発表日:2026年10月9日
発表されたこと
文部科学省は2026年10月9日、2026年6月1日に開催された「全国的な学力調査に関する専門家会議(令和8年度第1回)・全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ(令和8年度第1回)」の議事要旨を公開しました。議事では、今後の全国学力・学習状況調査のCBT実施、結果の利活用、特別な配慮が必要な児童生徒への対応などが話し合われています。
議事要旨に示された論点には、点字、拡大文字、ルビ振り、端末やブラウザの設定、機器の違い、後日実施の周知などが含まれます。資料では、全国学力調査をコンピューターで実施する際に、児童生徒が置かれている環境の違いをどう捉え、必要な支援をどう準備するかが課題として扱われています。
何が話し合われたのか
今回公開されたのは、会議での検討内容をまとめた議事要旨です。全国学力・学習状況調査のCBT化をどのように進めるか、結果をどのように活用するか、配慮が必要な児童生徒が参加しやすい方法をどう整えるかが中心的な論点でした。
議事では、これまでの調査で実施されてきた配慮を引き続きどう扱うか、学校や家庭の端末環境の違いをどう考えるか、紙での実施や後日実施を含めてどのような選択肢を用意するかが話題になっています。会議の意見と、今後の実施要領として決定された事項は分けて読む必要があります。
CBT化で変わる可能性
CBTは、問題冊子と解答用紙を中心とした方式ではなく、コンピューターやタブレットなどの画面を使って回答する方式です。画面の拡大、音声、入力方法、表示順、時間管理など、紙とは異なる特徴があります。これらがすべての児童生徒に同じ効果をもたらすと決まっているわけではありません。
一方で、デジタル機器を使うことで、問題の提示や回答の保存、学年や地域を越えた集計を行いやすくなる可能性があります。画面を見ることが疲れやすい子ども、入力操作に慣れていない子ども、通信や端末の不調が心配な子どもにとっては、実施前の確認と代替方法が重要になります。
特別な配慮の論点
議事要旨では、点字、拡大文字、ルビ振りなど、これまでも用意されてきた配慮が示され、今後のCBTでも継続する考え方が確認されています。また、端末やブラウザの設定、表示のされ方、入力のしやすさなど、デジタル環境ならではの確認事項もあります。
配慮は、診断名があるかどうかだけで一律に決まるものではありません。本人がどのような場面で困るのか、どの方法なら問題の内容に取り組みやすいのか、学校で日常的に使っている方法は何かを確認します。試験の公平性と参加しやすさを両立するため、学校・教育委員会・家庭が早めに情報を共有することが大切です。
不登校や長期欠席との関係
議事では、学校に通うことが難しい児童生徒について、後日実施の方法や、家庭、教育支援センター、病院などから参加する場合の考え方が話題になりました。通学している教室で受けることだけを前提にすると、参加できる子どもの範囲が狭くなる可能性があるため、別の場所や時期を含めて検討されています。
ただし、議事要旨に触れられた後日実施や場所の例が、すべての地域で直ちに利用できる制度として確定したわけではありません。実施対象、申請方法、本人確認、結果の扱い、学校との連絡方法は、年度ごとの実施要領や自治体・学校の案内で確認する必要があります。
家庭にとっての意味
不登校や長期欠席の子どもがいる家庭では、「受けなければならないのか」「結果が進路に影響するのか」「学校へ行けないと参加できないのか」と不安になることがあります。全国学力・学習状況調査は、教育施策や学校教育の改善に活用するための調査であり、個別の子どもの診断や将来の合否を決めるための試験ではありません。
