五月雨登校とは?公的な定義がない言葉と、出欠・成績の実際

行ける日もあれば、行けない日もある。月曜は休んで火曜は行く、午前だけ行って帰ってくる。こうした状態を「五月雨登校(さみだれとうこう)」と呼びます。五月雨式に降ったりやんだりする雨にたとえた言い方です。ただし、これは文部科学省が定めた用語ではありません。公的な定義がないからこそ、学校とのやりとりでかみ合わないことが起きます。
このページでわかること
  • 五月雨登校に公的な定義がないこと、それが何を意味するか
  • 統計上は「不登校」に数えられる場合があること
  • 年間30日という日数の数え方
  • 通知表・内申・進路への影響
  • いちばんしんどいのは本人だけではないこと

公的な定義はありません

文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の用語解説を確認しましたが、「五月雨登校」という語は掲載されていません。「別室登校」「行き渋り」「保健室登校」も同様です。

これらは保護者や学校の現場で自然に生まれ、使われてきた言葉です。だから、次のようなことが起きます。

  • 担任には伝わるが、別の先生には通じない
  • 「うちの子は五月雨登校で」と言っても、相手が想像する状態が人によって違う
  • 制度の説明を調べても、この言葉が出てこない

学校や役所に相談するときは、言葉ではなく日数と状態で伝えるほうが確実です。「先月は20日のうち8日行けて、そのうち3日は午前だけでした」のように具体的に話すと、話が早く進みます。

統計の上ではどう扱われるか

文部科学省の調査で「不登校」として数えられるのは、次の定義にあてはまる子です。

文部科学省 用語の解説

「何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により,児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし,『病気』や『経済的理由』…による者を除く。)」

そして、数え方はこうです。

長期欠席の数え方

「『児童・生徒指導要録』の『欠席日数』欄及び『出席停止・忌引き等の日数』欄の合計の日数により,年度間に30日以上登校しなかった児童生徒を理由別に調査している」

つまり、連続して休んでいるかどうかは関係ありません。ぽつぽつと休んだ日を足していって、年度内に30日を超えれば、統計上は「不登校」に分類されます。

ここは保護者が驚きやすいところです。「毎日は行けないけれど、行っている日もあるから不登校ではない」と思っていたら、学校から不登校として扱われていたということが起こります。ただし、これは統計上の分類であって、レッテルではありません。むしろ分類されることで、支援の対象として学校が動きやすくなる面もあります。

日数の数え方で知っておきたいこと

ケースどう数えられるか
午前だけ登校した日出席として扱われるのが一般的ですが、学校の運用によります。何時間目まで出れば出席かを在籍校に確認してください
保健室や別室で過ごした日校内にいるため出席として扱われることが多いです。別室登校のページをご覧ください
感染症で休んだ日出席停止として、欠席とは別の区分で記録されます。ただし長期欠席30日の計算には含まれます
フリースクールに通った日校長が認めれば出席として扱われます。認めるかどうかは在籍校の判断です

通知表・内申への影響

五月雨登校でいちばん気になるのが、成績と進路への影響だと思います。

  • 通知表:評価に必要な材料(テスト・提出物・授業での様子)がそろわないと、評定がつかず斜線になることがあります。2024年に成績評価のルールが変わった部分もあるので、通知表の記事もあわせてご覧ください
  • 調査書の出欠欄:高校入試で使われる調査書に出欠をどう書くかは都道府県によって違い、出欠欄そのものをなくした県もあります(調査書の記事)
  • 自己申告書:欠席が多いときに、本人が事情を書いて提出できる仕組みが用意されている都県があります(自己申告書の記事)

行ける日をなんとか増やして日数を確保する、という方向だけが選択肢ではありません。制度の側に用意された道も見てから、どう進めるかを決めてください。

行ったり行かなかったりが続くとき

保護者の方へ

五月雨登校は、完全に休んでいる状態よりも保護者の負担が大きくなりやすいと言われます。毎朝「今日はどうかな」と様子をうかがい、行ける日は送り、行けない日は連絡を入れる。予定が立たない日々が続きます。しんどいのは、おかしなことではありません。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーは、子ども本人だけでなく保護者の相談も職務に含まれています。

よくある質問

行ける日があるうちは、支援を受けられませんか。
そんなことはありません。教育支援センターも校内教育支援センターも、完全に不登校であることを条件にしていない場合がほとんどです。「行ける日もあるけれど、教室はきつい」という状態でこそ使いやすい仕組みです。在籍校か市区町村の教育委員会に相談してみてください。
無理にでも行かせたほうがいいのでしょうか。
2016年の教育機会確保法は、第13条で「個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ」と定めています。休むことの必要性は法律に書かれています。また令和元年の文部科学省通知は、支援の目標は「学校に登校するという結果のみ」ではないとしています。判断の材料として、こうした国の考え方も知っておいてください。
学校には、どう説明すればいいですか。
言葉より事実で伝えるのが確実です。行けた日数、行けた時間帯、行けたときの様子、行けなかった日のきっかけを簡単に記録しておくと、担任やスクールカウンセラーとの話し合いで具体的な相談ができます。
  1. 文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査-用語の解説」(ページ)
  2. 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校)」(PDF)
  3. 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日 元文科初第698号(ページ)
  4. 文部科学省「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(ページ)
文責:にじいろ編集部(編集部について/訂正・修正に関する方針)
公開日:2026年9月18日 / 最終更新:2026年9月18日
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