通信制高校の中退率は、文部科学省の令和6年度調査で全体3.5%、公立5.0%、私立3.2%です。ただし、これは1年間に在籍者のうち中途退学した人の割合であり、「入学した人のうち何%が卒業したか」ではありません。数値だけで特定の学校の安全性や、本人の卒業可能性を判断することもできません。にじいろは株式会社NIJINが運営しており、この記事で紹介するNIJIN高等学院も同社の事業です。公式統計の意味と、見学時に確かめたい支援体制を分けて説明します。
通信制高校の中退率は3.5%。公立5.0%、私立3.2%
2026年10月21日時点で確認できる文部科学省・e-Statの令和6年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」表6-5によると、通信制課程の中途退学者は10,094人、中途退学率は3.5%です。内訳は公立2,937人・5.0%、私立7,157人・3.2%。同じ調査の全日制1.0%、定時制7.4%、高校全体1.4%と比較するときも、課程ごとに在籍する生徒の事情や学校の仕組みが異なることを踏まえてください。
| 令和6年度の区分 | 中途退学者数 | 中途退学率 |
|---|---|---|
| 通信制・全体 | 10,094人 | 3.5% |
| 通信制・公立 | 2,937人 | 5.0% |
| 通信制・私立 | 7,157人 | 3.2% |
| 全日制・全体 | 29,121人 | 1.0% |
| 定時制・全体 | 5,356人 | 7.4% |
| 高校・全体 | 44,571人 | 1.4% |
出典は政府統計e-Stat・令和6年度表6-5(Excel)です(2026年10月21日確認)。この表は個々の高校やサポート校の退学率を示すものではありません。全国平均をそのまま「うちの子が辞める確率」と読むことはできません。
通信制高校で学習の進め方や居場所を別に求める場合、NIJIN高等学院のようなサポート校を組み合わせる選択肢があります。ただし同学院は通信制高校本体ではなく、単位認定と高校卒業資格は在籍する高校の役割です。サポート校の利用が中退率を下げると証明する統計として、上の全国値を使うことはできません。本人に必要な支援と追加費用を具体的に確かめましょう。
中退率は「卒業率」ではない。数字の分母と対象を確認する
e-Statの表6-5には、中途退学率を「各区分における在籍者数に占める中途退学者数の割合」とする注記があります。つまり1年間の中退率3.5%を100%から引いて「卒業率96.5%」とは言えません。卒業率を知るには、入学した集団を追って何年後に卒業したかを数えるなど、別の定義と追跡データが必要です。
| 見かける数字 | 分かること | この数字だけでは分からないこと |
|---|---|---|
| 年度の中途退学率 | その年度・課程で中途退学した人の割合 | 入学者が卒業まで進んだ割合 |
| 卒業率と称する学校独自の数値 | 学校が定義した卒業までの実績 | 分母・追跡期間・転学者の扱いが不明なら学校間比較は難しい |
| 転学者数 | 他校へ学籍を移した人数 | 転学後の卒業結果 |
文部科学省の調査の説明では、中途退学は年度途中に退学した人などで、転学者は含まないとされています。通信制高校から別の高校へ移った生徒を「中退者」として足し込んで理解すると、進路の実態を取り違えます。一方、転学後の学習が順調かどうかも、この中退率からは分かりません。
学校の説明会で「卒業率が高い」と聞いたら、何年度の入学者を何年後まで追い、途中の転入・編入・転学をどう数えたか質問してください。数字が公表されていなければ、推測で学校を順位付けせず、学習支援と卒業までの確認方法を聞くほうが役立ちます。
退学理由は「勉強についていけない」だけではない
令和6年度調査の表6-4・事由別中途退学者数(Excel)では、通信制課程の中途退学者について、最も多い区分は「進路変更」3,269人・32.4%、次いで「学校生活・学業不適応」2,364人・23.4%でした。「学業不振」は930人・9.2%です。通信制高校を辞める理由を学力や意欲の問題だけにまとめないことが大切です。
| 通信制課程の主な理由区分 | 人数 | 中途退学者に占める割合 |
|---|---|---|
| 進路変更 | 3,269人 | 32.4% |
| 学校生活・学業不適応 | 2,364人 | 23.4% |
| その他の理由 | 1,786人 | 17.7% |
| 学業不振 | 930人 | 9.2% |
| 病気・けが・死亡 | 766人 | 7.6% |
| 経済的理由 | 441人 | 4.4% |
表6-4は、中途退学者1人につき主たる理由を一つ選択した集計です。進路変更には別の高校、専修学校、就職、高卒認定試験などを希望した人が含まれます。本人に複数の事情が重なった場合や、退学後に希望した進路へ進めたかは分かりません。「進路変更なら問題ない」とも、「不適応は本人の努力不足」とも読めません。退学後の選択肢は高校を中退した後の進路で整理しています。
公立と私立の差だけで、学校の支援の質は判定できない
公立5.0%、私立3.2%という差は調査年の課程・設置者別の集計結果です。この数字だけで「公立では卒業しにくい」「私立に行けば安心」とは言えません。学校の募集対象、入学時期、転編入者の割合、登校形態、学習支援、費用などが異なります。統計表は、それぞれの違いの影響を分けて測っていません。