参加方法が案内されたとしても、子どもの体調や気持ち、学習環境を踏まえて相談することが大切です。家庭からの参加、教育支援センターでの参加、後日実施などが可能かどうかは地域の運用によって異なるため、担任や教育委員会に、対象、日程、場所、配慮、参加しない場合の扱いを具体的に尋ねます。
学校にとっての意味
学校には、CBTの操作説明だけでなく、配慮を必要とする児童生徒が事前に相談できる場をつくることが求められます。端末の機種、OS、ブラウザ、通信環境、キーボード、イヤホンなどを確認し、当日に初めて困りごとが分かる状態を減らします。
不登校や欠席のある児童生徒には、登校を参加条件にしない方法があるか、本人・保護者にどのように案内するかを検討します。担任だけで判断せず、管理職、特別支援教育コーディネーター、養護教諭、教育委員会、必要に応じて教育支援センターなどと情報を共有し、本人の同意やプライバシーにも配慮します。
発達特性との関係
発達特性がある子どもにとって、画面上の情報量、文字の大きさ、色のコントラスト、時間制限、問題文の読み取り、入力手順、周囲の音などが負担になる場合があります。ただし、同じ診断名や特性があっても、困り方や得意な方法は一人ひとり違います。
配慮を考えるときは、診断名から先に決めるのではなく、普段の授業や家庭学習で何があると取り組みやすいかを確認します。拡大、ルビ、休憩、説明の仕方、座席、別室、紙の資料など、実施可能な範囲を学校と相談します。この記事から個別の配慮が自動的に決まるわけではありません。
まず確認したいこと
家庭や学校が最初に確認するのは、第一に対象となる学年と実施時期、第二に実施場所と方法、第三に特別な配慮の申請や相談の期限、第四に端末やブラウザの条件、第五に結果の伝え方です。案内文の「予定」「検討」「実施」「必須」といった表現を読み分けます。
学校へ相談するときは、「参加できますか」だけでなく、「画面の文字を大きくできますか」「ルビは表示されますか」「途中で休憩できますか」「当日参加できない場合はどうなりますか」「後日実施の窓口はどこですか」と、場面に分けて質問します。具体的な質問にすると、必要な確認が進みやすくなります。
調査結果の読み方
全国学力・学習状況調査の結果は、児童生徒一人ひとりの能力や価値を順位付けするためのものではありません。集団の傾向を把握し、教育の改善に役立てるために使われます。結果が高いこと、低いことだけから、家庭の努力、学校の良し悪し、将来の可能性を断定することはできません。
CBT化によって回答方法が変わると、操作経験や端末環境が回答に影響する可能性もあります。ある結果が変化したとしても、CBTだけが原因なのか、問題の内容、学習環境、参加者の違いなど別の要因があるのかを確認する必要があります。相関が見られても、因果関係が確定するわけではありません。
未確定事項と注意点
今回の議事要旨は、会議での検討を記録した資料です。公開されたこと自体は重要ですが、議事要旨に書かれた論点のすべてが最終決定されたことを意味しません。小学校でのCBT実施を令和9年度から進める方向が示された一方、具体的な学年、方法、配慮、後日実施、結果の扱いは、最新の実施要領や自治体の案内で確かめる必要があります。
また、全国学力調査への参加は、学校や自治体の実施案内を確認しながら進めるもので、この記事が家庭へ参加を強制するものではありません。点字や拡大文字、ルビ、端末設定などが用意される場合でも、本人にとって十分かどうかは別に確認します。安全や健康に関わる不安がある場合は、一般的な記事ではなく学校や専門窓口へ相談してください。
