「うちの子、YouTubeばかり」はうちだけの話ではありません。こども家庭庁の調査では、小学生(10歳以上)の平日1日あたりのインターネット利用時間は平均3時間54分。利用内容の1位は動画視聴で88.8%です。3時間以上使っている子が61.7%、5時間以上も28.8%います。
そして、この3時間54分という長さには心当たりがあるはずです。子どもが帰宅してから親が帰るまでの時間と、ほぼ同じ長さだからです。問題は子どもの意志の弱さではなく、その時間に他にやることが置かれていないことかもしれません。
小学生は、平日に1日3時間54分ネットを使っています

令和7年度の「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、小学生(10歳以上)の数字はこうです。
| 平均利用時間(平日1日) | 233.6分=約3時間54分(前年度は約3時間44分) |
|---|---|
| 3時間以上の割合 | 61.7%(前年度55.2%) |
| 5時間以上の割合 | 28.8%(前年度24.7%) |
| 利用内容 | 動画視聴88.8%/ゲーム85.5%/勉強・習い事58.3% |
3時間以上は6割超。つまり多数派です。「うちの子だけが見すぎている」わけではありません。中学生は約5時間24分、高校生は約6時間44分ですから、学年が上がるほど長くなります。
数字を見て安心してくださいという話ではありません。ただ、叱る前に前提を知っておくと、打ち手が変わります。
その3時間は、放課後の空白と重なっています

16時に帰宅して、親が帰る19時まで3時間。1日3時間×週5日×年間40週で、およそ600時間になります。
その時間に何をしているか。こども家庭庁が学童の待機になっている子の保護者に聞いた調査では、主な過ごし方の63.9%が「自宅で過ごしている(留守番)」でした。
ひとりで、やることを自分で見つけて、3時間を過ごす。これは大人でも難しいことです。手元にスマホやタブレットがあれば、そこに流れるのは自然な結果です。
放課後に空きが生まれる背景については、小4の壁とは?学童に入れなくなった放課後をどうするかで書いています。
「減らす」だけだと、たいてい戻ります
時間を制限するルールはよく作られますが、続かないことが多いのは空いた時間に何も置かれていないからです。
1時間減らしても、その1時間が空白のままなら、子どもは結局そこに戻ります。やめさせる対象を決めるより、同じ時間帯に置くものを決めるほうが機能します。
| うまくいきにくい | うまくいきやすい |
|---|---|
| 「1日1時間まで」と量で決める | 「17時から18時は◯◯」と予定で決める |
| 取り上げる | 始まりの合図をつくる(時間になったら開く、入る) |
| 見ていたら叱る | 作ったもの・見つけたものを聞く |
| 親が帰ってから確認する | その時間に、大人が関わる形にしておく |
ポイントは「引き算」ではなく「予定を入れる」ことです。放課後子供教室や児童館、習い事で曜日が埋まれば、その日の3時間は自然に短くなります。

見る側から、作る側・関わる側へ
もうひとつの方向が、好きなものを入口にしてしまうことです。
動画やゲームが好きだという事実は、変えなくていい情報です。見る側から、作る側や関わる側に回れると、同じ画面の前でも過ごし方が変わります。
| いまの3時間 | 置き換えられる形 |
|---|---|
| 動画を見る | 企画して撮る、編集する、人に見せる |
| ゲームをする | ゲームを作る。作ったものを誰かに遊んでもらって、感想をもとに直す |
| マイクラで遊ぶ | 街や学校を設計する。人に説明する |
| ひとりで完結する | 誰かに見せて、反応が返ってくる |
いちばん効くのは、最後の「反応が返ってくる」です。作ったものを見せて「面白い」と言われた経験は、次の日の学校での顔つきまで少し変えます。

