「海外の大学も選択肢に入れておきたい。でも、インターナショナルスクールに通わせないと無理なのだろうか」——そう考えたとき最初にぶつかるのが、IGCSE・A-Level・IB・APといった耳慣れない資格の名前です。これらはそれぞれ対象年齢も役割もまったく違うもので、混同したまま学校選びを進めると、あとから「思っていた進路につながらなかった」ということが起こります。この記事では、4つの国際資格の違いを整理したうえで、日本にいながら取る方法と、日本の大学・海外大学それぞれでの入学資格の扱いを、文部科学省や試験機関の一次情報にもとづいて解説します。
目次
この記事の結論
- 4つは役割が違います。大学入学資格になるのはA-Level(国際Aレベル)とIBのDPで、IGCSEとAPは単独では日本の大学入学資格になりません。IGCSEはその前段階、APは大学の単位認定に使う仕組みです。
- 文部科学省の「大学入学資格について」では、国際バカロレア・GCE Aレベル・アビトゥア・バカロレアなどの保有者に日本の大学入学資格が認められており、2024年6月の制度改正で「国際Aレベル資格」「欧州バカロレア資格」が法令上に追加されました。
- IBのプログラムは認定校で履修する仕組みで、国内のIB認定校等は273校(令和8年6月30日時点・プログラム単位)。うち一条校が95校あり、日本の高校卒業資格とIBを両立できる学校も存在します。
- 一方 Cambridge の IGCSE・国際A Level は、学校に在籍していない「プライベート受験生」でも登録試験センターを通じて受験できます。日本ではブリティッシュ・カウンシル(東京)が登録センターです。
- イギリスの大学は、日本の高校卒業だけだとファウンデーション課程の修了を求めることが多く、A-Level・IB保持者は1年次に直接出願できる、という違いがあります(マンチェスター大学・エディンバラ大学の公式案内より)。要件は大学ごとに異なるため、必ず志望校の最新の募集要項で確認してください。
なぜ「国際資格」が進路のカギになるのか
日本の高校を卒業すれば、日本の大学には出願できます。ところが海外に目を向けると、話は少し変わります。日本の高校は3年間、イギリスをはじめ多くの国の中等教育は「13年制」を前提としているため、日本の高校卒業資格だけでは学部の1年次に直接出願できない大学があるのです。
たとえばイギリスのマンチェスター大学は、日本からの出願者について「日本とイギリスの教育制度の違いのため、日本の高校卒業資格で出願する場合は大学が認めるファウンデーション課程の修了が必要」と案内しています。同時に、A-LevelやIBを取得している場合は「学部1年次に直接出願できる」とも明記しています(マンチェスター大学 Japan 向け入学要件ページより)。エディンバラ大学も同様に、日本の高校卒業資格だけの場合は通常ファウンデーション年が必要で、GCE Aレベル・国際バカロレア・SAT/ACT/APといった資格・試験であれば入学が認められる、と公表しています。
つまり国際資格は、「その子がどこの国の教育制度で学んできたか」を、大学側が読み取れる共通の言語に翻訳してくれるものだと考えるとわかりやすくなります。ファウンデーション課程は1年分の学費と時間がかかるため、その1年を省ける可能性がある、という意味でも国際資格には実利があります。
ここだけは先に
入学要件は大学ごと・学部ごと・年度ごとに異なります。「A-Levelを2科目取れば海外大学に行ける」といった一般化はできません。この記事は制度の全体像をつかむためのもので、実際の出願にあたっては必ず志望校の最新の募集要項(entry requirements)を直接確認してください。
IGCSEとは?14〜16歳の「土台」をつくる資格
IGCSE(International General Certificate of Secondary Education)は、イギリスの中等教育修了資格GCSEを国際版にしたものです。代表的な提供機関である Cambridge International は、Cambridge IGCSE を「14〜16歳向けの、世界でもっとも広く使われている国際資格」と説明しています。日本でいえば中学3年生〜高校1年生あたりの2年間で学び、科目ごとに試験を受けて資格を積み上げていきます。
「科目ごとに取る」のがIGCSEの特徴
IGCSEは、卒業証書のようにひとまとまりで与えられるものではなく、英語・数学・理科・地理・第二言語……と科目単位で受験し、科目ごとに成績が出る仕組みです。得意な科目だけ先に取る、苦手な科目は次のシリーズに回す、といった進め方ができるため、一斉授業のペースに合わせるのがしんどい子にとっては、むしろ扱いやすい形式でもあります。
