「横浜市南区で、学校のかわりに通える場所はありますか」
南区は、大岡川の桜並木で知られる、横浜市の中央部の区です。区内には、横浜市の委託で運営される「ハートフルみなみ」(阪東橋駅から徒歩5分)と、平日の日中に小学生を受け入れている「子どもの居場所Tsubame」があります。京急線と市営地下鉄ブルーラインで、関内・桜木町・横浜にも出られます。一方で、横浜市にはフリースクールの利用料の補助制度がありません。この記事では、南区から通える5か所と、横浜市の窓口でわかっていること・わからないことを、公式の記載だけをもとに整理しました。
この記事でわかること
- 南区から通えるフリースクール5か所の場所・対象・開所日・費用(公式サイトと県の資料で確認できた範囲)
- 京急線・ブルーラインの駅を軸にした通い方の考え方
- 横浜市の教育支援センター「ハートフル」と校内ハートフル、区と市の相談窓口
- 横浜市の不登校の人数と、補助がないこと
- 「通える場所がない」と感じたときに残る選択肢と、自宅から毎日「登校」できるNIJINアカデミーのメタバース校舎の特徴
この記事は、横浜市・神奈川県の公式ページと各施設の公式サイト(公式に記載がない場合は神奈川県の団体シート)に書かれていることだけを根拠にしています。公式に記載がなかったことは「確認できませんでした」とそのまま書いています。費用や曜日は変わることがあるので、実際に動く前に各施設へご確認ください(2026年9月時点)。
南区の今の状況を、数字と場所で確かめる
まず、南区という区の形を公式の資料で確かめておきます。区の資料によると、南区は「横浜市の中央部に位置し、中区、西区、保土ケ谷区、戸塚区、港南区、磯子区に接しています」。横浜市の推計人口によると、2026年9月1日現在の人口は198,847人、世帯数は109,660世帯、面積は12.65平方キロです。区の資料では、西区に次いで市内で2番目に小さい区とされています。
区の資料には、南区は大岡川がつくった低地と、江戸時代の新田開発による埋立地が広がり、その周りを丘陵地・台地が取り囲んでいると書かれています。「大岡川沿いの桜並木は、水と緑が感じられる区民の憩いの場」とも紹介されています。
駅は、京急線の弘明寺・井土ケ谷・南太田・黄金町の4駅と、市営地下鉄ブルーラインの弘明寺・蒔田・吉野町・阪東橋の4駅です。区の資料は南区を「交通利便性の高いまち」と紹介しています。区内の市立学校は小学校17校・中学校8校です。
不登校の人数は、区ごとではなく横浜市全体で公表されています。横浜市の発表(2025年10月)によると、令和6年度の市立小・中学校の不登校は小学校4,442人・中学校5,608人、合計10,050人で、前年度から275人増えました。市の発表文には「小・中学校における不登校児童生徒数は275人増加し、10,050人でした。」とあります。
神奈川県全体では、令和6年度の公立小・中学校の不登校は24,250人(小学校10,192人・中学校14,058人)です。南区に住むご家庭が「うちだけかもしれない」と感じる必要はありません。市も県も、学校以外の学びの場を増やす方向で動いています。
知っておきたい3つの壁
公式の記載から見えてきた、南区ならではの事情です。
01
平日昼の民間の場所が少ない
区内で平日の日中に通える場所は、市の委託のハートフルみなみと、小学生向けのTsubameが中心です。中学生の民間の選択肢は、中区・西区に出ると増えます。
02
資料によって書き方が違う
同じ法人でも、県の資料と公式サイトで所在地や申し込み方法の書き方が違うことがあります。問い合わせのときに確かめる必要があります。
03
補助がない
横浜市にはフリースクールの利用料の補助制度がなく、県の補助事業の実施自治体にも入っていません。
3つとも「どこに・いくら・どう通うか」を先に整理すれば前に進める壁です。このあと順番に見ていきます。
南区から通えるフリースクール5選(比較一覧)