同じ私立通信制高校でも、在宅中心のコースと週数日通うコースでは、予定の立て方も費用も変わります。サポート校併用の有無もこの公私別中退率には示されていません。学校名だけでなく、「自分が選ぶコース・校舎・年度で、どの支援が受けられるか」を聞く必要があります。
中学校での不登校経験や転学歴のある人を多く受け入れる学校は、相談の仕組みを丁寧に確認したい一方、その受け入れ自体を否定的に評価する理由にはなりません。数値の公表がない学校を即座に除外するより、分母と対象期間を確認し、学習・生活・進路の支援が本人に合うか見学で確かめましょう。
見学時はレポート、スクーリング、相談先を具体的に聞く
全国の中退率を知った後に役立つのは、志望する高校で単位を積み上げる道筋を本人の生活に合わせて描けるかという確認です。通信制高校ではレポート、面接指導(スクーリング)、試験等を経て単位を修得します。文部科学省の通信制高校案内は制度を示しますが、提出方法や会場、欠席時の振替は各校に確認が必要です。
| 確認する場面 | 学校への質問 | 家庭で考えること |
|---|---|---|
| レポートが遅れたとき | 誰が、いつ、どの方法で連絡・相談できますか | 無理なく学習に戻れる頻度はどれくらいか |
| スクーリングを欠席したとき | 振替の会場・時期・条件は何ですか | 移動・宿泊・体調の負担を引き受けられるか |
| 進路を変えたくなったとき | 面談、転学相談、単位証明の担当は誰ですか | 在籍を保ったまま相談できるか |
| サポート校を併用するとき | 高校とサポート校の役割、連絡方法、支払先は何ですか | 追加費用に見合う支援が必要か |
質問への答えは、学校名ではなく「在籍する高校本体」「通うキャンパス」「サポート校」を分けて記録しましょう。サポート校が単位認定やスクーリングを行うと受け取れる案内があれば、高校本体の募集要項と照らして確認してください。年間の履修単位と支援金の違い、サポート校併用の3年間の総額も、卒業までの計画を考える材料になります。
NIJIN高等学院が合う場合と、高校単独が合う場合
NIJIN高等学院は、通信制高校に在籍する生徒の学習・生活を支えるサポート校です。公式入学案内では、同学院の申込みと通信制高校への出願・入学手続きを分け、学院の学費のほかに高校側の学費が必要と説明しています(2026年10月21日確認)。卒業資格の主体は在籍する通信制高校であり、NIJIN高等学院だけで卒業資格を出すわけではありません。
レポートの進め方を一人で抱えやすい、同世代や大人との対話の場がほしい、定期的に進路を考えたい人には、サポート校の支援内容を見比べる意味があります。ただし、日々の伴走を利用した人の中退率が全国統計より低いと示す同条件の検証データは、この記事では確認していません。支援内容と本人との相性を判断材料にし、統計を成果保証に使わないでください。
通信制高校本体に十分な担任面談や学習支援があり、本人がそこで安心して進められるなら、別途サポート校を契約しない選び方もあります。サポート校の費用と必要性を確認し、スクーリング・試験・学費の二重確認をしてから決めましょう。
よくある質問
通信制高校の中退率は高いのですか?
令和6年度の通信制全体は3.5%で、同じ調査の全日制1.0%より数値は高いです。ただし、課程ごとの生徒構成や制度が異なり、差の原因をこの表だけで特定できません。本人に合うかは学校・コースごとに確認します。
3.5%なら卒業率は96.5%ですか?
違います。3.5%はその年度の在籍者に対する中途退学者の割合です。入学者を卒業まで追った割合ではありません。
通信制高校から別の高校に転学した人も含まれますか?
文部科学省の中途退学の定義では、転学者は含みません。転学後の進路や卒業結果もこの中退率からは分かりません。
公立より私立のほうが卒業しやすいといえますか?
この調査では公立5.0%、私立3.2%ですが、学校ごとの入学者や支援の違いを調整した比較ではありません。数値だけで個別校の優劣は決められません。
サポート校に通えば中退を防げますか?
一律には言えません。サポート校の学習・生活支援が本人に合う場合はありますが、全国の公私別中退率はサポート校の効果を測ったものではありません。支援の担当者、頻度、費用、在籍高校との連携を確認してください。
途中で学び方が合わなかったらどうすればよいですか?
退学を先に決めず、在籍校へコース変更、レポート・スクーリングの相談、転学時の単位や在籍期間の扱いを聞きましょう。中退後の進路も選択肢の整理に使えます。
まとめ|全国平均より、続けられる支援の中身を確かめる
令和6年度の通信制高校の中途退学率は全体3.5%、公立5.0%、私立3.2%です。これは年度内の中途退学を数えたもので、卒業率ではありません。進路変更や学校生活・学業不適応など理由も一つではなく、全国平均から本人の結果を予測することはできません。
学校選びでは、レポートの遅れやスクーリング欠席が起きたときの相談先、転学の手続き、費用、本人が続けたい学び方を具体的に確認してください。NIJIN高等学院のようなサポート校が合う人も、通信制高校単独の支援が合う人もいます。支援の内容と支払先を分けて検討しましょう。
資料確認日:2026年10月21日。主な一次情報:政府統計e-Stat・令和6年度表6-5(中途退学率、Excel)、同表6-4(事由別、Excel)、文部科学省「令和6年度の中途退学の説明」、文部科学省「通信制高校とは?」、NIJIN高等学院入学案内。全国値は学校ごとの退学率や個人の卒業可能性を示しません。