IGCSEだけでは大学入学資格にはならない
ここは誤解の多いところです。IGCSEは、それ単独では日本の大学入学資格にはなりません。文部科学省が示す大学入学資格の一覧(昭和23年文部省告示第47号)に挙げられているのは、国際バカロレア・アビトゥア・バカロレア・GCE Aレベル・国際Aレベル・欧州バカロレアであり、IGCSEはそこに含まれていないためです。IGCSEは、次に説明するA-LevelやIBのDPに進むための土台・前提として位置づけられる資格だと理解しておくと間違えません。
A-Level・国際Aレベルとは?大学の入口になる資格
A-Level(GCE Advanced Level)は、イギリスの大学入学資格にあたる資格です。Cambridge International の公式資料によると、Cambridge International AS & A Level は16〜19歳、高校最後の2年間の生徒を対象とした科目別の資格で、AS Level は1科目あたり約180時間・通常1年、A Level は約360時間・通常2年の学習を想定しています。成績はA*(最高)からEまでで表され、61科目が用意されています。
同資料では、Cambridge の資格が92の国で認められていること、イギリスの大学は通常3科目のA Levelを求めるが、イギリス国外の大学では2科目で足りる場合もあることが説明されています。志望する国と大学によって「何科目・どの成績が必要か」が変わる、ということです。
2024年6月、日本の制度が変わりました
文部科学省の資料(令和6年8月)によると、2024年6月の制度改正により、「国際Aレベル資格」を取得した者と「欧州バカロレア資格」を取得した者が、日本の大学入学資格を有する者として法令上に追加されました。国際Aレベルの認定機関としては、Oxford International AQA Examinations、Cambridge Assessment International Education、Pearson Edexcel、Learning Resource Network の4機関が挙げられており、いずれが授与した資格でも日本の大学入学資格として認められるとされています。つまり国際A Levelを取れば、日本の大学と海外の大学の両方に道が残るということです。
IB(国際バカロレア)とは?PYP・MYP・DP・CPの違い
IB(国際バカロレア)は、スイスに本部を置く国際バカロレア機構が運営する教育プログラムです。IGCSEやA-Levelが「試験・資格」であるのに対し、IBは3歳から19歳までを通した一貫の教育プログラムであるところが大きな違いです。文部科学省IB教育推進コンソーシアムの説明にもとづくと、次の4つに分かれます。
PYP(3〜12歳)
初等教育向けのプログラムで、3歳〜12歳が対象です。人間の共通性にもとづく6つの教科横断的なテーマ(「私たちは誰なのか」「この地球を共有するということ」など)を軸に、言語・社会・算数・芸術・理科・体育/人格教育の6領域を扱います。
MYP(11〜16歳)
中等教育前期にあたるプログラムで、11歳〜16歳を対象とした5年間の枠組みです。言語と文学、言語習得、個人と社会、理科、数学、芸術、保健体育、デザインの8領域を、「グローバルな文脈」や「重要概念」でつなぎながら学びます。最終年には、自分の興味を掘り下げて成果物をつくるパーソナルプロジェクトに取り組みます。
DP(16〜19歳)— ここが大学入学資格
DP(ディプロマ・プログラム)は16歳〜19歳を対象に、所定のカリキュラムを2年間履修するプログラムです。文部科学省IB教育推進コンソーシアムの説明によると、生徒は6つの教科グループ(言語と文学/言語習得/個人と社会/理科/数学/芸術)から各1科目ずつ、計6科目を2年間学びます。それに加えて、TOK(知識の理論)・EE(課題論文)・CAS(創造性・活動・奉仕)という3つの必修要件(コア)に取り組みます。
評価は45点満点中、原則として24点以上で資格が取得できます。配点は6科目が各7点で計42点、これにTOKとEEの評価の組み合わせに応じて最大3点が加わる仕組みです。この国際バカロレア資格(IBディプロマ)が、日本の大学入学資格として認められているものにあたります。
CP(16〜19歳)
CP(キャリア関連プログラム)も16〜19歳が対象ですが、扱いが異なります。文部科学省「大学入学資格ガイド」では、IBのうちCP修了者には日本の大学入学資格が認められないとされています。IB認定校を検討する際は「DPまで実施しているか」の確認が欠かせません。
日本国内のIB認定校はどれくらいある?
