発表日:2026年10月22日。発表主体:東京都教育委員会。都内公立学校を対象にした2026年度の統計調査が公表され、小学校の在学者は577,814人、中学校は227,697人、高校の全日制・定時制は123,862人でした。小学校では前年度から9,261人減少した一方、中学校は99人減、高校は1,492人減です。数字は2026年5月1日時点の学校数・学級数・在学者数などと、2025年度卒業者の進路状況をまとめたものです。
2026年度の公立学校統計が公表
東京都教育委員会は2026年10月22日、「令和8年度公立学校統計調査」の結果を公表しました。この調査は、都内の公立学校に関する基本的な情報をまとめ、教育行政の基礎資料とする目的で毎年行われています。調査時点は2026年5月1日で、対象は都内公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校です。学校数、学級数、在学者数、教職員数などのほか、2025年度末に卒業した人の進路状況も掲載されています。
今回の発表で東京都教育委員会が特徴として示した数字は、小学校の在学者577,814人、中学校227,697人、高校の全日制・定時制123,862人です。前年度と比べると、小学校は9,261人、中学校は99人、高校は1,492人減少しました。中学校卒業者の進学率は98.5%で前年度より0.1ポイント上昇し、高校の全日制・定時制卒業者の進学率は61.9%で1.5ポイント低下しました。
大切なのは、この統計が「東京都のすべての子ども」「すべての学校」を対象にした数字ではないことです。今回の公立学校統計調査には、国立・私立学校は含まれません。幼稚園もこの調査の対象外で、国立・私立学校の状況や幼児教育の情報は、別の統計資料を確認する必要があります。数字を読むときは、対象と時点を合わせて比較することが基本になります。
また、調査結果は、子どもの学習状況や学校生活の満足度を直接測ったものではありません。在学者数が減ったことから、授業の質が上がった、学校が過ごしやすくなった、あるいは支援が行き届いたと結論づけることはできません。反対に、児童数の多い地域をただちに「教育環境が悪い」とみなすことも適切ではありません。統計は現状を整理するための材料であり、数字の背景を確認するための出発点です。
在学者数の変化をどう読むか
小学校で前年度より9,261人減ったという結果は、東京都の公立小学校に在籍する児童の総数が、調査時点で前年度を下回ったことを示しています。ただし、この一つの数字だけでは、なぜ減少したかはわかりません。出生数や転出入、私立・国立学校への在籍、区市町村ごとの人口構成、学校の新設や統合など、複数の要素が関係する可能性があります。今回の集計結果は、それぞれの要因がどれだけ減少に寄与したかを因果的に分析するものではありません。
小学校の減少幅が中学校より大きいことも、同じ学年の子どもが急に減ったという意味ではありません。小学校と中学校では学齢人口や学校数、各地域での学校選択の状況が異なり、集計対象となる児童・生徒の集団も異なります。中学校の人数がほぼ横ばいであることから、今後の在籍者数も同じ水準で推移すると予測することはできません。学年ごとの人数や地域別の学校一覧、教育人口の推計など、別の資料と照らし合わせる必要があります。
東京都全体の合計は、都内の地域差を覆い隠します。人口が増えて児童数が増えている地域と、減少が続く地域が同時に存在する可能性があります。学校ごとの規模や学級数を知りたい場合は、所在地別の一覧や統計表を見ます。東京都教育委員会の報告書ページには学校別の児童・生徒数や教職員数などが掲載されていますが、個別の学校の学級編制や支援体制を判断するには、各学校や区市町村教育委員会の情報も必要です。
在籍者数の減少は、教育行政に複数の問いを投げかけます。学校施設をどのように維持するのか、学級規模や教員配置をどう調整するのか、通学距離や放課後の居場所をどう確保するのか、地域の学校をどのように残すのかといった検討です。しかし、人数だけで学校の統合や配置を決めれば、地域の地理、通学時の安全、特別な配慮、子どもの人間関係、災害時の避難場所としての役割などを十分に扱えません。人口の数字と、地域で学ぶ人の実際の暮らしの両方が必要です。
一方、在籍者が減っても、学校で必要とされる支援や教職員の仕事が同じ割合で減るとは限りません。個別の教育的ニーズ、日本語指導、医療的ケア、相談支援、保護者との連携など、人数の総計だけでは表せない業務があります。児童・生徒数の減少を「教員を減らせる根拠」と直結させず、学校の機能や支援の必要性を別に確かめることが求められます。
小学校・中学校・高校の数字
