- 天竜区内に民間のフリースクールは見つかりませんでした(公式サイトで活動を確認できた施設はゼロ)
- 区外まで広げた5か所を、公式サイトで確認できた費用つきで比較
- 5か所の費用は月1,000円〜49,000円
- 公的な「校外まなびの教室」は区内に1か所(すぎのこ教室)、利用料は無料
- 学区の縛りがないので、浜名区・中央区の教室も選べます
この記事は、オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営する株式会社NIJINが編集しています。記事の最後に自社のオンラインスクールを選択肢のひとつとして挙げていますが、5か所の紹介には広告費を受け取っていません。施設の情報は2026年9月24日に静岡県・浜松市のページと各施設の公式サイトで確認したものです。確認できなかったことは「確認できませんでした」と書いています。料金や開所日は変わることがあるので、申し込む前に各施設にご確認ください。
浜松市天竜区の今:区内にフリースクールが見つかりませんでした
浜松市の有識者会議資料(令和8年)によると、市内の不登校児童生徒数は令和7年度で小学校1,281人・中学校1,574人、合わせて2,855人。平成28年度の1,044人から約2.7倍です。天竜区だけの人数は、今回調べた範囲では市の公表資料で確認できませんでした。静岡県全体では、令和6年度の調査で小学校5,112人・中学校6,792人、合わせて11,904人(県内公立・政令市を含む)です。
天竜区で押さえておきたいのは、選択肢の数です。浜松市の「居場所の紹介【民間施設】」と静岡県教育委員会の一覧を見て、公式サイトで現在の活動を確認できた天竜区内の民間フリースクールは、今回は1か所も見つかりませんでした。浜松市の一覧には天竜区横川の「里山題楽校」が載っていますが、公式ページには2026年3月末で天竜区横川でのフリースクール活動を終え、袋井市へ移ったと書かれています。行政の一覧が実態に追いついていない例なので、この記事では区内の施設として数えていません。
いっぽう、公的な校外まなびの教室はすぎのこ教室(上野948・火〜金)が区内にあります。市の一覧では区内唯一の教室で、利用料は市のページに「無料」と明記されています。
区内はゼロ。距離が最大の壁になる3つ
天竜区は市の面積の3分の2を占めます。ほかの区と同じ感覚で「通う」を考えると、計画が立ちません。
01
区内に民間施設がない
公式サイトで活動を確認できた民間のフリースクールは、区内に見つかりませんでした。通うとなれば浜名区か中央区、あるいは磐田市まで出ることになります。
02
移動の時間
水窪・佐久間のあたりから中央区までは、車でも片道1時間を超えます。「週5日通う」を前提にすると、送り迎えをする大人の生活が先に立ちゆかなくなります。
03
冬と天候
山あいの道は、雪や大雨で通行止めになることがあります。行けない日が天候で決まってしまうと、子どもも予定を立てられません。天候に左右されない選択肢を1つ持っておくと安心です。
このうち距離の問題だけは、通所では解けません。だからこそ、公的な教室とオンラインの併用が現実的になります。
浜松市天竜区から通えるフリースクール5選(比較一覧)
区内には見つからなかったので、天竜区から南へ出たところにある5か所を並べます。浜松市「居場所の紹介【民間施設】」と静岡県教育委員会「フリースクール等民間施設情報」(令和8年2月5日現在)に載っている施設のうち、公式サイトで現在の活動を確認できたものです。天竜区からは、天竜浜名湖鉄道で西鹿島へ出て遠州鉄道に乗り換えるルートが基本になります。
| スクール名 | エリア・最寄り | 対象 | 形態 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|---|
| フリースクール IBASHO(新津) | 中央区新津町603 | 小学生〜中学生 | 通所(平日10:00〜14:00) | 初回3回まで無料/1回3,000円/1か月の上限30,000円 |
| そよそよの家 | 浜名区於呂3288-5 | 小学生〜高校生(その他は相談) | 通所(水・木10:00〜16:00/第1土曜) | 施設維持費500円/月+活動費500円(その月の初回は無料) |
| 星槎フリースクール浜松 | 中央区上浅田2-4-30 | 小4〜中3 | 通所(平日9:30〜15:00) | 入学金10,000円(初年度)+施設設備費500〜2,500円/月+授業料2,500〜10,000円/月 |