区内の2か所と、中区・西区の3か所です。費用は公式サイトの金額を優先し、公式に記載がないものは神奈川県の団体シートの金額を「県シート」と書いています。放課後等デイサービスや児童発達支援の事業所は、この記事では対象から外しました。
| 施設名(場所) | 対象 | 開所日 | 月額の目安 | 最寄駅(公式) |
|---|---|---|---|---|
| ハートフルみなみ(教育支援協会南関東) (南区浦舟町) | 横浜市在住の小・中学生 | 週4〜5日 | 「原則無料」(県シート) | 阪東橋駅 徒歩5分 |
| 子どもの居場所Tsubame (南区三春台) | 小学生(低学年優先) | 月〜金 9:30〜15:30 | 確認できず | 確認できず |
| 教育★ステーション (中区本町) | 小1〜中3 | 公式:小 水/中 水・木 県シート:月〜金 | 金額の記載なし | 確認できず(馬車道) |
| 八洲学園中等部 横浜分校 (西区桜木町) | 中学生 | 週5日登校可 | 入学金・授業料「無料」、年5,000円(教材費) | 横浜駅 徒歩約10分 |
| クラーク国際中等部 横浜 (西区桜木町) | 小6〜中3 | 月〜金 | 22,700円〜48,000円(県シート) | 桜木町駅 徒歩10分 |
一覧にすると、「対象の学年」「費用」「通える日数」で5か所の性格がかなり違うことがわかります。小学生ならハートフルみなみとTsubame、中学生ならハートフルみなみに加えて八洲学園・クラークが候補になります。費用の負担が小さいのは、市の委託のハートフルみなみと、公式に入学金・授業料「無料」と書かれている八洲学園です。
南区からは、ブルーラインで阪東橋・関内・桜木町・横浜、京急線で日ノ出町・横浜方面に出られます。所要時間や本数は公式の資料で確認していないため、実際に通う時間帯の時刻表で確かめてください。

5か所を1か所ずつ紹介します
ここからは、5か所の公式サイトと県の団体シートに書かれていることを1か所ずつまとめます。資料によって書き方が違うところは、両方を載せています。
1. ハートフルみなみ(NPO法人 教育支援協会南関東)(南区浦舟町)|区内で、週4〜5日通える市の委託の居場所
NPO法人 教育支援協会南関東が「横浜市教育委員会より受託し、不登校児童生徒の社会的自立支援として2017年より運営」している居場所です。法人の公式サイトでは、所在地は南区浦舟町3-46 浦舟複合福祉施設9F。市のリーフレットでは「阪東橋駅徒歩5分」「週4~5日、自分のペースで通うことができる。好きな活動を自分で選んでできる。」と紹介されています。
- 対象:横浜市在住の小学生・中学生
- 開所:県シートでは月〜金 10:00〜18:00(土曜はイベント・体験活動)
- 費用:県シートに「原則無料ですが、別途費用を徴収することがあります。(入退室システム、食育イベント、交通費等)」
- 申し込み:法人の公式サイトは「保護者から直接お問い合わせ、利用が可能」。市のリーフレットでは申込書は施設にあると案内
- 電話:045-243-6840(月〜金 10:00〜17:00)
南区に住む子にとって、いちばん身近で費用の負担も小さい選択肢です。出席扱いについては、市のリーフレットで「学校長の判断で指導要録上の出席扱いにすることができます」と説明されています。県シートにある法人の所在地(南区高根町3-17-12)と、ハートフルみなみの場所は違うので注意してください。
2. 子どもの居場所Tsubame(南区三春台)|平日の日中に開いている、小学生の居場所
NPO法人WooMooが運営する、南区三春台126-36の居場所です。横浜市の「不登校の児童生徒が利用できる地域の居場所情報」に南区の団体として載っていて、日本財団の「子ども第三の居場所」事業の拠点でもあります。
- 対象:小学生(中学生は要相談。日本財団の発表では小学1〜6年生・低学年優先)
- 開所:月〜金 9:30〜15:30(日本財団の発表)
