偏差値や順位がしんどい子の進路|「脱偏差値」で学べる学校と、その後の進路のつくり方

進路・学びの選択肢
偏差値や順位がしんどい子の進路|「脱偏差値」で学べる学校と、その後の進路のつくり方

テストが返ってくるたびに表情が沈む。模試の偏差値が出た日は口をきいてくれない。「どうせ自分はバカだから」と言うようになった——。まだ学校には行けているけれど、成績で気持ちが大きく上下するわが子を見ていると、このまま受験に向かっていいのか迷いますよね。この記事では「偏差値は悪」という話ではなく、偏差値という数字が何を測っていて、何を測っていないのかを正確に整理したうえで、偏差値以外のものさしにはどんなものがあり、それが実際の進路(総合型選抜・海外大学・就職)でどう使われるのかを、公的資料をもとにお伝えします。

進路・学びの選択肢 執筆 にじいろ編集部 最終更新 2026.09.04

この記事の結論

  • 偏差値は「その試験を受けた集団の中での位置」を示す数字であって、学力の絶対量でも、その子の価値でもありません。母集団が変われば、同じ実力でも数字は動きます。
  • 学校の通知表はすでに「目標に準拠した評価(=順位ではない絶対評価)」に切り替わっており、知識・技能/思考・判断・表現/主体的に学習に取り組む態度の3観点で見ることになっています(文部科学省の学習評価に関する通知)。
  • 大学入学者のうち総合型選抜19.5%+学校推薦型選抜34.1%=53.6%が、点数だけではない選抜方式で入学しています(文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況」)。
  • 偏差値以外のものさし(探究の記録、資格・検定、CEFR、作品、コンピテンシー評価など)は実在しますが、万能ではありません。「JAPAN e-Portfolio」が運営停止になった経緯も含めて、過信せず組み合わせるのが現実的です。
  • 順位をつけない学校(オルタナティブスクール、イエナプラン・サドベリー等、IB校、オンラインの少人数校)は選択肢になりますが、卒業資格と進路の出口をセットで確認することが欠かせません(→6章)。

「偏差値がしんどい」は、その子が弱いからではない

点数や順位で気持ちが上下するのは、その子のメンタルが弱いからではありません。毎週のように「あなたは全体の中でこのあたりです」という数字を渡され続ける環境に、まだ自己評価が固まりきっていない10代が置かれている、という構造の問題です。

特に中学生・高校生の時期は、自分がどんな人間なのかを手探りで確かめている最中です。そこに、比較可能で、明快で、順序のついた数字が毎回届く。ほかに自分を測るものさしを持っていなければ、その数字がそのまま「自分の値打ち」になってしまうのは、むしろ自然な反応といえます。

関連して、文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によれば、小・中学校の不登校児童生徒数は353,970人と過去最多になりました。この数字の原因を「偏差値のせい」と断定することはできません。理由は一人ひとり違い、統計もそこまでは語っていません。ただ、学校という場のものさしと、そこに合わない子どもの数が、そう小さくない規模でずれ始めていることは示しています。

まず確認したいこと

食欲・睡眠・朝の腹痛や頭痛など、体のサインが出ている場合は、進路の話より先に休養と相談が必要です。学校のスクールカウンセラー、自治体の教育相談窓口、かかりつけの小児科などに早めにつないでください。この記事は進路の選択肢を整理するものであり、医療的な判断に代わるものではありません。

偏差値は何を測っていて、何を測っていないのか

「偏差値をやめよう」と言う前に、この数字が何なのかを正確に押さえておくと、家庭の会話がずいぶん楽になります。

偏差値の定義:平均が50、標準偏差が10

偏差値は、次の式で計算される統計的な指標です。

偏差値の計算式

偏差値 = 50 + 10 ×(その人の得点 − 平均点)÷ 標準偏差

つまり、その試験を受けた集団の平均点が偏差値50になるように、ばらつき(標準偏差)を10きざみに直した数字です。得点の分布が正規分布に近い場合、偏差値60以上に入るのは上位およそ16%、偏差値70以上はおよそ2%にあたります。

