小学生の探究学習は、立派なテーマを探すより、本人が気になったことを「比べる・試す・聞く」形にすることから始められます。ゲームや食べ物、写真、身近な街など、日常の「なぜ?」を小さな問いに変えてみましょう。
探究テーマは「好きなもの+確かめたいこと」でつくる
「マイクラ」「昆虫」だけでも興味の入口になりますが、そのままでは何をするか決まりません。「初めて来た人が迷わない街にするには?」「葉の形は日なたと日陰で違う?」のように、確かめたいことを足すと活動を始めやすくなります。
以下の10テーマは家庭で取り組むための編集部の提案例です。スクールがすべての内容を常時提供するという意味ではありません。材料、場所、時間、本人の関心に合わせて小さく変えて使ってください。
文部科学省の探究の考え方を、身近なテーマに置き換える
文部科学省の探究の説明では、実社会や実生活から見つけた問いを、情報の収集や分析、表現につなげます。参考:文部科学省|総合的な学習(探究)の時間。大きな社会問題を選ぶことだけが探究ではなく、身の回りの「どうして?」もテーマを考える入口になります。
例えば「紙の橋をつくる」なら、「折り方で支えられる重さは変わる?」と問いを加えてみます。同じ大きさの紙で試し、結果を表にして、自分の予想との違いを説明する。このような進め方の例として、次の10テーマを紹介します。完成品の見栄えだけでなく、比べた条件や気づきも残しましょう。
小学生の探究学習テーマ10選
1.マイクラで、迷わない街をつくれる?
まず小さな街をつくり、家族や許可された仲間に目的地を探してもらいます。どこで迷ったかを聞き、道の形、目印、案内板のうち一つを変えて試しましょう。
残すものは、変更前後の地図と感想です。「大きな街ができた」だけでなく、使う人のために何を変えたかを説明できます。公開サーバーの利用は保護者と確認してください。
2.遊びやすいゲームの難しさは?
Scratchなどで短いゲームをつくり、制限時間や敵の速さを一つずつ変えます。遊んだ人が止まった場面や、もう一度遊びたいと感じた理由を聞いてみましょう。
試すたびに複数の条件を変えると理由が分かりにくくなります。まずは一つだけ変え、遊ぶ人の感想と自分の予想を比べることがポイントです。
3.キャラクターの印象は、色で変わる?
同じ形のオリジナルキャラクターを、違う色で3種類描きます。見た人に「元気そう」「落ち着いて見える」などの印象を聞き、予想と比べましょう。
好みの違いも結果の一つです。票が多い色だけを正解にせず、誰に何を伝えたい作品なのかを考えて、次のデザインに生かします。
4.写真の撮り方で、伝わり方は変わる?
同じ花や文房具を、近く・遠く・違う角度から撮ります。写真だけを見せて、何に目が向いたかを聞いてみましょう。光や背景も一つずつ変えられます。
人物や家の表札などが写る場合は、撮影・公開の許可を確認します。作品は家族だけに見せる方法でも十分で、SNSへの投稿を目標にする必要はありません。
5.紙飛行機の形で、飛び方はどう変わる?
同じ大きさの紙で翼の形を変え、同じ場所から飛ばします。距離や曲がり方を数回記録し、一回だけの結果で決めないようにしましょう。
人のいない安全な場所で行います。よく飛んだ形をまねるだけでなく、なぜ違いが出たと思うか、自分の言葉で予想を残すと探究が深まります。
6.植物の葉には、どんな違いがある?
身近な植物の葉を写真に撮り、形、大きさ、手触りを比べます。まず同じ種類かどうかを図鑑などで調べ、違う種類を同じ条件として比べないようにします。
公園の植物は勝手に採取せず、知らない植物を口に入れません。観察カードをつくって、あとから気づいた共通点や疑問を書き足してみてください。
7.家の食品ロスを減らすには?
家族の協力を得て、食べ残しや使い切れなかった食材を数日記録します。買う量、保存場所、盛り付け方など、変えられそうな工夫を一つ選びます。
誰かを責める調査にしないことが大切です。衛生や食事の管理は大人が担い、子どもは記録や提案など、できる役割で参加します。
8.お店の案内は、どうすれば伝わる?
架空のお店のポスターをつくり、商品名や値段、場所が伝わるか家族に見てもらいます。文字の大きさや配置を変えて、読みやすさを比べましょう。
実際のお店を取材する場合は、大人が事前に許可を取ります。「かっこいい」だけでなく、見た人が必要な情報を見つけられるかを考えます。
9.地域に、どんな休憩場所がある?
保護者と歩ける範囲で、ベンチや日陰、図書館などを地図にまとめます。誰が使いやすい場所なのか、時間帯でどう変わるかも観察してみましょう。
自宅や通学経路などの個人情報は公開しません。「もっとここにあったら便利」という提案まで考えると、調べる活動から地域へのアイデアへ広がります。
10.音の伝え方で、説明は分かりやすくなる?
同じ作品紹介を、声だけ、写真と声、短い文字付きなどで伝えます。聞いた人が覚えていたことを比べ、どの方法が目的に合うか考えましょう。
声や顔の録音・撮影、音楽の利用は許可や利用条件を確認します。発表が苦手な子も、自分が使いやすい伝え方を探すテーマとして取り組めます。
途中で止まったときは、テーマを小さくする
進まないときは、意欲がないと決めず、作業が大きすぎないか見直します。「街全体」から「一つの交差点」、「10人に聞く」から「家族一人に聞く」へ縮めても、問いを確かめる経験は残ります。
記録は長い感想文でなくても構いません。写真1枚に「予想・やったこと・分かったこと・次に試すこと」を一言ずつ付けると、続きに取りかかりやすくなります。
公式の企画例|マイクラを自由研究につなげる
NIJINが2026年7月に発表した夏休みのオンライン探究体験では、マイクラで仲間と作品をつくり、発表する活動が案内されました。ゲームの世界で考えたことを、チームで形にして伝える企画例です。過去の募集情報のため、現在の参加案内は公式サイトで確認してください。出典:夏休みのオンライン探究体験の発表。

よくある質問
低学年でもできますか?
読み書きや操作は大人が支え、写真や口頭で記録する方法があります。安全に試せる小さな範囲から始めましょう。
途中でテーマを変えてもよい?
変えて構いません。分かったことと、合わなかった理由を残しておくと、次のテーマ選びに役立ちます。
学校の自由研究として提出できますか?
学校ごとに条件が異なります。指定された形式や、共同制作・デジタル作品の扱いを先生に確認してください。
まとめ|完成品より、自分で確かめた過程を残そう
テーマを10個すべて試す必要はありません。一つ気になったものを選び、条件を変えたり人の感想を聞いたりしてみましょう。問いが残ったら、それが次の探究の入口です。

一つの疑問を、仲間との挑戦へ。
自分で考えた街やゲーム、地域へのアイデアを、誰かと一緒に形にしたい。そんなときは、NIJINアカデミー放課後プロジェクトスクールのテーマの選び方や活動を体験してみませんか。
対象は小学生・中学生・高校生(公式料金ページの案内)。募集状況・活動内容・参加条件は最新の公式案内をご確認ください。

