家では日本語で話せても、作文になると書き出せない、文が短くまとまらない。海外で暮らす子どもの日本語の書く力について、そんな悩みを感じる保護者もいます。まずは書く機会を小さく作り、必要なときに目的に合う添削や発表の場を選ぶと考えると、無理なく始めやすくなります。
学校・講座・募集要項の確認日:2026年10月25日
この記事では、文部科学省の国語科資料と各団体の公式情報をもとに、家庭で練習を始める方法、添削サービスの選び方、対象や費用の見方をまとめます。添削の頻度や受験対策の必要性は、本人の学年・希望・生活時間に合わせて判断してください。
海外在住の子どもの作文添削は、目的から選びましょう
まず家庭で短い文章を書く習慣を試し、書き方の指導や第三者のコメントが必要なら通信添削を検討するのが一つの方法です。作文の目的が「日本語で書く経験」「帰国枠入試の準備」「海外生活で感じたことの発表」のどれに近いかで、選ぶ手段は変わります。
| 方法 | 目的の例 | 受けられる反応 | 費用の確認 | 選ぶときの視点 |
|---|---|---|---|---|
| 家庭で書いて読み合う | 短い作文を始める、日常の経験を言葉にする | 家族との対話、本人の読み返し | 手持ちのノートなどで始められる | 書く量や頻度を小さくして、子どもが自分で題材を決められるか |
| 通信添削・講座 | 文章の組み立て、入試作文、小論文の練習 | 課題への添削、書き直し、返却コメント | 課題数・会員区分・添削回数を確認 | 対象学年、やりとりの方法、返却日数、書き直しの有無 |
| 作品を応募する | 海外生活の体験を文章にして発表する | 募集要項、審査、結果発表 | 応募や送付にかかる実費を確認 | 募集期間、字数、手書きなどの応募規定 |
| 対話型のオンライン学習 | 日本語で話す相手や継続的な学びの場を増やす | 会話・共同活動など | 開校状況と最新の学費案内を確認 | 作文添削が含まれるか、授業の目的と開校時期 |
通信添削は、講師から文章への具体的な返答を得たい場合に向きます。作品コンクールは、練習の代わりというより、書いたものを外へ届ける機会です。対話型スクールも作文指導と同じではありません。各サービスが何を提供するかを区別し、家庭の目的と合うものを選びましょう。
ともだちじゃぱんは、公式案内で子ども向けのオンライン日本語スクールとして紹介されています。作文の個別添削を主目的にするのではなく、同年代と日本語で話す機会も増やしたい家庭が、開校状況や学び方を確認する選択肢です。

家庭では「話す・メモする・短く書く」から始める
作文の前に、題材を探す時間を作ります。例えば、現地校で印象に残ったこと、家族で行った場所、友達と話したことを、まず日本語で話してもらいます。大人がすぐに正しい文章に直すより、「何が一番おもしろかった?」「それはどうして?」と聞き、本人が伝えたい中心を一緒に探すと、書きたい内容が見つかりやすくなります。
文部科学省の小学校学習指導要領解説では、書く活動を、題材を選ぶ・材料を集めて整理する・構成を考える・書き表す・読み返して整える・感想を伝え合う、といった学習過程に沿って示しています。家庭ではこの考え方を小さく取り入れ、いきなり長文を求めず、メモから一つの段落へ進む方法があります。
親子の会話の後、紙に「出来事」「気持ち」「そう思った理由」と三つだけメモする方法もあります。低学年なら一文や箇条書き、高学年なら段落、中学生なら理由や具体例を加えるなど、量を本人の今の力に合わせます。書けた量だけを評価せず、内容が伝わるか一緒に読んでみてください。
- 毎日でなく、家族が落ち着いて話せる日に一つの出来事を選ぶ
- 最初は一〜三文や数行でよいと伝える
- 文法や漢字の訂正は、内容を聞いた後に必要な点だけにする
- 公開・共有する文章と、家庭内だけで読む文章を分ける
添削を受けるなら、直す内容と書き直しの機会を確認する
添削を選ぶときは、赤字の数よりも、本人が次の一文を書きやすくなる返答かを確かめます。例えば「結論が分からない」とだけ伝えるのではなく、「この作文でいちばん伝えたいことはどれ?」「理由を一つ具体例で説明できる?」のように、本人の考えを引き出す質問があるかを見ます。
