結論:サポート校は「学校」ではない。高卒資格は通信制高校から出る
サポート校だけに通っても、高卒資格は取れません。高卒資格を出すのは、学校教育法で定められた「高等学校」である通信制高校です。サポート校は、その通信制高校に在籍している生徒の学習や生活を支える民間の教育施設で、通信制高校と「ダブルスクール」で使うのが前提です。
この記事は、サポート校と通信制高校の関係、卒業までの3年間で何がどこで進むのか、費用がどこにかかるのかを、これから高校を選ぶ保護者向けに整理したものです。
「サポート校」とは何か
サポート校は、通信制高校に在籍する生徒の勉強や日々の通学を支える、民間の教育施設です。1992年ごろに生まれ、通信制高校の生徒が働く青少年中心から不登校経験者・中退者中心に変わるなかで広がってきました。文部科学省の調査(2024年5月時点)では、約4万3,000人がサポート校を利用しています。通信制高校の生徒は2026年度速報で31万1,792人ですから、7〜8人に1人がサポート校を併用している計算です。
ここで押さえておきたいのは、サポート校は法律上の「学校」ではない、という一点です。学校教育法に定められた「高等学校」は、通信制高校のほうです。
| 通信制高校 | サポート校 | |
|---|---|---|
| 法律上の位置づけ | 学校教育法の「高等学校」 | 民間の教育施設(学校ではない) |
| 高卒資格 | 出す(卒業証書はここから) | 出さない |
| 単位認定 | する(レポート・スクーリング・テスト) | しない(学習を手伝う) |
| 就学支援金 | 授業料が対象 | 対象外 |
| 主な役割 | 教育課程の提供、単位認定、卒業判定 | 学習支援、居場所、生活面の伴走、進路相談 |
2025年5月に東洋経済education×ICTが指摘したように、サポート校の中には「学校であるかのような広告宣伝」をしているところがまだ見られます。「〇〇高等学院」という名前でも、それ自体は高校ではありません。パンフレットに「提携校」「在籍する通信制高校」の名前が書いてあるかを、まず確認してください。
ダブルスクールの仕組み|在籍先はふたつ
サポート校を使う場合、生徒は次のふたつに同時に籍を置きます。
- 通信制高校(学籍はここ。高卒資格を出す)
- サポート校(毎日の学びの場。学籍ではなく「在籍」「会員」などの扱い)
多くのサポート校は特定の通信制高校と提携しており、入学手続きは両方に対して行います。通信制高校の出願書類(調査書など)は中学校に依頼して用意し、サポート校の申し込みは別途行う、という流れです。「サポート校に入れば自動的に高校にも入れる」わけではないので、両方の合否・手続きを確認してください。
単位はどこで、どうやって取るのか
高卒には、3年以上の在籍と74単位以上の修得が必要です。通信制高校では、単位は次の3つで認定されます。
| 要素 | 内容 | サポート校が手伝えること |
|---|---|---|
| レポート | 科目ごとに決められた回数の添削課題を提出 | 書き方の指導、提出管理、つまずいた単元の解説 |
| スクーリング(面接指導) | 通信制高校が指定する会場に出向いて受ける授業。回数は学校・科目で決まっている | 日程管理、移動や宿泊の準備、不安があるときの付き添い相談 |
| テスト | 単位認定試験。レポートとスクーリングを終えた科目で受ける | 試験対策 |
つまり、単位を認定するのは通信制高校ですが、そこにたどり着くまでの「毎日」を支えるのがサポート校です。通信制高校のレポートは自宅でひとりで進めるのが基本で、ここで止まってしまう生徒が少なくありません。サポート校の価値は、この「止まらない仕組み」にあります。
3年間の流れ|1年目から卒業まで
| 時期 | 通信制高校で起きること | サポート校で起きること |
|---|---|---|
| 入学前(中3の秋〜冬) | 説明会、出願、入試(面接・作文が中心) | 体験・説明会、申し込み。提携校の紹介 |
| 1年目 | 履修科目の登録(年間25〜30単位程度)、レポート、初めてのスクーリング | 生活リズムづくり、レポートの進め方を覚える、居場所に慣れる |
