- 文京区の私立高校13校の初年度納付金の実額(2026年度)
- 「無償化」で下がるのは授業料だけ、という仕組み
- 支援の対象にならない費目と、手元に残る約46万円
- 上限を超えるのは2コースだけ。しかも600円と3,000円という差
- 通信制・サポート校にした場合の金額との比べ方
金額は、東京都が2025年12月18日に公表した「令和8年度 都内私立高等学校(全日制)の学費の状況」の学校別データに基づく2026年度のものです。同じ資料の定時制の表に載っている中央大学高等学校は、全日制ではないため本表に含めていません。また東京音楽大学付属高等学校は豊島区の学校として載っているため、こちらも含めていません。
文京区の私立高校13校の初年度納付金【2026年度】
まず実額から見ます。金額は東京都の調査によるもので、コースによって金額が違う学校は行を分けています。
| 学校(コース) | 授業料(年額) | 入学金 | 施設費 | その他 | 初年度納付金 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東洋女子 | 432,000円 | 200,000円 | 0円 | 120,000円 | 752,000円 |
| 昭和第一 | 456,000円 | 230,000円 | 110,000円 | 36,000円 | 832,000円 |
| 郁文館(進学・特進クラス) | 453,600円 | 250,000円 | 0円 | 192,000円 | 895,600円 |
| 駒込 | 492,000円 | 250,000円 | 0円 | 168,000円 | 910,000円 |
| 日本大学豊山 | 480,000円 | 230,000円 | 0円 | 212,500円 | 922,500円 |
| 郁文館(上記コース以外) | 501,600円 | 250,000円 | 0円 | 192,000円 | 943,600円 |
| 貞静学園 | 480,000円 | 200,000円 | 0円 | 264,000円 | 944,000円 |
| 文京学院大学女子 | 450,000円 | 250,000円 | 0円 | 255,000円 | 955,000円 |
| 小石川淑徳学園 | 456,000円 | 250,000円 | 0円 | 249,200円 | 955,200円 |
| 京華 | 498,000円 | 250,000円 | 60,000円 | 180,000円 | 988,000円 |
| 京華商業 | 498,000円 | 250,000円 | 60,000円 | 180,000円 | 988,000円 |
| 京華女子 | 498,000円 | 250,000円 | 60,000円 | 180,000円 | 988,000円 |
| 郁文館グローバル(上記コース以外) | 498,000円 | 250,000円 | 0円 | 246,000円 | 994,000円 |
| 郁文館グローバル(Honorsクラス) | 498,000円 | 250,000円 | 0円 | 294,000円 | 1,042,000円 |
| 東洋大学京北 | 504,000円 | 250,000円 | 0円 | 336,000円 | 1,090,000円 |
13校の平均は、都内平均より7万円低い
複数コースがある学校は基本のコースで数えると、13校の平均は約940,000円。都内私立高校の平均1,007,549円より、7万円ほど低い水準です。文京区は大学附属と伝統校が混ざっていて、突出して高い学校が少ないためです。
いちばん低い東洋女子の752,000円と、いちばん高い東洋大学京北の1,090,000円の差は338,000円。多摩地域の町田市(110万円超の幅)と比べると、文京区は候補どうしの金額が近い区だといえます。
京華学園の3校は、金額がぴたりと同じ
京華・京華商業・京華女子は、同じ学校法人 京華学園が白山で運営する3校です。授業料498,000円・入学金250,000円・施設費60,000円・その他180,000円で、3校とも初年度納付金が988,000円と完全に一致しています。男子校・商業科・女子校と性格はまったく違うのに、お金の条件は同じ。この3校で迷っている場合、判断材料から金額を外して構いません。
「その他」の幅が30万円ある
この表でいちばん開きが大きいのは「その他」の列です。昭和第一の36,000円から、東洋大学京北の336,000円まで、ちょうど30万円の差があります。「その他」には教材費・行事費・PTA会費・生徒会費などが入りますが、何をここに含めるかは学校ごとに違います。納付金の総額だけを見て比べると、この差を見落とします。
表に入っていないお金
この表には、制服・体操着・指定用品、修学旅行の積立、通学定期代が入っていません。いずれも学校ごとに差が出るところです。説明会で何を聞けば漏れがないかは、説明会で必ず聞きたい「お金」の7項目に整理しています。

「無償化」で、授業料はどこまで下がるのか
2026年度(令和8年度)から、国の就学支援金は所得制限が撤廃されました。私立の全日制で年457,200円。これに東京都の授業料軽減助成金が年43,800円(所得制限なし)加わり、合わせて年501,000円まで、授業料が支援されます。