文部科学省IB教育推進コンソーシアムによると、国内の国際バカロレア認定校等数は273校(令和8年6月30日時点)です。内訳はPYPが認定91校・候補36校、MYPが認定48校・候補10校、DPが認定80校・候補6校、CPが認定1校・候補1校。学校種別では一条校が95校、非一条校が73校、国外が1校(英国の帝京ロンドン学園)で、一条校のうち日本語DP実施校は37校です。なお同コンソーシアムは「上記はIB認定校等をプログラム単位で数えた校数であり、IB機構が公表している校数とは異なります」と注記しています。一条校でIB DPを実施している学校であれば、日本の高校卒業資格とIBディプロマの両方を目指すことができます。
AP(アドバンスト・プレイスメント)との違いと、4つの比較表
アメリカ式の学校でよく耳にするAP(Advanced Placement)は、また性格が違います。運営元のCollege Boardは、APを「高校で受けられる、大学レベルの科目と試験」と説明しています。試験は毎年5月に実施され、スコアは1〜5の5段階。3以上のスコアで、アメリカの多くの大学が単位認定(credit)や上級科目への配置(placement)を認めるとされています。
ここが重要な点で、APは「大学に入る資格」ではなく「大学に入ったあとの単位・実力の証明」です。日本の大学入学資格の一覧にもAPは含まれていません。ただしエディンバラ大学のように、日本からの出願者の受け入れ資格としてSAT・ACTと並べてAPを挙げている大学もあり、出願書類の一部として機能する場面はあります。
| 項目 | IGCSE | A-Level/国際Aレベル | IB DP | AP |
|---|---|---|---|---|
| 対象年齢 | 14〜16歳(Cambridge公式) | 16〜19歳(高校最後の2年間) | 16〜19歳 | 高校生(学年の定めは学校ごと) |
| 期間 | おおむね2年 | AS約1年/A Level約2年 | 2年間 | 科目ごと。1年程度の履修が一般的 |
| 取り方 | 科目ごとに受験して積み上げる | 科目ごとに受験して積み上げる | 6教科群+コア(TOK・EE・CAS)をパッケージで履修 | 科目ごとに履修・受験 |
| 評価 | 科目ごとの成績 | A*〜Eのグレード | 45点満点、原則24点以上で資格取得 | 1〜5のスコア。3以上で単位認定の対象になることが多い |
| 主に使われる国 | イギリス系の教育制度を採る国・地域(Cambridge資格は92カ国で認知) | イギリスおよびイギリス系の制度の国。イギリスの大学は通常3科目を要求 | 世界各国。日本国内にも認定校273校(令和8年6月30日時点) | 主にアメリカ・カナダ |
| 日本での受験 | 可。ブリティッシュ・カウンシル(東京)が登録試験センターで、プライベート受験生も受付 | 可。同上(International AS/A Level) | IB認定校に在籍して履修するのが基本 | 実施校・実施会場の状況によるため要確認 |
| 日本の大学入学資格 | 単独ではならない | なる(GCE Aレベル/国際Aレベル) | なる(DPで取得する国際バカロレア資格。CPは対象外) | ならない |
※出典:Cambridge International 公式資料、文部科学省IB教育推進コンソーシアム、文部科学省「大学入学資格について」、College Board。日本での受験可否はブリティッシュ・カウンシル日本の案内にもとづきます。
日本の大学/海外大学、それぞれでの入学資格の扱い
日本の大学に入る場合
文部科学省「大学入学資格について」では、高校卒業以外にも複数の入学資格が定められています。国際的な進路と関わりが深いのは次の3つです。
| 資格 | 内容 |
|---|---|
| 国際資格による入学資格 | 外国の大学入学資格である国際バカロレア、アビトゥア、バカロレア、GCE Aレベル、国際Aレベル、欧州バカロレア資格を保有する者(昭和23年文部省告示第47号) |
| 国際的な評価団体の認定校 | WASC・CIS・ACSI・NEASC・Cognia・COBISの認定を受けた教育施設の12年の課程を修了した者 |
| 高等学校卒業程度認定試験(高認) | 高認に合格した者。高認は受験する年度の終わりまでに満16歳以上になる人が受験でき、年2回実施されます(文部科学省) |
