高校の授業料無償化(高等学校等就学支援金)は、2026年4月から所得制限がなくなり、私立通信制の上限は年額33万7,200円になりました。では、2027年度はどう変わるのでしょうか。先にお伝えすると、2027年度の通信制について、公式には変更が発表されていません(2026年11月2日時点)。文部科学省の令和9年度(2027年度)概算要求の資料にも、私立通信制の上限額は2026年度と同じ年額33万7,200円で載っています。一方で、制度は「法施行後3年以内」に見直しの検証をすることになっていて、検証の対象には支給上限額も入っています。この記事では、公式の資料に書かれていることと、そこから「こうなる可能性がある」と考えられることを分けて整理します。あわせて、通信制特有の仕組み(単位制、サポート校、スクーリング費用)と、家計の準備に使える表・家計メモ・学校への質問リストをまとめます。
この記事の監修者
| 監修者名 | 渡邊真帆 |
|---|---|
| 肩書き | 元通信制高校スタッフ |
| 所属 | 株式会社NIJIN |
| 監修日 | 11月5日 |
1. 結論:2027年度の通信制の就学支援金は、公式には変更が発表されていません
1-1. 変更は未発表。公式の資料に載る上限額は、2026年度と同じです
結論から言うと、2027年度(2027年4月からの1年間)の通信制高校の就学支援金について、変更は公式に発表されていません。文部科学省が公表した令和9年度の概算要求では、就学支援金は5,817億円(前年度予算額は5,824億円)で、資料に載る上限額は、私立通信制が年額33万7,200円、私立全日制が45万7,200円、公立全日制が11万8,800円と、2026年度と同じです。ただし、概算要求は「要求」の段階で、予算として決まったものではありません。また、制度には「法施行後3年以内に検証し、必要な見直しをする」という定めがあり、検証の対象に支給上限額が入っています。そのため、「2027年度も変わらない」と言い切ることも、「変わる」と決めつけることもできません。この記事は、この点を前提に、考えられる変化を分けて見ていきます。
1-2. 高校の授業料無償化はいつから?2026年4月に決まった内容
改正法は2026年3月31日に成立し、4月1日に施行されました(文部科学省)。「いつから」への答えは、2026年4月からです。2026年度の内容は、次のとおりです。
| 項目 | 2026年度からの内容 |
|---|---|
| 所得制限 | なし(収入要件を撤廃) |
| 私立全日制の上限 | 年額45万7,200円(月額3万8,100円) |
| 公立全日制 | 授業料相当額の年額11万8,800円(月額9,900円) |
| 私立通信制の上限 | 年額33万7,200円(月額2万8,100円) |
| 公立通信制 | 月額520円の授業料相当額 |
| 国籍・在留資格 | 要件あり。日本国籍のほか、特別永住者、永住者などが対象。「留学」など定着が見込まれない在留資格は対象外 |
| 費用負担 | 国が4分の3、都道府県が4分の1 |
| 授業料の透明化・便乗値上げの防止 | 授業料などの学納金の情報を、国がインターネット上で一元的に確認できる仕組みを整備。防止の仕組みを整えない都道府県は、私学助成の国の補助金が減額される |
出典:文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」と、制度の概要資料(令和8年度)。2026年度の変更点の詳細は、にじいろの別の記事にまとめています。
2026年度の変更点と、3年間の総額について、あわせて読みたい
💴2026年度の変更点高校の学費はいくら?就学支援金が2026年度に変わった3つの点読む→ 🧮3年間の総額通信制高校+サポート校の3年間の総額はいくら?公立のみ・私立のみ・私立+サポート校の3パターン試算【2026年度】読む→1-3. 高校無償化で通信制はいくら?支給額の目安は「授業料」と「上限」の低いほう
通信制の上限は、私立が月額2万8,100円(12か月分で年額33万7,200円)、公立が月額520円です(文部科学省Q&A)。支給の対象は、通信制高校の授業料です。サポート校は、就学支援金の対象ではありません。実際に支給される額は、学校の授業料と上限のうち、低いほうが目安です。学校の授業料が上限より低いときは、授業料の額を基準に計算されます。単位ごとに授業料が決まる学校の計算は、4章で説明します。