小学校は577,814人で、前年度から9,261人減少しました。中学校は227,697人で99人減少、高校の全日制・定時制は123,862人で1,492人減少です。東京都教育委員会の報道発表は、この三つの学校段階の総数を簡潔に示しています。人数が減ったという事実は確認できますが、学校段階ごとの教育課題や授業の様子を評価するには、学級数、学校数、教職員数、学級当たりの児童・生徒数などの内訳も併せて確認する必要があります。
たとえば、児童数が減少しても、特定の地域や学年では学校規模が大きいままかもしれません。別の地域では学級数が少なくても、教員の配置、複式学級の有無、通学距離、校舎の状態などが課題になる場合があります。都全体の総数から、本人が通う学校の状況を推測することはできません。学校名や所在地で情報を確認し、必要であれば区市町村教育委員会に問い合わせることが大切です。
高校の数字は全日制・定時制の合計であり、通信制課程や中等教育学校などは別の表や区分で整理されています。高校段階の状況を確認するときには、「高校生の総数」とだけまとめず、課程、学科、所在地、転学・転入の状況など、何を含む数字なのかを確認します。全日制・定時制の在籍者が減ったという発表だけから、通信制への移行が増えた、あるいは特定の進路が人気になったとは言えません。異なる課程の数字は調査範囲や定義をそろえて見る必要があります。
今回の報告書には、学校数や学級数に加えて、教員数・職員数や学校種別の統計表も含まれます。小学校・中学校・義務教育学校の資料では、特別支援学級、日本語学級、夜間学級などの表が案内されています。高校についても、学科別や所在地別の集計、転学者・転入学者、通信制に関する表が用意されています。こうした情報は、子どもの数だけでなく、学校がどのような教育機能を持ち、どんな支援や学びの場を提供しているかを調べる際に役立ちます。
統計を使って学校の様子を比べる際には、数字の分母を合わせることが欠かせません。学校ごとの児童数を比べるのか、学級当たりの人数を比べるのか、教職員数に対する在籍者数を見るのかによって、読み取れる内容は変わります。支援学級の在籍者数だけから、通常の学級で受ける支援の多寡や本人の支援の質は判断できません。数字は個々の子どもに診断や必要な配慮を当てはめる根拠ではなく、学校や自治体に確認したいことを具体化する資料です。
進学率の数字が示す範囲
東京都教育委員会の発表では、中学校卒業者の進学率は98.5%で、前年度より0.1ポイント上昇しました。高校の全日制・定時制の卒業者の進学率は61.9%で、前年度より1.5ポイント低下しました。ここでいう「進学率」は、調査の定義に沿って卒業者の進路を集計した指標です。本人が進学先でどのような学習をしているか、希望する進路に進めたか、進学後に継続して学べているかまで、この割合だけで示されるわけではありません。
中学校卒業者の進学率が98.5%という数字は、多くの卒業者が進学したことを表しますが、残る人の事情を一括して説明するものではありません。また、高校卒業後の進学率が61.9%という数字も、進学しなかった人が進路を失ったことを意味しません。就職、職業訓練、資格取得、家庭の事情、卒業後に時間を置いて進学を考えることなど、個々の進路は多様です。進学率の上昇・低下を、生徒の意欲や能力の変化として読み替えることはできません。
数値の差が生まれた背景を知るには、卒業者の進路状況調査編を確認し、進学先の種別や就職などの内訳を見る必要があります。それでも、統計上の分類だけで、本人がその進路をどのように受け止めているか、経済的な条件や支援の有無がどのように影響したかはわかりません。調査は行政資料として進路状況を把握するもので、進路選択の理由や満足度を聞き取る質的調査ではありません。
進学率を学校選びに使うときは、学校ごとの数値の比較だけで結論を出さないようにします。入学者の学力や希望、学校の募集規模、地域の進学機会、課程の違いなどが異なるため、割合が高い学校がすべての生徒にとって最良とは限りません。学校の進路指導、卒業後の相談、進路変更への対応、学習支援や配慮の相談方法を具体的に知ることが必要です。本人の興味や希望を軸に、数値は一つの背景情報として使いましょう。
高校卒業後の進学率が前年から1.5ポイント下がったことについても、単年度の変化だけで長期的な傾向や原因を断定できません。年度ごとの卒業者数、進学先の構成、就職状況、調査時点や集計方法を確かめ、複数年度の統計と比較する必要があります。割合の変化は、分子・分母双方の変化に影響されます。全体の人数が変わっている状況では、割合だけでなく実数も合わせて見ると誤解を減らせます。
特別支援学級や通級の表も確認できる
東京都の公立学校統計調査は、学校規模や進路だけでなく、特別支援学級や通級による指導などに関する統計表も含んでいます。小学校、中学校、義務教育学校について、設置学校数、学級数、在籍者数、通級生数などを確認できる表が案内されています。特別支援教育に関心のある家庭や学校にとっては、都内の公立学校全体の状況を把握する入口になります。