このほかにも、大学が個別に行う「入学資格審査」で18歳以上の人に入学資格を認める道があります。「日本の高校を卒業していない=日本の大学に行けない」わけではないということは、知っておいて損のない事実です。
海外の大学に出願する場合
海外大学の場合、日本のように国が一律に定めた「入学資格」があるわけではなく、大学ごとに受け入れる資格と必要な成績が決まっています。1章でふれたとおり、イギリスの大学は日本の高校卒業資格だけの場合にファウンデーション課程を求めることが多く、A-LevelやIBがあれば1年次に直接出願できる、という扱いが一般的です。アメリカの大学は日本の高校卒業でも出願できることが多い一方、SAT/ACTやエッセイ、課外活動の記録などが問われます。
必ず「募集要項」で確認を
同じイギリスの大学でも、必要なA-Levelの科目数・成績・英語力の基準は大学と学部で異なります。「◯◯大学 entry requirements Japan」のように、志望校の公式サイトで国別・資格別の要件ページを直接確認するのが、いちばん確実で早い方法です。留学エージェントや口コミの情報は、必ず一次情報と突き合わせてください。
日本にいながら国際資格を取る4つのルート
「インターナショナルスクールに通わせないと無理」と思われがちですが、実際にはいくつかのルートがあります。それぞれ費用も生活の形も違うので、家庭の状況に合わせて比べてみてください。なお、学校の種類・学費・1条校との違いそのものについてはインターナショナルスクールとは?1条校との違い・学費で詳しく整理しています。
| ルート | 内容 | 知っておきたい点 |
|---|---|---|
| ① 国内のインターナショナルスクール・IB認定校に通う | IB DPやイギリス式カリキュラムを提供する学校に在籍する。一条校のIB認定校なら日本の高校卒業資格とIBを両立できる | 学費が高額になりやすい。IB認定校でもDPまで実施しているかは学校ごとに異なる。通学圏の制約も大きい |
| ② オンラインの国際スクールで学ぶ | 校舎を持たず、オンラインで国際カリキュラムや国際資格対策を提供するスクールに参加する | 費用と通学のハードルは下がる。ただし多くは日本の一条校ではないため、日本の高校卒業資格は出ない。在籍校の出席扱いの可否は校長判断 |
| ③ 外部受験(プライベート受験生)で資格だけ取る | 学校に在籍せず、登録試験センターを通じてCambridge IGCSE・国際AS/A Levelを受験する | Cambridge Internationalは「Cambridge認定校に通っていなくても受験できる場合がある」と案内。日本ではブリティッシュ・カウンシル(東京)が登録センターで、プライベート受験生を受け付けている |
| ④ 通信制高校・高認+国際資格の併用 | 日本の高校卒業資格(または高認)を確保しつつ、並行して国際資格に挑戦する | 日本の大学と海外大学の両方に道を残せる「保険をかけた」形。ただし学習量は増えるので、子どもの体力・体調と相談が必要 |
③の「外部受験」について、確認できたこと
Cambridge International は公式サイトで、プライベート受験生について「Cambridgeの学校に通っていなくても、試験を受けられる場合があります」と案内しています。日本国内では、ブリティッシュ・カウンシルが登録試験センターとして Cambridge IGCSE と International AS/A Level の試験を実施しており、プライベート受験生の登録を受け付けていることがブリティッシュ・カウンシル日本の案内で確認できます。会場は東京で、試験は年2回(10/11月シリーズと5/6月シリーズ)。ただしスピーキング・オーラルを含む科目は提供されていないなど制約があるため、受験を考える場合は科目ごとの実施可否を必ず事前に確認してください。
一方、IBのDPはこの形が使えません。IBのプログラムは認定校(IBワールドスクール)で2年間かけて履修する設計になっており、コア(TOK・EE・CAS)も学校での取り組みが前提です。「試験だけ個人で受けて資格を取る」という進め方をしたい場合は、現状ではIGCSE・A-Levelのほうが現実的だといえます。
④の併用は、実は「一番外れが少ない」選び方