- 費用・最寄駅:確認できませんでした
- 電話:045-308-9095(市の居場所一覧)
平日の日中に小学生が過ごせる場所が区内にあるのは、低学年のお子さんがいるご家庭にとって心強い点です。費用や最寄駅、出席扱いについては公式の情報を確認できなかったので、問い合わせのときに必ず聞いてください。
3. 教育★ステーション(中区本町)|馬車道の、教員免許をもつ職員がいるフリースクール
中区本町4-43 A-PLACE馬車道7階にある、NPO法人 教育★ステーションのフリースクールです。神奈川県の「フリースクール等の紹介」一覧に載っていて、県の団体シートには「小学校・中学校の教員免許をもつ職員が丁寧にサポート」と書かれています。
- 対象:小学校1年生〜中学校3年生
- 開所:公式サイトでは、小学生クラスが毎週水曜 10:00〜12:00、中学生クラスが毎週水・木 13:00〜15:00。県シートでは月〜金 10:00〜17:00
- 費用:県シートは「コース別で異なる」。公式サイトにも金額の記載はありません
- 出席扱い:「小学校・中学校長の許可の上、出席に振り替えることが可能です」。毎月の報告書を在籍校に提出
- 電話:045-211-6500
開所日が公式サイトと県シートで違うので、今の開所日と費用は問い合わせで確認してください。出席への振り替えと在籍校への報告書の提出が公式に明記されているのは、学校との連携を大事にしたいご家庭にとって安心できる点です。
4. 八洲学園中等部 横浜分校(西区桜木町)|入学金・授業料が「無料」と公式に書かれている
西区桜木町7-42 八洲学園大学内3Fにある、中学生向けのフリースクールです。公式には「各線『横浜駅』より徒歩約10分」とあります。
- 対象:中学生(週5日登校可)
- 費用:公式に「入学金 無料」「授業料 無料」「年間 5,000円(教材費のみ)」
- 出席扱い:「フリースクールへの通学を出席認定として認定するサポートを行っています」
- 電話:045-312-5588
費用の負担がとても小さく、週5日通えるのが大きな特徴です。対象は中学生なので、小学生は利用できません。神奈川県の一覧には載っていないので、見学のときに1日の過ごし方や学習の進め方を詳しく聞いてみてください。
5. クラーク国際中等部 横浜キャンパス(西区桜木町)|通学とオンラインを組み合わせられる
西区桜木町4-17-1にある、一般社団法人こども教育支援機構が運営するフリースクールです。県の団体シートには「桜木町駅より徒歩10分」とあります。
- 対象:小学6年生〜中学3年生(県シート)
- 開所:月〜金(県シート)
- 費用(県シート・税表記なし):入会金30,000円、クラークスマートⅠ(通学+オンライン)22,700円/クラークスマートⅡ 39,200円/全日型コース 48,000円
- 電話:045-641-8516
通学とオンラインを組み合わせるコースから全日通うコースまで選べるのが特徴です。県シートには「子どもが在籍している学校と連携を取り」とありますが、出席扱いの明記はありませんでした。金額は県シートのものなので、今の学費は公式サイトで確認してください。
南区から通う場合の費用相場と、補助の有無
5か所の費用を、入会金と月額で並べました。交通費・昼食代・教材費は別になることがあります。
| 施設名 | 入会金 | 月額・年額の目安 | 出典 |
|---|---|---|---|
| ハートフルみなみ | — | 「原則無料」(別途費用あり) | 県シート |
| 子どもの居場所Tsubame | 確認できず | 確認できず | — |
| 教育★ステーション | 記載なし | 記載なし(コース別) | 県シート・公式 |
| 八洲学園中等部 横浜分校 | 「無料」 | 年5,000円(教材費のみ) | 公式 |
| クラーク国際中等部 横浜 | 30,000円 | 22,700円〜48,000円 | 県シート |