ここから、大事なことが3つ導けます。

  • 偏差値は「相対的な位置」しか表さない。全員が去年より30点分できるようになっても、全員が同じだけ伸びれば偏差値は全員50のままです。「伸びていない」のではなく「順位が変わっていない」だけ、ということが起こります。
  • 母集団が変われば数字が変わる。難関校志望者だけが受ける模試と、地域の全員が受ける試験では、同じ実力でも偏差値は大きく違います。「偏差値◯◯」という数字は、必ず「どの試験の、どの回の」という条件とセットでしか意味を持ちません。
  • 半分の子が必ず50を下回る。これは学力の問題ではなく、計算式の性質です。設計上、受験者の約半数は「平均以下」と表示されます。

偏差値が測っていないもの

偏差値がよく測れているのは、限られた時間内に、決められた形式で、決められた範囲の問題を正確に処理する力です。これは実際に価値のある力で、大学で理系の専門科目についていくためにも、資格試験を突破するためにも役立ちます。「偏差値なんて意味がない」という言い方は、この点で正確ではありません。

一方で、次のようなものは、そもそも測る設計になっていません。

  • 数週間〜数か月かけて一つのテーマを掘り下げる持久力(探究の力)
  • 正解が一つに決まらない問いに、自分なりの答えを立てる力
  • 他人と協働して何かを完成させる力
  • 絵・音楽・プログラミング・映像など、制作物として現れる力
  • 「話す」「聞く」といった、筆記試験に乗りにくい言語運用の力

つまり偏差値は、悪い指標ではなく、測れる範囲がはっきり決まっている指標です。問題は指標そのものより、それ以外のものさしを家庭も子どもも持っていない状態のほうにあります。

教室の机に頭を伏せてうつむく男の子

学校の成績表は、実はもう「順位」ではない

意外に知られていないのですが、いまの通知表・指導要録は、クラスの中の順位で決まる仕組みではありません。文部科学省の「小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」により、観点別学習状況の評価と評定は、いずれも「学習指導要領に定める目標に準拠した評価」として実施することになっています。つまり、他の子より上か下かではなく、目標に届いているかどうかで見る仕組みです。

3つの観点で見る「観点別評価」

観点別学習状況の評価の3観点(文部科学省の学習評価に関する通知をもとに作成)
観点何を見るか
知識・技能基礎的・基本的な知識や技能を身につけているか。テストで測りやすい部分と重なります
思考・判断・表現身につけた知識・技能を使って課題を解決し、考えたことを表現できるか
主体的に学習に取り組む態度①粘り強く取り組もうとする側面と、②その中で自らの学習を調整しようとする側面の2つ

ここで保護者にとって重要なのは、中央教育審議会「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」が、「挙手の回数やノートの取り方などの形式的な活動」ではなく、意思的な側面を捉えて評価すると明記している点です。「うちの子は手を挙げないから態度の評価が低いのでは」という心配は、少なくとも制度の建て付け上は当たらないことになります。

また、高等学校でも観点別学習状況の評価を実施し、指導要録の「各教科・科目等の学習の記録」に記載することが求められています。高校の成績も、点数の順位だけで決まるものではなくなっているということです。

担任に聞いてみるとよいこと

  • 3観点のうち、この子はどの観点で力を発揮できていますか
  • 「主体的に学習に取り組む態度」は、具体的にどの場面のどんな姿を見て評価していますか
  • 点数以外で、この子の伸びが見えている記録はありますか(作品、振り返り、発表など)

もちろん、制度がそうなっていても、現場では定期テストの点数が評定に強く影響する教科もあります。それでも「順位ではなく目標への到達で見る」という原則を保護者が知っているだけで、子どもへの声のかけ方は変わります。

