「葉山町で、学校のかわりに通える場所はありますか」
葉山町には、神奈川県内でも数少ないフリースクールの利用料の補助があります。2026年4月に始まった「葉山町フリースクール等利用児童生徒支援補助金」で、町が認定した施設の利用料の2分の1、1人あたり月15,000円までが補助されます。認定施設は町の内外に13か所あり、町内にも2か所あります。この記事では、葉山町から通える5か所と補助の使い方、町の教育支援教室「ヤシの実」について、公式の記載だけをもとに整理しました。
この記事でわかること
- 葉山町のフリースクール補助の対象・金額・対象施設・申請の時期
- 葉山町から通えるフリースクール5か所の場所・対象・開所日・費用(公式サイトと県の資料で確認できた範囲)
- 補助を使った場合の、月々の負担の目安
- 町の教育支援教室「ヤシの実」と校内教育支援センター
- 町内に鉄道駅がない葉山町からの通い方
- 「通える場所がない」と感じたときに残る選択肢と、自宅から毎日「登校」できるNIJINアカデミーのメタバース校舎の特徴
この記事は、町・県の公式ページと各施設の公式サイト(公式に記載がない場合は神奈川県の団体シート)に書かれていることだけを根拠にしています。公式に記載がなかったことは「確認できませんでした」とそのまま書いています。補助の対象になるかどうかの最終判断は町が行います。費用や曜日は変わることがあるので、実際に動く前に町と各施設へご確認ください(2026年9月時点)。
葉山町の今の状況を、数字と場所で確かめる
まず、葉山町という町の形と、不登校をめぐる状況を公式の資料で確かめます。
葉山町は、北を逗子市、東と南を横須賀市に接し、西は相模湾に面した町です。面積は17.04平方キロメートル、人口は約3万1千人で、町立の学校は小学校4校・中学校2校です。町の公式サイトには「町内には鉄道網がなく、葉山町への交通はJR横須賀線・逗子駅、京浜急行線・逗子・葉山駅からのバス路線です。約20系統のバス路線があり」と書かれています。町の外の施設に通うときは、まずバスで逗子方面に出ることが前提になります。
葉山町の不登校の総数は、町の公表資料では確認できませんでした。ただ、町が2025年4月に策定した「葉山町教育ビジョン」には、「国が定義する不登校児童生徒も増加傾向となってます」と書かれ、さらに「このうち、学校及びフリースクール等の学びの場につながっていない児童生徒が令和5年度末時点で、小学校21人、中学校22人含まれており、詳細な状況の把握とその対応が課題となっています」とあります。この43人は不登校の総数ではなく、どこの学びの場ともつながっていない子の数です。町がこの数字を出したうえで補助制度をつくったことは、「つながる先を増やしたい」という意思の表れだと読めます。
同じ教育ビジョンでは、「フリースクール等、教育支援教室(ヤシの実)、ことば・きこえの教室等との連絡調整会議を開催し、問題や課題、それぞれの居場所の特徴を共有しながら、子どもたちの関心に応じて、複数の居場所が選択しやすくなるよう環境を整えます」とも書かれています。学校・町の教室・民間のフリースクールを、1つに絞らず組み合わせて使う考え方です。
神奈川県全体では、令和6年度の公立小・中学校の不登校は24,250人(小学校10,192人・中学校14,058人)で、前年度から621人増えています。
なお、神奈川県が公開している「フリースクール等の紹介」(令和8年度)には、葉山町の団体は掲載されていません。ただしこれは県の協議会と連携している団体の一覧で、葉山町の補助の認定施設とは別のものです。葉山町民がフリースクールを選ぶときは、町の認定施設の一覧をまず見るのが近道です。
補助があるからこそ3つの確認ポイント
葉山町の補助制度と町の事情から、先に確かめておきたいことです。
01
認定施設かどうか
補助の対象は町が認定した施設だけです。2026年6月時点で13施設。通いたい施設が一覧にあるかを先に確認します。
02
補助は月15,000円まで
利用料の2分の1で、上限は月15,000円。月謝が高い施設ほど、補助を使っても自己負担は大きく残ります。
03
駅がなくバス移動が前提
町内に鉄道駅がなく、町外の施設へはバスで逗子方面に出ます。通う時間と交通費も合わせて考えます。
補助の申請は「その年度の最初の利用日が属する月の翌月末日まで」。通い始める前に町に相談しておくと安心です。
葉山町から通えるフリースクール5選(比較一覧)
町内の2か所と、隣の逗子市の2か所、鎌倉市の1か所です。葉山町の補助の対象(町の認定施設)かどうかも列に入れました。費用は公式サイトの金額を優先し、公式に記載がないものは神奈川県の団体シートの金額を「県シート」として載せています。
| スクール名 | エリア・最寄り | 対象 | 開所 | 費用の目安 | 町の補助 |