1-4. 2027年度について、公式に出ている資料
2027年度に関わる公式の資料は、次の3つです。いずれにも、2027年度に通信制の上限額を変える内容は書かれていません。
| 資料 | 2027年度に関わる内容 |
|---|---|
| 令和9年度概算要求「高等学校等就学支援金等」(文部科学省) | 就学支援金5,817億円。所得制限なし。上限額は私立通信制33万7,200円など、2026年度と同じ金額。「法施行後3年以内に検証し、必要な見直しを実施」と記載。高校生等奨学給付金は322億円に加えて事項要求 |
| 令和9年度概算要求のポイント(文部科学省) | 「高等学校教育改革交付金(仮称)」の創設を事項要求。定時制・通信制高校の学びの充実支援に2億円(新規) |
| 「三党合意に基づく令和8年度以降の高校教育等の振興方策」(令和8年1月) | 令和9年度に交付金を創設。令和9年度の予算編成・税制改正に向けて財源を確保する、と記載 |
2. 「見直し」はいつ、何が対象になるのか
2-1. 検証の対象は4つ。通信制の家計との関わりを整理します
文部科学省の資料によると、新しい制度は「法施行後、3年以内の期間に十分な検証を行った上で、必要な制度の見直しを実施」とされています。検証の対象は、次の4つです。
| 検証の対象 | 通信制の家計との関わり(考えられること) |
|---|---|
| 収入要件 | いまは所得制限がありません。検証の対象なので、見直しの議論で扱われる可能性はあります。方向は示されていません |
| 外国籍生徒・外国人学校の扱い | 国籍・在留資格の要件は2026年度に始まりました。外国籍の方は、申請のときに自分が対象かどうかを学校で確かめる必要があります |
| 支給上限額 | 私立通信制の33万7,200円が対象になりえます。授業料が上限を超える学校に通う家庭には、直接響きます |
| 便乗値上げ抑制策の影響(特に地方や公立高校への影響) | 学校の授業料の動きや、授業料を比べやすくなるかどうかに関わります |
2-2. 「3年以内」は、いつまでか
施行は2026年4月1日なので、単純に数えると、検証と見直しの期間は2029年3月ごろまでです。資料には「3年以内」としか書かれておらず、2027年度に見直しを行うとは書かれていません。検証を行う場の日程や、見直しの具体案も、公式の資料には示されていません。2027年度に変わると見込む根拠は、いまの資料にはない、ということです。
2-3. 概算要求は「要求」の段階。上限額を変えるには改正が必要です
概算要求は、各省庁が次の年度の予算を求める資料です。そのあと、国の予算編成を経て、予算が決まります。また、通信制の月額の上限は政令に、単位ごとの限度額は省令に定められています(文部科学省の改正通知のページに、改正政令・改正省令の条文が掲載されています)。上限額を変えるときは、この政令・省令を改正することになります。そのため、変更が決まれば、文部科学省のページに改正の内容が載ると考えられます。変更の有無は、文部科学省の「高校生等への修学支援」のページで確かめられます。
2-4. 令和9年度の要求にある、家計に近い項目:奨学給付金
授業料以外の教育費(教科書代、学用品費など)は、就学支援金ではなく「高校生等奨学給付金」が支えます。令和9年度の要求では、新入生は4月時点の前年度課税額で年額を給付し、給付時期を早めることや、4月時点で対象外でも7月時点で対象となれば年額を給付することが挙がっています。学習者用端末の購入費相当額の支援は、事項要求として検討されています。いずれも要求の段階で、予算が決まるまでは確定ではありません。対象となる世帯や申請先は都道府県で違うため、5章の質問リストで確かめます。
3. 2027年度はどう変わると考えられる?4つの場面と家計への影響(仮の試算)
3-1. 考え方:公式の資料から導ける範囲で、4つに分けます
