発表日:2026年11月5日(こども家庭庁。法の施行日は2026年12月25日)
まず知っておきたいこと
こども家庭庁は2026年11月5日、こども性暴力防止法の特設サイト「こまもろうナビ」を開設しました。法律の施行日は2026年12月25日で、発表の時点では施行まで50日です。サイトは事業者向けの手続き案内だけでなく、保護者やこども向けのページ、よくある質問も備えています。
この記事では、公式サイトの内容をもとに、保護者が見ておきたい点を整理します。
- サイトは「事業者・従事者向け」「保護者向け」「こども向け」に分かれています。
- 保護者向けページでは、日頃の声かけ、こどものサインの例、相談されたときの対応、相談窓口を案内しています。
- 不登校や学校外の学びを選ぶ家庭にとっては、利用先がこの法律とどう関わるかを確認するきっかけにもなります。
何が発表されたのか
公式の発表によると、特設サイト「こまもろうナビ」は制度の普及と定着を図るためのもので、一人ひとりがこどもを守る当事者になることを目指しています。サイトの案内役は、公式キャラクターの「こまもろう」です。
サイトの主な構成は次のとおりです。
- こども性暴力防止法とは(法律の目的、対象事業者、仕組み)
- おしえて!こまもろう(よくある質問)
- みなさんの声やとりくみ(制度に賛同する人のメッセージ。今後、有識者インタビューや事業者の取組事例を加える予定)
- 事業者・従事者の方へ(対応が必要な事項の「やることリスト」、認定申請の流れ)
- 保護者の方へ
- こどものみなさんへ
サイトのURLは comamorou-kouhou.cfa.go.jp です。問い合わせは、サイトに用意された問い合わせフォームから行う形で、トップページには電話番号などの記載はありません。
保護者向けページに載っていること
保護者向けページは、こどもへの性暴力には次の3つの特徴がある、という説明から始まります。
- 深刻さ:こどもを深く傷つけ、長期にわたって心身の発達や日常生活に影響を及ぼすことがあります。
- 相談のしづらさ:受け止めてもらえるかという不安、罪悪感、恥ずかしさから相談できないことがあります。身近な関係の人からの場合は、とくに難しい傾向があるとされています。
- 発見のしづらさ:年齢や相手との関係によっては、こども自身が性暴力だと認識できなかったり、大人が訴えを軽く見てしまったりして、被害が見えにくいことがあります。
日頃からこどもと話しておくこと
サイトでは、次のような内容を、年齢に合わせて伝えるよう案内しています。
- 水着で隠れる部分(プライベートゾーン)と口は、自分も相手も見せない・触らせない。
- いやな触られ方をされそうなときは、「いやだ」「やめて」と言ってよい。
- 言えなかったとしても、本人は悪くない。
- いやなことをされたら、すぐに大人に相談する。
気にかけたいこどものサインの例
サイトは、次のような様子が見られたら、「どうしたの?」と声をかけてみましょう、としています。
- からだ:頭痛や腹痛などの体調不良、不眠、食欲不振や過食、頻尿や夜尿など
- こころ:元気がない、または過度に元気、情緒不安定、集中力の低下、自信をなくす
- 行動:人と接したがらない、からだを触られたり肌を見られたりするのを嫌がる、性的な言動が増える、反抗的・乱暴になる
ここに挙がっている様子は、性被害だけでなく、学校や人間関係のストレス、体調、環境の変化など、ほかの理由でも見られます。サインがあるからといって被害があると決めつけず、責めずに話を聴く姿勢が出発点になります。
こどもから相談されたときの対応と相談窓口
サイトが示している対応は、次の3点です。
- 気持ちを受け止める:話してくれたことを大切にして、疑ったり否定したりせず、本人に責任はないと伝えながら聴きます。
- 聴き取る内容は最小限にする:こどもが自分から話す内容だけを受け止め、話したくないことを無理に聞き出しません。詳しく尋ねると、記憶に影響するおそれがあるとされています。
- 一人で抱え込まず、専門機関に相談する:なるべく早く相談して、こどもが必要なケアを受けられるようにします。
サイトに掲載されている相談窓口は次のとおりです。
- 児童相談所(189):こどもへの性的虐待等に関する相談を24時間受け付けています。