|---|---|---|---|---|---|
| ヒミツキチ森学園 | 葉山町堀内(町内) 逗子駅東口からバス「向原」徒歩2分 | 小学生(週5日のオルタナティブスクール) | 平日(15:30に終了) | 入学金300,000円/授業料 月75,000円+システム管理費 月5,000円/施設費 年120,000円 | 認定施設 |
| 星とおひさま 葉山 里山の学校 | 葉山町上山口(町内) バス「上山口小学校」徒歩約8分 | 年齢制限なし(小学生以下は原則保護者同伴) | 火・木 10:00〜15:00 | 週1回 月18,000円・週2回 月28,000円(税込)+入会金15,000円 | 認定施設 |
| 逗子オルタナティブスクール FRASCO | 逗子市新宿 「駅から10分」(公式) | 小4〜中3 | 平日(8:30〜15:30ごろ) | 入学金300,000円/授業料 月80,000円+諸経費・教材費 月10,000円/施設費 年120,000円 | 認定施設 |
| フリースクール ここだね | 逗子市山の根 | 小学生・中学生 | 月・水・金 9:00〜14:00(公式) | 1回3,850円+年会費(2026年度・公式) | 認定施設 |
| フリースクール Largo | 鎌倉市常盤 湘南深沢駅 徒歩5分 | 小・中学生(県シート) | 月〜金 10:00〜13:30(第1火曜は閉室) | 月会費30,000円+入会金30,000円・年会費10,000円(県シート) | 認定施設ではない |
表の見方のポイントは3つです。1つ目は、5か所のうち4か所が葉山町の補助の対象だということ。2つ目は、費用の考え方がまったく違う2種類の施設があること。ヒミツキチ森学園とFRASCOは「毎日通う学校」に近いオルタナティブスクールで、月8万〜9万円台に入学金・施設費がかかります。星とおひさまとここだねは、週に数回通う居場所型で、月2〜3万円台です。3つ目は、町内の2か所はどちらも逗子駅からバスで行く場所で、駅から歩ける施設ではないことです。
逗子市・鎌倉市の施設については、逗子市から通えるフリースクール5選|市内・鎌倉・横浜栄区【2026年版】と鎌倉市から通えるフリースクール5選|市内3か所・逗子・藤沢【2026年版】でも紹介しています。

5か所を1か所ずつ紹介します
1. ヒミツキチ森学園(葉山町堀内)|町内にある、週5日の小学生のオルタナティブスクール
葉山町内にある、小学生のための週5日のオルタナティブスクールです。葉山町の補助の認定施設に入っています。
アクセスは公式サイトで「JR逗子駅東口からバス・徒歩で15分」、逗子駅から逗1・逗2など複数の系統のバスで「向原」下車、徒歩2分と案内されています。駐車場・駐輪場はありません。1日は「15:30に全てが終わります。その後、17:00までの間に自分のタイミングで帰宅します」とされています。
2027年度の入学は「2027年4月に小学1年生になる児童」が対象で、転入は1・2・4・5・6年生(3年生は定員に達しています)と書かれています。募集には定員があり、いつでも入れるわけではないことに注意してください。
費用は公式サイトで入学金300,000円、授業料 月75,000円、システム管理費 月5,000円、施設費 年120,000円、ランチ代・教材費は実費とされています(税込・税別の表記なし)。入学金と施設費は途中で転出しても「返金できません」とあります。町の補助は上限が月15,000円なので、補助を使っても月の自己負担は大きく残ります。出席扱いについての記載は、公式サイトで確認できませんでした。
- 所在地:葉山町堀内1968-13/逗子駅東口からバス「向原」徒歩2分(公式)
- 連絡:メール(公式サイトに電話番号の記載なし)
- 対象:小学生(転入は学年により定員あり)
- 開所:平日(15:30に終了、17:00までに帰宅)
- 費用:入学金300,000円/月80,000円(授業料+システム管理費)/施設費 年120,000円(公式)
- 町の補助:認定施設
2. 星とおひさま 葉山 里山の学校(葉山町上山口)|里山で過ごす、親子で通える学び場
葉山町上山口の里山にある、一般社団法人が運営する学び場です。葉山町の補助の認定施設です。
アクセスは公式サイトで「JR横須賀線逗子駅または京浜急行逗子線新逗子駅より京急バス衣笠駅行き(15番系統)上山口小学校下車 徒歩約8分」と案内されています(新逗子駅は現在の逗子・葉山駅です)。開いているのは「祝日を除く毎週火・木曜日(10〜15時)」です。
大事な注意点があります。公式サイトでは対象について「年齢制限はありません」としたうえで、「小学生以下は、原則保護者の方の同伴をお願いしておりますが、中学生以上はお子さまだけでもご利用頂けます」と書かれています。小学生の場合は、保護者も一緒に過ごす前提の場所です。