日本の高校(全日制でも通信制でも一条校であれば)を卒業すれば日本の大学入学資格は確保できます。そのうえで国際A LevelやIBディプロマを取れば、海外大学への道も開きます。日本の学校が合わなくて悩んでいる家庭ほど、「今の学校を辞める/辞めない」の二択で考えてしまいがちですが、「今の学校を辞めなくていい」ダブルスクールという選択肢のように、片方を残しながらもう一方を足していく組み立て方もあります。
「日本にいながら」を形にしようとしている学びの例
②のオンライン国際スクールは、まだ日本では選択肢が多いとはいえません。ここでは、にじいろを運営する株式会社NIJINが準備している2つのスクールを、あくまで「こういう形もある」という一例として紹介します。どちらもまだ開校前で、学費は公表されていません。検討する場合は、他のスクールと必ず並べて比べてください(比較の視点はオンラインインターナショナルスクール比較でも整理しています)。
NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)
6〜18歳を対象とした、オンラインのインターナショナルスクールです。2027年9月の開校を予定しており、まだ開校していません。公式サイトによると、学びの中心はCEFRレベル別(Pre-A1〜B2+)の選択式授業で、希望者はCambridge IGCSE・A-Levelに挑戦できる設計になっています。1クラス8名の少人数制で、入学試験・選考・英語要件はなく、まず面談(対話)から始まる流れです。学びの証明を「学力の証明(IGCSE/A-Level・CEFR)」と「人となりの証明(コンピテンシー評価)」の二本立てで考えている点も特徴です。無料体験クラスは2026年9月から毎月開催予定とされています。
一方で、NGAは日本の一条校ではないため、日本の高校卒業資格は発行されません。国際資格で海外大学や帰国生入試などに出願する設計です。学費は「校舎を持たない分、対面インターより大きく抑えた価格を予定」「教材費は月謝に含む」までが公式の記載で、具体的な金額は未公表です。また、在籍校での出席扱いについては公式サイトに記載が確認できませんでした。出席扱いの可否は在籍校の校長判断となるため、必ず在籍校と教育委員会にご相談ください。
ともだちじゃぱん(TOMODACHI JAPAN)
英語中心の環境で学ぶ子にとって、意外と見落とされがちなのが日本語です。ともだちじゃぱんは年長〜高校3年生を対象とした子どもの日本語オンラインスクールで、2026年12月にパイロット開校を予定しています。年齢ではなく「今どのくらい話せるか」の会話レベルでクラス分けをし、1クラス8名の対話中心。日本の現役教員が担任を務め、メタバースの校舎で日本の同世代の子と過ごせる仕組みです。料金は居住地に応じた奨学金制度を含む定額制とされていますが、具体的な金額は未公表で、無料の学校案内で案内されるとしています。
正直にお伝えしておきたいこと
どちらも開校前のスクールで、卒業生の進路実績はまだありません。母体であるNIJINアカデミー(累計入学者1,000名超)の実績は、NGAやともだちじゃぱんの実績ではありません。国際資格を軸に進路をつくるなら、その学校で実際に何の資格が取れるのか、試験はどこで受けるのか、費用は総額でいくらかを、必ず個別に確認してください。
NIJIN GLOBAL ACADEMY|6〜18歳
日本にいながら、Cambridge IGCSE・A-Levelに挑戦できる
CEFRレベル別の選択授業に加え、希望者はCambridge IGCSE/A-Levelに挑戦できるオンライン・インターナショナルスクール。学力の証明と「人となりの証明」の二本立てで進路をつくります。2027年9月開校予定。
開校の最新情報を受け取る ▶入会前の相談・見学だけでも大丈夫です。
日本の高校に通っていない子の進路のつくり方
ここまで読んで、「うちの子は今、日本の高校に通えていない。それでも道はあるのだろうか」と思われた方もいるかもしれません。結論からいえば、制度上の道はあります。ただし、順番と時間の見積もりが大切です。
まず「大学入学資格」の土台をどう確保するかを決める
選択肢は大きく3つです。①日本の高校(通信制を含む一条校)を卒業する、②高等学校卒業程度認定試験(高認)に合格する、③国際資格(IBディプロマ、GCE Aレベル/国際Aレベルなど)を取得する。高認は受験する年度の終わりまでに満16歳以上であれば受験でき、年2回実施されています(文部科学省)。