偏差値以外のものさし7つ

では、偏差値以外にどんなものさしがあるのでしょうか。ここでは実在し、進路の場面で実際に参照されうるものを整理します。

偏差値以外のものさしと、その使いどころ
ものさし何を示すか主にどこで使われるか
観点別評価・評定(調査書)各教科の目標に対する到達度を3観点で。調査書には出欠、特別活動、総合的な探究の時間の記録なども載る高校入試、学校推薦型選抜(調査書を主な資料とする)、総合型選抜
探究の記録・活動報告書総合的な探究の時間や課外活動で、何を問い、どう調べ、何を作ったか総合型選抜(志願者本人が記載する資料の活用が必須)
資格・検定試験の成績英検・TOEFLなどの語学、簿記・情報処理などの実務、国際科学オリンピック等総合型選抜・学校推薦型選抜の評価方法の一つ、就職
CEFR(語学の到達度)A1〜C2の6段階で「何ができるか」を示す欧州発の共通の枠組み。文部科学省も各検定試験との対照表を示している海外大学出願、国内大学の英語外部検定利用、就職
国際資格(IB・IGCSE・A-Level)国際的なカリキュラムの修了・試験結果。国際バカロレア資格は大学入学者選抜実施要項でも例示されている海外大学、国内大学のIB入試・帰国生入試
作品・制作物(ポートフォリオ)絵、映像、プログラム、研究レポートなど、成果物そのもの美術・デザイン・情報系の総合型選抜、海外大学、就職
コンピテンシー評価点数ではなく「どんな力がどの段階まで育っているか」を記述で示す評価。学校ごとに定義や運用が異なる導入校の内部評価、海外大学の出願書類の補足

共通しているのは「記録が要る」ということ

偏差値のいいところは、何もしなくても勝手に出てくることです。逆に言えば、偏差値以外のものさしは、誰かが記録しない限り存在しないことになってしまいます。作品の写真、探究のメモ、検定の合格証、部活や地域活動の記録。今日から家庭でできることの一つは、テストの点を管理することより、点数にならない出来事を残しておくことかもしれません。

そのものさしは、進路で本当に使われるのか

「偏差値以外の力も大事」という言葉は、それだけでは慰めにしかなりません。実際の入試でどこまで使われているのかを、数字で確認しておきます。

大学入学者の半分以上は、一般選抜以外で入っている

文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況」によると、大学入学者のうち総合型選抜での入学が126,766人(19.5%)、学校推薦型選抜での入学が221,415人(34.1%)で、合わせて53.6%にのぼります。私立大学に限ると総合型選抜22.8%・学校推薦型選抜38.8%、短期大学では両方式で85.9%です。

令和7年度 大学入学者の選抜方式別の割合(文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」)
区分総合型選抜学校推薦型選抜2方式の合計
国公私立の合計126,766人(19.5%)221,415人(34.1%)53.6%
私立大学116,869人(22.8%)198,977人(38.8%)61.6%
短期大学85.9%

なお文部科学省は、令和7年度の集計から「一般選抜とそれ以外」という従来の整理を改めたと注記しており、前年度(令和6年度は総合型16.1%・学校推薦型35.0%の計51.1%)との単純な比較はできません。それでも、点数一本ではない入り口が、例外ではなく主要ルートの一つになっていることは確かです。

総合型選抜が実際に見るもの

文部科学省の大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜は「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法」と定義され、志願者本人が記載する資料を必ず評価に活用すること志望する学問分野への意欲や適性に係る面接を必ず行うことが求められています。評価方法としては、個別学力検査、大学入学共通テスト、小論文・面接・実技等(エッセイ、口頭試問、ディベート、集団討論、プレゼンテーション等)、資格・検定試験等の成績(実用英語技能検定、TOEFL、国際科学オリンピック等、国際バカロレア資格が例示)のうち、少なくとも一つの活用が必須とされています。

また同要項は、大学に対して調査書の「各教科の学習成績の状況」だけでなく、他の記載事項も有効に活用することを求めています。調査書には、総合的な探究の時間の記録、特別活動の記録、指導上参考となる諸事項などが含まれます。

ただし「eポートフォリオ神話」には注意

過信しないほうがよい理由

高校生の活動記録を大学入試で共通に使う仕組みとして期待された「JAPAN e-Portfolio」は、文部科学省が2020年8月7日付で運営許可を取り消し、運用が終了しています。文部科学省は「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の評価について引き続き検討するとしていますが、全国共通のポートフォリオ制度が確立しているわけではありません。記録を残すことには意味がありますが、「ポートフォリオさえ作れば進路が開ける」という話ではない、という現実は押さえておいてください。