料金は公式サイトで「すべてのプログラムは税込み、保険込み」とされ、入会金(親子2名)15,000円、週1回利用(月4〜5回)18,000円、週2回利用(月7〜10回)28,000円、トライアル1回3,000円、スポット参加1回5,000円です。学校宛の報告書作成費が月2,000円という項目もあり、公式サイトには「2020年9月現在、連携している小中学校は7校あり、里山の学校で過ごした日数を、学校の出席日数として扱って頂いています」と書かれています。
- 所在地:葉山町上山口3084/バス「上山口小学校」徒歩約8分(公式)
- 連絡:メール(公式サイトに電話番号の記載なし)
- 対象:年齢制限なし(小学生以下は原則保護者同伴)
- 開所:火・木 10:00〜15:00(祝日除く)
- 費用:週1回 月18,000円・週2回 月28,000円(税込)+入会金15,000円(公式)
- 町の補助:認定施設
3. 逗子オルタナティブスクール FRASCO(逗子市新宿)|小4〜中3、海の近くの平日の学校
逗子市新宿、公式サイトで「駅から10分。海まで徒歩2分」とされる場所にあるオルタナティブスクールです(駅名の記載はありませんでした)。一般社団法人FRASCOの運営で、葉山町の補助の認定施設です。公式サイトにも「鎌倉市・葉山町の方はフリースクール等利用補助金の対象となります」と書かれています。
対象は小学4年生から中学3年生で、入学は4月・7月・10月・1月の年4回です。1日の例として8:30〜8:50登校、15:30にサークルで終わる流れが紹介されていて、平日コースのほかに土曜コースもあります。「FRASCOの生徒たちは地元の公立校に籍を置き」、出席扱いについては「在籍する小中学校の校長の判断によっては認められます」とされています。
費用は公式サイトで出願料22,000円、入学金300,000円、授業料 月80,000円、諸経費 月5,000円、教材費 月5,000円、施設費 年120,000円(毎年4月)です。iPadは家庭で用意し、水曜の給食は1食600円です(税込・税別の表記なし)。
- 所在地:逗子市新宿1-1-13/「駅から10分」(公式)
- 連絡:メール(公式サイトに電話番号の記載なし)
- 対象:小学4年生〜中学3年生
- 開所:平日(8:30〜15:30ごろ)+土曜コース
- 費用:入学金300,000円/月90,000円(授業料+諸経費+教材費)/施設費 年120,000円(公式)
- 町の補助:認定施設
4. フリースクール ここだね(逗子市山の根)|1回ごとの料金で、週3日通える
逗子市山の根を活動拠点にしているNPO法人のフリースクールです。葉山町の補助の認定施設です。最寄駅は公式サイトと県の団体シートのどちらにも書かれていませんでした。
対象は小学生・中学生で、公式サイトでは月曜・水曜・金曜の9:00〜14:00に開いていて、火・木は休止中と書かれています(県の団体シートは「月〜金」で、公式と食い違っています)。
2026年度の料金は公式サイトで利用料「3,850円/回」、年会費「1世帯10,000円+2,000円×月数」(一般世帯は減額後34,000円)とされ、見学・相談と体験は1回2,000円(体験は最大3回)です。公式サイトには、利用補助のない自治体(逗子市・横浜市)の世帯向けに1回2,600円にする割引も書かれていますが、葉山町は補助がある自治体なので、この割引は当てはまらない見込みです。県の団体シートにある「年会費80,000円」は旧料金とみられます。
- 所在地:逗子市山の根3-5-20(活動拠点)
- TEL:070-5550-8639(県シート)
- 対象:小学生・中学生
- 開所:月・水・金 9:00〜14:00(公式)
- 費用:1回3,850円+年会費(一般世帯34,000円)(2026年度・公式)
- 町の補助:認定施設
5. フリースクール Largo(鎌倉市常盤)|通室が学校の出席に。ただし葉山町の補助の対象外
鎌倉市常盤の「ふかふか」にある、NPO法人鎌倉あそび基地のフリースクールです。湘南モノレールの湘南深沢駅から徒歩5分、バス停「深沢小学校」から徒歩2分と案内されています。
神奈川県の団体シートでは、対象は小・中学生、開室は月〜金の10時〜13時半(毎月第1火曜は閉室)、費用は入会金30,000円・年会費10,000円・月会費30,000円です。出席については「通室は学校の出席になります。詳細はお問い合わせください」と書かれています。
注意:Largoは葉山町の補助の認定施設一覧(2026年6月時点)に入っていません。葉山町民が通う場合、今のところ町の補助は使えない見込みです。平日5日開いていて出席の扱いもはっきりしているので候補に入れましたが、費用を比べるときは補助がない前提で計算してください。
- 所在地:鎌倉市常盤145「ふかふか」/湘南深沢駅 徒歩5分
