「どうして?」と聞いても答えがはっきりしない——小学生のお子さんについて、なぜ起きるのか、うちの子は当てはまるかのチェック、逆効果な対応と具体的な声かけ例、回復の道すじ、学校との連携、相談先までを、じっくり解説します。 お子さんが理由を「わからない」「なんとなく」としか言わないと不安になりますよね。でも実は、「なんとなく行きたくない・気力がわかない」は、小学生が学校を休みはじめる理由でいちばん多いものです。文部科学省の調査でも、主な要因として「無気力・不安」が約52%と他を大きく引き離しています(文部科学省 児童生徒の問題行動・不登校等調査)。はっきり言えないのは、お子さんが特別なのではなく「よくあること」なのです。 漠然としたしんどさの正体は、多くの場合「無気力」と「不安」が重なった状態です。無気力はなまけではなく“エネルギー切れ”——まわりに合わせてがんばり続けた結果、心の充電が底をついています。不安は“先の見通しが持てない”ことから生まれ、まじめな子ほど期待に応えようとしてため込みます。そして朝の頭痛・腹痛は仮病ではなく、心の緊張が自律神経を通じて体に出たもの。「休むと元気になる」のも、ストレス源から離れて体がゆるむからです。 これは「親の育て方が悪い」というサインではありません。お子さんの心と体が出している大切なサインに気づけたこと、それ自体が大きな一歩です。原因を一つに絞れなくても、対応は始められます。 次のような様子が続いていないか、ふり返ってみてください。それぞれが、いま挙げた背景のあらわれです。 ひとつだけなら一時的なものかもしれません。けれど複数が2週間ほど続くなら、早めに関わり方を切り替えていきましょう。 「様子を見るべきか、動くべきか」の判断材料にしてください。当てはまる数が多いほど、背景にこの理由が隠れている可能性が高くなります。 いくつ当てはまっても、犯人を見つけて責めるためのものではありません。目的は「今、この子はしんどさを抱えている」と気づくこと。気づけたこと自体が、次の一歩につながります。 不安なとき、親はつい「なんとかしよう」としてしまいます。その気持ちは自然ですが、追いつめられた子は、心をさらに閉ざしてしまいます。 とくに「なんで行けないの」と理由を問うのは逆効果です。子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまうからです。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。 「なんで行けないの?」 → 「行きたくないくらい、しんどいんだね」 NG側の言葉は、どれも本人がすでに自分に言っている言葉です。外から重ねると逃げ場がなくなります。あわせて、次の3つも避けてください。 いちばんの土台は、家が安心できる場所であることです。まず気持ちを受け止め、家では叱らず、しっかり眠り・食べられる環境を整える。「今日は休んでもいいよ」と言える日をつくり、心の充電を優先してください。 回復は一直線ではなく、行きつ戻りつしながら進みます。おおまかな3段階を知っておくと、いま我が子がどこにいるかが見え、焦りが和らぎます。 エネルギーが底の時期。まずしっかり休ませ、安心を最優先に。登校刺激は控え、心の充電に専念します。 笑顔が戻り、好きなことに関心が向き始めます。生活リズムを整え、家でできることから活動を広げます。 「保健室なら」「午後からなら」など本人発の一歩が出てきます。学校と相談し、小さな成功体験を重ねます。 大切なのは、段階を飛ばして急がせないこと。エネルギーがたまれば、子どもは自分から動き出す力を持っています。 家庭だけで抱え込まず、早めに学校と手をつないでおくと、選択肢が広がります。次の順で進めるとスムーズです。 「相談は大げさかも」と迷う必要はありません。数日〜1週間たっても回復しない、強い落ち込みや体の不調が続く、といったときは、日数にかかわらず早めに専門の窓口を頼ってください。体の不調が続く場合は小児科への相談も検討しましょう。 どの窓口に何を聞けるかは、記事後半の相談先の比較表にまとめています(文部科学省 相談窓口)。 学校を休むと、この先どうなるのだろうと不安でいっぱいになりますよね。けれど、立ち止まって自分と向き合う時間が、その子の芯を育てることもあります。にじいろは「数値で測られる学びから、経験で語れる学びへ」を掲げ、学校という一つの場所だけにとらわれない、その子らしい育ちを応援しています。安心できる環境と時間があれば、子どもはまた自分のペースで歩き出します。どうか一人で抱え込まず、まずは気持ちを分かち合えるところから始めてください。 動画で見る|【不登校】夏休み明けに増えるのは「子どもが急に行きたくなくなる」からではありません。子どもが学校に行けなくなるまでの本当の理由 学校以外にも、その子に合う学びの場があります 「ALL HAPPY」を掲げる小中一貫のオルタナティブスクール。不登校・発達特性のある子どもたちが全国から通っています。在籍校と連携した97%の出席認定率を公表しています。 NIJINアカデミー 「ALL HAPPY」を掲げる小中一貫のオルタナティブスクール。累計1,000名以上が入学し、在籍校と連携した97%の出席認定率を公表しています。 制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。 いま家庭で確かめておきたいこと 睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます) 食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか 頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください) 「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか 保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか 学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか 相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。 どこから始めればいいか迷ったら 言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。 毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。 「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。 ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。 口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。 伝える相手の順番 同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。「なんとなく学校に行きたくない・気力がわかない」——まず知ってほしいこと
「なんとなく」の裏にあるサイン
うちの子は当てはまる?チェックリスト
声のかけ方——避けたい言葉と、届く言葉
「がんばって行こう」 → 「今日はゆっくり休んで大丈夫だよ」
「みんな行ってるよ」 → 「あなたのペースでいいよ」
「甘えてるだけでしょ」 → 「しんどそうだね。今日はゆっくりでいいよ」回復への道すじ——3つの段階
休養期
回復期
再始動期
学校との連携の進め方
相談先・受診を考える目安
「行けない時期」も、その子は育っています——にじいろから
家庭でいまできること
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先
聞けること
費用
向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)
出席の扱い、校内の別室、学習の進め方
無料
まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)
学校外の公的な居場所、通所と出席扱い
原則無料
学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)
体験活動中心の居場所、少人数の学び
月1〜5万円程度
興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン
自宅から参加できる学び、出席扱いの実務
スクールにより異なる
外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)
体の不調の背景、診断と治療
保険診療
睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル
子ども本人・保護者どちらの相談も
無料・24時間
いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)
学校に伝えるときの文例
① しばらく休むことを伝える
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。② 配慮をお願いする
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。③ 出席扱いについて相談する
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。④ 面談のあとに送る確認メール
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。この記事のテーマについて、よく寄せられる質問
無理にでも学校へ行かせたほうがいいですか?
いつまで様子を見ていいですか?
親の育て方が原因ですか?
保健室登校や別室登校は出席になりますか?
学習の遅れが心配です
日中ゲームや動画ばかりで心配です。
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