ここからは、2章の「検証の対象」と、制度のしくみから論理的に導ける範囲で、4つの場面に分けます。確定した予定ではなく、「もしこうなったら」の整理です。試算に使う数字は、すべて「仮」で、予測ではありません。授業料の例は、公開されている学費を使います。公立は東京都立の通信制(1単位336円)、私立はワオ高等学校(2027年度の案内で、1単位12,000円)です。履修は、3年間で74単位を取る想定の、年25単位(仮)とします。
3-2. 場面1:現行のまま続く
根拠は、概算要求の資料にある上限額が2026年度と同じことと、見直しが「3年以内」とされていることです。この場面では、家計への影響は、いまと変わりません。仮に年25単位とすると、東京都立の通信制は336円×25単位で年8,400円。就学支援金の支給認定を受けると、授業料の負担は0円です(東京都教育委員会)。ワオ高等学校は12,000円×25単位で年30万円。上限の33万7,200円より低いので、授業料の負担は0円です。仮に授業料が年45万円(仮)の学校なら、45万円から33万7,200円を引いた11万2,800円が自己負担です。
3-3. 場面2:学校の授業料が動く(便乗値上げ抑制策・授業料の公開)
検証の対象に「便乗値上げ抑制策の影響」が入っていて、学納金の情報を国が一元的に確認できる仕組みも整備されます。そのため、学校の授業料が募集要項で変わったり、学校どうしを比べやすくなったりすることが考えられます。授業料が変わったとき、自己負担がどう動くかを、上限が現行のままの場合で計算します。
| 年間の授業料(仮) | 就学支援金(上限33万7,200円) | 自己負担 |
|---|---|---|
| 30万円 | 30万円 | 0円 |
| 33万7,200円 | 33万7,200円 | 0円 |
| 36万円 | 33万7,200円 | 2万2,800円 |
| 45万円 | 33万7,200円 | 11万2,800円 |
仮の数字による計算です。授業料が上限の範囲で上がっても、自己負担は増えません。上限を超えた分は、そのまま自己負担になります。単位ごとに授業料が決まる学校は、4章の計算になります。
3-4. 場面3:検証で、支給上限額が見直される
支給上限額は検証の対象です。上がるのか、下がるのか、変わらないのかという方向は、資料に示されていません。上限が変わった場合の影響を、仮の上限で計算します。これは予測ではなく、自分の志望校の授業料で、同じ計算をするための練習です。
| 上限額(仮) | 年間の授業料が30万円(仮)の学校 | 年間の授業料が45万円(仮)の学校 |
|---|---|---|
| 現行の33万7,200円 | 自己負担 0円 | 自己負担 11万2,800円 |
| 3万円低い30万7,200円 | 自己負担 0円 | 自己負担 14万2,800円 |
| 3万円高い36万7,200円 | 自己負担 0円 | 自己負担 8万2,800円 |
仮の数字による計算です。上限が変わっても、授業料が上限より低い学校の家庭は、自己負担が変わりません。単位あたりの限度額は月額の上限から計算されているため、上限が変われば単位あたりの限度額も変わると考えられます。
3-5. 場面4:収入要件・外国籍の扱いが見直される
収入要件と外国籍生徒の扱いも、検証の対象です。2025年度までの旧制度では、世帯の年収によって私立通信制の支給額が分かれていました。仮に収入に関する要件が戻る場合は、年収を確かめる書類が申請に必要になるなど、手続きが増えることが考えられます。外国籍の方の要件も、見直しで変わる可能性があります。どちらも方向は示されていないので、申請のたびに、学校で最新の条件を確かめるのが確実です。
4つの場面のどれになっても、家計の準備でやることは同じです。志望校の授業料と授業料以外の費用を分けて書き、就学支援金で引ける部分を確かめておく。5章の家計メモが、その形になっています。
4. 通信制ならではの仕組み(単位制・サポート校・スクーリング費用)
4-1. 単位制:1単位の限度額、年間30単位、通算74単位、48か月
通信制は、単位ごとに授業料が決まる学校が多く、就学支援金も単位数に応じて計算されます。2026年度の事務処理要領(文部科学省)では、次のとおりです。
| 区分 | 1単位あたりの限度額 | 月額の上限 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 公立の通信制 | 336円 | 520円 | 年間30単位まで、通算74単位まで、支給期間は原則48か月まで |
