- インターナショナルスクールの5つのメリット(具体例つき)
- 入学前に知っておきたい5つのデメリットと、その重さ
- 学校の種類(一条校・各種学校・無認可)でデメリットがどう変わるか
- 幼児・小学生・中高生で、メリットとデメリットがどう変わるか
- デメリットを小さくする5つの方法
- 向いている家庭・慎重に考えたい家庭と、判断の手順
- よくある5つの誤解
結論:メリットとデメリットの早見表
先に全体像を示します。左がメリット、右がデメリットです。
メリット5つ・デメリット5つ
どちらも「学校の種類」と「家庭の計画」で重さが変わります。
そもそもインターナショナルスクールがどんな学校かは、インターナショナルスクールとはで解説しています。この記事では、メリットとデメリットを1つずつ具体的に見ていきます。
先に大切な前提を1つだけお伝えします。「インターナショナルスクール」は1種類ではありません。日本の学校として認可された一条校、都道府県の認可を受けた各種学校、認可を受けていない施設の3つがあり、どれを選ぶかでデメリットの中身が変わります。メリットとデメリットを同じ重さで並べて悩む前に、検討している学校がどの種類かを確かめてください。

インターナショナルスクールの5つのメリット
1. 英語「を」ではなく、英語「で」学ぶ
算数も理科も社会も英語で学ぶので、英語は教科ではなく道具になります。沖縄クリスチャンスクールインターナショナルは、公式に「英語の学校ではなく、すべての教科を英語で教える学校」だと説明しています。この違いが、英会話教室との最大の差です。
週1回の英会話教室は、年間で数十時間です。全日制のインターナショナルスクールでは、1日の大半を英語で過ごします。友だちとの会話、先生への質問、休み時間のけんかや仲直りまで英語です。「英語を勉強する時間」ではなく「英語で生活する時間」が積み上がることが、いちばんの違いです。
2. 海外の大学への進路が開ける
国際バカロレア(IB)のディプロマや、WASC・CISなどの評価団体に認定された学校の卒業資格は、海外の大学への出願で広く使われています。日本の大学の入学資格にもなります。詳しくはインターナショナルスクール卒業後の進路にまとめています。
文部科学省の資料によると、国内のIB認定校は168校あります(2026年6月30日時点。一条校95校、それ以外73校)。IBは一条校でも学べるので、「IBを学びたい」と「インターナショナルスクールに通いたい」は、必ずしも同じではありません。
3. 多様な背景の友だちと育つ
関西学院大阪インターナショナルスクールは、公式サイトで在籍約270名・34の国籍と紹介しています。考え方や習慣の違う相手と毎日過ごすことは、教科書では得られない経験です。
ただし、国籍の多さは学校によって大きく違います。日本人の子どもが大半を占める学校もあります。多様な環境を期待するなら、見学のときに「在校生の国籍の内訳」を聞いてください。
4. 探究型・少人数の授業
IBのプログラムでは、教科を横断して「なぜ」を掘り下げる探究学習を行います。1クラスが20人前後の学校も多く、発言の機会が増えます。
答えを覚えるよりも、問いを立てて調べ、自分の考えを発表する場面が多くなります。発表やグループでの話し合いが好きな子どもには合いやすい一方、静かに1人で取り組みたい子どもは、慣れるまで時間がかかることがあります。
5. 海外への転居・帰国に対応しやすい
IBやケンブリッジなどの国際的なカリキュラムは、国が変わっても続けやすい仕組みです。海外赴任の可能性がある家庭や、帰国後も英語での学びを続けたい家庭に向いています。
学年の始まりが8月や9月の学校が多いことも、海外の学校と行き来する家庭には都合がよい点です。反対に、日本の学校との行き来では、4月始まりとのずれが出ます。
入学前に知っておきたい5つのデメリット
1. 日本の卒業資格が出ない学校が多い
文部科学省は、一条校でないインターナショナルスクールに日本国籍の子どもを通わせても、保護者は就学義務を果たしたことにならないとしています。小学部を終えても、制度上は日本の小学校を卒業したことになりません。詳しくはインターナショナルスクールと義務教育で解説しています。
これは「通ってはいけない」という意味ではありません。ただ、公立中学校への進学や、日本の高校の受験のときに、教育委員会や学校との確認が必要になります。自治体の対応もそろっていません。大阪府吹田市は、一条校でないインターナショナルスクールは「私立小中学校への進学の届出」に当てはまらないと、公式の手引きに明記しています。