南区の周りの5か所は、費用の負担が小さい場所(ハートフルみなみ・八洲学園)と、月2万〜5万円ほどかかる民間の場所にはっきり分かれます。まず費用の負担が小さい場所を見学して、合わなければ民間を考える、という順番も一つの方法です。
補助については、横浜市にはフリースクールの利用料の補助制度がありません。市は市民の声(2025年6月受付)への回答で、「現在教育委員会ではフリースクールの運営に係る経済的支援は行っていません」と説明しています。神奈川県の補助事業を使って独自の補助をしている自治体(相模原市・鎌倉市・海老名市・藤沢市・葉山町・二宮町)にも、横浜市は入っていません。
費用をおさえる方法としては、①市のハートフルを中心にして、民間は週1回にとどめる、②1回ごとの料金や週1回コースから始めて、合うかどうかを確かめる、③移動がいらないオンラインと組み合わせて、交通費をかけない、の3つが考えられます。

その前に確認したい、横浜市の公的な窓口
民間のフリースクールを探す前に、横浜市の窓口も知っておくと選択肢が広がります。横浜市には、教育支援センターとして「ハートフル」という居場所が市内に13か所あります。
教育支援センター「ハートフル」(通う場所)
横浜市のリーフレット(令和8年)によると、ハートフルには次の4種類があります。
| 種類 | 場所 | 通い方の目安 |
|---|---|---|
| ハートフルセンター | 上大岡(港南区・上大岡駅から徒歩3分) | 相談・学習・保護者支援の拠点 |
| ハートフルスペース | 鶴見・上星川・都筑 | 週1〜2日程度、1回1時間半程度 |
| ハートフルルーム | 鶴見・希望が丘・十日市場(中学生)/豊岡・仏向・南台・つづきの丘(小学生) | 週5日まで、9時半〜14時半頃まで |
| 民間委託 | ハートフルみなみ(阪東橋駅から徒歩5分)/ハートフル西部(いずみ野駅から徒歩5分) | 週4〜5日、自分のペースで |
南区からいちばん近いのは、区内の「ハートフルみなみ」(阪東橋駅から徒歩5分)です。民間のNPO法人が市の委託で運営していて、週4〜5日、自分のペースで通えます。上大岡の「ハートフルセンター上大岡」も、ブルーラインや京急で向かえます。区の窓口では、南区こども家庭支援課(045-341-1153)も子どもと家庭の相談を受けています。
- 対象:横浜市在住または横浜市立小中学校に在籍していて、本人の通室の意思が確認でき、安全に通室できる子(小学3年生までは保護者の送迎が必要)
- 開室:月曜〜金曜(学校休業日等を除く)9時30分〜15時の中で、週1回1時間程度〜週5回
- 申し込み:「在籍校にご相談ください」。在籍校と横浜教育支援センターで相談し、在籍校を通じて申し込みます(ハートフルみなみ・西部は申込書が各施設にあります)
- 見学:原則毎週火曜・木曜の15時から(学校または横浜教育支援センター 045-671-4637 へ申し込み)
- 出席扱い:「それぞれの施設から、お子さんの通室した日や活動内容を学校に伝えています。学校長の判断で指導要録上の出席扱いにすることができます。」
費用について、市は市民の声への回答で「経済的負担なく通うことができるハートフルスペース等を運営」していると説明しています。細かな実費の有無は、見学のときに確認してください。ハートフル全13か所の詳しい比較は、にじいろの横浜市の教育支援センター「ハートフル」のまとめでも紹介しています。
校内ハートフル(学校の中の居場所)
横浜市では、教室に入りにくい子のための学校内の居場所として「校内ハートフル」を全中学校で実施しています。南区の市立中学校にも設けられているので、「学校には行けるけれど教室はつらい」という段階なら、まず担任の先生に校内ハートフルの様子を聞いてみてください。小学校での実施状況は、市の公式ページでは確認できませんでした。
教育相談(相談の入り口)