| 私立の通信制 | 13,668円 | 28,100円 | 同上 |
私立の13,668円は、月額28,100円の36か月分を74単位で割り、切り下げた額です(文部科学省の事務処理要領)。
単位は、修得した数ではなく、履修登録した単位数で数えます。年間30単位、通算74単位(高校の卒業に必要な単位数)を超えて履修した分は、支給の対象に含まれません。再履修や追加の履修で単位が増えるときは、授業料のどこまでが対象になるかを、学校に聞いておきます。
4-2. 学校の種類ごとの目安表:支給の有無・上限・自己負担
年間25単位(仮)で、公開されている学費の例を並べた表です。2027年度に上限が変わらなかった場合の目安です。
| 学校の種類 | 就学支援金 | 上限(2026年度) | 授業料の例 | 支援金の対象外で、自己負担になる費用の例 |
|---|---|---|---|---|
| 公立通信制(東京都立の例) | 対象 | 月額520円(1単位336円) | 336円×25単位(仮)=年8,400円。授業料は0円 | 入学料500円。教科書代や交通費などは学校による |
| 私立通信制(ワオ高等学校の例) | 対象 | 月額2万8,100円(年額33万7,200円)、1単位13,668円 | 12,000円×25単位(仮)=年30万円。上限内なので授業料は0円 | 入学金5万円、教育関連諸費が年10万円、スクーリング諸費が年12万円(3泊4日・年2回)。交通費は別 |
| サポート校(ニジ高の例) | 対象外 | 支給なし | 入学金5万5,000円、授業料が年39万8,000円(2026年9月時点、税込)。全額が自己負担 | 併用する通信制高校の学費は別にかかる |
学校ごとの公式の案内(ワオ高等学校、ニジ高)の金額です。金額は学校と年度で違います。私立通信制とサポート校を併用する場合は、2行目と3行目の費用が両方かかります。
4-3. サポート校の費用は、就学支援金の対象外です
サポート校は、通信制高校の学習や生活を支える民間の教育施設で、卒業資格を出す学校ではありません。文部科学省のQ&Aは、「サポート校については、就学支援金制度の対象ではありません」としています。対象になるのは、卒業資格を出す通信制高校の授業料です。2027年度にこの区分を変えると書かれた資料は、ありません。サポート校を使うかどうかで、年間の総額は大きく変わります。4-2の表のとおり、ニジ高の場合は授業料だけで年39万8,000円です(にじいろ「サポート校とは」)。
4-4. スクーリング・教材・交通費は、別にかかります
就学支援金の対象は授業料です。スクーリングの宿泊費や交通費、教材費、施設費などは、学校によって金額が違い、対象外のものが多くあります。欠席後の振替や補充スクーリングにも、費用や交通費がかかることがあります(にじいろ「スクーリングに行けないときは」)。学費の表は、授業料と、授業料以外を分けて見ます。
サポート校やスクーリングについて、あわせて読みたい
🤝サポート校「通信制サポート校」ってなに?通信制高校との違いと活用するメリットを徹底解説!読む→ 🏫スクーリング通信制高校のスクーリングに行けないときは?欠席後の確認手順と振替・補充読む→4-5. 受け取り方:申請が必要で、支給は申込月から
就学支援金は、受給のための申請が必要です。原則として、申し込みをした月から支給が始まるので、提出の期日に遅れないようにします。申請書類は、入学する学校から、入学説明会のときか入学後に配られます。支給された就学支援金は、学校が代わりに受け取って授業料に充て、授業料との差額を保護者が払います。学校によっては、先に授業料の全額を集めて、あとで差額を返す場合もあります。返金の時期は、学校に聞きます(文部科学省Q&A)。先に払う期間の資金も、家計メモに入れておくと安心です。
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5. 今できる準備:家計メモの書き方と、学校に聞く質問リスト
5-1. 家計メモを作る流れ
2027年度の制度が変わるかどうかにかかわらず、今のうちにできる準備があります。志望校の学費を、次の順に書き出すだけです。