2. 学費が高い
小学生の年間授業料は、各種学校や無認可の学校で約100万〜320万円。横浜インターナショナルスクールは、入学時の登録料だけで148万円です。内訳はインターナショナルスクールの学費にまとめました。
学費の重さは、1年分ではなく通う年数で決まります。にじいろの試算では、小1から高3まで12年間通った場合の授業料と入学時の費用の合計は、関西学院大阪インターナショナルスクールで約3,090万円、横浜インターナショナルスクールで約4,140万円でした。途中で学費が続かなくなることが、いちばん避けたい事態です。
3. 日本語の読み書きを別に補う必要がある
授業が英語中心になると、漢字や日本語の文章を読む量は減ります。日本で暮らし続けるなら、家庭や塾で日本語を補う時間を決めておく必要があります。英語も日本語も年齢相応に届かない状態を避けることが大切です。
会話は問題なくても、学年相応の漢字や、説明文を読んで要点をつかむ力は、意識して時間を取らないと育ちにくい部分です。学校に日本語(国語)の授業があるか、週に何時間かは、必ず確認してください。
4. 通える学校が近くにあるとは限らない
小学生以降の全日制のインターナショナルスクールは、都市部に集中しています。にじいろが調べた市のうち、船橋市・豊中市・鎌倉市・那覇市では、小学生が毎日通える学校を市内に確認できませんでした。
「インターナショナルスクール」の多くは幼児向け
市内で確認できた学校数(緑)と、そのうち小学生が全日制で通える学校数(赤)を並べました。
にじいろが各校の公式サイトで確認した数(2026年10月時点)。調査の範囲で確認できた学校に限ります。
名前に「インターナショナルスクール」と付いていても、実際は就学前の子どもだけを対象にしたプリスクールということが少なくありません。小学生になってからの通学先は、隣の市や県まで広げて探すことになります。片道1時間を超える通学は、子どもの体力と家族の送迎の両方に負担がかかります。
5. 途中で日本の学校に戻るときに壁がある
一条校でない学校から日本の中学校・高校へ進むときは、制度上の確認が必要です。学習内容の違いもあります。インターナショナルスクールの編入・転校で手続きを整理しています。
学習面では、国語と社会の差が出やすくなります。算数・数学も、習う順番が日本の教科書と違うことがあります。戻る可能性が少しでもあるなら、日本の教科書に沿った学習を家庭で続けておくと、切り替えが楽になります。

学校の種類でデメリットはどう変わるか
ここがいちばん大切な点です。上のデメリットのうち、いくつかは学校の種類を選ぶことで小さくできます。
一条校・各種学校・無認可を5つの観点で
| 一条校 | 各種学校 | 無認可 | |
|---|---|---|---|
| 日本の卒業資格 | ○ | × | × |
| 学費の水準 | ○ | △ | △ |
| 英語で学ぶ時間 | △ | ○ | ○ |
| 高校の就学支援金 | ○ | △ | × |
| 学校の数 | × | △ | △ |
○=有利 △=条件による ×=不利。文部科学省の資料と各校の公式サイトをもとにした一般的な傾向です(2026年10月時点)。
一条校の例には、相模原市のLCA国際小学校、千葉市の幕張インターナショナルスクール、沖縄県うるま市の沖縄アミークスインターナショナルがあります。「英語で学ばせたい」と「海外の学校制度で学ばせたい」は同じではありません。前者だけが目的なら、一条校の国際系でデメリットの多くを避けられます。
各種学校のインターナショナルスクールは、英語で学ぶ時間がいちばん長く、国際的な認定を持つ学校が多い種類です。その代わり、日本の卒業資格は出ません。高校段階の就学支援金は、文部科学省が指定した学校だけが対象です。
無認可の施設は、中身の幅がいちばん広い種類です。少人数で丁寧に教える施設もあれば、開校して間もなく、卒業生がまだいない施設もあります。認可がないこと自体が悪いわけではありませんが、運営の年数、教員の体制、卒業後の進路を、自分の目で確かめる必要があります。
小学生の年間授業料——種類による差
一条校は年90万〜174万円、各種学校などは年100万〜321万円でした。
緑=一条校、赤=各種学校。各校の公式サイトの金額(年額)。年度は学校により異なります。
年齢で変わるメリットとデメリット
同じ学校でも、子どもの年齢によって、メリットとデメリットの重さは変わります。入学する時期ごとに整理します。