文京区の13校のうち、授業料がこの501,000円に収まるのは11校。平均の授業料は約477,000円なので、多くの家庭で授業料の自己負担は消えます。制度そのものの変更点は就学支援金が2026年度に変わった3つの点にまとめています。
- 国と都は別々の申請です(2026年度は国が6月、都が7月)。どちらか一方だけ出して終わらないように
- 都の助成は、保護者と生徒がともに都内在住であることが条件です
- 支援されるのは授業料に対してだけ。入学金にも施設費にも使えません
それでも残るお金|支援の対象にならない費目
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。東京都の案内には、対象外になるものがはっきり書かれています。「入学金、施設整備費、通学にかかる交通費、サポート校・技能教育施設等の受講料等は対象外です」——つまり、支援金が使えるのは授業料に対してだけです。
13校の平均で計算してみます。
| 費目 | 文京区13校の平均 | 支援の対象 | 手元から出る額 |
|---|---|---|---|
| 授業料(年額) | 約477,000円 | ◯(上限501,000円) | 0円 |
| 入学金 | 約239,000円 | × | 約239,000円 |
| 施設費 | 約22,000円 | × | 約22,000円 |
| その他(年額) | 約201,000円 | × | 約201,000円 |
| 合計 | 約940,000円 | — | 約46万円 |
平均で見れば授業料は支援の枠内に収まり、実質的な負担はほぼゼロになります。それでも初年度に約46万円が残ります。しかもここに制服代や修学旅行の積立は入っていません。「無償化になったから私立でも大丈夫」と聞いて安心した方には、この46万円が意外に感じられるかもしれません。減ったのは授業料の部分だけで、入学時にまとまって出ていくお金は、以前とほとんど変わっていないのです。
上限を超えるのは2コースだけ。しかも600円と3,000円
文京区で授業料が年501,000円を超えるのは、次の2コースだけです。
- 郁文館(進学・特進クラス以外) … 授業料501,600円 → 差額600円が自己負担
- 東洋大学京北 … 授業料504,000円 → 差額3,000円が自己負担
年600円、年3,000円です。超えるか超えないかが600円で決まる——それが文京区の実態です。「上限を超える学校は避けたほうがいい」という判断は、この区ではほとんど意味を持ちません。同じ郁文館でも進学・特進クラスなら453,600円で枠内に収まり、コースの選び方のほうが金額に効きます(初年度で48,000円の差)。
施設費があるのは4校
施設費は支援の対象外なので、そのまま手元から出ていきます。文京区では京華・京華商業・京華女子が各60,000円、昭和第一が110,000円。残る9校は0円です。昭和第一は「その他」が36,000円と13校で最も低いため、施設費を足しても初年度832,000円と2番目に低く収まります。費目ごとに見ると印象が変わる例です。
授業料以外を支える制度もあります(所得要件あり)
東京都には「私立高等学校等奨学給付金」があり、教科書代・教材費・学用品費などに使えます。ただしこちらには所得要件があり、住民税の所得割額で段階的に判定されます。全日制の場合、住民税非課税相当の世帯で年152,000円、所得割額105,500円未満の世帯で年50,670円、182,500円未満の世帯で年38,000円です。通信制も対象ですが、金額は低くなります。

私立の全日制が合わないとき|通信制という選択肢
ここまでは全日制の話です。学費を調べていくうちに「そもそも毎日通う前提でいいのだろうか」と考え始める方もいます。体調のこと、人間関係のこと、あるいは中学で登校が難しかった時期があった場合はなおさらです。
金額の面だけを見ると、通信制は大きく違います。
都立の通信制は、年1万円もかかりません
東京都立高校の通信制課程は、一橋高校(千代田区)・新宿山吹高校(新宿区)・砂川高校(立川市)の3校です。文京区内にはありませんが、隣接する千代田区の一橋高校がそのまま最寄りになります。多摩地域の市と違って、通学の負担がほとんど増えないのは文京区の強みです。
都立通信制の授業料は1単位につき336円、入学料は500円です。仮に年25単位を履修しても授業料は8,400円で、就学支援金の対象にもなります。
私立の通信制は、支援金の計算方法が違います
私立の通信制高校には「年額制」と「単位制」があります。年額制なら就学支援金の上限は年337,200円。単位制の場合は1単位あたり13,668円で、年間30単位・通算74単位までという上限が設けられています。履修する単位数が少ない年は支給額も少なくなるため、授業料が支援金の枠内に収まるかどうかは、学校の料金体系と履修単位数の両方で決まります。
通信制に「サポート校」を足すと、いくらになるか
通信制高校を検討するとき、多くの家庭がもうひとつの費用に行き当たります。サポート校です。