よくある質問
Q. CBTになると、すべての子どもが同じ端末で受けますか?
A. 端末や環境は学校・自治体によって異なる可能性があります。実施要領と学校の案内を確認してください。
Q. 不登校で学校に行けない場合は受けられませんか?
A. 後日実施や学校以外の場所を含む考え方が議事で話題になっていますが、実際の対象や方法は地域の最新案内を確認します。
Q. 配慮は診断書がないと相談できませんか?
A. 必要書類や申請手続きは実施主体により異なります。まず、本人が困る場面と普段有効な方法を学校へ相談してください。
Q. 結果で子どもの将来が決まりますか?
A. 全国学力調査の結果だけで、診断、進路、将来を決めることはできません。
家庭でできる準備
案内を受け取ったら、発表日や実施日、対象学年、相談先をメモします。次に、子どもが画面や入力で困りやすい場面、休憩が必要な時間、安心できる場所、普段使っている支援方法を短く整理します。これは子どもを評価する記録ではなく、相談のためのメモです。
本人に伝えるときは、「必ず受ける」と先に決めつけず、「こういう調査の方法が変わるかもしれない。どんな方法なら負担が少ないか一緒に確認しよう」と話します。今は考えたくない場合や参加しない選択も含めて、本人の気持ちを聞きます。
次の一歩
保護者は、学校へ相談するときに質問を三つ程度に絞ると整理しやすくなります。例えば「対象になるか」「どこで受けられるか」「配慮と期限は何か」です。回答がその場で分からないときは、担当者と次に確認する日を聞き、公式資料の更新を待ちます。
学校や教育委員会から案内が出たら、議事要旨の内容と混同せず、地域で確定した条件を優先します。合わない方法しか示されていないと感じた場合も、本人の困りごとを具体的に伝え、別室、休憩、後日実施、支援機関との連携などが可能か相談します。
まとめ
文部科学省が公開した議事要旨では、全国学力調査のCBT化に向けて、特別な配慮、端末・ブラウザ設定、点字・拡大文字・ルビ、後日実施、学校以外の場所からの参加などが論点として示されています。これは、調査をデジタル化するだけでなく、参加しやすい環境をどう整えるかを考える資料です。
一方、議事要旨は最終的な運用のすべてを決めるものではありません。発表された事実と今後の検討を分け、実施要領や自治体・学校の案内を確認します。本人の体調、気持ち、普段の学び方を起点に、無理のない参加方法や参加しない選択を含めて、学校と一緒に考えていきましょう。
一次情報
文部科学省「全国的な学力調査に関する専門家会議・CBT化検討ワーキンググループ 議事要旨」
公開日:2026年10月9日 ※実際の実施方法、配慮、期限は必ず最新の公式案内をご確認ください。
お子さんに合う学び方を一緒に考えたい方へ
教育制度や調査の案内を読んでも、家庭だけでは整理しにくいことがあります。お子さんの困りごとや、負担を減らせる学び方・参加方法を聞きながら、専門スタッフと一緒に選択肢を考えられます。この記事の内容を個別の診断や予測に置き換えるものではありません。
補足:家庭と学校で確認する順番
全国的な調査の方式が変わるとき、家庭が最初に知りたいのは、子どもに何が求められるかと、困ったときに誰へ相談できるかです。CBTという言葉だけで判断せず、対象学年、実施日、場所、端末、回答方法、配慮、結果の扱いを一つずつ確認します。案内が分かりにくいときは、分からない箇所をそのまま示し、「この場合はどうなりますか」と質問してかまいません。
不登校や長期欠席のある子どもは、学校とのつながり方、体調、生活リズム、外出への負担、家庭の端末環境などがそれぞれ異なります。学校外で受けられる可能性が検討されていても、本人が参加を望むか、参加することで疲れが増えないかを確認します。参加できる制度があることと、参加することが最善であることは同じではありません。
発達特性のある子どもについては、画面の情報を読む速度、スクロール、選択肢の見え方、文字の大きさ、周囲の刺激、時間の区切りなど、具体的な場面を挙げて相談します。普段の授業で使っている支援と、調査で認められる配慮が同じとは限らないため、早めに確認し、難しい場合は代替方法や実施場所について話し合います。
CBTの結果を教育改善に使うためには、回答しやすさや機器の不具合も含めてデータを考える必要があります。平均点が変わった場合に、学力そのものだけが変わったと解釈するのではなく、問題の出し方、参加者、端末、通信、時間、支援の違いを確認します。結果から直ちに原因を決めつけない姿勢が大切です。