- 一般教育相談(教育総合相談センター):045-624-9414、月〜金(祝日・振替休日を除く)9時〜17時。不登校・友人関係・学習・進路の相談
- 24時間子どもSOSダイヤル:0120-078310(24時間365日)
「どこに通うか決める前に、まず話を聞いてほしい」というときは、電話の教育相談が入り口になります。市は、フリースクール等の民間教育機関でつくる「横浜こども支援協議会」とも連携していると公式ページに書いています。
それでも「合いそうな場所がない」と思ったら
ここまで読んで、「中学生が平日に過ごせる民間の場所が区内に少ない」「関内や横浜まで毎日通うのはまだ難しい」と感じた方もいると思います。そのときに残る選択肢がオンラインのフリースクールです。まず、3つの選択肢を正直に比べてみます。
通所・公的な窓口・オンラインを5つの観点で
| フリースクール (通所) | 横浜市の ハートフル | オンライン (自宅から) | |
|---|---|---|---|
| 南区内に場所がある | △ 区内は Tsubameなど | ○ ハートフル みなみ | ○ 自宅から |
| 送迎・移動がいらない | △ 中区・西区へ 電車が必要 | △ 阪東橋まで 移動は必要 | ○ 移動なし |
| 平日毎日通える | △ 施設によって 週1〜5日 | ○ 週4〜5日 | ○ 時間割が公開 |
| 費用が事前にわかる | △ 公式に金額が ない施設も | ○ 「原則無料」 (県シート) | ○ 公式に金額を公開 |
| 同じ部屋で人と会える | ○ スタッフ・ 仲間と対面 | ○ スタッフ・ 仲間と対面 | × 画面越し |
○=対応 △=一部 ×=非対応 / ※各施設・自治体の公式サイトと神奈川県の公表資料の記載をもとにした一般的な傾向です。制度・費用は2026年9月時点。
オンラインが向いているとき
南区は電車で動きやすい区ですが、中学生が平日の日中に通える民間の場所は、中区や西区に出ないと多くありません。「まず生活のリズムを戻したい」「電車に乗るのがまだ負担」という段階では、オンラインが向いています。朝決まった時間に画面の前に座る形なら、天候や家族の仕事の都合に左右されずに続けられます。
逆に、体を動かしたい、同じ部屋で誰かと過ごしたいという気持ちが強い子には、オンラインだけでは足りません。上の表でオンラインに×を付けたのはそこです。南区の場合は、区内にハートフルみなみがあり、神奈川区にはNIJINアカデミーの横浜反町校もあるので、「オンラインで毎日の学びを続けながら、週に何日かは近くの対面の場所へ」という組み合わせがしやすい地域です。
オンラインを選ぶ前に確認したい4つのこと
- 出席の扱い:在籍校で出席扱いになった実績があるか。手続きの書類を出してもらえるか
- 同じ時間に同じ仲間と過ごせるか:録画の授業を見るだけか、決まった時間に先生や仲間と会えるか
- 料金の総額:月額のほかに入学金・施設利用料・オプションがあるか。税込か
- 対面の機会:リアルの教室やイベントがあるか。ある場合、神奈川県内のどこか
この4つは、このあと紹介するNIJINアカデミーを含め、どのオンラインスクールを検討するときにも同じように聞いてください。
NIJINアカデミーのメタバース校舎|南区の自宅から毎日「登校」する学校
オンラインの選択肢の1つとして、にじいろを運営する株式会社NIJINのオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を紹介します。自社のサービスなので、良い点だけでなく、合わないかもしれない点も書きます。
NIJINアカデミーのいちばんの特徴は、オンラインを「通所の代わり」ではなく「本校舎」にしていることです。公式サイトには「メタバース校舎が、毎日みんなが通う本校舎です」とあり、朝アバターで登校して、授業を受けて、休み時間に雑談して、帰るという、学校と同じ1日がメタバースの中で続きます。録画の授業を見るだけの学習サービスとも、週1回のオンライン面談とも違う形です。公式サイトでは「日本初、公教育を持ち運び可能にしたオルタナティブスクール小中高一貫校」と紹介されています。