志望する国・大学を2〜3校決めて、要件ページを読む
「海外大学」とひとくくりにせず、国と大学を具体的にすると必要な資格がはっきりします。イギリスならA-LevelやIB、アメリカならSAT/ACTや高校の成績など、求められるものが変わります。英語力の基準(IELTS・TOEFLのスコア)もこの段階で確認しておきます。
逆算して、いつ何の試験を受けるかを紙に書く
IGCSE・国際A Levelは年2回のシリーズ制、APは5月、IBは2年間のプログラムと、それぞれ時間軸が違います。子どもの体調や気持ちの波も含めて、余裕をもったスケジュールにしておくと、途中でつまずいたときに立て直せます。
在籍校・教育委員会・専門機関に相談しながら進める
在籍校がある場合、オンラインでの学習が出席扱いになるかどうかは校長判断です。体調面の不安がある場合は、学校のスクールカウンセラーや医療機関にも早めに相談してください。制度の確認と、子どもの心身の状態の確認は、どちらも欠かせません。
そしてもうひとつ。国際資格は「日本の偏差値競争から降りるための逃げ道」ではありません。A-LevelもIBも、それ相応の学習量が求められます。ただ、評価のものさしが変わることで、力を発揮しやすくなる子は確かにいます。暗記量と処理速度で順位が決まる形式が苦しかった子が、論述や探究、プロジェクトで評価される形式なら息をしやすい、ということは珍しくありません。順位で測られることのしんどさについては偏差値や順位がしんどい子の進路もあわせてご覧ください。
大切なのは、「今すぐ全部決めること」ではなく「可能性を閉じないこと」です。中学生のうちにIGCSEの1科目から始めてみる、通信制高校に在籍しながら英語だけ国際基準で伸ばしてみる——そうした小さな一歩でも、数年後の選択肢は確実に広がります。
よくある質問(FAQ)
IGCSEとA-Levelは何が違いますか?
対象年齢と役割が違います。Cambridge International によると、IGCSEは14〜16歳向けの国際資格で、A-Level(Cambridge International AS & A Level)は16〜19歳、高校最後の2年間を対象とした資格です。IGCSEは土台にあたるもので、大学入学資格になるのはA-Levelのほうです。
IGCSEを取れば日本の大学に出願できますか?
IGCSE単独では日本の大学入学資格にはなりません。文部科学省が示す大学入学資格の一覧(昭和23年文部省告示第47号)に挙げられているのは、国際バカロレア・アビトゥア・バカロレア・GCE Aレベル・国際Aレベル・欧州バカロレア資格で、IGCSEは含まれていません。
国際A Levelは日本の大学入学資格として認められますか?
認められます。文部科学省の資料によると、2024年6月の制度改正により、国際Aレベル資格を取得した者と欧州バカロレア資格を取得した者が、日本の大学入学資格を有する者として法令上に追加されました。国際Aレベルの認定機関としてOxford International AQA Examinations、Cambridge Assessment International Education、Pearson Edexcel、Learning Resource Networkの4機関が挙げられています。
IBのDPはどうやって評価されるのですか?
文部科学省IB教育推進コンソーシアムによると、DPは6つの教科グループから各1科目ずつ計6科目を2年間学び、TOK(知識の理論)・EE(課題論文)・CAS(創造性・活動・奉仕)のコアに取り組みます。評価は45点満点で、原則として24点以上の取得が必要です。配点は6科目が各7点(計42点)、TOKとEEの評価の組み合わせに応じて最大3点が加わります。
日本国内にIB認定校はどれくらいありますか?
文部科学省IB教育推進コンソーシアムによると、国内の国際バカロレア認定校等数は273校(令和8年6月30日時点)です。内訳はPYPが認定91校・候補36校、MYPが認定48校・候補10校、DPが認定80校・候補6校、CPが認定1校・候補1校。学校種別では一条校95校、非一条校73校、国外1校です。なお同コンソーシアムは、これがプログラム単位で数えた校数であり、IB機構が公表している校数とは異なると注記しています。
インターナショナルスクールに通わなくてもIGCSEやA-Levelは受けられますか?