自宅から参加できる場所という選択肢
とはいえ「作る側に回ろう」と親が言って、そのとおりに動く子はあまりいません。ひとりで始めるのは難しいからです。
そこで現実的になるのが、自宅から参加するオンラインの放課後です。「オンライン学童」と呼ばれることもあります。放課後の同じ時間帯に、やることと、見てくれる相手がある状態をつくれます。
| できること | 中身 |
|---|---|
| 時間帯が決まっている | 「17時になったら入る」という始まりの合図になる |
| やることがある | ひとりで3時間を組み立てなくてよくなる |
| 見せる相手がいる | 作ったものに反応が返ってくる |
| 送迎がゼロ | 自宅が会場なので、連れて行く人がいらない |
ただし正直に書いておくと、身体は家にひとりのままです。火の元や来客、体調不良への物理的な対応はできません。ひとりで留守番ができることが前提で、それが難しい年齢・状況なら、民間学童やファミリー・サポート・センターを先に検討してください。
実際にどう過ごしているのかは、マイクラ好きの小学生向けオンラインサークルの記事で紹介しています。

よくある質問
小学生のYouTubeの時間は、平均でどのくらいですか?
こども家庭庁の令和7年度調査では、小学生(10歳以上)の平日1日あたりのインターネット平均利用時間は233.6分(約3時間54分)です。利用内容は動画視聴が88.8%で1位、ゲームが85.5%で2位でした。
3時間以上見ているのは多いほうですか?
多数派です。同じ調査で、小学生(10歳以上)のうち平日3時間以上使っている子は61.7%、5時間以上も28.8%います。3時間はむしろ平均に近い水準です。
時間を減らすには、どうすればいいですか?
時間を削るだけだと空白ができて、結局戻ってきます。同じ時間帯に別のやることを置くほうが続きます。放課後子供教室や習い事で曜日を埋める、自宅から参加できる活動を入れるなど、代わりを先に用意してください。
ルールを決めても守られません
ルールが「減らす」だけになっていないか確認してください。何時から何をするか、という予定の形にすると守られやすくなります。時間を測って叱るより、始まりの合図があるほうが効きます。
なぜ放課後にYouTubeばかりになるのですか?
放課後にまとまった空き時間があり、そこにやることが用意されていないからです。学童の待機になった子の63.9%は自宅で留守番をしています。小学生が1人で3時間の使い道を組み立てるのは、大人でも難しいことです。
夏休みはさらに増えます
時間が長くなるうえ、曜日のリズムがなくなるためです。国のアンケートでも「夏休みなど長期休みだけでも利用できる場所が欲しい」が約160件と最多クラスの要望でした。長期休みは別に手当てを考えてください。
見る側から作る側になれますか?
なれます。動画やゲームが好きなことは、そのまま入口として使えます。作ったものを人に見せる、感想をもらって直す、という流れができると、同じ画面の前でも過ごし方が変わります。
取り上げるべきでしょうか?
取り上げるだけでは、その時間の使い道の問題が残ります。危険な使い方があるなら止める必要がありますが、時間の長さが問題なら、代わりに置くものを決めるほうが現実的です。
ゲームも同じように考えていいですか?
利用内容ではゲームが85.5%で動画視聴に次ぐ2位です。どちらも放課後の空き時間に入り込んでいる点は同じなので、考え方も同じで構いません。
まとめ
小学生の平日のネット利用時間は平均3時間54分、動画視聴は88.8%、3時間以上が61.7%。見すぎているのは、うちの子だけではありません。
そしてこの3時間54分は、放課後に空いている時間とほぼ同じ長さです。学童の待機になった子の63.9%は自宅で留守番をしています。
だから打ち手は「減らす」より「その時間に何を置くか」です。曜日を埋める。始まりの合図をつくる。そして、好きなものを見る側から作る側に回す。イライラする前に変えられるのは、子どもの意志より先に、時間の設計のほうです。
この記事について
文:佐藤仁美(にじいろ編集部 記者)
こども家庭庁の公表資料をもとに構成しました。利用時間の数値は「いずれかの機器でインターネットを利用している」と回答した青少年をベースにした集計で、平日1日あたり・利用機器の合計です。
出典
- こども家庭庁「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」(令和8年2月公表)PDF
- こども家庭庁「令和7年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」報告書」
- こども家庭庁「放課後のこどもの過ごし方に関する保護者アンケート(調査時点:令和7年7月1日・回答1,865件)結果」PDF