図:家計メモを作る流れ。
5-2. 家計メモの例(支給額と自己負担の計算)
私立通信制の例(ワオ高等学校の2027年度の案内の金額)と、サポート校を併用する場合(ニジ高の2026年9月時点の金額)を、初年度の費用で書いた例です。年25単位(仮)で計算しています。
| 項目 | 金額の例 | 就学支援金 | 書き方のポイント |
|---|---|---|---|
| A. 授業料(12,000円×25単位) | 300,000円 | 対象 | 単価と単位数を分けて書く |
| B. 就学支援金 | −300,000円 | — | 授業料と上限(年33万7,200円)の低いほう |
| C. 授業料の自己負担(A−B) | 0円 | — | 授業料が上限を超える学校は、ここがプラスになる |
| D. 入学金(初年度のみ) | 50,000円 | 対象外 | 初年度だけの欄に書く。2年目以降の有無は学校に聞く |
| E. 教育関連諸費(年) | 100,000円 | 対象外 | 学校の呼び名のまま書く |
| F. スクーリング諸費(3泊4日・年2回) | 120,000円 | 対象外 | 交通費は実費で別の行に書く |
| G. 通信制高校だけの初年度(C+D+E+F) | 270,000円+交通費 | — | 月にならした額も書いておく |
| H. サポート校(入学金55,000円+授業料398,000円) | 453,000円 | 対象外 | 使わない場合は0円にする |
| I. サポート校を併用する初年度(G+H) | 723,000円+交通費 | — | 2年目以降は、入学金を除いて計算する |
| J. もしもの欄:授業料が年45万円(仮)なら | Cが112,800円になる | — | 授業料が上がる、上限が変わるときの欄 |
学校と年度で金額は違います。ニジ高の授業料は、年払いの額です。実際の請求は、学校の案内で確かめてください。
5-3. 学校に聞く質問リスト(チェックリスト)
説明会や個別相談で、次の8つを聞いておくと安心です。
✅ 学校に聞く質問リスト
- 2027年度の授業料(1単位あたり、または年額)と、入学金・施設費・教材費・スクーリング費の金額(募集要項の最新版)
- 授業料のうち、就学支援金の対象になるのはどこまでか(コース費やサポート費は授業料に入るか)
- 申請の時期・方法・提出先と、支給が始まる月
- 学校が代わりに受け取って授業料に充てるのか、先に全額を払って後で戻るのか(戻る時期)
- 年間30単位・通算74単位を超えたとき(再履修や追加履修)の、授業料の扱い
- 授業料が年度の途中や翌年度に変わることはあるか、変わるときの案内の時期
- サポート校や学習等支援施設を使う場合の費用と、就学支援金の対象外であること
- 都道府県や学校独自の支援・減免、高校生等奨学給付金の対象と申請先
5-4. 授業料以外を支える制度と、更新の見方
授業料以外の教育費は、返す必要のない「高校生等奨学給付金」が支えます(文部科学省Q&A)。都道府県が独自に上乗せの支援を行っている場合もあり、要件は各自治体で違います。2027年度の制度の更新は、文部科学省の「高校生等への修学支援」のページで見られます。志望校の募集要項と、住んでいる都道府県の案内もあわせて見ておくと、変更に早く気づけます。学費が払えなくなりそうなときは、早めに学校に相談してください(にじいろ「学費が払えないときは」)。
通信制高校・全日制高校と両立しながら通う、先輩の1週間
入学前は、お金のことも通い方のことも、不安になりますよね。ニジ高の在校生が、どんなふうに毎日を過ごしているか、のぞいてみてください。さきはN高に、ゆっきーは全日制高校に通いながら、ニジ高にも参加している在校生です。
6. 通信制サポート校を知る
6-1. 入学までの流れを知っておくと、不安が少なくなります
ここまで、2027年度の就学支援金の見通しと、通信制高校の学費の見方を見てきました。このあとは、選択肢の一つとして、NIJIN高等学院(ニジ高)の入学までの流れを紹介します。ニジ高は通信制高校のサポート校です。公式サイト(トップ・入学案内、2026年11月2日時点)の内容をもとに書きます。なお、株式会社NIJINは、義務教育段階(小学1年生〜中学3年生)向けの「NIJINアカデミー」も運営しています。