| 2年目 | 単位の積み上げ。転入・編入生はここから入ることも多い | 進路の話が始まる。好きなことの深掘り、資格・検定など |
| 3年目 | 残り単位の修得、卒業判定、進路(大学・専門学校・就職)の手続き | 受験・面接対策、志望理由書、就職活動の伴走 |
| 卒業 | 通信制高校から卒業証書 | サポート校は「修了」など独自の区切り(高卒資格ではない) |
1年間に履修できる単位数は学校ごとに上限があり、就学支援金の対象も年間30単位・通算74単位までです。「3年で卒業」は、1年目からきちんと単位を取り続けることが前提で、途中で止まると4年目に入ります。サポート校を使う意味は、この「途中で止まらない」を支えるところにあります。
費用はどこにかかるのか
ダブルスクールの費用は、ふたつに分けて考えます。
- 通信制高校の学費:授業料(単位数×単価)、施設費、教材費など。授業料には就学支援金が使えます(2026年度から所得制限なし。私立通信制は1単位13,668円が上限)。
- サポート校の費用:入学金と年間の利用料。就学支援金の対象外で、全額が家庭の負担です。
「高校無償化」という言葉を聞いて、サポート校も含めて無償になると思っている保護者が少なくありません。無償に近づくのは通信制高校の授業料の部分だけです。具体的な金額の内訳と試算は、次の記事にまとめています。
サポート校の学費は無償化の対象外?就学支援金が使える部分・使えない部分【2026年度】所得制限撤廃後の支給額と、対象外になる費用の一覧。サポート校を使う意味、使わなくていいケース
サポート校は必須ではありません。通信制高校だけで卒業する生徒も多くいます。目安は次のとおりです。
- 使う意味が大きい:ひとりでレポートを進めるのが難しい、生活リズムが崩れやすい、毎日つながる場所がほしい、進路を一緒に考える大人がほしい
- 通信制高校だけで足りる:自分で計画を立てて進められる、アルバイトや活動で日中の予定が埋まっている、費用を抑えたい
通信制高校側にも、学校によっては担任制や登校コースがあり、サポート校と同じような役割を校内で担っている場合があります。「サポート校が要るかどうか」は、通信制高校側の支援体制を見てから決めても遅くありません。
オンラインで通えるサポート校という選択肢
ニジ高(NIJIN高等学院)
「どこの通信制高校に在籍するのか」「卒業証書はどこの名前か」を、最初のページで明示しているサポート校の例です。



ニジ高(NIJIN高等学院)は、株式会社NIJINが運営する通信制高校のサポート校です。提携する通信制高校(ワオ高等学校・鹿島山北高等学校・開志創造高等学校)に在籍して高卒資格を取り、日々の学びと居場所をニジ高が担当します。授業はオンラインのメタバース校舎が中心で、1クラス8人の少人数制。希望すればキャンパス通学も選べます。
ニジ高の仕組みを見る(提携校・通い方)よくある質問
- Q. サポート校の名前で高校の卒業証書がもらえますか?
- A. もらえません。卒業証書は在籍する通信制高校の名前で出ます。履歴書に書く学歴も通信制高校のほうです。
- Q. サポート校に通えば、スクーリングに行かなくてよくなりますか?
- A. なりません。スクーリング(面接指導)は通信制高校が定める単位認定の要件で、サポート校では代替できません。サポート校ができるのは、日程管理や不安への対応です。
- Q. 途中からサポート校だけやめることはできますか?
- A. できます。学籍は通信制高校にあるので、サポート校を退会しても高校の在籍は続きます。逆に、通信制高校を転校する場合は提携関係を確認する必要があります。
まとめ|「どこが高卒資格を出すのか」を最初に確認する
サポート校は通信制高校とセットで使う民間の教育施設で、高卒資格を出すのは通信制高校です。単位認定はレポート・スクーリング・テストで通信制高校が行い、そこに至る毎日をサポート校が支えます。費用は通信制高校の授業料(就学支援金の対象)とサポート校の利用料(対象外)に分かれます。学校選びでは、「提携している通信制高校はどこか」「卒業証書はどこの名前で出るか」を最初に聞いてください。

