「綾瀬市で、学校のかわりに通える場所はありますか」
綾瀬市は、市の公式サイトにも「市内に鉄道駅がない」と書かれている市です。神奈川県が紹介しているフリースクール等の一覧にも、綾瀬市の団体は載っていません。一方で市は、2026年4月に総合教育支援センター「あやぴぃす」を新しく開き、教育支援教室(ルピナス教室)をそこへ移しました。この記事では、バスや車で通える海老名市・座間市・厚木市の5か所と、市の窓口でわかっていること・わからないことを、公式の記載だけをもとに整理しました。
この記事でわかること
- 綾瀬市から通えるフリースクール5か所の場所・対象・開所日・費用(公式サイトと県の資料で確認できた範囲)
- 駅がない綾瀬市から、どう通うか(最寄りのバス停・駅)
- 2026年4月に開いた「あやぴぃす」と、教育支援教室(ルピナス教室)の開室時間・相談の入り口
- 綾瀬市の不登校の推移(令和4年度248人)と、市の見通し
- 補助が確認できなかったことと、費用の抑え方
- 「通える場所がない」と感じたときに残る選択肢と、自宅から毎日「登校」できるNIJINアカデミーのメタバース校舎の特徴
この記事は、市・県の公式ページと各施設の公式サイト(公式に記載がない場合は神奈川県の団体シート・県のNPO紹介ページ)に書かれていることだけを根拠にしています。公式に記載がなかったことは「確認できませんでした」とそのまま書いています。費用や曜日は変わることがあるので、実際に動く前に各施設へご確認ください(2026年9月時点)。
綾瀬市の今の状況を、数字と場所で確かめる
まず、綾瀬市で不登校がどのくらい増えているのかを、市の公表資料で確かめます。
綾瀬市教育委員会の「(仮称)綾瀬市総合教育支援センター整備基本構想」(令和6年3月)には、市内の不登校の割合と人数が書かれています。令和2年度は2.2%で155人、令和3年度は2.9%で201人、令和4年度は3.6%で248人で、いずれの年も全国平均(2.1%・2.6%・3.2%)を上回っています。2年間で1.6倍に増えた計算です。令和5年度以降の人数は、市の公表資料では確認できませんでした。
同じ構想には、「2022年度で248人となっていましたが、21年後の2043年には約75%増加して434人となる見込みです」という市の見通しも書かれています。さらに、当時の教育支援教室は事務所を転用した施設で席が12しかなく、2022年度末には定員を超える人数が通っていたことも記されています。これが、2026年4月の「あやぴぃす」開設につながりました。
神奈川県全体では、令和6年度の公立小・中学校の不登校は24,250人(小学校10,192人・中学校14,058人)で、前年度から621人増えています。
では、学校の外の居場所はどうでしょうか。神奈川県が公開している「フリースクール等の紹介」(令和8年度・2026年7月2日更新)を確認したところ、綾瀬市の団体は掲載されていませんでした。隣の海老名市に3団体、座間市に1団体、少し離れた厚木市に1団体が載っています。この記事で紹介する5か所は、この5団体です。
綾瀬市ならではの事情は、「市内に鉄道駅がない」ことです。市の公式サイトには「市内に鉄道駅がないことから、都市の形成は駅に近い市の外縁部から市街化が進行し、中心部を残したドーナッツ型の都市が形成することになりました」と書かれています。市外の施設に通うには、路線バスや市のコミュニティバス「かわせみ」で周りの市の駅に出るか、車で送ることが前提になります。東名高速の綾瀬スマートインターチェンジ(2021年3月開通)があるなど車の便はよい一方、子ども1人で通うことを考えると、移動の組み立てがいちばんの課題です。
知っておきたい3つの壁
公式の記載から見えてきた、綾瀬市ならではの事情です。
01
市内に駅がない
市外の施設へは、バスで周りの市の駅(海老名・かしわ台・相模大塚・長後など)に出るか、車での送迎が前提になります。
02
市内の民間施設が県の一覧に0件
県の一覧に載る施設は、隣の海老名市・座間市と厚木市にあります。市内にあるのは月2回の親子の居場所です。
03
費用・補助が見えにくい
ルピナス教室の費用と出席の扱いは公式ページに記載がなく、保護者向けの利用料補助も確認できませんでした。