海外大学・就職での使われ方

海外大学の出願では、高校の成績(GPA)に加えて、英語力の証明、エッセイ、推薦状、課外活動の記録などを組み合わせて提出するのが一般的です。英語力の証明にはCEFRに対応づけられた各種試験が使われます。ここでは日本の偏差値という数字はそもそも通用せず、別のものさしのセットが最初から前提になっています。国際的なカリキュラムの資格についてはIGCSE・A-Level・IBの違いをやさしく解説もあわせてご覧ください。

就職の場面では、資格・検定の成績や制作物のポートフォリオが直接的に効く職種(情報・デザイン・語学関連など)と、そうでない職種があります。「偏差値以外のものさしなら何でも進路に直結する」わけではないことも、正直に共有しておきたい点です。

ホワイトボードの前でプロジェクトについて話し合う学生たち

「順位をつけない学校」にはどんな種類があるか

「順位をつけない学校に移せば解決する」とは限りませんが、どんなカテゴリがあるのかを知っておくと、比較の土台ができます。ここでは特定の学校を推すのではなく、種類として整理します。

A

オルタナティブスクール・フリースクール

民間が運営する学びの場。一斉テストや順位を用いず、対話や体験を中心にするところが多い一方、多くは学校教育法上の「学校」ではありません。在籍校の出席扱いになるかは校長判断です。

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B

特定の教育モデルを掲げる学校

イエナプラン、サドベリー、モンテッソーリ、シュタイナーなど。異年齢の学び、自己決定、対話の記録による評価など、順位づけとは別の原理で運営されます。日本では一条校のものと民間のものが混在します。

フリースクールとの違いを整理する ▶
C

国際バカロレア(IB)認定校

探究と論述を軸にしたプログラムで、DP(ディプロマ・プログラム)は海外大学の入学資格にもなります。文部科学省IB教育推進コンソーシアムによれば、令和8年6月30日時点でDP認定校は一条校50校・非一条校30校。学費や英語要件は学校差が大きい点に注意。

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D:オンラインの少人数校・ダブルスクール

近年増えているのが、校舎を持たずオンラインで少人数の対話型授業を行う学校です。順位を出さず、到達度や記述で学びを示す設計をとるところがあり、今の学校に在籍したまま併用する(ダブルスクール)という使い方もできます。今の学校を辞める・辞めないの二択にしないで済むという意味で、成績で苦しんでいる段階の家庭には現実的な選択肢になりえます(→「今の学校を辞めなくていい」ダブルスクールという選択肢)。

順位をつけない学校を検討するときの必須確認

  • その学校を出ると、どの卒業資格が得られるのか(一条校か、そうでないか)
  • 一条校でない場合、高校卒業程度認定試験や国際資格など、進路の出口をどう設計するのか
  • 在籍校の「出席扱い」になるのか(最終的には在籍校の校長判断。必ず担任・教育委員会に相談を)
  • 順位を出さない代わりに、何をもって成長を示すのか(記述評価、到達度、ポートフォリオなど)
  • 費用の総額と、途中で合わなかったときにどう戻れるか

不登校になってからの学びの場については、フリースクールとは?費用・種類・出席扱いと全国の探し方で詳しく整理しています。この記事はその一歩手前、まだ通えているけれど成績で消耗している段階を扱っています。

別のものさしを持つ学びの例

参考として、「順位をつけないこと」を設計の中心に置いている新しい学びの例を2つ紹介します。どちらも株式会社NIJINが準備しているもので、まだ開校しておらず、学費も公表されていません。「いまある選択肢」としてではなく、こういう設計の学びも出てきている、という一例として読んでください。

NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)|学力と人となりを二本立てで示す

2027年9月の開校を予定しているオンラインのインターナショナルスクールです(6〜18歳対象、1クラス8名)。特徴は、学びの証明を2種類用意していることです。ひとつはCambridge IGCSE/A-LevelやCEFRという学力の証明。もうひとつは、米国の先進校で導入されているとされるコンピテンシー評価という「人となりの証明」です。入学試験・選考・英語要件はなく、まず対話(面談)から始まります。無料体験クラスは2026年9月から毎月開催予定です。

