「マラソン大会に行きたくない」「持久走の練習があるから学校を休みたい」。小学生の子どもにそう言われると、休ませてよいのか、励ました方がよいのか迷いますよね。
まず体調を確かめ、何がつらいのかを聞ける範囲で整理しましょう。参加を急いで約束する前に、見学・走り方や距離の調整・今回は走らない方法を学校へ相談できます。
体調不良があるときは、順位や完走より安全が先です。気持ちの負担が大きい場合も、「逃げ癖」と決めつけず、練習中の出来事や学校での関わり方を確かめます。学校の対応は一律ではないため、具体的な方法は担任や養護教諭と調整してください。
この記事では、休むか迷うときの考え方、最下位や練習への不安、先生への連絡例、当日と大会後の関わり方を整理します。学校の校内マラソン大会・持久走大会を対象とし、速く走るためのトレーニングとは分けて考えます。
にじいろは株式会社NIJINが運営し、この記事で紹介するNIJINアカデミーも同社の事業です。
マラソン大会を休ませてもいい? 最初に体調と負担を確かめる
「嫌だと言うだけで休ませていいの?」と考える前に、走ることが安全か、本人がどの程度困っているかを確かめましょう。体の症状と気持ちの負担は、どちらか一方に決めつける必要はありません。不安を話していても、痛みや息苦しさを「気のせい」と片付けないことが大切です。
| 今の様子 | 優先したい対応 | 学校に伝えること |
|---|---|---|
| 発熱、強い痛み、息苦しさ、めまいなどがある | 走ることを優先せず、症状に応じて医療機関等へ相談。強い症状や急な悪化では救急の判断を優先 | 症状が出た時刻・場面、受診や運動制限の指示 |
| 練習前から泣く、眠れない、登校が難しくなる | 負担の強い場面を整理し、参加方法を早めに相談 | 家庭で見えた変化と、本人が話した言葉 |
| 順位や応援されることがつらい | 比較や注目を減らせる方法を相談 | 順位の発表、声かけ、待機場所などの希望 |
| 本人が少し参加したいと言う | 本人と学校で条件を確認。途中で変えられる形を考える | 参加する範囲、終了の合図、体調不良時の対応 |
持病がある、運動中に同じ症状を繰り返す、医師から運動について指示を受けている場合は、自己判断で負荷を増やさず、学校と必要な情報を共有してください。診断名が分からない段階でも、症状や困っている場面は相談できます。
大会は見学し、ほかの授業に参加する方法や、練習だけ調整する方法も候補です。ただし、見学場所の安全、見守る先生、時間割によって対応は異なります。実施可能な方法を学校と確かめましょう。
持久走が嫌な理由は「走るのが遅い」だけではない
同じ「行きたくない」でも、走っている時間がつらい子と、スタート前の注目がつらい子では、必要な調整が変わります。問い詰めるより「走るとき、待っているとき、順位が出るとき。どこが一番嫌かな」と場面を小さくして聞いてみてください。
「最後でもいいじゃない」と励ましたつもりでも、本人は「みんなが見ている中で一人になる」ことを怖がっているかもしれません。順位を否定するより、「一人で走っているところを見られるのが嫌なんだね」と、確認できた気持ちを言葉にすると、相談する内容がはっきりします。
理由が分からないときは、分からないままで相談して構いません。走るのが苦手というだけで、発達障害や病気を推測する必要もありません。
見学・歩く・途中でやめることを、先生にどう相談する?