ただし、統計表に支援学級や通級の人数が載っていることと、個々の学校で必要な支援を受けられるかどうかは別の問いです。自治体や学校によって、教室の配置、専門性を持つ教職員の体制、支援内容、相談の進め方が異なります。学校全体の人数から、本人がどの学級に在籍すべきか、どの支援方法が合うかを推測することはできません。進級・進学の相談では、本人の学習や生活の状況、希望、必要な環境調整を学校と話し合ってください。
学校間の数字を比べるときには、単純な人数だけでなく、学校の規模や学年、地域の条件、調査上の区分を確認します。通級による指導を利用する児童・生徒の数が多い地域でも、利用機会や支援の質が一様とは限りません。逆に人数が少ないことを、その地域に支援の必要な子どもが少ないと結論づけるのも適切ではありません。支援のニーズがどのように把握され、相談先や利用方法がどう案内されているかは、数字とは別に確認する必要があります。
この統計は、特別支援学校の学校数、学級数、在学者数、教員・職員数などについても報告書を用意しています。学校選択や通学区域を調べる場合、人数の合計だけではなく、学校別の情報、学科や教育課程、通学区域、見学・相談の日程などを各自治体の公式ページで確認しましょう。統計調査には、個人の支援計画や診断情報は含まれません。公表データを、特定の子どもを類型化したり、将来を予測したりするために使わないことが重要です。
家庭が学校選びに生かす方法
保護者や本人が統計を活用する一つの方法は、関心のある地域や学校について、公式の学校一覧や統計表で基本情報を調べることです。学校の所在地、在籍者数、学級数、教職員数、学科や課程を確認すれば、説明会や個別相談で尋ねたいことを整理しやすくなります。ただし、学校規模の数字だけから、落ち着いた環境か、先生に相談しやすいか、本人に合うかを判断することはできません。最終的には学校見学や相談で、実際の教育活動と本人の希望を確認しましょう。
たとえば、少人数の学習環境を希望している場合、学校全体の在籍者数ではなく、学級の規模、授業の形、選択科目、別室や校内支援の有無などを聞く必要があります。通級や特別支援学級について知りたい場合には、設置の有無だけでなく、相談開始の手順、利用する時間、通常の学級との学びのつながり、進級時の情報共有などを確認します。具体的な支援方法は本人の状況によって異なるため、統計の数字を支援の可否と結び付けないことが大切です。
中学卒業後の進路については、進学率だけを見るのではなく、学校や課程の学び方、通学日数、学習相談、就職・進学の支援などを確認します。高校全日制・定時制の合計と、通信制の情報は区分が異なる場合があります。通信制高校、定時制高校、特別な支援を提供する学校を検討する家庭は、学校本体の教育内容、スクーリング場所や頻度、卒業資格を出す主体、費用の内訳をそれぞれの公式案内で確かめましょう。統計の進路割合が、特定の進路を勧める根拠になるわけではありません。
本人が学校生活で困りごとを感じている場合には、集計結果よりも、現在どの場面で学びづらさが生じ、どんな工夫が助けになるかを学校と相談することが優先です。座席、説明方法、課題の区切り、休憩、別室での学習など、相談の内容は子どもによって違います。統計は学校全体や都全体の状況を知る材料として使い、本人の状況を語る際には、日々の具体的な経験や希望を共有することが大切です。
教育委員会や自治体の相談窓口に問い合わせる場合も、統計で調べた情報をそのまま個別の結論にせず、質問を用意すると役立ちます。「この地域の学校別データはどこにあるか」「支援学級や通級について相談できる窓口はどこか」「学校見学を申し込む方法は何か」など、情報の所在を尋ねることから始められます。公表されていない情報を推測せず、学校や教育委員会の担当者に最新の制度と手続きを確認しましょう。
学校・自治体に求められる視点
公立学校の在籍者数が減少する地域では、学校施設の再配置や学級編制、教職員配置が行政課題になることがあります。その議論では、統計を出発点にしながらも、通学距離、公共交通、地域の地形、子どもの安全、放課後の生活、学校が担う地域の役割を検討する必要があります。数字の効率性だけを基準にすると、移動に時間がかかる家庭や、個別の支援を必要とする子どもの負担が見落とされる可能性があります。
一方で、児童・生徒数が減少していることを理由に、学校の教育活動や支援の充実を後回しにしてよいわけではありません。教員数や職員数の推移、学校種別、学級規模、特別支援教育に必要な体制を合わせて把握し、地域ごとに必要な資源を検討することが大切です。全体の比率だけでは、専門性を持つ職員の配置や支援の継続性を確認できないため、行政は数字の定義や対象範囲を住民にわかりやすく示す必要があります。