- TEL:0467-32-3830
- 対象:小・中学生(県シート)
- 開所:月〜金 10:00〜13:30(第1火曜は閉室・県シート)
- 費用:月会費30,000円+入会金30,000円・年会費10,000円(県シート)
- 町の補助:認定施設ではない(2026年6月時点)
葉山町のフリースクール補助と、月々の負担の目安
葉山町の補助は、2026年4月1日に施行された「葉山町フリースクール等利用児童生徒支援補助金交付要綱」に基づく制度です。町のページのタイトルは「不登校によるフリースクール等利用の小・中児童生徒保護者への補助金」です。要綱の趣旨には、不登校の子どもの「通いの居場所を確保し、不登校状態を起因とした孤立を防ぐ」ためと書かれています。
補助の中身
| 項目 | 内容(町の公式ページ・要綱より) |
|---|---|
| 補助額 | 「月ごとの利用料等の1/2の額で、上限は15,000円」(児童・生徒1人あたり。100円未満切り捨て) |
| 対象になる保護者 | 次の6つすべてに当てはまる方:①葉山町立小・中学校に在籍する児童・生徒の保護者 ②在籍する学校に登校が困難な児童・生徒の保護者 ③葉山町が認定したフリースクール等の施設に在籍する児童・生徒の保護者 ④在籍学校または認定施設への情報共有を承諾する保護者 ⑤対象経費について別の団体等から補助を受けていない保護者 ⑥町民税の滞納がない保護者 |
| 所得制限 | 記載なし(確認できたのは「町民税の滞納がない」ことのみ) |
| 出席扱いの要件 | 記載なし(出席扱いになっていなくても対象になる書き方) |
| 対象の経費 | 要綱では「利用料等」を、施設が請求する経費のほか「入学費、実習費、交通費及び教材費」と定義 |
| 対象施設 | 町が認定した施設のみ(2026年6月12日時点で13施設) |
| 申請 | 年度ごとに1回。「各年度の最初の利用日が属する月の翌月末日までに申請書を提出」 |
| その後 | 半年ごとに実績報告(10月・3月)→補助金の確定→振込 |
| 問い合わせ | 葉山町教育委員会 学校教育課 学務係 046-876-1111(内線7220・7221) |
認定施設(2026年6月12日時点の13施設)は、オルタナティブスクールThe WILL、cas!ca、逗子オルタナティブスクールFRASCO、Telacoya旅する小学校、トライ式中等部、N中等部横浜キャンパス(通学コース)、ヒミツキチ森学園、フリースクールここだね、星とおひさま葉山里山の学校、寄宿生活塾はじめ塾、ベネッセ高等学院中等部上大岡キャンパス、もりのひ、Gakken高等学院湘南藤沢キャンパスです。町内の施設だけでなく、逗子・横浜・藤沢などの施設も入っているのが特徴です。
交通費について。要綱の定義には「交通費」という言葉が入っていますが、「認定施設から保護者に対し…請求される経費」という文脈で書かれています。保護者が自分で払うバス代まで対象になるのかは、条文だけでは判断できません。バス通学が前提になる葉山町では大事な点なので、申請の前に学務係に確認してください。
補助を使った場合の、月々の負担の目安
今回の5か所で、補助が満額出た場合の月々の負担を計算してみます(入学金・施設費・年会費は除いた月額で計算。実際に対象になる経費と金額は町が決めます)。
| スクール | 月額(公式・県シート) | 補助(1/2・上限15,000円) | 補助後の目安 |
|---|---|---|---|
| 星とおひさま(週1回) | 18,000円 | 9,000円 | 9,000円 |
| 星とおひさま(週2回) | 28,000円 | 14,000円 | 14,000円 |
| ここだね(月8回・3,850円×8) | 30,800円 | 15,000円(上限) | 15,800円 |
| ヒミツキチ森学園 | 80,000円 | 15,000円(上限) | 65,000円 |
| FRASCO | 90,000円 | 15,000円(上限) | 75,000円 |
| Largo(認定施設ではない) | 30,000円 | 対象外 | 30,000円 |
月3万円までの施設なら、補助で負担がほぼ半分になります。一方で、月8万〜9万円のオルタナティブスクールは上限15,000円に当たるので、補助を使っても月6万〜7万円台の負担が残ります。入学金(30万円)や年間の施設費(12万円)もあるので、1年間の総額で比べてください。

その前に確認したい、葉山町の公的な窓口
民間のフリースクールを探す前に(あるいは同時に)、町の窓口も確認しておきましょう。葉山町には、町の教育支援教室(通称「ヤシの実」)と、町内の全校に置かれた校内教育支援センターがあります。
葉山町教育支援教室「ヤシの実」(通う場所)