いつ入るかで重さが変わる
迷ったら「6歳」と「12歳」の2つの節目で、どちらの道に進むかを考えておきます。
幼児期のプリスクールは、メリットを得やすくデメリットが小さい時期です。その代わり、卒園後に英語を使う機会がなくなると、力は落ちやすくなります。プリスクールとの違いはプリスクールとインターナショナルスクールの違いで解説しています。
小学校の6年間をどこで過ごすかが、いちばん大きな分かれ道です。この時期に一条校でない学校を選ぶなら、中学以降の進路まで見通しておく必要があります。
デメリットを小さくする5つの方法
デメリットは、選び方と準備で小さくできます。1つずつ対策を示します。
| デメリット | 小さくする方法 | 具体的にすること |
|---|---|---|
| 卒業資格が出ない | 一条校の国際系を選ぶ。または教育委員会と早めに相談する | 住んでいる市区町村の教育委員会に、入学の前に相談しておく |
| 学費が高い | 高校卒業までの総額を先に計算する | 初年度と2年目以降を分け、値上げも見込んでおく |
| 日本語が弱くなる | 家庭で日本語の時間を決める | 毎日の読書と、学年相応の漢字の学習を続ける |
| 近くに学校がない | 通い方を組み合わせる | 地元の学校+放課後の英語クラス、またはオンラインを使う |
| 日本の学校に戻りにくい | 戻る時期を先に決めておく | 小学校卒業・中学校卒業の節目に合わせ、日本の教科書の学習を続ける |
入学を決める前の4ステップ
この順番で確かめると、あとからの「知らなかった」を減らせます。

向いている家庭・慎重に考えたい家庭
わが家はどちらに近いか
右の列に当てはまるからといって、通えないわけではありません。当てはまる項目について、先に対策を決めておけば十分です。たとえば、学校からの連絡が英語だけの学校もあれば、日本語でも案内する学校もあります。保護者の英語力が心配なら、連絡の言語を見学のときに確かめてください。
迷うときは、インターナショナルスクールで後悔する理由を先に読んでおくと、判断の材料になります。
よくある5つの誤解
検討を始めたばかりの保護者から、よく聞かれる思い込みを整理します。
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| インターに通えば、日本の学校も卒業したことになる | 一条校でなければ、日本の小中学校を卒業した扱いにはなりません |
| インターを出ると、日本の大学は受験できない | IBのディプロマや、国際的な評価団体に認定された学校の卒業などで、入学資格が認められます |
| 学費はどこも年300万円くらいかかる | 一条校の国際系には年90万円台の学校もあります。種類で3倍以上の差があります |
| 英語が話せないと入れない | 幼児や低学年は英語力を問わない学校が多くあります。学年が上がるほど条件は厳しくなります |
| 名前に「インターナショナルスクール」とあれば小学生も通える | 実際は幼児だけを対象にしたプリスクールということが少なくありません |
入学の条件はインターナショナルスクールの入学条件で、学校の選び方はインターナショナルスクールの選び方で、それぞれ詳しく解説しています。
見学で確かめたい10の質問
メリットとデメリットを自分の目で確かめる
答えにくそうな質問ほど、学校の姿勢がよくわかります。

3つの想定ケースで考える
ここまでの内容を、家庭の状況に当てはめて考えます。以下は、判断の流れを示すために編集部が作った想定例で、実在の家庭ではありません。
家庭の計画で答えは変わる
01
海外赴任の可能性がある家庭
数年以内に海外へ転居する可能性があるなら、国際的なカリキュラムで学ぶメリットが大きくなります。卒業資格のデメリットは、海外の学校へ移る前提なら小さくなります。帰国後の進路だけ、先に調べておきます。
02
日本で暮らし続ける予定の家庭
日本の大学や就職を考えているなら、日本語の力と卒業資格の重さが増します。一条校の国際系か、地元の学校に通いながら放課後に英語を続ける形が、候補になりやすくなります。
03
近くに学校がない家庭
通学に片道1時間以上かかるなら、毎日の負担を先に考えます。地元の学校に在籍したまま、オンラインのインターナショナルスクールや長期休みの英語プログラムを使う方法があります。
編集部が作成した想定例です。
「どの学校が良いか」より先に、「わが家は10年後にどこで暮らしているか」を話し合うと、答えが出やすくなります。