議事要旨を読むときは、会議で出た意見、事務局の説明、今後の検討、すでに決まった事項を切り分けます。「予定」「検討」「方向」「実施」といった言葉は、日常語よりも慎重な意味で使われます。議事要旨を根拠に、全国の学校が同じ日から同じ方法で実施すると断定しないようにします。
学校から配慮の希望を聞かれたら、できることだけを答えようとせず、困る場面も伝えます。「一人で受けたい」「質問文を拡大したい」「休憩を挟みたい」「操作を確認する時間がほしい」など、本人が安心しやすい条件を整理します。最初から完璧に決める必要はなく、試行や見直しができるかも確認します。
家庭に届く情報は、子どもが自分で読み切れる量とは限りません。保護者が概要を確認し、本人には必要な部分だけを分かりやすく伝えます。本人が説明を聞くことを嫌がるときは、すぐに結論を迫らず、後で質問できることを伝えます。安心が先にあり、参加や学習の話はその後で考えてもかまいません。
相談先が学校だけで解決しないときは、教育委員会、教育支援センター、特別支援教育の相談窓口など、地域の案内を確認します。どこへ相談するか迷った場合は、学校に「この件の担当窓口を教えてください」と聞きます。記録として、相談日、担当者、回答、次の確認日を書き留めておくと、家族内で共有しやすくなります。
全国学力調査は、毎日の学習や子どもの価値を一つの数字で表すものではありません。結果が示すのは特定の調査日に、特定の方法で回答した集団の状況です。学校生活の安心感、興味関心、体調、得意な学び方、家庭の事情など、数字に表れない情報も子どもの理解には欠かせません。
実施方法の案内が更新されたら、古い資料を保存しているだけでなく、最新の版と差し替えます。公開日が同じでも資料の訂正や追加がある場合があります。特に申請期限や対象範囲、配慮の条件は、学校や自治体の公式ページで確認します。ニュースは入口として使い、具体的な判断は最新の原資料に戻って行います。
この記事は、2026年10月9日に公開された文部科学省の議事要旨と関連資料を、家庭や学校が読みやすいように整理したものです。将来のすべての運用を保証するものでも、特定の子どもに参加・不参加を勧めるものでもありません。本人の健康と安心を優先し、必要な支援を専門機関と相談してください。
補足:参加方法を決める前に
保護者が学校へ伝える内容は、必要最小限で構いません。医療情報や家庭の事情をすべて説明するのではなく、調査の場面で必要な配慮と、連絡してよい窓口を確認します。情報共有の範囲や、誰が本人へ説明するかも、家庭の希望を含めて相談できます。
子どもが端末を使うことに慣れていない場合、試験直前に長時間練習するより、普段の学習の中で短時間だけ操作を試す方が負担を抑えやすいことがあります。ただし、練習を義務にして不安を増やさないよう、本人の反応を見ながら進めます。
別室や支援機関での実施を相談する場合は、移動時間、付き添い、通信環境、休憩場所、結果の返し方を確認します。場所を変えれば必ず負担が減るとは限らず、本人が安心できる人や環境があるかを含めて考えます。
学校や自治体の実施方針と、国の会議資料の間に分からない点があるときは、どちらかを疑うのではなく、資料の作成時期と更新日を確認します。国の方針が地域の実施要領として具体化するまでに時間がかかることもあります。
子どもの学びを支えるときは、調査に参加できたかだけを成果にしません。参加を見送って体調を守れたこと、配慮について相談できたこと、本人が希望を言葉にできたことも、次の学び方を考える大切な情報です。
補足:情報を安心につなげるために
最終的な案内を確認するときは、実施の目的も読みます。全国学力・学習状況調査は、結果を教育の改善に生かすために行われます。目的を理解すると、個別の順位や評価と混同しにくくなり、子どもの負担と得られる情報のバランスを学校と話し合いやすくなります。
家庭が希望を伝えても、すべての要望がそのまま認められるとは限りません。その場合は、認められない理由、代わりに可能な方法、再相談の窓口、次に更新される案内を確認します。最初の回答だけで諦めず、本人の困りごとを具体的に伝え直すことが役立つ場合があります。
調査の結果や参加の有無を、子どもへの声かけや家庭の評価に使わないことも大切です。できたことを一緒に振り返り、難しかったことは環境や方法を見直す材料にします。学びは調査の日だけでなく、日々の生活や本人の興味の中にも続いています。

