「なんとなく学校に行けない」子|小学生の理由・サインと親の対応

不登校・行き渋りガイド

「どうして?」と聞いても答えがはっきりしない——小学生のお子さんについて、なぜ起きるのか、うちの子は当てはまるかのチェック、逆効果な対応と具体的な声かけ例、回復の道すじ、学校との連携、相談先までを、じっくり解説します。

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にじいろ編集部
2026.7.26

「なんとなく学校に行きたくない・気力がわかない」——まず知ってほしいこと

お子さんが理由を「わからない」「なんとなく」としか言わないと不安になりますよね。でも実は、「なんとなく行きたくない・気力がわかない」は、小学生が学校を休みはじめる理由でいちばん多いものです。文部科学省の調査でも、主な要因として「無気力・不安」が約52%と他を大きく引き離しています(文部科学省 児童生徒の問題行動・不登校等調査)。はっきり言えないのは、お子さんが特別なのではなく「よくあること」なのです。

漠然としたしんどさの正体は、多くの場合「無気力」と「不安」が重なった状態です。無気力はなまけではなく“エネルギー切れ”——まわりに合わせてがんばり続けた結果、心の充電が底をついています。不安は“先の見通しが持てない”ことから生まれ、まじめな子ほど期待に応えようとしてため込みます。そして朝の頭痛・腹痛は仮病ではなく、心の緊張が自律神経を通じて体に出たもの。「休むと元気になる」のも、ストレス源から離れて体がゆるむからです。

ひとりで抱えないで

これは「親の育て方が悪い」というサインではありません。お子さんの心と体が出している大切なサインに気づけたこと、それ自体が大きな一歩です。原因を一つに絞れなくても、対応は始められます。

「なんとなく」の裏にあるサイン

次のような様子が続いていないか、ふり返ってみてください。それぞれが、いま挙げた背景のあらわれです。

  • 朝になると「お腹が痛い」「頭が痛い」と言うが、休むと元気になることがある
  • 日曜の夜や連休明けに、特に元気がなくなる
  • 「学校、楽しくない」「めんどくさい」が口ぐせになっている
  • 好きだった遊びや習い事にも、前ほど興味を示さない
  • 理由を聞いても「わからない」「なんとなく」としか言わない

ひとつだけなら一時的なものかもしれません。けれど複数が2週間ほど続くなら、早めに関わり方を切り替えていきましょう。

うちの子は当てはまる?チェックリスト

「様子を見るべきか、動くべきか」の判断材料にしてください。当てはまる数が多いほど、背景にこの理由が隠れている可能性が高くなります。

  • 朝、布団からなかなか出られない・準備が極端に遅い
  • 表情が乏しくなった、ため息が増えた
  • 頭痛・腹痛など体の不調を訴えることが増えた
  • 登校時間になると元気がなくなり、放課後は元気
チェックの目的は「原因さがし」ではありません

いくつ当てはまっても、犯人を見つけて責めるためのものではありません。目的は「今、この子はしんどさを抱えている」と気づくこと。気づけたこと自体が、次の一歩につながります。

声のかけ方——避けたい言葉と、届く言葉

不安なとき、親はつい「なんとかしよう」としてしまいます。その気持ちは自然ですが、追いつめられた子は、心をさらに閉ざしてしまいます。

とくに「なんで行けないの」と理由を問うのは逆効果です。子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまうからです。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。

声かけ NG例 → OK例

「なんで行けないの?」 → 「行きたくないくらい、しんどいんだね」
「がんばって行こう」 → 「今日はゆっくり休んで大丈夫だよ」
「みんな行ってるよ」 → 「あなたのペースでいいよ」
「甘えてるだけでしょ」 → 「しんどそうだね。今日はゆっくりでいいよ」

NG側の言葉は、どれも本人がすでに自分に言っている言葉です。外から重ねると逃げ場がなくなります。あわせて、次の3つも避けてください。

  • 他の子と比べて責める
  • 理由を問いつめる/「はっきり言いなさい」と迫る
  • 無理やり起こして、引っぱってでも登校させる

いちばんの土台は、家が安心できる場所であることです。まず気持ちを受け止め、家では叱らず、しっかり眠り・食べられる環境を整える。「今日は休んでもいいよ」と言える日をつくり、心の充電を優先してください。