進路統計を公表する際は、進学率の変化だけでなく、どの学校種や課程が対象か、卒業後の進路区分は何か、調査時点はいつかを明確にすることが重要です。前年度との比較では、定義や集計の変更がないかを確認し、比率の増減を原因と結び付けずに説明する必要があります。行政が統計を根拠に施策を検討するときも、定量データに加えて、学校や家庭、生徒の声、地域の状況を把握することが求められます。
統計の利活用では、個人情報と公表情報の線引きも重要です。学校別の人数が公開されても、個人を特定したり、少数の集団について属性を推測したりする使い方は避けるべきです。特別支援や不登校などの情報を、子どもへの偏見や学校の評価に結び付けない配慮が必要です。数値を政策の検討や学校運営に使う場合には、どの課題を解決するために、どのデータを参照し、どのような追加調査を行うかを透明に示すことが望まれます。
学校現場では、統計を保護者との説明や校内の検討に使う際に、数字の意味を過度に一般化しないことが大切です。都全体で児童数が減少しているという事実を、個別の学校の教育状況を説明する根拠としてそのまま使うことはできません。学校自身の学級数、教員配置、教育活動、支援の状況を示し、保護者や生徒から寄せられた質問に応じて説明する必要があります。統計が示す範囲と、示していないことをセットで伝える姿勢が、信頼につながります。
統計を読むときの限界
今回の調査時点は2026年5月1日です。10月に公表された資料であっても、すべての数字が10月時点の状態を表すわけではありません。在籍者数などは特定の日のスナップショットであり、その後の転出入や転学などは反映されないことがあります。卒業者の進路状況は2025年度卒業者を対象にしているため、在学者数と進路の数字では対象となる時期が異なります。公表日とデータの基準日を混同しないようにしましょう。
また、対象は都内公立学校です。東京都全体の子どもの数を語る際に、国立・私立学校の在籍を含めるなら、別の統計と合わせる必要があります。その場合、調査時点や学校の区分、定義が一致しているかを確認しなければなりません。別々の資料にある数字を足し合わせるときは、対象の重複や集計単位の違いに注意します。集計範囲の違いを明示せず「東京の子どもは何人」と示すと、実際より狭い範囲の数字を全体のように伝えてしまう可能性があります。
統計の増減は、現象の記述であって、原因の特定ではありません。小学校の在学者数が9,261人減少した理由を、少子化だけ、私立志向だけ、特定の政策だけに帰すことはできません。背景を検討するには、人口移動、出生、在籍校の区分、学校の新設・統合など複数の資料を比較し、因果関係を検証する別の分析が必要です。単年度の差だけで長期的な傾向を断定せず、複数年度の推移を確認してください。
進学率にも、本人の進路の質や満足度を測らない限界があります。進学したかどうかは集計できても、進学先で安心して学べているか、合理的配慮や学習支援を受けられているか、途中で進路変更をしたかなどは別の調査が必要です。割合の低下を「進学意欲の低下」と解釈するのは誤りです。就職や別の学び方を本人が希望して選んだ場合もあり、数字だけで価値判断することはできません。
統計表は項目が多いため、読み間違いにも注意が必要です。小学校、中学校、高校、特別支援学校で集計する単位や対象が異なり、人数、学校数、学級数、率のいずれを見ているかによって意味が変わります。ExcelやPDFから数字を引用する場合は、表題、年度、列名、注記、単位を確かめ、元資料へのリンクを添えることが重要です。表の一部だけを切り取ると、対象範囲や条件が伝わらなくなるおそれがあります。
まとめ
東京都教育委員会が10月22日に公表した令和8年度公立学校統計調査では、2026年5月1日時点の在学者数は小学校577,814人、中学校227,697人、高校の全日制・定時制123,862人でした。前年度比では小学校9,261人減、中学校99人減、高校1,492人減です。中学校卒業者の進学率は98.5%、高校全日制・定時制卒業者の進学率は61.9%でした。
これらは都内公立学校を対象とした行政統計であり、国立・私立学校を含む東京都全体の全児童・生徒数ではありません。人数の増減だけでは背景や原因はわからず、進学率だけでも卒業後の学びの質や本人の希望は判断できません。特別支援学級、通級、教職員数、学校別の状況など、関心に応じて報告書の表を確認し、対象と調査時点を意識して読むことが必要です。
家庭で進路や支援を考えている場合は、東京都教育委員会の統計調査報告書から関心のある学校・地域の資料を確認し、学校説明会や教育委員会の相談窓口で最新の教育内容、支援、通学方法を尋ねてください。統計を本人の適性や将来の予測に使うのではなく、学校に確認したい問いを整理する材料として活用することが、実際の選択に役立ちます。

