思春期の子どもへの接し方|親の声かけ・距離感と「好き」を見守る関わり方

思春期の子どもへの接し方|親の声かけ・距離感と「好き」を見守る関わり方

思春期の子どもへの接し方は、すぐに正しい答えを伝えるより、話を聴くこと、本人が決める余地を残すこと、必要なときに頼れる関係を保つことが基本です。親との会話が減っても、好きな活動や家庭以外の大人との関わりが、話すきっかけになることがあります。距離を尊重しながら、困ったときには支えられる関係を目指しましょう。

思春期は、親との距離が変わる時期

「前は何でも話してくれたのに」「声をかけると嫌がられる」と戸惑うことはありませんか。思春期には、親と違う考えを持ち、自分のことを自分で決めたい気持ちが強まることがあります。会話が減ったという一つの変化だけで、関係が悪くなったと決めつける必要はありません。

茨城県教育委員会の思春期の子育てに関する資料でも、子どもの話を聴くことや、自立に向けた変化を理解する視点が示されています。年齢だけで一律に対応するのではなく、その子の状態と場面に合わせて距離を調整しましょう。

WHO・UNICEFが示す、思春期を支える関係づくり

WHOは、思春期の心の健康を支えるうえで、家庭・学校・地域の支援的な環境が重要だとしています。参考:WHO|Mental health of adolescents(2025年9月)。親子だけで解決しようとせず、本人が安心して関われる大人や相談先を持つことも、環境を整える一つの方法です。

UNICEFの保護者向け資料では、子どもが大切にしていることに関心を向け、判断を急がずに話を聴き、話せないときに無理強いしない関わりが紹介されています。参考:UNICEF|思春期の子どもと話すための11のヒント(2022年6月)。例えば「またゲーム?」と切り出す前に、「どんなところが面白い?」と尋ねる。以下の声かけ例も、こうした聴き方を家庭で試すための提案です。

親が意識したい5つの接し方

1.話し始めたときは、結論を急がず聴く

困った話を聞くと、すぐ「こうすればいい」と言いたくなるものです。まずは「そういうことがあったんだね」と受け止め、本人が何を困っているのかを確かめてみましょう。

助言する前に「今は聞いてほしい? 一緒に考えたい?」と聞く方法もあります。話の途中で評価や説教が始まると感じさせないことが、次に相談するための土台になります。

2.声をかけるタイミングを選ぶ

帰宅直後、ゲームの途中、疲れている時間などは、同じ言葉でも負担になることがあります。必要な話は「夕食の後に少し相談できる?」と時間を決める方が落ち着いて話せる場合があります。

今話したくないと言われたら、すぐに追いかけず、後で話せる余地を残します。ただし安全や健康に関わることは先送りにせず、理由を短く説明して確認しましょう。

3.本人が決める範囲を少しずつ広げる

勉強の順番、休憩の取り方、参加する活動など、本人が選べる部分を明確にします。すべて任せるか、すべて管理するかの二択にしないことが大切です。

親が決める必要のある費用や安全の条件は先に共有し、その範囲で選んでもらいます。うまくいかなかったときは責めるより、どこを変えればよいか一緒に振り返りましょう。

4.「好き」を評価の材料にしすぎない

ゲーム、動画、絵、音楽など、保護者には分かりにくい興味もあります。「将来役に立つの?」とすぐに問う前に、本人がどこに面白さを感じるのかを聞いてみてください。

好きなことが毎回成果や進路の話につながると、話しにくくなる場合もあります。作品を見せてもらう、知らないことを教えてもらうなど、関心を共有する時間そのものを大切にしましょう。

5.親以外にも相談できる相手を持つ

保護者に言いにくいことでも、先生や活動先の大人には話せることがあります。家庭以外に安心して関われる相手がいることを、親子関係の代わりではなく支えの一つとして考えてみましょう。

新しい場を勧めるときも、「あなたを変えるため」ではなく、本人の興味を入口にします。大人が一方的に指導するだけでなく、子どもの意見を聴いてくれる環境かを確かめてください。