6-2. 入学までの5つのステップ
図:NIJIN高等学院の入学までの流れ(公式サイトの案内をもとにした図)。提携する通信制高校への出願・手続きは、別に必要です(6-4)。
6-3. 出願費用と、入学の条件について
公式サイトの入学案内には、「出願に、費用はかかりません。」と書かれています。選考料や検定料も必要ありません。また、「学力や出席状況は入学の条件ではありません」と案内されています。よくある質問には、ニジ高に「必修科目」や「出席必須のイベント」はないこと、朝起きられない日や体調に波がある場合も問題ないこと、授業のアーカイブ視聴に対応していることが書かれています。学費については、提携通信制高校の学費は就学支援金の対象で、実際の負担額は体験説明会で試算される、と案内されています。体験説明会で、「就学支援金を使うと、年間の負担はいくらになりますか」と聞いてみてください。
6-4. 卒業資格を出す提携校の授業料・スクーリングは、別にあります
ここが、この記事のテーマとつながる大切な点です。ニジ高はサポート校なので、高校卒業資格を出すのは、提携する通信制高校です。就学支援金の対象になるのは、提携する通信制高校の授業料で、サポート校であるニジ高の入学金・授業料は、国の制度では対象外です。提携校は、ワオ高等学校(岡山県)、鹿島山北高等学校(神奈川県)、開志創造高等学校(新潟県)の3校で、スクーリングの頻度は、ワオ高等学校が年2回、鹿島山北高等学校が年1回、開志創造高等学校が年8日間です。レポート、スクーリング、単位認定は、在籍する通信制高校が行います。そのため、授業料の単価や、授業料以外の費用は、提携校ごとに違います。体験説明会では、「提携校の授業料は、就学支援金でどこまで引けますか」「スクーリングの費用は別にかかりますか」と聞いてみてください。提携校への出願と入学手続きは、ニジ高の手続きとは別に必要で、出願には、在籍校または出身校からの調査書等が必要です。すでに別の通信制高校に在籍している場合は、この手続きは不要です。
6-5. 入学金・授業料(公式サイトの金額)
ニジ高の料金は、公式サイトの入学案内(2026年9月時点の表記、2026年11月2日に確認、税込)では、入学金が55,000円(入学時のみ。NIJINアカデミーの元在籍者は免除)、授業料(メタバース校舎の利用料を含む)が年額398,000円(4月〜翌年3月)、月払いは月額39,800円です。ほかに、希望制のオプションがあります。提携校の学費は、ニジ高の学費とは別にかかります。納入した学費・入学金は返金されませんので、申し込みの前に、公式サイトで最新の内容をご確認ください。
まとめ
高校の授業料無償化は、2026年4月から、所得制限がなくなりました。通信制の上限は、私立が年額33万7,200円(月額2万8,100円)、公立が月額520円です。2027年度の通信制について、公式には変更が発表されておらず、令和9年度の概算要求の資料にも、上限額は2026年度と同じ金額が載っています。一方で、制度は法施行後3年以内に検証され、検証の対象には、収入要件、外国籍生徒の扱い、支給上限額、便乗値上げ抑制策の影響が入っています。2027年度に変わると見込む根拠は、いまの資料にはありません。
変わる場合に家計へ響くのは、主に授業料が上限を超える学校に通う家庭です。公立通信制や、授業料が上限より低い私立通信制では、授業料の自己負担は0円になります。サポート校の費用や、入学金、教材費、スクーリング費は、就学支援金の対象外です。志望校の学費を、授業料と授業料以外に分けて書き、「もしも」の欄を作っておくと、どの場面でも落ち着いて比べられます。
制度は、文部科学省のページで最新の内容を見られます。学校には、申請の時期、受け取り方、授業料以外の費用を、先に聞いておいてください。焦らなくて大丈夫です。ひとつずつ確かめながら、お子さんのペースで進めてください。
なお、この記事の情報は2026年11月2日時点のものです。制度の内容や上限額、学校の学費は、変わることがあります。必ず、文部科学省の最新の案内と、志望校の最新の募集要項をご確認ください。
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