学校へは「大会が嫌いです」だけでなく、困っている場面、希望する方法、安全の確認をセットで伝えます。本人が言っていない事情まで、保護者が理由として付け足す必要はありません。
参加の選択肢と、先に決めておきたいこと
| 相談する方法 | 確認するポイント |
|---|---|
| 見学する | 場所、寒さへの対応、見守る先生、ほかの児童への説明、見学中の過ごし方 |
| 距離・時間を短くする | どこまで参加するか、コースから離れる場所、合流や移動の安全 |
| 本人に合うペースで参加する | 歩く場合も含めたコース管理、後方での見守り、順位や記録の扱い |
| 今回は走らず、別の形で関わる | 本人が希望する役割があるか。係や応援も負担なら、別の過ごし方を相談 |
| 当日の状態で変更する | 連絡時刻と手段、本人が言い出しにくいときの合図、保護者への連絡先 |
「歩いても大丈夫」「途中で抜けていいよ」と家庭だけで約束すると、当日の運営と合わない場合があります。道路を使う大会では特に、移動やコースから外れる方法まで先生と確認してください。
練習の負担と見学を相談する連絡帳・アプリの例文
〇年〇組〇〇の保護者です。持久走の練習について、本人が「〇〇がつらい」と話しています。家庭でも、練習の前日に〇〇という様子が見られます。
参加方法を相談したく、まずは見学、または距離・時間を調整することが可能か教えていただけますでしょうか。本人も交えて、無理なく取り組める条件を考えたいです。
見学場所、途中で体調が悪くなったときの対応、当日の変更連絡の方法も確認できればと思います。
最下位や周囲の言葉への不安を伝える例文
本人は、最後に一人で走ることと、そのときの周囲の声かけに不安があると話しています。順位を上げる練習より、注目や比較の負担を減らす方法を相談したいです。
記録や順位の伝え方、声かけ、待機場所などで調整できることはありますでしょうか。本人に説明する内容も、事前にすり合わせられると助かります。
からかいや強い叱責があった場合は、その出来事への対応も別に依頼します。「本人が気にしすぎる」で済ませず、担任だけで難しければ学年主任や養護教諭、教育相談担当の先生にも相談できます。学校との連携で伝えておきたいことも参考になります。
大会前の練習が嫌なとき、家庭で走らせる前に考えたいこと
「少し練習すれば自信が付くかも」と考えることは自然です。ただ、学校での練習ですでに疲れている子に、家庭でも練習を増やすと、休む時間がなくなります。まず、学校で何をどの程度しているか、何に困っているかを確認しましょう。
本人の希望と、親の心配を分ける
本人が「少し走ってみたい」と言う場合は、体調と学校での活動を踏まえて、無理のない範囲を考えられます。一方、「最下位にならないようにしてあげたい」という保護者の心配だけで練習計画を作ると、本人の困りごととずれることがあります。
声かけは「あと何周できる?」より、「走ること自体は試したい? 今日は休みたい?」と、今の希望を確かめる形に。すでに症状や運動制限があるときは、練習方法を探す前に医師等の指示を確認してください。
順位以外の目標も、本人が望むときに選ぶ
「自分に合うペースを知る」「つらくなったら先生に伝える」など、順位以外の目標も考えられます。完走を別の言葉で義務にするのではなく、本人が納得できる内容を相談しましょう。
スポーツ庁の授業事例では、競争よりも個人のペースをつかむことを中心に、心拍数やきつさを確かめながら取り組む実践が紹介されています。家庭で同じ測定をする必要はありませんが、速さの比較だけが持久走の学びではないと先生に相談する材料になります。スポーツ庁:体つくり運動の授業事例
日本陸上競技連盟の小学生向けガイドラインでも、長距離の練習に偏らず、さまざまな動きを取り入れる考え方が示されています。「大会が苦手だから運動全部がだめ」とまとめず、本人が楽しめる動きがあるかを考えてみましょう。日本陸連のガイドライン

家から参加する運動は、どんな時間?
NIJINアカデミーの「ホーム体育」では、ダンスやストレッチ、ゲームを取り入れた運動などを紹介しています。カメラオフや、参加できる日の利用についても公式ページで確認できます。
ホーム体育のメニューと参加方法を見る当日の朝と、大会のあとの関わり方
- 前日まで:変更できる条件を決める
体調不良や強い不安があるときの連絡方法、見学への変更、本人が助けを求める相手を確認します。「出ると決めたら変更できない」にしないことが大切です。 - 当日の朝:昨日の返事より、今の状態を確認
症状と本人の気持ちを短く確かめ、必要なら学校へ変更を連絡します。直前に何度も説得するより、保護者が学校との調整を引き受けましょう。 - 終了後:順位や参加の有無を最初の話題にしない
「今日のこと、今話したい?」「疲れていない?」など、本人が話せるかを確認。「休んだ分、明日は行こう」という交換条件も避けます。 - 翌日以降:残った困りごとを見直す
大会が終わっても、疲れ、からかい、練習への不安が残ることがあります。登校の難しさが続く場合は、行事だけの問題と決めず学校と相談を続けます。
当日、欠席や見学へ変更する連絡例
本日の持久走大会について、本人は今朝〇〇という状態のため、走ることは見合わせたいと考えています。予定していた参加方法からの変更となりますが、見学での登校が可能かご相談できますでしょうか。