ただし正直にお伝えすると、NGAは日本の一条校ではないため、日本の高校卒業資格は発行されません。国際資格で海外大学や帰国生入試等へ出願する設計です。また、在籍校での出席扱いについて公式サイトに記載は確認できませんでした。出席扱いの可否は在籍校の校長判断ですので、検討する場合は必ず在籍校・教育委員会に相談してください。学費も現時点では未公表で、「校舎を持たない分、対面インターより抑えた価格を予定」「入学金・施設費・制服代などの隠れ費用なし」までが公式の記載です。

ともだちじゃぱん|ものさしは「ともだちが何人できたか」

2026年12月にパイロット開校を予定している、子どものオンライン日本語スクールです(年長〜高校3年生、1クラス8名)。年齢ではなく「今どのくらい話せるか」の会話レベルでクラスを分け、文法の暗記や点数ではなく、対話そのものを学びの中心に置いています。公式サイトは成長のものさしを「点数ではなく、ともだちが何人できたか」と表現しています。海外で暮らす家庭や、日本語での言葉のやりとりに自信をなくしている子を主な対象にしたスクールです。こちらも料金は未公表で、無料の学校案内で案内される形になっています。

順位を出さない学びを選ぶということは、「代わりに何で成長を示すのか」を家庭が引き受けるということでもあります。上の2つのように、代わりのものさし(国際資格、CEFR、コンピテンシー、対話の記録)を明示している学校かどうかは、比較のときの大事な視点になります。

NIJIN GLOBAL ACADEMY NIJIN GLOBAL ACADEMY|6〜18歳

順位をつけない。「学力」と「人となり」の二本立てで示す

脱偏差値をかかげるオンライン・インターナショナルスクール。1クラス8名の対話型で、Cambridge IGCSE/A-Level・CEFRという学力の証明と、コンピテンシー評価という「人となりの証明」を用意しています。2027年9月開校予定。

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TOMODACHI JAPAN|にほんごで、ともだちになる。

ものさしは点数ではなく「ともだちが何人できたか」

8人の少人数で、対話から始まるオンライン日本語スクール。テストで測るのではなく、話せた・伝わったという実感から積み上げます。年長〜高3対象、2026年12月パイロット開校予定。

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受験をやめる前に、家庭でできる5つの整理

学校を変える・受験をやめるという大きな決断の前に、順番に試せることがあります。

1

「偏差値の意味」を子どもと共有する

2章の計算式を一緒に見て、「この数字は集団の中の位置であって、君の頭の良し悪しの絶対値ではない」ことを言葉にします。設計上、半分の人が50を下回る仕組みだと知るだけで、少し肩の力が抜ける子は少なくありません。

2

比べる相手を「過去のその子」に変える

同じ範囲の小テストを2週間後にもう一度解いてみる、去年のノートと見比べるなど、順位ではなく到達度で見る機会を家庭でつくります。3章の観点別評価と同じ考え方です。

3

点数にならない記録を残し始める

作った物の写真、読んだ本、調べたこと、手伝ったこと。スマホのアルバムに1つフォルダを作るだけで構いません。4章・5章で見たとおり、偏差値以外のものさしは記録がないと存在しないことになってしまいます。

4

担任・スクールカウンセラーに現状を共有する

「成績で自己否定が出ている」と伝えるだけで、声かけや評価の見取り方を配慮してもらえることがあります。3章のような質問を用意して面談に臨むと、話が具体的になります。

5

「辞めない選択肢」から先に検討する

いきなり転校・退学を考えるのではなく、在籍したまま併用できるダブルスクール、オンラインの少人数クラス、部分登校など、負荷を下げる方法から先に試す。戻り道を残しておくことが、子ども自身の安心にもつながります。