言い合いになりやすい声かけを、相談の言葉に変える

つい出る言葉言い換えの例
いつまでゲームしているの?今日はどこで区切る予定? 寝る時間も一緒に決めよう
何も考えていないでしょう今どう考えているか、話せるところだけ聞かせて
親の言う通りにしなさいここは安全のために必要。その上で選べる方法を考えよう
何でそんなことが好きなの?どのあたりが面白い? よかったら教えて

言い換えだけで毎回うまくいくわけではありません。お互いに感情が強くなったときは、いったん会話を区切り、落ち着いてから話す方がよい場合があります。親が強く言いすぎたときは、その言い方について謝ることもできます。

ゲームやスマホのルールは、理由と見直す日を共有する

一方的に禁止するだけでなく、睡眠や学校生活、家庭の予定のために何を守りたいのかを具体的に話します。開始・終了時刻、使わない場所、課金や個人情報など、論点を分けると相談しやすくなります。

決めたルールが守れなかったときは、本人の意思の弱さだけで説明せず、区切りが分かりにくかったのか、予定が詰まっていたのかを確認します。最初から完璧な約束にせず、見直す日を設けましょう。

好きな活動を通じて、大人と関わるという選択肢

親子で向き合って話す場面では言葉が出なくても、一緒に何かをつくる場では、自分の考えを伝えやすい子もいます。企画を相談する、作品への感想を聞く、仲間の役割を手伝うなど、話す目的がある関わりを持つ方法です。

NIJINアカデミー放課後プロジェクトスクールは、子どもの興味を入口にした活動や、社会の大人との関わりを紹介しています。以下は株式会社NIJINのプレスリリース掲載画像です。習い事で思春期の悩みがすべて解決するわけではありませんが、家庭以外で意見を伝える場を探す一つの選択肢になります。

株式会社NIJINのプレスリリースに掲載された活動紹介画像
出典:株式会社NIJINのプレスリリース(PR TIMES)。掲載当時の活動・企画の紹介画像です。

公式サイトでは、子どもたちが企業や地域の人と関わるプロジェクトも紹介されています。参加を決める前に、本人の関心に合うテーマ、大人の関わり方、発言を無理に求められないかを体験で確認してみましょう。

「思春期だから」で済ませず、相談したいとき

眠れない、食事が取れない、強い落ち込みが続くなど、心身や生活に大きな変化がある場合は、家庭の声かけだけで抱え込まないことが大切です。学校の先生やスクールカウンセラー、医療機関など、その子の状況に合う相談先につなげてください。

保護者自身が疲れ切っているときにも相談できます。接し方の正解を一人で探し続けるより、具体的な出来事を誰かと整理することが助けになります。

よくある質問

話しかけても返事がありません。どうすれば?

質問を重ねすぎず、短く用件を伝え、話せるタイミングを探してみましょう。必要な確認と、今すぐ答えなくてもよい会話を分ける方法があります。

好きなことがゲームだけでもよいのでしょうか?

まず本人が何に興味を持っているかを知る入口にできます。生活への影響を確認しながら、制作や交流などに広げられるか考えてみましょう。

習い事を勧めても嫌がります。

無理に参加させず、本人がどこを負担に感じるか聞いてみましょう。見学や短い体験、今は始めない選択も含めて考えられます。

まとめ|近づきすぎず、必要なときには頼れる関係を

思春期の子どもへの接し方では、聴くこと、選ぶ余地を残すこと、安心できる相手を増やすことを意識してみてください。好きな活動を通じた小さな会話を重ねながら、その子に合う距離を探していきましょう。

自分の企画を母親に見せて話す中学生
NIJINアカデミー放課後プロジェクトスクール

親子の会話だけで抱え込まず、好きでつながる場所へ。

ゲームや作品づくりなど、本人が関心を持つテーマを入口に、仲間や大人と取り組む時間を。NIJINアカデミー放課後プロジェクトスクールで、子どもが「自分でやってみたい」と思える活動を探してみませんか。

対象は小学生・中学生・高校生(公式料金ページの案内)。募集状況・活動内容・参加条件は最新の公式案内をご確認ください。