受けられる場合があります。Cambridge International は公式サイトで、Cambridgeの学校に通っていなくても試験を受けられる場合があると案内しています。日本ではブリティッシュ・カウンシルが登録試験センターとしてCambridge IGCSEとInternational AS/A Levelを実施し、プライベート受験生の登録を受け付けています。会場は東京、試験は年2回で、スピーキング・オーラルを含む科目は提供されていないなどの制約があるため、科目ごとの実施可否を事前に確認してください。
日本の高校を卒業していれば、海外大学に直接出願できますか?
国と大学によります。マンチェスター大学は、日本とイギリスの教育制度の違いのため、日本の高校卒業資格で出願する場合は大学が認めるファウンデーション課程の修了が必要で、A-LevelやIBがあれば学部1年次に直接出願できると案内しています。エディンバラ大学も、日本の高校卒業資格の場合は通常ファウンデーション年が必要としています。要件は大学ごとに異なるため、必ず志望校の最新の募集要項を確認してください。
日本の高校に通っていない場合、大学入学資格はどう確保しますか?
高等学校卒業程度認定試験(高認)に合格する方法があります。高認は受験する年度の終わりまでに満16歳以上になる人が受験でき、年2回実施されています(文部科学省)。このほか、国際バカロレア資格や国際Aレベル資格などの国際資格を取得する方法、大学が個別に行う入学資格審査で18歳以上の人に入学資格が認められる方法もあります。
APはIBやA-Levelの代わりになりますか?
役割が違います。College Boardは、APを「高校で受けられる大学レベルの科目と試験」と説明しており、スコアは1〜5、3以上で多くのアメリカの大学が単位認定や上級科目への配置を認めるとしています。つまりAPは大学入学資格そのものではなく、大学に入ったあとの単位や実力の証明として使われるものです。ただしエディンバラ大学のように、日本からの出願者の受け入れ資格としてSAT・ACTと並べてAPを挙げている大学もあります。
国際資格を目指すと、日本の大学への道は閉じてしまいますか?
必ずしもそうではありません。IBディプロマや国際Aレベルは日本の大学入学資格として認められており、日本国内にはIB DPを実施する一条校もあります(文部科学省IB教育推進コンソーシアムによれば一条校のIB認定校は95校、うち日本語DP実施校は37校)。通信制高校に在籍しながら国際資格に挑戦するなど、両方の道を残す組み立て方も可能です。
この記事の内容を確かめるための一次資料
国際資格と大学入学資格は、制度の改正や大学ごとの運用によって扱いが変わりやすいテーマです。学校や進路の相談をするときは、下記の一次資料を手元に置いて進めることをおすすめします。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| 文部科学省「大学入学資格について」 | 国際バカロレア・GCE Aレベル・国際Aレベル・欧州バカロレア等による大学入学資格、国際的な評価団体(WASC・CIS・ACSI・NEASC・Cognia・COBIS)の認定校の扱い、高認・個別の入学資格審査 |
| 文部科学省「大学入学資格ガイド ver.2」(令和6年6月) | 各入学資格の詳しい要件、IBのCP修了者の扱い |
| 文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IB認定校・候補校」 | 国内のIB認定校等数(令和8年6月30日時点で273校)、PYP・MYP・DP・CP別と一条校/非一条校の内訳 |
| 文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IBのプログラム(DP/CP)」 | DPの対象年齢・6教科グループ・コア(TOK・EE・CAS)・45点満点と24点の合格基準 |
| Cambridge International「Cambridge IGCSE」 | IGCSEの対象年齢(14〜16歳)と位置づけ |
| Cambridge International「Private candidates」 | Cambridge認定校に在籍していない受験生の受験について |
| ブリティッシュ・カウンシル日本「Cambridge IGCSEs and International Advanced Level Examinations」 | 日本国内での実施会場・試験シリーズ・プライベート受験生の受け付け・実施されない科目 |
| マンチェスター大学「Entry requirements|Japan」 | 日本の高校卒業資格での出願とファウンデーション課程、A-Level・IBでの直接出願 |
| 文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」 | 高認の受験資格(受験する年度の終わりまでに満16歳以上)と実施回数 |
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