最初にお伝えしておくと、ヤシの実について町が公開している案内(ガイドブック)は令和3年7月の発行で、町のページも2021年の更新です。開室時間・費用・場所が今も同じかは確認できませんでした。以下はその案内に書かれていた内容です。
- 所在地:葉山町上山口114番地の2。「2020年(令和2年)4月 上山口小学校本校舎1階に移転」
- 開室:「学校の休業日を除く 09:00~15:30」
- 対象:葉山町立小中学校に在籍し、登校しない・したくてもできない状況にある児童生徒のうち、「通室判定会議において支援教室への通室が適切と認められる児童・生徒」
- 申込:通室申請書(第1号様式)の提出→ケース会議→通室判定会議→承認・不承認の通知
- 出席の扱い:「支援教室に通室した日は、学校への出席扱いとします。」
- 費用:無料ではありません。「主として制作授業で使う教材費と校外活動等の活動費を集金させていただきます」(令和2年度は月々400円)。調理実習の食材費なども別途
- 通学定期:「通室のために通学定期券を購入した場合、町がその費用の4分の1に相当する額を助成します」
- 電話:046-878-7727
ヤシの実は、通った日が学校の出席扱いになることと、通学定期の4分の1の助成があることがはっきり書かれています。一方で、通うには町の通室判定会議で認められる必要があります。活動は教科学習のほか、ハイキングやスポーツなどの校外学習、調理実習、文化的な体験活動、ホームルームで、保護者向けの学習会・懇談会も年1〜2回あると案内されています。
校内教育支援センター(学校の中の居場所)
葉山町教育ビジョンには、「令和6年度から全校に設置している『校内教育支援センター』については、環境面と運営面での充実を図り、グラデーションのある校内の居場所をつくります」と書かれています。校内教育支援センターは「学校へ行くことはできるが、教室に入ることが難しい児童生徒へ居場所や教育を受ける場」です。「教室は無理だけど学校なら」という段階なら、まず在籍校に聞いてみてください。
相談の入り口
町独自の教育相談窓口の名称や電話番号は、今回、町の公式ページで確認できませんでした。町の「相談窓口一覧」には、24時間子どもSOSダイヤル(0120-0-78310)や、かながわ子ども・若者相談センター(045-242-8201・火〜日の9〜12時・13〜16時)が載っています。ヤシの実や補助について聞きたいときは、ヤシの実(046-878-7727)か、学校教育課 学務係(046-876-1111 内線7220・7221)に電話するのが確実です。
それでも「合いそうな場所がない」と思ったら
ここまで読んで、「認定施設は費用が高い」「逗子までバスで毎日通うのは難しい」と感じた方もいると思います。そのときに残る選択肢がオンラインのフリースクールです。まず、3つの選択肢を正直に比べてみます。
通所・公的な窓口・オンラインを5つの観点で
| フリースクール (通所) | 葉山町の 公的な窓口 | オンライン (自宅から) | |
|---|---|---|---|
| 葉山町内に場所がある | △ 町内は 2か所(認定施設) | ○ ヤシの実 (上山口小内) | ○ 自宅から |
| 送迎・移動がいらない | × 町外へは バスで逗子方面 | △ 町内だが バス等で移動 | ○ 移動なし |
| 平日毎日通える | △ 平日5日は 一部の施設 | ○ 学校の 休業日以外 | ○ 時間割が公開 |
| 費用が事前にわかる | ○ 多くの施設が 公式に料金を公開 | △ 案内が 令和3年のもの | ○ 料金表が公開 |
| 対面で人と直接会える | ○ 同じ部屋で 過ごせる | ○ 職員・仲間と 過ごせる | × 画面越し (対面はない) |
○=対応 △=一部 ×=非対応 / ※各施設・自治体の公式サイトと神奈川県の公表資料の記載をもとにした一般的な傾向です。制度・費用は2026年9月時点。
表のとおり、オンラインは移動がいらない・時間割や料金が公開されている点で強い一方、同じ部屋で人と直接会うことはできません。どれか1つが正解というより、お子さんの今の状態に合わせて組み合わせるものだと考えてください。
オンラインが向いているとき
葉山町は町内に鉄道駅がなく、町外の施設へはまずバスで逗子方面に出る必要があります。「まず生活のリズムを戻したい」「バスでの通学がまだ負担」という段階では、オンラインが向いています。朝決まった時間に画面の前に座る形なら、天候や家族の仕事の都合に左右されずに続けられます。人が多い場所が苦手な子にとっても、最初の一歩としてハードルが低いことがあります。
逆に、体を動かしたい、同じ部屋で誰かと過ごしたいという気持ちが強い子には、オンラインだけでは足りません。上の表でオンラインに×を付けたのはそこです。葉山町の場合は、町内に週2日の星とおひさまやヤシの実があるので、「オンラインで毎日の生活を整えながら、週に何日か町内の場所へ」という組み合わせがしやすい地域でもあります。