「通えない」を前提につくったメタバース校舎
公式サイトの記載から、ほかのオンラインスクールと違う点を3つにまとめました。
01
顔も声も出さなくていい
カメラはOFFのまま、アバターが教室にいてくれます。発言はチャットでも、反応はリアクションボタンでも大丈夫。しんどくなったら途中で抜けてもいい、と公式に書かれています。
02
関わる人数を自分で選べる
担任と1対1→クラス(8〜12人)→校舎(約150人)→全校、と出ていく範囲を自分で決められます。校舎を4つ(サン・ムーン・ゴールド・スター)に分けているのは、人が顔と名前を覚えられる約150人を超えないためです。
03
学年も地域もこえて学べる
現役教員のリアルタイム授業が月100コマ以上あり、受けたい授業を自分で選べます(学年もこえられる)。42都道府県の子どもと、共創してきた100社の企業・自治体・大学の大人が同じ校舎に集まります。
「家から出られない時期」でも、学び・友だち・会話・運動を切らさずにいられる、というのが公式の考え方です。
1日の過ごし方も、学校にかなり近い形です。公式サイトによると、朝の会・帰りの会で1日を始めて終え、月100コマ以上の授業から受けたいものを選びます。画面の前で体を動かす「ホーム体育」、クラスの困りごとを自分たちで話し合う「クラス会議」、毎週火曜13:00の「全校ホームルーム」(YouTubeでも生配信)、マイクラ・イラスト・将棋・鉄道などのサークル活動、学園祭などの年間イベントもあります。授業は日本最大級の教師団体「授業てらす」と連携していて、アーカイブは500本以上と公表されています。
学び方には3つの段階があります。公式の教育モデルでは、まず「自分を好きになる」(〜6か月)、次に「学びを好きになる」(〜8か月)、そして「社会を好きになる」(〜12か月)という順番で、最後の段階では100以上の企業・自治体・機関と連携しながら、地域課題の解決や商品アイディア、アプリ開発、ラジオ配信など「誰かのために何かをしたい」という思いを形にしていきます。
先ほどの「確認したい4つのこと」に、NIJINアカデミーを当てはめるとこうなります。
| 確認したいこと | NIJINアカデミーの場合(公式の記載) |
|---|---|
| 出席の扱い | 出席認定は希望者の97%(公式サイトの表記)。最終的に判断するのは在籍校の校長です |
| 同じ時間に同じ仲間と過ごせるか | 朝の会・帰りの会があり、クラスは8〜12人。担任と1対1で話せる時間もあります |
| 料金の総額 | メタバース通学 月25,443円(税込・メタバース料23,760円+施設利用料1,683円)/入学金33,000円(税込・初月のみ)。専任サポート(月16,500円)などのオプションあり |
| 対面の機会 | 全国52か所にリアル教室があり、神奈川県内では座間市(グランワルツ相武台校)・横浜市(横浜反町校など)・川崎市(武蔵新城校)に教室があります。ハイブリッド通学は月41,943円〜(リアル教室の料金・開校日は教室ごとに異なる) |
合わないかもしれない点も正直に書いておきます。1つ目は、同じ部屋で人と直接会うことはできないこと(上の比較表で×にしたところです)。2つ目は、月額はクラークのクラークスマートⅠ(月22,700円・県シート)と同じくらいで、交通費はかからない一方、メタバースだけの場合は対面の時間はないこと。3つ目は、公式に「自宅からPCひとつでワンクリック登校」とあるとおり、パソコンと通信環境が必要なことです。体を動かしたい・人と直接会いたい気持ちが強い子は、ハートフルみなみや横浜反町校のリアル教室と組み合わせる形を考えてみてください(併用できるかどうかは、それぞれに確認が必要です)。
