかけに親子で肩の力を抜きながら、お子さんが笑顔になれる「新しい学びの場」を、少しずつ一緒に見つけていきませんか?