オンラインを選ぶ前に確認したい4つのこと
- 出席の扱い:在籍校で出席扱いになった実績があるか。手続きの書類を出してもらえるか
- 同じ時間に同じ仲間と過ごせるか:録画の授業を見るだけか、決まった時間に先生や仲間と会えるか
- 料金の総額:月額のほかに入学金・施設利用料・オプションがあるか。税込か
- 対面の機会:リアルの教室やイベントがあるか。ある場合、神奈川県内のどこか
この4つは、このあと紹介するNIJINアカデミーを含め、どのオンラインスクールを検討するときにも同じように聞いてください。
NIJINアカデミーのメタバース校舎|葉山町の自宅から毎日「登校」する学校
オンラインの選択肢の1つとして、にじいろを運営する株式会社NIJINのオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を紹介します。自社のサービスなので、良い点だけでなく、合わないかもしれない点も書きます。
NIJINアカデミーのいちばんの特徴は、オンラインを「通所の代わり」ではなく「本校舎」にしていることです。公式サイトには「メタバース校舎が、毎日みんなが通う本校舎です」とあり、朝アバターで登校して、授業を受けて、休み時間に雑談して、帰るという、学校と同じ1日がメタバースの中で続きます。録画の授業を見るだけの学習サービスとも、週1回のオンライン面談とも違う形です。公式サイトでは「日本初、公教育を持ち運び可能にしたオルタナティブスクール小中高一貫校」と紹介されています。
「通えない」を前提につくったメタバース校舎
公式サイトの記載から、ほかのオンラインスクールと違う点を3つにまとめました。
01
顔も声も出さなくていい
カメラはOFFのまま、アバターが教室にいてくれます。発言はチャットでも、反応はリアクションボタンでも大丈夫。しんどくなったら途中で抜けてもいい、と公式に書かれています。
02
関わる人数を自分で選べる
担任と1対1→クラス(8〜12人)→校舎(約150人)→全校、と出ていく範囲を自分で決められます。校舎を4つ(サン・ムーン・ゴールド・スター)に分けているのは、人が顔と名前を覚えられる約150人を超えないためです。
03
学年も地域もこえて学べる
現役教員のリアルタイム授業が月100コマ以上あり、受けたい授業を自分で選べます(学年もこえられる)。42都道府県の子どもと、共創してきた100社の企業・自治体・大学の大人が同じ校舎に集まります。
「家から出られない時期」でも、学び・友だち・会話・運動を切らさずにいられる、というのが公式の考え方です。
1日の過ごし方も、学校にかなり近い形です。公式サイトによると、朝の会・帰りの会で1日を始めて終え、月100コマ以上の授業から受けたいものを選びます。画面の前で体を動かす「ホーム体育」、クラスの困りごとを自分たちで話し合う「クラス会議」、毎週火曜13:00の「全校ホームルーム」(YouTubeでも生配信)、マイクラ・イラスト・将棋・鉄道などのサークル活動、学園祭などの年間イベントもあります。授業は日本最大級の教師団体「授業てらす」と連携していて、アーカイブは500本以上と公表されています。
学び方には3つの段階があります。公式の教育モデルでは、まず「自分を好きになる」(〜6か月)、次に「学びを好きになる」(〜8か月)、そして「社会を好きになる」(〜12か月)という順番で、最後の段階では100以上の企業・自治体・機関と連携しながら、地域課題の解決や商品アイディア、アプリ開発、ラジオ配信など「誰かのために何かをしたい」という思いを形にしていきます。
先ほどの「確認したい4つのこと」に、NIJINアカデミーを当てはめるとこうなります。
| 確認したいこと | NIJINアカデミーの場合(公式の記載) |
|---|---|
| 出席の扱い | 出席認定は希望者の97%(公式サイトの表記)。最終的に判断するのは在籍校の校長です |
| 同じ時間に同じ仲間と過ごせるか | 朝の会・帰りの会があり、クラスは8〜12人。担任と1対1で話せる時間もあります |
| 料金の総額 | メタバース通学 月25,443円(税込・メタバース料23,760円+施設利用料1,683円)/入学金33,000円(税込・初月のみ)。専任サポート(月16,500円)などのオプションあり |
| 対面の機会 | 全国52か所にリアル教室があり、神奈川県内では座間市(グランワルツ相武台校)・横浜市(横浜反町校など)・川崎市(武蔵新城校)に教室があります。ハイブリッド通学は月41,943円〜(リアル教室の料金・開校日は教室ごとに異なる) |