| デモクラティックスクール び~だ | 中央区富塚町 | 6歳(年長)〜18歳 | 通所(月〜木10:00〜16:00) | 公式サイトに記載なし(静岡県の一覧では入学金30,000円・月額20,000円) |
| スタディグレイス 浜松館 | 中央区常盤町143-32 | 中1〜高3 | 通所(平日10:30〜22:00・土日祝9:00〜20:00) | 入会金20,000円/週2回33,000円〜週5回49,000円(月額) |
※金額の税込・税抜の別は、いずれの施設も公式サイトに書かれていませんでした。天竜区からの所要時間は、出発地(二俣・春野・佐久間・水窪など)で大きく変わるため、この記事では所要時間を書いていません。

5か所を1か所ずつ紹介します
1. フリースクール IBASHO(中央区新津町603)|通える日だけ払える
天竜区のように毎日は通えない地域から見ると、1回ごとに払える仕組みはいちばん噛み合います。費用は初回3回まで無料、そのあと1回3,000円、1か月の上限30,000円。案内には「1ヶ月10回以上は無料!(月内なら何回来てもOK!)」とあります。月に2〜3回しか行けない月があっても、その分だけの負担で済みます。
一般社団法人未来学校・株式会社ポップチャイルド・一般社団法人SoZoneの共同事業体が2025年4月に開いた場所で、平日10時から14時まで。「こんにちは-自由時間」から始まる、ゆるやかな一日の流れが公式の案内に載っています。最初の3回が無料なので、遠くから一度試してみるのにも向いています。
2. そよそよの家(浜名区於呂3288-5)|費用がいちばん低い
天竜浜名湖鉄道と遠州鉄道が交わる西鹿島から近い、於呂にある居場所です。対象は小学生から高校生、開いているのは水曜日と木曜日の10時〜16時と第1土曜日。費用は施設維持費が月500円(公式サイトに「何回来ても」とあります)+活動費500円で、その月の初回は無料です。第1土曜日の食堂は無料・申し込み不要。
週2日ではありますが、天竜区から下りてきたところにある、いちばん近くて安い場所です。保護者が交代で見守る形の運営で、家庭に近い雰囲気があります。「まず週1回でも家の外に出る日をつくる」段階には合う場所です。
3. 星槎フリースクール浜松(中央区上浅田2-4-30)|授業の数で決められる
星槎国際高等学校の浜松学習センター内。対象は小学4年生から中学3年生、利用時間は平日9時30分〜15時00分で、授業は4コマに分かれています。入学金10,000円(初年度)に、施設設備費が月500円〜2,500円、授業料が月2,500円〜10,000円。授業を1つだけ選べば月3,000円台から始められます。
天竜区から毎日通うのは現実的ではありませんが、「週に1コマだけ、決まった曜日に出る」という使い方ができる料金の組み立てになっています。通う回数を増やしたくなったら、そのぶん足していけます。
4. デモクラティックスクール び~だ(中央区富塚町)|時間割がない
対象は公式サイトに「6歳(年長児)から18歳までです」とあり、今回の5か所でいちばん幅が広い場所です。開校は月曜日から木曜日の週4日間(祝日も開校)10時〜16時。決められた時間割ではなく、子どもたちが何をするかを自分たちで決めていく形です。
費用は公式サイトには書かれていませんでした。静岡県教育委員会の一覧(令和8年2月5日現在)には「入学金:30,000円 月謝:20,000円」とあります。実際の金額は直接確かめてください。公式ブログは2026年9月にも更新されています。
5. スタディグレイス 浜松館(中央区常盤町143-32)|夜まで開いている
対象は中学1年生から高校3年生で、小学生は対象外。平日は10時30分から22時00分、土日祝と長期休業中は9時00分から20時00分まで開いています。天竜区から日中に動くのが難しい家庭でも、夕方以降なら送っていける、という場合があります。
入会金20,000円、月額は週2回33,000円・週3回38,000円・週4回43,000円・週5回49,000円。英語と数学が含まれ、理科・社会や国語は各5,000円の追加です。今回の5か所ではいちばん高い部類ですが、学習の支援が中心なので、高校進学が気になり始めた中学生には検討の価値があります。
費用の相場と、浜松市の補助のこと
今回の5か所を並べると、月あたりの費用は月1,000円から49,000円の幅があります。通う回数で決まる施設、1回ごとに払う施設、授業の数で決まる施設があるので、「週に何日通えそうか」を先に決めてから見積もったほうが、数字を比べやすくなります。