回復への道すじ——3つの段階

自宅で保護者が見守りながら学習に取り組む子ども

自宅で保護者が見守りながら学習に取り組む子ども

回復は一直線ではなく、行きつ戻りつしながら進みます。おおまかな3段階を知っておくと、いま我が子がどこにいるかが見え、焦りが和らぎます。

1

休養期

エネルギーが底の時期。まずしっかり休ませ、安心を最優先に。登校刺激は控え、心の充電に専念します。

2

回復期

笑顔が戻り、好きなことに関心が向き始めます。生活リズムを整え、家でできることから活動を広げます。

3

再始動期

「保健室なら」「午後からなら」など本人発の一歩が出てきます。学校と相談し、小さな成功体験を重ねます。

大切なのは、段階を飛ばして急がせないこと。エネルギーがたまれば、子どもは自分から動き出す力を持っています。

学校との連携の進め方

家庭だけで抱え込まず、早めに学校と手をつないでおくと、選択肢が広がります。次の順で進めるとスムーズです。

  • 担任に「今の状態」を共有する:原因の説明より、「朝つらそう」「体の不調がある」など事実を伝えるだけで十分です。
  • スクールカウンセラーに相談する:無料で使えます。家庭と学校で対応をそろえる橋渡し役になってくれます。
  • 柔軟な登校・学びの形を相談する:保健室・別室登校、午後からの登校、短時間登校、合理的配慮など、その子に合った形が選べます。
  • 親の負担を軽くする配慮も相談する:毎朝の欠席連絡の方法など、続けやすい形を一緒に決めます。

相談先・受診を考える目安

「相談は大げさかも」と迷う必要はありません。数日〜1週間たっても回復しない、強い落ち込みや体の不調が続く、といったときは、日数にかかわらず早めに専門の窓口を頼ってください。体の不調が続く場合は小児科への相談も検討しましょう。

どの窓口に何を聞けるかは、記事後半の相談先の比較表にまとめています(文部科学省 相談窓口)。

「行けない時期」も、その子は育っています——にじいろから

学校を休むと、この先どうなるのだろうと不安でいっぱいになりますよね。けれど、立ち止まって自分と向き合う時間が、その子の芯を育てることもあります。にじいろは「数値で測られる学びから、経験で語れる学びへ」を掲げ、学校という一つの場所だけにとらわれない、その子らしい育ちを応援しています。安心できる環境と時間があれば、子どもはまた自分のペースで歩き出します。どうか一人で抱え込まず、まずは気持ちを分かち合えるところから始めてください。

動画で見る|【不登校】夏休み明けに増えるのは「子どもが急に行きたくなくなる」からではありません。子どもが学校に行けなくなるまでの本当の理由

不登校・発達特性のある子が全国から通っています

学校以外にも、その子に合う学びの場があります

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小学生・中学生

NIJINアカデミー

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家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先 聞けること 費用 向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー) 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 無料 まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村) 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い 原則無料 学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間) 体験活動中心の居場所、少人数の学び 月1〜5万円程度 興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 スクールにより異なる 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科) 体の不調の背景、診断と治療 保険診療 睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル 子ども本人・保護者どちらの相談も 無料・24時間 いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。


学校に伝えるときの文例

言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。

① しばらく休むことを伝える

いつもお世話になっております。◯年◯組の◯◯の保護者です。
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。

毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

② 配慮をお願いする

◯◯は、教室の人数と音の多さで疲れてしまうことが多いようです。
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。

「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。

③ 出席扱いについて相談する

学校外での学びについてご相談させてください。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。

ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。

④ 面談のあとに送る確認メール

本日はお時間をいただきありがとうございました。
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。

口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

伝える相手の順番

担任で止まっていると感じたら、学年主任 → 生徒指導主事 → 教頭・校長 → 市区町村の教育委員会(教育相談室)の順に相談先を上げてください。感情的にならず、これまでの経緯と依頼内容を時系列で整理して伝えるのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

この記事のテーマについて、よく寄せられる質問

同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。

無理にでも学校へ行かせたほうがいいですか?
無気力・不安が背景にあるときは、無理な登校がかえって状態を悪化させることがあります。まず家庭を安心できる場にし、休養で心と体のエネルギーをためることを優先しましょう。再開は回復のサインを見て学校や相談窓口と相談して進めると安心です。
いつまで様子を見ていいですか?
数日〜1週間ほど休んでも回復せず不調が続く場合は、早めにスクールカウンセラーや教育支援センターへ相談しましょう。相談は早いほど選択肢が広がります。
親の育て方が原因ですか?
いいえ。気質や感覚の敏感さ、環境との相性など複数の要因が重なって起こります。ご自身を責める必要はありません。
保健室登校や別室登校は出席になりますか?
なります。校内で過ごした時間は在籍校の判断で出席として扱われるのが一般的です。詳しくは保健室登校の記事もあわせてご覧ください。
学習の遅れが心配です
学校外での学習も、計画や内容が教育課程に照らし適切と判断されれば成績評価に反映できることが2024年8月の制度改正で明確になりました。詳しくは教育機会確保法の記事にまとめています。
日中ゲームや動画ばかりで心配です。
休養期のゲームは、つらさから心を守る“避難場所”になっていることが多く、頭ごなしに取り上げると安心を奪います。まず責めずに見守り、回復とともに他の活動を一緒に増やしましょう。ゆるやかな時間の目安を一緒に決めるのがおすすめです。

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※本記事は保護者が情報を整理するための一般的な解説であり、診断・治療や専門的な助言に代わるものではありません。お子さんの状態については、学校・専門の相談窓口・医療機関にご相談ください。制度・窓口は変更される場合があります。最新の公式情報をご確認ください。

最終更新:2026年7月26日