合わないかもしれない点も正直に書いておきます。1つ目は、同じ部屋で人と直接会うことはできないこと(上の比較表で×にしたところです)。2つ目は、NIJINアカデミーは2026年6月時点の葉山町の認定施設一覧に入っていないため、町の補助は使えない見込みであること。3つ目は、公式に「自宅からPCひとつでワンクリック登校」とあるとおり、パソコンと通信環境が必要なことです。体を動かしたい・人と直接会いたい気持ちが強い子は、町内の居場所やヤシの実と組み合わせる形を考えてみてください(併用できるかどうかは、それぞれに確認が必要です)。
それでも、月25,443円(税込)という金額は、補助を使った後のヒミツキチ森学園やFRASCOの自己負担(月6万〜7万円台)より低く、毎日同じ時間に先生や仲間と過ごせるという点では、週1〜2日型の居場所とも違う役割を持っています。「毎日の学びの場がほしいけれど、毎日バスで通うのはまだ難しい」という段階の選択肢として検討してみてください。
バスに乗れない日も、
自宅から「登校」できる学校。
NIJINアカデミーは、メタバースの本校舎に毎日通えるオルタナティブスクールです。カメラOFF・チャットでの発言でも参加できます。
見学で聞いておきたいこと
通所でもオンラインでも、見学や体験のときに聞いておくと後で困らない質問をまとめました。葉山町から通う場合に特に大事なものに印をつけています。
- 【葉山町から通う場合に特に大事】葉山町の補助の認定施設かどうか。認定施設でなければ補助は使えません。あわせて、補助の申請に必要な「契約内容がわかる書類」や、半年ごとの利用確認の書類を施設が作ってくれるかも聞いておきましょう。バスの系統・停留所からの道のりも一緒に確認してください
- 【特に大事】出席扱いの実績。在籍校に出す書類(通所の記録・活動報告など)を作ってもらえるか。葉山町立の学校で実績があるか
- 月会費に含まれるもの。昼食、教材、イベント、交通費は別か
- 1日の過ごし方。来る時間・帰る時間は自由か。勉強の時間はあるか。何もしないで過ごしてもよいか
- 同じ年ごろの子がいるか。年齢の幅が広い施設では、年の近い子がいるかどうかで居心地が変わります
- スタッフの人数と経歴。教員経験者や相談員がいるか。保護者との連絡の頻度と方法
- 休んだとき・やめるときの扱い。月謝制の場合、休んだ日の分はどうなるか。途中でやめるときの手続き
- 体験できる回数。1回だけか、何回か試せるか。体験の費用
見学のときは、お子さんが「ここならいてもいいかも」と感じるかどうかがいちばん大事です。保護者が良いと思っても、本人が落ち着かない場所なら続きません。見学は1か所で決めず、できれば「毎日通う学校型」(ヒミツキチ・FRASCO)と「週数回の居場所型」(星とおひさま・ここだね)を1つずつ比べてみてください。

よくある質問
葉山町にはフリースクールの補助がありますか。
あります。2026年4月に始まった「葉山町フリースクール等利用児童生徒支援補助金」で、町が認定したフリースクール等の利用料等の2分の1、児童・生徒1人あたり月15,000円までが補助されます。葉山町立の小・中学校に在籍していること、町の認定施設に在籍していることなど、6つの条件をすべて満たす保護者が対象です。
補助の対象になるフリースクールはどこですか。
町が認定した施設だけです。2026年6月12日時点で、ヒミツキチ森学園、星とおひさま葉山里山の学校、逗子オルタナティブスクールFRASCO、フリースクールここだね、トライ式中等部、N中等部横浜キャンパス(通学コース)など13施設が認定されています。一覧は町の公式ページで確認してください。
補助の申請はいつまでにすればいいですか。
町のページでは「各年度の最初の利用日が属する月の翌月末日までに申請書を提出」とされています。申請は年度(4月〜3月)ごとに1回で、その後は半年ごと(10月・3月)に実績報告を出します。問い合わせは葉山町教育委員会 学校教育課 学務係(046-876-1111 内線7220・7221)です。
補助に所得制限はありますか。出席扱いになっていないと使えませんか。
町のページと要綱には、所得制限の記載はありませんでした(条件の1つは「町民税の滞納がない」ことです)。また、出席扱いになっていることも条件には入っていません。在籍校または認定施設との情報共有を承諾することが条件の1つです。
葉山町内にフリースクールはありますか。
町の認定施設のうち、ヒミツキチ森学園(堀内・小学生の週5日のオルタナティブスクール)と、星とおひさま 葉山 里山の学校(上山口・火木・小学生以下は原則保護者同伴)の2か所が町内にあります。神奈川県の「フリースクール等の紹介」には葉山町の団体は載っていませんが、これは県の協議会と連携している団体の一覧です。
町の教育支援教室「ヤシの実」は出席扱いになりますか。
