朝、子どもに「学校に行きたくない」と言われると、休ませてよいのか、仕事はどうするのか、明日は行けるのかと迷います。まずはその朝を乗り切る対応と、その後の相談を分けて考えましょう。
体調と安全を確かめ、子どもの言葉を受け止めること。理由をうまく説明できなくても責めず、休む・遅れて行く・別室を使うなどを一緒に考えます。相談を始めるために、欠席が30日になるのを待つ必要はありません。
不登校35万人という数字を、どう受け止める?
文部科学省の令和6年度(2024年度)調査では、不登校の小中学生は35万3,970人でした。この数字は全国の状況を示すもので、一人の子どもの原因や必要な対応を決めるものではありません。
同省の通知は、登校の実現だけを支援の目的にせず、本人や保護者の意思を尊重しながら、学びと社会とのつながりを支える考え方を示しています。休養が必要なことも、学校側の環境調整が必要なこともあります。「親の育て方が悪かった」と、家庭だけで原因を背負う必要はありません。
学校が把握した相談内容と、本人がつらいと感じていることは必ずしも一致しません。統計の上位項目を、そのまま「うちの子の原因」に当てはめないようにしましょう。
最初の朝:説得の前に、体調と気持ちを確かめる
- 今の体調を見る痛み、発熱、強い疲れなどがないかを確かめます。症状が強い・続くときは、登校の判断と切り離して医療機関へ相談します。
- 短い言葉で受け止める「行きたくないんだね。教えてくれてありがとう」「今いちばん困っていることはある?」と伝えます。答えられなければ、質問を重ねず、話せるときを待ちます。
- 今日の過ごし方を相談する無理に連れ出す前に、休む、少し遅れる、先生に相談するなどの選択肢を整理します。子どもだけにすべての決定を負わせず、大人も必要な調整を引き受けます。
- 学校へ事実と希望を伝える欠席理由を詳しく説明できなくても、今わかる状態を伝えます。連絡方法や次に相談する時間も決めておくと、朝の負担を減らせます。

言い換えの例:答えを急がせない
| つい出やすい言葉 | 言い換えの例 |
|---|---|
| みんな行っているよ | あなたが困っていることを、一緒に考えたい |
| どうして?ちゃんと説明して | 言葉にしにくかったら、今はうまく話せなくても大丈夫 |
| 明日は絶対に行こうね | 明日のことは、体調を見ながらまた相談しよう |
| 休むなら勉強しなさい | 今日はどんな過ごし方なら負担が少なそう? |
話したくない子に質問を続けない一方、本人が話し始めたら遮らず聞きます。「理由を一切聞いてはいけない」という決まりにする必要はありません。
休み始めの数日:安心して過ごせる一日をつくる
まずは食事、睡眠、体調、表情など、普段との違いを見ます。予定を埋めすぎず、「午前は休む」「昼ごはんの後に少し外の空気を吸う」など、本人の状態に合う小さな見通しをつくりましょう。
学校に行けなかったことだけで一日を評価せず、食べられたこと、好きな話ができたこと、困りごとを伝えられたことにも目を向けます。家で笑えたり遊べたりしていても、それだけで学校の負担がなくなったとは判断できません。

「明日は行ける?」だけになってきたら
「学校の話をする時間を、夕食後の5分だけにしてみようか。今は好きなゲームの話を聞かせて」。学校の話を避け続けるのではなく、本人と話すタイミングを相談する方法です。時間や方法は家庭に合わせて変えてください。
仕事やきょうだいの世話があるとき
保護者が一日中付き添えるとは限りません。子どもの年齢や状態に応じて、安全に過ごせる大人や場所、連絡手段を検討します。家庭内だけで調整が難しい場合は、学校のスクールソーシャルワーカーや自治体の子育て相談窓口に、保護者の生活上の困りごとも伝えてよいのです。
相談は早めに:学校と共有したい5つのこと
「しばらく様子を見る」は、家庭だけで抱えることとは違います。担任だけで話が進まないときは、養護教諭、学年主任、スクールカウンセラーなどにも相談できます。本人が面談に参加できなければ、保護者だけで相談する方法も確認しましょう。
- いつから、どの時間や場面でつらくなっているか
- 本人が話したことと、保護者が気づいた変化
- いじめや対人関係、授業、音や人の多さなど気になる環境
- 電話・訪問・課題の受け渡しで負担になること
- 次の連絡日と、試せる支援を一つ
別室、登校時間の調整、課題量の変更などは学校ごとに対応が異なります。「毎日教室に戻る」以外に何ができるかを具体的に聞き、試した結果を一緒に振り返ります。いじめなど安全に関わる話が出た場合は、本人の意向を確かめつつ、学校に保護と対応を求めましょう。
食事や睡眠が大きく崩れている、体の症状が続く、気分の落ち込みが強い場合は、学校への相談と並行して小児科などへ相談してください。自分を傷つけるなど差し迫った危険があるときは、子どもを一人にせず、緊急の医療・救急につなぎます。
学校以外の学びも、本人のペースで知っていく
教育支援センター、フリースクール、オンラインの学びなどについて、保護者が情報を集めることは、欠席の長さにかかわらずできます。ただし、調べた場所を次々と勧めると負担になることもあります。「今すぐ決めなくていい。こういう方法もあるよ」と選択肢として伝えましょう。

対象年齢、費用、利用日、見学方法、保護者への相談対応。通うことが難しい場合のオンライン対応も聞きます。
学習状況の共有方法や、出席扱い・成績評価に必要な条件。どの施設でも自動的に認められるわけではありません。
休養と学びは、全員が同じ順番で進むものではありません。好きな本を読む、短い授業を見てみる、人との交流を少し試すなど、本人が無理なく選べるところから考えていきます。
よくある質問
数日休んだだけでも相談してよいですか?
はい。相談に必要な欠席日数の条件があるわけではありません。今の困りごとを共有し、利用できる支援を早めに確認しましょう。
理由を「わからない」と言います。どう聞けばよいですか?
答えを急がせず、「教室にいるとき?朝の準備のとき?」と具体的な場面から話す方法もあります。本人が話しづらい場合は、紙に書く、別の信頼できる大人に話すなど、伝え方を選べるようにします。
休ませると長期化しますか?
休んだことだけで、その後の経過は決まりません。本人の状態や環境はそれぞれ異なるため、無理な登校を迫ることも、支援につながらず放置することも避け、学校や専門家と対応を見直しましょう。
まず今日、一つだけ決めるなら
「話してくれてありがとう」と伝えること、学校に相談の時間をお願いすること、保護者自身が誰かに話すこと。全部を一度に解決しようとせず、子どもと家庭が孤立しないための一歩から始めてください。

「ここなら話せそう」を、
自宅から探してみませんか。
今の学校に通うことが難しくても、学び方や人とのつながり方は一つではありません。NIJINアカデミーは、不登校の小学生・中学生にオンラインの学びと交流の場を届けています。
まずは保護者が内容を知るところから。授業やサポート、費用、体験方法を確かめ、お子さんに合いそうかを考えてみてください。
体験日程・料金・利用条件は公式サイトをご確認ください。当メディアとNIJINアカデミーは株式会社NIJINが運営しています。