大岡川の桜並木のように、南区は季節の移ろいを身近に感じられる区です。家で過ごす時間が長い時期でも、メタバース校舎では42都道府県の仲間と毎日会話し、季節の行事やイベントにも参加できます。ほかの5か所とは違う役割を持つ選択肢として、知っておいてください。
電車に乗れない日も、自宅から「登校」できる学校。
NIJINアカデミーは、メタバースの本校舎に毎日通えるオルタナティブスクールです。カメラOFF・チャットでの発言でも参加できます。
見学で聞いておきたいこと
通所でもオンラインでも、見学や体験のときに聞いておくと後で困らない質問をまとめました。南区から通う場合に特に大事なものに印をつけています。
- 【南区ならでは】申し込み方法と所在地の確認。同じ法人でも資料によって所在地や申し込みの流れの書き方が違うので、実際に通う場所と申し込み先をその場で確かめる
- 【特に大事】出席扱いの実績。在籍校に出す書類(通所の記録・活動報告など)を作ってもらえるか。横浜市立の学校で実績があるか
- 月会費に含まれるもの。昼食、教材、イベント、交通費は別か
- 1日の過ごし方。来る時間・帰る時間は自由か。勉強の時間はあるか。何もしないで過ごしてもよいか
- 同じ年ごろの子がいるか。年齢の幅が広い施設では、年の近い子がいるかどうかで居心地が変わります
- スタッフの人数と経歴。教員経験者や相談員がいるか。保護者との連絡の頻度と方法
- 休んだとき・やめるときの扱い。月謝制の場合、休んだ日の分はどうなるか。途中でやめるときの手続き
- 体験できる回数。1回だけか、何回か試せるか。体験の費用
見学のときは、お子さんが「ここならいてもいいかも」と感じるかどうかがいちばん大事です。保護者が良いと思っても、本人が落ち着かない場所なら続きません。小学生と中学生で選べる場所が違うので、学年に合った場所から見学を始めると効率よく比べられます。

よくある質問
南区にフリースクールはありますか。
神奈川県の「フリースクール等の紹介」一覧には、南区のNPO法人 教育支援協会南関東が載っています。この法人は、横浜市の委託で「ハートフルみなみ」(阪東橋駅から徒歩5分)を運営しています。また、三春台の「子どもの居場所Tsubame」が、平日の日中に小学生を受け入れています。
南区の不登校の子どもは何人ですか。
区ごとの人数は公表されていません。横浜市全体では、令和6年度の市立小・中学校の不登校は10,050人(小学校4,442人・中学校5,608人)で、前年度より275人増えています。
横浜市にフリースクールの費用の補助はありますか。
2026年9月時点で、横浜市にフリースクールの利用料の補助制度はありません。市は「現在教育委員会ではフリースクールの運営に係る経済的支援は行っていません」と回答しています。県の補助事業の実施自治体(6市町)にも横浜市は入っていません。
ハートフルに通うと、学校の出席扱いになりますか。
市のリーフレットには「学校長の判断で指導要録上の出席扱いにすることができます」と書かれています。施設から在籍校へ、通室した日や活動内容が伝えられます。申し込みは在籍校を通じて行います。
ハートフルみなみに直接申し込めますか。
運営法人の公式サイトには「保護者から直接お問い合わせ、利用が可能」と書かれています。市のリーフレットでは、ハートフルみなみの申込書は施設にあると案内されています。まず電話(045-243-6840、月〜金 10:00〜17:00)で相談してみてください。
南区から平日毎日通えるフリースクールはありますか。
区内のハートフルみなみは週4〜5日、Tsubameは月〜金の日中に開いています。中学生なら、八洲学園中等部 横浜分校(週5日登校可)やクラーク国際中等部 横浜キャンパス(月〜金)も候補です。
費用をいちばんおさえられるのはどこですか。
市の委託のハートフルみなみは県シートで「原則無料」(別途費用あり)とされています。中学生なら、八洲学園中等部 横浜分校が公式に入学金・授業料「無料」、年5,000円(教材費のみ)と書いています。