浜松市には、フリースクールの費用に使える制度が2026年4月から一つ増えました。「浜松市こども習い事応援事業」です。市のページには「令和8年4月から対象学年を拡充(小学校4年生~6年生→小学校1年生~6年生)し、フリースクールも対象になりました。」と書かれています。児童1人あたり年間12万円(ひと月につき1万円相当)のクーポンが交付されます。
ただし、条件は決して広くありません。対象は「生活保護または児童扶養手当の全部支給を受けている世帯」で、対象学年は小学1年生から6年生までです。中学生は対象外で、市の資料で不登校が最も多いのは中学生(令和7年度1,574人)ですから、そこには届かない制度だということは正直に書いておきます。また、利用するにはそのフリースクールが事業に参画・登録している必要があります。
所得の条件がない、一般向けのフリースクール利用料の補助は、今回調べた範囲では浜松市の公式ページで確認できませんでした。交通費の補助も見つかりませんでした。
静岡県の制度についても誤解が多いので、はっきり書いておきます。静岡県のフリースクール補助は「施設(運営者)向け」で、保護者が受け取れるものではありません。県の要綱の補助対象は「不登校児童生徒に対し社会的自立を目指す目的をもって学校以外の場において行われる学習活動、教育相談、体験活動等の事業を行う民間の団体」で、補助率は「補助対象経費の実支出額の2分の1以内」、上限は「1運営主体あたり年1,000千円」です。保護者向けの利用料補助は、静岡県のページでは確認できませんでした。

浜松市の公的な受け皿「校外まなびの教室」
浜松市は、教育支援センターにあたる場所を「校外まなびの教室」と呼んでいます。市の不登校支援のページには「浜松市内11カ所あります。」と書かれており、内訳は中央区8か所・浜名区2か所・天竜区1か所です。天竜区にあるのは、すぎのこ教室(上野948・火〜金)の1か所です。ただし、市のページには「学区はありませんのでどの地区からでもすべての教室が利用できます。」と書かれているので、浜名区のかやの木教室(於呂2829-1)やひまわり教室(細江町気賀369)を選ぶこともできます。天竜区の南側に住んでいる場合は、かやの木教室のほうが近いこともあります。
活動時間は一覧表のとおりどの教室も9時00分から14時00分までで、開室曜日は「火〜金」の教室と「月〜木」の教室に分かれています。弁当を持参する教室があります。
費用について、市のページには「利用料は無料です。」と明記されています。ここは推測ではなく、市の公式ページに書かれている言葉です。
いっぽうで、申し込みは在籍する学校を通します。市のページには「教室の利用を希望する場合は、在籍する学校へ相談してください。」とあり、「校外まなびの教室について」のPDFには「ご利用の流れ 在籍する学校にお申込みください。※見学も、学校を通してお願いします。」と書かれています。見学の段階から学校を通すという点は、保護者が直接電話できる自治体と違うところなので、先に知っておいてください。
もうひとつ、浜松市の教室には「学区はありませんのでどの地区からでもすべての教室が利用できます。」という説明があります。住んでいる場所で通う教室が決まるわけではないので、通いやすい教室を選べます。
校内の居場所である「校内まなびの教室」は、市の有識者会議資料によると令和8年度は小学校27校・中学校44校(令和7年度は小学校19校・中学校41校)に置かれています。「学校には行けるけれどクラスには入れない時」に使える、学校の中の居場所です。
学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)は、浜松市にはまだありません。令和8年に有識者会議が始まり、第1回(6月1日)・第2回(7月23日)の資料では「分校または分教室を想定している」と書かれていますが、開校の時期は資料に書かれていませんでした。静岡県内の学びの多様化学校は、文部科学省の一覧では静岡市の2校だけです。
それでも「合いそうな場所がない」と思ったら
ここまで読んで、「通えそうな場所が見つからない」「送り迎えが続けられない」と感じた方もいると思います。天竜区から通える場所を全部合わせても選べる数は限られていますし、校外まなびの教室は見学の段階から学校を通す必要があります。そういうときに、自宅からつながるオンラインという形が選択肢に入ります。
通所・公的な教室・オンラインを5つの観点で
| フリースクール (通所) | 浜松市の 校外まなびの教室 | オンライン (自宅から) | |