- ワンストップ支援センター(#8891):性暴力の被害者支援の総合窓口で、医療・法律・心理などの専門家と連携して支援します。
- 性被害相談電話・警察(#8103):発信場所を管轄する都道府県警察の性犯罪被害相談電話につながります。
差し迫った危険があるときは、相談窓口を待たず、110番など緊急の連絡を優先してください。窓口の番号や受付時間は変更される場合があるため、利用前に公式サイトで最新の案内を確認してください。
「おしえて!こまもろう」で分かること
よくある質問のコーナーでは、たとえば次のような疑問に答えています。
- 性暴力は、からだを直接触られることだけなのか:それだけではなく、盗撮や性的な姿の撮影、服の上からの接触、こどもが性的に恥ずかしいと感じて心やからだに悪い影響を受ける言動なども含まれます。
- こどもが嫌がっていなければ、問題はないのか:嫌だと言わなかったからといって、問題がないとは限りません。先生や指導者など大人との関係では、こどもが自分の気持ちを言えないこともあり、大人の側が適切な距離感を守ることが大切だと説明しています。
- 施設で働く人は、こどもの変化にどう気づくのか:日ごろの様子や会話から、心やからだ、行動の小さな変化を見守り、できるだけ複数の人の目で見る、としています。
学校外の学びを選ぶ家庭が確認したいこと
サイトの説明では、学校や認可保育所などは法律上の義務の対象で、学習塾やスポーツクラブなどは、国の認定を受けて取り組む仕組みです。対象の事業者は、「法定事業者マーク」や「認定事業者マーク」を掲示します。こどもに教えたり保育したりする場は、ほかにも対象になる可能性があるとされています。フリースクールや習い事、オンラインの居場所などが対象になるかどうかは、サービスの内容によって異なるため、個別の判断は公式サイトや事業者に確認してください。
不登校のお子さんが、フリースクールや塾、習い事などを利用する場合は、申し込む前に、次の点を聞いてみると判断材料になります。事業者側の準備については、10月の解説記事も参考にしてください。
- そのサービスは、この法律の義務対象か、認定を受けているか(申請中か)。
- こどもが困ったとき、誰にどのように伝えればよいか。
- 相談が寄せられたあと、誰が受け止め、どのように安全を確保するか。
マークは確認材料の一つであって、安全を保証するものではありません。マークの有無だけで決めず、相談しやすさや日常の運営の様子も合わせて見てください。
誤解しないための注意点
- 特設サイトは、制度の周知と啓発のためのものです。個々の事業者が対象かどうか、必要な手続き(認定の申請など)は、事業者向けのページや、こども家庭庁の制度ページで最新の情報を確認する必要があります。
- 施行は2026年12月25日です。施行前の時点では、すべての事業者が準備を終えているとは限りません。マークの有無だけで、事業者の良し悪しを判断しないでください。
- サイトの内容は、今後追加される予定です(有識者インタビュー、事業者の取組事例など)。最新の内容は公式サイトで確認してください。
- こどもの様子に気になる点があるとき、サイトのサインの例はあくまで目安です。診断や判断は専門機関に任せ、まず本人の話を聴いてください。
まとめ
こども家庭庁が開設した「こまもろうナビ」は、法律の施行(2026年12月25日)に向けて、事業者だけでなく、保護者やこどもにも向けた情報をまとめたサイトです。保護者向けページには、日頃の声かけ、こどものサインの例、相談されたときの対応、相談窓口がまとまっています。
学校外の学びを利用している、またはこれから選ぶ家庭は、サービスがこの法律とどう関わるのか、こどもが困ったときの相談の道筋があるのかを、申し込み前に確認しておくと安心です。つらい思いをしているこどもがいる場合は、一人で抱え込まず、サイトに載っている相談窓口に早めに相談してください。
出典
- こども家庭庁「こども性暴力防止法特設サイト「こまもろうナビ」を開設」(2026年11月5日)
- こまもろうナビ「保護者の方へ」
- こまもろうナビ「こども性暴力防止法とは」
- こまもろうナビ「おしえて!こまもろう」
確認日:2026年11月8日