登校自体も難しい場合は欠席の連絡をします。次の授業や練習について、改めて参加方法を相談させてください。
最初から欠席すると決めた場合は、「本日は欠席します」と学校のルールに沿って伝えます。症状や本人の言葉は事実の範囲にとどめ、休むための理由を作る必要はありません。
運動が苦手でも、関わり方を選べる実例
学校の大会をどうするかと、今後も体を動かす機会を持つことは、分けて考えられます。ここでは、本人の状態や興味に合わせて運動や人との関わりを選ぶ、NIJINアカデミーの実際の取り組みを紹介します。
ホーム体育:メニューを変えながら体を動かす

ホーム体育の公式ページには、ゲームを取り入れた筋トレ、ダンス、ヨガやストレッチなど、異なる動きを取り入れる時間が紹介されています。掲載写真では、クラスで作った「おみくじ体育」のメニューも確認できます。
参加の流れには、カメラオフや、来られる日に参加する方法も示されています。走る順位への抵抗が強い家庭にとって、運動とのつながり方が一つではないことを知る参考になります。体調や必要な配慮は個別に相談してください。
「苦手な運動もある」と話す、福山クラスのぼうしさん
公式インタビューでは、中学2年生のぼうしさんが、運動が得意ではなく、筋トレも苦手だと話しています。その一方で、ホーム体育には楽しい内容や達成感があり、参加できる範囲で関わっていることも語っています。
小学生の持久走大会の事例ではありませんが、「苦手がなくなってから参加する」以外にも、楽しめる部分を見つける関わりがあると分かる例です。この体験を、本人に「あなたも頑張りなさい」と求める材料にしないことも大切です。
公式出典:ホーム体育/福山クラス・ぼうしさんのインタビュー
広島福山校:走る以外の動きも、自分の意思で選ぶ

広島福山校は、自由運動を特色とする教室です。公式ページでは、子どもの意思を聞き、運動を強制しないことや、単純な「できる・できない」だけで評価しない考え方を紹介しています。
地域や通える条件は限られますが、運動をする場所を検討する際に、「どの種目があるか」だけでなく「やりたくないと伝えられるか」「安全をどう支えるか」も確かめる参考になります。学校の大会への参加や、苦手の解消を保証するものではありません。
公式出典:NIJINアカデミー広島福山校
マラソン大会・持久走を嫌がる小学生についてのFAQ
Q. 元気そうでも「大会が嫌だから休む」は相談していいですか?
相談できます。家で元気に見えても、注目や比較、練習中の出来事が強い負担になっている場合があります。理由を断定せず、家庭で見えた様子を伝え、見学を含む参加方法を学校と考えましょう。
Q. 休ませると逃げ癖が付きませんか?
一度の欠席だけで、その後の行動や性格は決められません。参加できなかったことを責めるより、何が難しかったか、次はどの条件なら安心できるかを確認することが役立ちます。困りごとが続く場合は学校や相談窓口と一緒に考えてください。
Q. 見学なら、学校には行かせた方がいいですか?
見学も本人にとって負担が小さいとは限りません。周囲に理由を聞かれることや、寒い場所で待つことがつらい場合もあります。本人の状態と、学校が用意できる見学環境を確認して決めましょう。
Q. 大会の途中で歩いてもいいのでしょうか?
学校やコースの運営、安全管理によるため、事前確認が必要です。歩く場合の位置、見守り、途中で終えるときの移動方法まで相談します。体調不良があるときは、歩けば続けられると判断せず、先生へ伝えてください。
Q. 最下位が嫌だと言われたら、どう励ませばいいですか?
まず「順位が低いこと」「一人になること」「笑われること」のどれがつらいか、話せる範囲で確かめます。「最後でもいい」で終わらせず、その負担を減らす具体的な方法を先生と相談しましょう。
Q. 大会だけ休むと、成績が下がりますか?
一つの行事を休んだことと、教科全体の評価を同じものとして判断しないことが大切です。体育で何を評価するか、見学や別の学習で確認できる内容があるかを学校に尋ねてください。「必ず下がる」「影響はない」と一律には言えません。
Q. 不登校中ですが、本人が大会に出たいと言っています。
出たい気持ちを聞いたうえで、最近の体調、運動量、練習への参加状況、当日の見守りを学校と確認します。行事への参加をきっかけに、普段の登校まで約束させる必要はありません。不登校で行事だけ参加するときの周囲との関わりも参考にしてください。
Q. 大会が終わっても学校に行きたがりません。
行事が終われば負担も消えるとは限りません。疲れや人間関係、ほかの授業など、残っている困りごとを学校と確かめます。体の症状が続く場合は、登校の話だけで解決しようとせず医療機関等へも相談してください。
「走れるようにする」の前に、安心して相談できる形をつくる
マラソン大会に行きたくないと言われたときは、体調を確認し、嫌な場面を分けて考えるところから始めましょう。見学や参加の調整は、安全と本人の希望を踏まえて学校と相談できます。
今日できるのは、順位を上げる約束より、「困っていることを先生に一緒に伝える」「当日変えたくなったらどうするか決める」ことかもしれません。大会への参加だけで、子どもの頑張りや運動との関わりを評価しないようにしたいですね。