日本語と英語の両方を育てるために
5つのデメリットのなかで、入学してから気づきやすいのが日本語の問題です。会話に困らないため、読み書きの差に気づくのが遅れがちだからです。家庭でできることを整理します。
- 毎日、日本語の本を読む時間をつくる。読み聞かせでもかまいません。語彙は読書の量で増えていきます
- 学年相応の漢字を続ける。日本の小学校では6年間で1,026字の漢字を学びます。学校で扱わないなら、家庭や通信教材で少しずつ進めます
- 家庭での会話は日本語でしっかり行う。保護者が無理に英語で話しかけるより、いちばん得意な言葉で深い会話をするほうが、考える力の土台になります
- 学校の日本語の授業を確認する。週に何時間あるか、日本の教科書を使うか、レベル別になっているかを聞きます
- 英語のサポートも確かめる。英語がまだ十分でない子ども向けの授業(EAL・ESL)があるか、追加の費用がかかるかを確認します
英語のサポートは有料の学校があります。確認できた範囲では、ホライゾンジャパンインターナショナルスクールが年50万円、大阪YMCAインターナショナルスクールが年17万5,000円、沖縄クリスチャンスクールインターナショナルが14万円でした。途中の学年から入る場合は、この費用も学費に足して考えます。
日本語と英語のどちらを家庭で重視するかは、将来どこで暮らすかによって変わります。正解は1つではありません。大切なのは、「学校に任せておけば両方育つ」と考えないことです。
全日制に通う以外の選択肢
デメリットが大きいと感じたら、全日制のインターナショナルスクールに通う以外の方法もあります。メリットの一部を、別の形で得る方法です。
| 選択肢 | 得られるもの | 注意点 |
|---|---|---|
| 一条校の国際系 | 日本の卒業資格と、英語で学ぶ授業の両方 | 数が少ない。授業のすべてが英語とは限らない |
| 地元の学校+放課後の英語クラス | 学籍の心配がなく、費用を抑えて英語を続けられる | 英語の時間は全日制より短い |
| オンラインのインターナショナルスクール | 通学なしで、英語で学ぶ授業を受けられる | 対面の体験は少ない。日本の卒業資格は出ない |
| 長期休みの英語プログラム | 短期間、英語だけの環境を体験できる | 続けて通うわけではないので、効果は限られる |
にじいろを運営する株式会社NIJINも、オンラインのインターナショナルスクール「NIJIN GLOBAL ACADEMY」を2027年9月に開校する予定です。地元の学校に在籍したまま使える形は、卒業資格と通学距離のデメリットを避けたい家庭の選択肢になります。オンラインならではの弱点はオンラインインターナショナルスクールのデメリットにまとめています。
まとめ:メリットとデメリットは「同じ重さ」ではない
メリットは、どの家庭にもほぼ同じように当てはまります。英語で学ぶ力、海外への進路、多様な友だちは、通えば得やすいものです。一方のデメリットは、家庭の計画によって重さがまったく違います。海外へ出る予定の家庭にとって、日本の卒業資格は大きな問題になりません。日本で暮らし続ける家庭にとっては、いちばん重い問題になります。
だからこそ、メリットとデメリットの数を比べるのではなく、「わが家にとって重いデメリットはどれか」「それは小さくできるか」の2つを考えてください。小さくできないデメリットが残るなら、全日制以外の選択肢に目を向ける価値があります。
よくある質問
この記事の内容を確かめるための一次資料
- 文部科学省「就学事務Q&A 11. 学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」(ページ)
- 文部科学省「大学入学資格について」(ページ)
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度の対象として指定した外国人学校等の一覧」(ページ)
- Yokohama International School「Tuition & Fees」(ページ)
- Osaka International School of Kwansei Gakuin「About」(ページ)
- LCA国際小学校「入学案内・募集要項」(ページ)
- NIJIN GLOBAL ACADEMY 公式サイト(ページ)
- 文部科学省IB教育推進コンソーシアム「国際バカロレア認定校・候補校」(ページ)