ソファに並んで座り、子どもの話を聞く母親

いちばん難しいのは、保護者が自分のものさしを降ろすこと

ここまで読んで、「言っていることはわかる。でも、模試の結果を見ると胃が痛くなる」と感じた方は多いと思います。それは自然なことです。

いまの保護者世代の多くは、偏差値が進路のほぼ唯一の共通言語だった時代に受験をしています。そこで身につけたものさしは、知識としてではなく反射として体に入っています。「頭ではわかっているのに、点数を見た瞬間に声のトーンが変わってしまう」のは、意思が弱いからではありません。

また、偏差値には保護者にとって都合のよい機能もあります。わかりやすく、比較でき、他人に説明しやすい。「探究の記録が充実しています」より「偏差値が上がりました」のほうが、親戚にも配偶者にも説明が簡単です。別のものさしに移るということは、周囲への説明責任を自分で引き受け直すということでもあります。ここが本当にしんどいところで、正直に言えば時間がかかります。

降ろすのではなく、増やすと考える

おすすめしたいのは、偏差値を捨てることではなく、ものさしを2本以上にすることです。偏差値は「いまの一斉試験の中での位置」を教えてくれる有用な情報のままにしておき、その横に「この1か月で自分で決めて続けられたこと」「作ったもの」「話せるようになったこと」を並べる。ものさしが1本しかないから、その1本が下がると全部が下がったように見えるのです。

子どもに届きやすい言い方の例

  • 「点が下がった」ではなく「今回はこの範囲がまだ固まっていなかったね」(順位→到達度)
  • 「もっとがんばれ」ではなく「どこまでは自分でできて、どこから手伝ってほしい?」(評価→協働)
  • 「偏差値が足りない」ではなく「この進路には何が必要か、一緒に調べよう」(判定→情報収集)

そして、子どもが「学校に行くのがつらい」と言い始めたら、それは進路の相談ではなく安全の相談です。無理をさせず、在籍校・教育委員会・専門機関に早めに相談してください。発達障害・HSC・ギフテッドの子とホームスクールのように、特性の側から整理し直したほうが早く楽になるケースもあります。

よくある質問(FAQ)

偏差値はどうやって計算されているのですか?

「偏差値=50+10×(得点−平均点)÷標準偏差」で計算されます。その試験を受けた集団の平均が50になるように換算した数字で、得点分布が正規分布に近い場合、偏差値60以上は上位およそ16%、70以上はおよそ2%にあたります。あくまで集団の中での相対的な位置を示す指標です。

偏差値が下がったのに、本人は前より勉強できるようになっている気がします。ありえますか?

ありえます。偏差値は相対的な位置を示すため、本人の実力が伸びていても、周囲が同じかそれ以上に伸びれば数字は下がります。また模試ごとに受験者層(母集団)が違うため、同じ実力でも数字が動きます。伸びを見たいときは、同じ範囲を時間をおいて解き直すなど、到達度で確認する方法が向いています。

通知表の成績は、クラスの中の順位で決まるのですか?

いいえ。文部科学省の学習評価・指導要録に関する通知により、観点別学習状況の評価も評定も「学習指導要領に定める目標に準拠した評価」として実施することになっています。他の子より上か下かではなく、目標に到達しているかで見る仕組みです。

「主体的に学習に取り組む態度」は、挙手の回数で決まるのですか?

制度上はそうではありません。中央教育審議会「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」は、挙手の回数やノートの取り方などの形式的な活動ではなく、粘り強く取り組もうとする側面と、自らの学習を調整しようとする側面の2つを見るとしています。気になる場合は、どの場面のどんな姿を見て評価しているのかを担任に具体的に聞いてみてください。

偏差値以外の力で大学に入る道は、実際にどのくらいあるのですか?

文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況」によると、大学入学者のうち総合型選抜が19.5%、学校推薦型選抜が34.1%で、合わせて53.6%です。私立大学では両方式で61.6%、短期大学では85.9%にのぼります。ただし総合型選抜でも学力を確認する評価方法の活用が求められており、「勉強しなくてよい入試」ではありません。

eポートフォリオを作っておけば進路に有利になりますか?