|---|---|---|---|
| 天竜区内に場所がある | × 区内では 見つからず | ○ すぎのこ教室 (上野948) | ○ 自宅から |
| 費用 | △ 月1,000円〜 49,000円 | ○ 利用料は無料 (市のページに明記) | △ 月額制 |
| 天候に 左右されない | × 山あいの道は 通行止めも | × 通所が前提 | ○ 自宅から |
| 保護者から直接 申し込める | ○ | × 見学も含め 在籍校を通す | ○ |
| 対面で人と 直接会える | ○ | ○ | × 画面ごしのみ |
○=対応 △=一部 ×=非対応 / ※浜松市の公式ページと各施設の公式サイトをもとにした一般的な傾向です。費用・制度は2026年9月時点。
オンラインが向いているとき
朝は起きられるけれど家から出るところでつまずく、人の多い場所が苦手、送り迎えができる大人が家にいない——こうした状態のときは、移動をなくすだけで一日の組み立てがうまくいくことがあります。時間割があって、同じ時間に同じ顔ぶれが集まる形なら、生活のリズムも保ちやすくなります。
申し込む前に確かめたい4つのこと
①在籍校の校長先生が出席として扱ってくれるか(これは学校ごとの判断です)、②担任にあたる大人が決まっていて毎日顔を合わせられるか、③子ども同士が話す時間があるか、④体験してから決められるか。この4つは、オンラインでも通所でも同じように確かめておくと失敗しにくくなります。
見学のときに聞いておきたいこと
数字だけでは決められないので、見学で確かめることを挙げておきます。
①費用の内訳。月謝のほかに入会金・教材費・行事費・昼食代がかかるかどうか。②休んだときの扱い。行けない日が続いたときに月謝はどうなるか。③スタッフの人数と、その日いる大人。④出席扱いの実績。在籍校に出す書類を施設が用意してくれるか。⑤子どもの一日の過ごし方。学習の時間がどれくらいで、自由な時間がどれくらいか。⑥通い方。送迎があるか、公共交通で行けるか、雨の日はどうするか。
そして、いちばん大事なのは子ども本人が「ここならいられそう」と思えるかです。親が気に入った場所と子どもが安心できる場所は、同じとは限りません。体験を受け入れている施設が多いので、決める前に一度行ってみてください。

よくある質問
まとめ
浜松市天竜区は、区内に民間のフリースクールが見つからない区です。公的な校外まなびの教室はすぎのこ教室(上野948)の1か所があり、市のページに利用料は無料と明記されています。まずはここが最初の候補になります。
民間の場所を探すなら、浜名区の「そよそよの家」(月500円+活動費500円・水木)か、中央区のIBASHO(1回3,000円・初回3回無料)のように、「通える日だけ」の負担で済む仕組みの場所から試すのが現実的です。週5日通う前提で考えると、距離のところで先に行き詰まります。
天竜区で一番のハードルは、施設の数ではなく距離です。雪や大雨で道が使えない日もあります。「行ける日は行く、行けない日は家でつながる」という二本立てにしておくと、子どもも予定が立てやすくなります。

この記事の内容を確かめるための一次資料
- 浜松市「不登校支援」(校外まなびの教室11か所・利用料は無料・申し込みは在籍校へ/2026年9月2日更新)
- 浜松市「校外まなびの教室一覧」(教室名・所在地・開室曜日・活動時間)
- 浜松市「校外まなびの教室について」(利用の流れ・見学も学校を通す)
- 浜松市「こども習い事応援事業」(令和8年4月からフリースクールも対象/2026年4月1日更新)
- 浜松市「学びの多様化学校の設置に係る有識者会議」第1回資料(市の不登校児童生徒数・校内まなびの教室の設置校数)
- 静岡県教育委員会「民間施設(フリースクール)等との連携について」(フリースクール等民間施設情報・令和8年2月5日現在)
- 静岡県「フリースクール運営費助成制度」(補助対象は民間の団体=運営者向け)
- 静岡県「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等調査」結果(県内公立・政令市を含む)
- 文部科学省「学びの多様化学校」設置者一覧
- 星槎フリースクール浜松(対象・活動時間・費用)
- フリースクール IBASHO(新津)(所在地・時間・費用)
- スタディグレイス 浜松館(対象・時間・費用)
- デモクラティックスクール び~だ(対象・開校日)
- そよそよの家(開所日・費用)
- フリースクール アスノルーム(磐田市・費用/2026年度4月より)