小学校低学年でも通える場所はありますか。
子どもの居場所Tsubameは小学生が対象で、日本財団の発表では低学年を優先するとされています。ハートフルみなみも小学生が対象です。市のハートフルは、小学3年生までは保護者の送迎が必要です。
オンラインのフリースクールでも、学校の出席扱いになりますか。
文部科学省の考え方では、自宅でのICTを使った学習も、一定の要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできるとされています。判断するのは在籍校の校長なので、まず学校に相談してください。たとえばNIJINアカデミーは、出席認定を「希望者の97%」と公式サイトで公表しています。検討しているスクールがあれば、在籍校とのやりとりをどこまで手伝ってもらえるかを聞いておくと安心です。
まとめ
南区には、市の委託の「ハートフルみなみ」と、小学生の居場所「Tsubame」があり、ブルーラインや京急線で中区・西区に出れば、教育★ステーション・八洲学園・クラークなど民間の選択肢も広がります。
- まず相談したいとき:横浜市の一般教育相談(045-624-9414)、南区こども家庭支援課、または在籍校
- 費用の負担を小さくしたいとき:ハートフルみなみ、八洲学園中等部 横浜分校(中学生)
- 小学生が平日に過ごせる場所を探すとき:Tsubame、ハートフルみなみ
- 学校との連携を重視したいとき:教育★ステーション(出席への振り替え・毎月の報告書)
- 移動がまだ難しいとき:自宅から「登校」できるオンラインのフリースクール
横浜市にはフリースクールの利用料の補助がないので、費用は家庭の負担になる前提で考えておく必要があります。だからこそ、「週何日・どこで・いくらで」を先に決めてから見学に行くと、比べやすくなります。お子さんが「ここならいてもいいかも」と思える場所は、区の中にも、区の外にも、画面の向こうにもあります。焦らず、一つずつ確かめていきましょう。

この記事の内容を確かめるための一次資料
- 横浜市南区 まちづくり資料(区の位置・地形・大岡川)
- 横浜市南区 まちづくり資料(鉄道駅)
- 横浜市南区「区内の小学校」
- 横浜市南区「区内の中学校」
- 横浜市「不登校の児童生徒が利用できる地域の居場所情報」(令和7年7月時点)
- NPO法人 教育支援協会南関東「ハートフルみなみ」
- 神奈川県 団体シート「教育支援協会南関東」
- 日本財団「子ども第三の居場所」Tsubame開所の発表
- NPO法人 教育★ステーション「フリースクール」
- 八洲学園中等部 横浜分校
- 神奈川県 団体シート「クラーク国際中等部 横浜」
- 横浜市「不登校児童生徒への支援について」(2026年9月14日更新)
- 横浜教育支援センター リーフレット「ハートフル」(令和8年)
- 横浜市「教育相談」
- 横浜市「令和6年度『いじめ・暴力』・『長期欠席』等の状況調査結果について」(2025年10月29日)
- 横浜市 市民の声「フリースクールへの支援について」への回答
- 神奈川県「フリースクール等の紹介」(令和8年度・2026年7月2日更新)
- 神奈川県「フリースクール等に通う子どもへの支援(市町村による取組を支援)」(2026年5月20日更新)
- 神奈川県「令和6年度 児童・生徒の問題行動・不登校等調査」(2025年10月29日発表)
- 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)について」
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日・自宅でのICT等を活用した学習活動の出席扱い)
- NIJINアカデミー 公式サイト(累計入学者数・出席認定率・学費・メタバース校舎・教育モデル)
※確認日:2026年9月29日
文責:にじいろ編集部
公開日:2026年9月29日 / 最終更新:2026年9月29日