サービスによって、添削の対象は「短文の書き方」「入試作文の構成」「課題文を読んだ小論文」など違います。受験予定がない子には、入試対策を前提にした講座が目的に合わないことがあります。申込前に、教材・課題の量、提出方法、返却までの日数、書き直し回数、保護者向けの説明の有無を公式案内で確認しましょう。
| 確認したい点 | 家庭で見る内容 | 質問の例 |
|---|---|---|
| 課題の目的 | 日常作文か、入試作文か、小論文か | 子どもの目的に合うコースはどれですか? |
| 添削の流れ | 何回返却され、書き直しが含まれるか | 初稿を直して再提出できますか? |
| 提出の仕方 | オンライン、メール、郵送など | 海外から提出する場合の形式は何ですか? |
| 期間と費用 | 対象学年、受講期間、総額、会員区分 | 教材・添削料・税・支払手数料の総額はいくらですか? |
文部科学省の国語科解説では、文章を整えることだけでなく、文章に対する感想や意見を伝え合い、自分の文章のよいところを見つける活動も示されています。誤字をすべて指摘するより、よく伝わった一文や、続きを読みたい部分を具体的に伝え、次の推敲につなげることを意識できます。

海外在住の子どもが利用できる作文の学び方
以下は公式ページで対象や内容を確認できた選択肢です。順位付けではなく、目的ごとに並べています。JOBAは文章指導・通信添削、JOESのコンクールは作品発表の場、ともだちじゃぱんは対話型のオンライン日本語スクールです。それぞれ提供内容が異なるため、同じ授業や添削を受けられると考えず、公式案内で確認してください。
JOBA「日本語作文・小論文添削」
- 内容
- 通信添削。文章作成コースは短文課題、入試作文対策コースは構成や内容整理の練習を扱います。
- 対象
- 文章作成コースは小学4年生以上。入試作文コースは小学5年生〜中学3年生。
- 形式
- 教材・課題の通信添削。小論文対策はPDFとメールでやりとりし、オンライン授業ではありません。
- 費用
- 文章作成コースは一般44,800円(税込49,280円)、入試作文対策コース1・2は一般40,000円(税込44,000円)。会員区分によって異なります。
- 所在地・連絡先
- 東京都大田区上池台3-39-9/海外から +81-3-5754-2240(平日10:00〜17:00、日本時間)
海外子女教育振興財団(JOES)「海外子女文芸作品コンクール」
- 内容
- 作文・詩・短歌・俳句の作品募集。文章指導・個別添削の講座ではなく、海外生活での経験や思いを作品として応募する機会です。
- 対象
- 海外在住で日本の小学1年〜中学3年相当の学習をしている児童・生徒。
- 応募方法
- 第47回(2026年)は個人応募がメールのみ。作品は手書きで、PDFまたは画像にして送付します。2026年の募集期間は5月1日〜7月15日で、受付は終了しています。
- 費用
- 応募までの費用は応募者負担です。
- 所在地・連絡先
- 東京都港区愛宕1-3-4 愛宕東洋ビル6階/03-4330-1351/wataseka@joes.or.jp
次回の募集時期は同財団の最新案内をご確認ください。2026年の結果発表は11月1日正午(日本時間)と案内されています。
ともだちじゃぱん
- 内容
- 海外で育つ子どものオンライン日本語スクール。公式案内では、会話や対話、共同活動を中心にした学び方を紹介しています。個別の作文添削講座とは区別して検討してください。
- 対象
- 公式FAQでは年長ごろから高校3年生が中心と案内されています。
- 形式・開始状況
- オンライン。2026年10月25日時点で開校前の準備期間で、2026年12月のパイロット開校を案内しています。現状は専任サポート体験プランを案内しています。
- 連絡先
- 公式入学案内の無料相談・資料請求フォーム
コンクールは、応募要項に記された学齢・字数・形式を守る必要があります。JOESの2026年募集要項では、作文は小学生2,000字以内、中学生3,200字以内で、本人の手書き作品に限ると案内されています。募集年ごとに条件を再確認し、応募作品の著作権や公開範囲の説明にも目を通しましょう。
申し込む前に家庭でそろえたい4つの確認
- 目的:日常の日本語で書く練習か、帰国枠入試か、作品発表か。
- 課題の量:子どもの学校・現地生活に無理なく組み込める量か。