通信制高校は、レポートを自分で進め、決められた回数のスクーリングに通って単位を取ります。自分のペースで進められる反面、「毎日の枠組みがない」ことが負担になる子もいます。レポートが溜まる、生活のリズムが崩れる、一日中誰とも話さない日が続く——サポート校は、そこを埋めるために通う場所です。仕組みと費用の考え方は通信制高校にサポート校を足すという選び方にまとめています。
サポート校の費用は、支援金の対象外です
先ほど引用した東京都の案内に戻ります。対象外の費目に「サポート校・技能教育施設等の受講料等」とはっきり書かれています。つまり通信制高校の学費とサポート校の受講料が、それぞれ別に発生します。
NIJIN高等学院(ニジ高)を例にすると、入学金55,000円・授業料 年398,000円(月39,800円)で、初年度は453,000円。これに提携する通信制高校の学費が別途かかり、そちらには就学支援金が適用されます。
| 選び方 | 初年度に手元から出る額(目安) | 支援の対象 |
|---|---|---|
| 私立の全日制(文京区13校の平均) | 約460,000円 | 授業料のみ。入学金・施設費・その他は対象外 |
| 都立の通信制(一橋高校・年25単位の場合) | 約9,000円 | 授業料も支援の対象 |
| 私立の通信制+サポート校(ニジ高の場合) | 453,000円+通信制の自己負担分 | 通信制の授業料のみ。サポート校の受講料は対象外 |
並べてみると、全日制私立の約46万円と、通信制+サポート校の約45万円は、実はそれほど離れていません。違うのは、その金額に何が含まれているかです。全日制は「毎日通う場所と、そこでの人間関係と、行事」が含まれた46万円。通信制+サポート校は「自分のペースで進める仕組みと、伴走してくれる人」が含まれた45万円。金額で選ぶというより、何にお金を払うのかで選ぶことになります。
組み合わせによって金額は変わるので、数字を入れて確かめられるようにしてあります。通信制高校の学費シミュレーターで、実質の負担額を計算してみる

学費を比べるときに、金額の外で見ておきたいこと
文京区は「通学しやすさ」が金額に効きにくい区
13校は本郷・白山・小石川・春日に集まっていて、いずれも地下鉄の複数路線が使えます。多摩地域の市では路線バスの運賃が月々の負担として効いてくる学校もありますが、文京区ではその差が出にくいぶん、通学費で候補を絞ることができません。そのぶん、学校の中身で選ぶ必要があります。
同じ法人でも、条件は学校ごとに違う
京華学園の3校は金額が完全に一致しますが、男子校・商業科・女子校で進路の方向がまったく違います。郁文館と郁文館グローバルも同じ法人ですが、金額もコース構成も別です。法人が同じだから条件も似ている、とは限りません。
私立の定時制という選択肢もある
今回の表は全日制のものですが、文京区には私立の定時制課程を持つ高校(中央大学高等学校)もあります。定時制は全日制とは別の制度で、支援金の扱いも異なります。毎日通う形が難しいけれど通信制ほど自由度は要らない、という場合には検討の余地があります。仕組みの違いは定時制高校とは?通信制との違いで整理しています。
よくある質問
まとめ
文京区には高校から入れる私立高校が13校あり、初年度納付金の平均は約94万円。都内平均より7万円ほど低く、候補どうしの金額も近い区です。2026年度から就学支援金の所得制限が撤廃され、東京都の助成と合わせて授業料は年501,000円まで支援されます。文京区で上限を超えるのは郁文館の一部コース(600円)と東洋大学京北(3,000円)の2つだけなので、ほとんどの家庭で授業料の自己負担は消えます。それでも入学金・施設費・その他は対象外のまま残り、13校の平均で初年度に約46万円が手元から出ていきます。ここに制服代も修学旅行の積立も入っていません。金額で候補を絞りにくい区だからこそ、「その他」の内訳と、毎日通う形が本人に合うかどうかを、説明会で確かめてください。そして毎日通うこと自体が負担になりそうなときは、通信制とサポート校を足した場合の金額も並べてみると、選択肢の見え方が変わります。

NIJIN高等学院は、株式会社NIJINが運営する通信制高校サポート校です。1クラス8人のメタバース校舎と、全国36か所のリアル教室。入試に学力試験・面接はなく、出席状況も問いません。転入・編入は通年受付で、いま通っている通信制高校を変えずにサポート校だけを利用することもできます。学費や進め方は、無料のオンライン個別相談会でご確認いただけます(カメラ・マイクはオフのままで、保護者の方だけのご参加も歓迎です)。
この記事の内容を確かめるための一次資料
- 東京都「令和8年度 都内私立高等学校(全日制)の学費の状況」(2025年12月18日公表・学校別データ)
- 東京都生活文化局「私立高等学校等授業料軽減助成金」(対象外費目の記載)
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度」
- NIJIN高等学院
金額はいずれも2026年度(令和8年度)のものです。2026年9月29日に確認しました。各校の募集要項が更新された場合は、そちらが優先されます。