町のガイドブック(令和3年7月発行)には「支援教室に通室した日は、学校への出席扱いとします。」と書かれています。費用は無料ではなく、教材費・活動費を集金する形です(令和2年度は月々400円)。案内が古いので、今の内容はヤシの実(046-878-7727)に確認してください。
フリースクールに通うと、学校の出席扱いになりますか。
出席扱いにするかどうかは、在籍している学校の校長が判断します。今回紹介した施設のうち、FRASCOは「在籍する小中学校の校長の判断によっては認められます」、星とおひさまは連携する小中学校で出席日数として扱ってもらっていること、Largoは「通室は学校の出席になります」と書いています。
オンラインのフリースクールでも、学校の出席扱いになりますか。
文部科学省の考え方では、自宅でのICTを使った学習も、一定の要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできるとされています。判断するのは在籍校の校長なので、まず学校に相談してください。たとえばNIJINアカデミーは、出席認定を「希望者の97%」と公式サイトで公表しています。検討しているスクールがあれば、在籍校とのやりとりをどこまで手伝ってもらえるかを聞いておくと安心です。
町内に駅がありませんが、どうやって通えばいいですか。
町の公式サイトによると、葉山町への交通はJR逗子駅・京急の逗子・葉山駅からのバス路線で、約20系統あります。町内のヒミツキチ森学園は逗子駅東口からバスで「向原」下車徒歩2分、星とおひさまはバス「上山口小学校」下車徒歩約8分です。逗子市の施設へも、まずバスで逗子方面に出る形になります。
補助で交通費も出ますか。
要綱では「利用料等」の中に「交通費」という言葉が入っていますが、施設から保護者に請求される経費という文脈で書かれています。保護者が自分で払うバス代まで対象になるかは、条文だけでは判断できませんでした。申請の前に学務係に確認してください。
まとめ
葉山町でフリースクールを探すときに押さえておきたいことを、もう一度まとめます。
- 葉山町には2026年4月からフリースクール利用料の補助がある。利用料等の2分の1・月15,000円まで、所得制限の記載はなし。対象は町の認定施設(13施設)だけ
- 町内の認定施設はヒミツキチ森学園(週5日の小学生の学校)と星とおひさま(火木・小学生以下は保護者同伴)。逗子市にはFRASCO(小4〜中3)とここだね(1回3,850円)がある
- 鎌倉市のLargoは出席の扱いがはっきりしているが、葉山町の認定施設ではない
- 町の教育支援教室「ヤシの実」は通室した日が出席扱いで、通学定期の4分の1の助成もある。ただし案内は令和3年のもので、今の内容は電話で確認が必要
- 町内に鉄道駅がなく、町外へはバスで逗子方面に出るのが前提
最初の一歩としては、①学校教育課 学務係(046-876-1111 内線7220・7221)に電話して、補助の対象になる経費(交通費を含むか)と申請のタイミングを確認する、②認定施設の中から、通い方(毎日型か週数回型か)の違う2か所を見学する、の2つを同じ週に進めるのがおすすめです。補助があるからこそ、「どの施設なら続けられるか」を落ち着いて比べられます。焦らず、お子さんのペースで進めていきましょう。

この記事の内容を確かめるための一次資料
- 葉山町「不登校によるフリースクール等利用の小・中児童生徒保護者への補助金」
- 葉山町「フリースクール等利用児童生徒支援補助金交付要綱」
- 葉山町 保護者向けチラシ
- 葉山町教育支援教室「ヤシの実」ガイドブック(令和3年7月)
- 葉山町教育ビジョン(令和7年4月)
- 葉山町「町の概要」
- 葉山町「相談窓口一覧」
- 神奈川県「フリースクール等の紹介」(令和8年度・2026年7月2日更新)
- 神奈川県「フリースクール等に通う子どもへの支援(市町村による取組を支援)」(2026年5月20日更新)
- 神奈川県「令和6年度 児童・生徒の問題行動・不登校等調査」(2025年10月29日発表)
- 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)について」
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日・自宅でのICT等を活用した学習活動の出席扱い)
- ヒミツキチ森学園 公式サイト(入学案内)
- 星とおひさま 葉山 里山の学校 公式サイト(料金)
- 逗子オルタナティブスクール FRASCO 公式サイト
- フリースクール ここだね 公式サイト
- 神奈川県 団体シート「フリースクールLargo」
- フリースクール Largo 公式サイト
- NIJINアカデミー 公式サイト(累計入学者数・出席認定率・学費・メタバース校舎・教育モデル)
※確認日:2026年9月29日
文責:にじいろ編集部
公開日:2026年9月29日 / 最終更新:2026年9月29日