- やりとり:海外の時差、添削返却までの日数、提出環境、保護者の補助範囲。
- 総費用:コース料金、会員条件、税、支払手数料、教材、追加添削を含めた金額。
作文力を一度のテストだけで判断するのではなく、本人が題材を選ぶ、書く、読み返す、反応をもとに直す経験を続けられるかを見てください。しばらく家庭で試してから添削を加える方法もあります。反対に帰国枠入試が近い場合は、志望校の出題内容を確認し、必要なら入試課題に対応する講座を検討します。
- 子ども本人は作文をどんな形で続けたいか
- 提出・返却が家族の時差や通信環境に合うか
- 添削例や体験教材を、申込前に見られるか
- 申込後のキャンセル・返金の条件
学齢、受験校、居住地や利用環境によって合うサービスは異なります。公式資料に書かれている対象・受講期間・料金を確認し、分からない項目は推測で補わず、申込先に尋ねてから決めましょう。

海外在住の子どもの作文添削についてよくある質問
その日にあった出来事を話し、伝えたいことを一つ選んで、一文や数行に書くところから始められます。文部科学省の国語科資料では、題材を決めて材料を集め、内容を整理して書き、読み返して整える過程が示されています。
目的、対象学年、課題の種類、提出方法、返却日数、書き直しの有無、会員条件と総費用を確認します。帰国枠入試向けの講座と、日常の短文練習、作品募集では目的が異なるため、公式要項を比べてください。
まず本人が話したい経験を聞き、「一番伝えたいことはどれ?」と中心を選ぶ手伝いをします。そのあと、出来事・気持ち・理由を短くメモし、一文にする方法があります。最初から文法や漢字を全部直すより、伝えたい内容を先に確かめます。
JOBAは海外・帰国生向けの日本語作文・小論文通信添削を案内しています。公式コース一覧では文章作成コースは小学4年生以上、入試作文対策コースは小学5年生から中学3年生が対象です。コースごとに期間や料金が異なります。
公式受講費ページでは、文章作成コースの一般料金は44,800円(税込49,280円)、入試作文対策コース1・2は各40,000円(税込44,000円)です。A・B会員料金は異なり、海外居住者の消費税の扱いや銀行振込手数料など条件もあるため、申込時に最新ページを確認してください。
JOESの第47回募集要項では、海外在住で日本の小学1年から中学3年相当の学習をしている児童・生徒が対象です。2026年の募集期間は5月1日から7月15日までで、個人応募はメールのみでした。同年の応募受付は終了しているため、次回の要項を公式サイトで確認してください。
すべてを一度に直す必要はありません。先に本人が伝えたい中心や理由が読者に分かるかを一緒に読み、次に見直す点を一つ選びます。文法・表記の確認は、内容を整えた後に本人が読み返す段階で扱うと、伝えたいことと修正が混ざりにくくなります。
JOES第47回の2026年募集要項では、小学生の作文は2,000字以内、中学生は3,200字以内で、本人が手書きした作品に限ると案内されています。募集年で条件が変わる可能性があるため、次回の要項を確認してください。
通信添削は、提出した文章へのコメントや書き直しを目的にします。オンライン日本語スクールは、会話や共同活動などを含む場合があり、作文の個別添削を提供するとは限りません。サービスごとに授業内容と添削の有無を公式案内で確認してください。
一律の頻度を決める公的基準はありません。家庭の時間と本人の負担に合わせ、短い文章を続けられる間隔から始めて調整します。課題量や提出期限がある講座を利用する場合は、公式の受講期間・課題数と学校生活を照らして選びましょう。
公式情報・出典
学校の指導内容・サービス内容・費用・募集条件は2026年10月25日に各公式ページで確認しました。価格や受付状況は更新されるため、申込前に現行ページを再確認してください。
まとめ
海外在住の子どもが作文を書けないときは、まず日々の出来事を話し、伝えたいことを短くメモして文章にするところから始められます。書き方や入試対策の指導が必要なら、対象学年、添削回数、書き直し、返却日数、料金を確認して通信添削を検討します。作品発表や日本語での対話の機会は、作文講座とは目的が異なります。子どもの希望と家庭の状況に合わせて選んでください。