「作れば有利」と言い切れる状況ではありません。高校生の活動記録を大学入試で共通に使う仕組みとして期待された「JAPAN e-Portfolio」は、文部科学省が2020年8月7日付で運営許可を取り消し、運用が終了しています。一方で、大学入学者選抜実施要項は総合型選抜において志願者本人が記載する資料の活用を必須としており、記録そのものには意味があります。全国共通の制度があるわけではない、と理解しておくのが正確です。

順位をつけない学校に移れば、子どもは楽になりますか?

楽になる子もいますが、全員ではありません。順位がないぶん「自分がどこまでできているか」が見えにくくなり、かえって不安になる子もいます。検討する際は、順位を出さない代わりに何で成長を示すのか(記述評価、到達度、ポートフォリオなど)と、卒業資格・進路の出口がどうなるのかを必ず確認してください。

一条校ではない学校に通うと、高校卒業資格はどうなりますか?

学校教育法第1条に定められた「一条校」でない学校では、日本の高校卒業資格は発行されません。その場合は、高等学校卒業程度認定試験を受ける、通信制高校に在籍しながら併用する、国際バカロレアやA-Levelなどの国際資格で海外大学等に出願する、といった出口の設計が必要になります。入学前に、学校側にどの出口を想定しているかを具体的に確認してください。

今の学校を辞めずに、別の学びを試すことはできますか?

できます。在籍したままオンラインの少人数クラスなどに通う「ダブルスクール」という方法があり、放課後や週末の時間帯で参加できる学校もあります。いきなり転校・退学を決めず、戻り道を残したまま試せることが利点です。詳しくは「今の学校を辞めなくていい」ダブルスクールという選択肢をご覧ください。

子どもが「どうせ自分はバカだから」と言います。どう返せばいいですか?

否定して励ますより、その言葉が出てくる材料(数字)と本人の価値を切り分ける言い方が届きやすいことがあります。「その数字は集団の中の位置を表しているだけで、あなたの値打ちの点数ではない」と伝えたうえで、点数以外に見えている変化を具体的に言葉にしてみてください。食欲・睡眠・体調に影響が出ている場合は、進路の話より先にスクールカウンセラーや医療機関への相談を優先してください。

執筆|にじいろ編集部

「学校に合わない個性を応援する」教育情報サイト「にじいろ」の編集部。不登校・発達特性・オルタナティブな学びの選択肢について、公的機関や学校の公式情報など一次情報を確認しながら記事を作成しています。制度や統計は年度により変更されることがあるため、必ず該当する省庁・自治体・学校の最新の公式情報をご確認ください。

この記事の内容を確かめるための一次資料

評価や入試の制度は、伝聞で誤って広まりやすい分野です。学校や塾と話すときは、下記の一次資料を手元に置いて進めることをおすすめします。

このテーマに関わる公的資料
資料何がわかるか
文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」総合型選抜19.5%・学校推薦型選抜34.1%など、選抜方式別の入学者数と割合
文部科学省「大学入学者選抜実施要項」総合型選抜・学校推薦型選抜の定義、調査書の記載事項と活用、評価方法(資格・検定試験等を含む)
文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」観点別学習状況の評価の3観点、目標に準拠した評価であること、高等学校での実施
中央教育審議会「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」「主体的に学習に取り組む態度」の2側面、形式的な活動で評価しないという考え方
文部科学省「JAPAN e-Portfolio」についてeポートフォリオ運営許可取消し(2020年8月7日)の経緯と今後の方針
文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」小・中学校の不登校児童生徒数353,970人(過去最多)
文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IB認定校・候補校」国内のIB認定校数(令和8年6月30日時点のDP認定校は一条校50校・非一条校30校)

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本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の学校・進路を推奨するものではありません。入試制度・学習評価の仕組み・各校の学費や開校時期は年度や学校により異なり、変更される場合があります。NIJIN GLOBAL ACADEMY(2027年9月開校予定)およびともだちじゃぱん(2026年12月パイロット開校予定)はいずれも開校前で、学費は未公表です。在籍校での出席扱いの可否は在籍校の校長判断となります。実際の検討にあたっては、必ず在籍校・お住まいの自治体の教育委員会および各学校・省庁の最新の公式情報をご確認ください。心身の不調がある場合は、専門機関へのご相談を優先してください。