3つとも「電話で確かめれば前に進める」壁です。窓口の番号はこの記事の後半にまとめています。
綾瀬市から通えるフリースクール5選(比較一覧)
隣の海老名市の3か所、座間市の1か所、厚木市の1か所です。費用は公式サイトの金額を優先し、公式に記載がないものは神奈川県の団体シートの金額を「県シート」として載せています。
| スクール名 | エリア・最寄り | 対象 | 開所 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|---|
| フリースクール plaisir | 海老名市国分北 神奈中バス「弥生神社前」徒歩4分(県の紹介ページ) | 小1〜中3(原則・県シート) | 月〜金 10:00〜15:00(県シート) | 1回3,000円(10回以上は月30,000円)(県シート) |
| フリースクール SACHI station | 海老名市上今泉 最寄りは海老名駅・座間駅 | 小学生以上(公式) | 平日 9:00〜15:50(公式) | 1日3,500円/月9回〜30,000円〜月16回〜40,000円(公式) |
| IDEAコミュニティカレッジ | 海老名市めぐみ町 海老名駅 徒歩すぐ | 公式は中学生/県シートは小4以上 | 平日(県シートは10:00〜14:00) | 通い放題+講座 月44,000円〜(県シート) |
| ミナクルあすなろの家 | 座間市緑ケ丘 相武台前駅 徒歩15分(県の紹介ページ) | 小学生〜おおむね39歳 | 火・木 10:00〜15:00(県シート) | 1日200円(公式) |
| 星槎教育研究所 厚木相談室 チャレンジスクール | 厚木市中町 本厚木駅 徒歩7分(県の紹介ページ) | 小4〜中3 | 月・水・金 10:20〜15:20(県シート) | 年会費18,000円+週1日 月20,000円〜(県シート) |
表の見方のポイントは3つです。1つ目は、いちばん近いのは海老名市の3か所で、特にplaisirは県の紹介ページで対象地域に「綾瀬市」が明記されていること。2つ目は、費用の幅がとても大きいこと。座間市のミナクルあすなろの家は1日200円、海老名市の3か所は月3万〜4万円台です。3つ目は、平日毎日開いているのは海老名市の3か所で、ミナクルは週2日、星槎は週3日だということです。
海老名市・座間市の施設については、海老名市から通えるフリースクール5選|市内3か所・座間・泉区【2026年版】と座間市から通えるフリースクール5選|市内・海老名・泉区【2026年版】でも紹介しています。

5か所を1か所ずつ紹介します
1. フリースクール plaisir(海老名市国分北)|1回3,000円、初回は無料で体験
綾瀬市の保護者にまず知ってほしいのが、ここです。神奈川県のNPO紹介ページでは、アクセスが「小田急線海老名駅より徒歩18分、神奈中バス海10ルート「弥生神社前」徒歩4分」とされ、活動の対象地域に「綾瀬市」がはっきり書かれています。綾瀬市から通う子どもを想定している施設だということです。
運営はNPO法人grand-mere。フリースクールの時間は月曜〜金曜の10:00〜15:00で、夕方には学習支援(16:00〜18:00)の時間もあります。運営法人の開所案内では「小田急線海老名駅より徒歩18分程度」とされています。
公式サイトのフリースクールのページは画像中心で、料金と対象を文字で確認できませんでした。神奈川県の団体シートでは、対象は「小学校1年生から中学3年生まで(原則)」、費用は「1回3,000円(10回以上は月額30,000円)」、そして「全て1回目無料体験可能」とされています。通う回数が少ないうちは1回ごとの支払いで済み、たくさん通っても月30,000円が上限になる形です。
出席扱いについてははっきりした記載はありませんが、県シートには「在籍校や関係支援諸機関と密に連携を図ります」とあります。
- 所在地:海老名市国分北1-21-23/海老名駅 徒歩18分程度
- TEL:046-206-7273
- 対象:小1〜中3(原則・県シート)
- 開所:月〜金 10:00〜15:00(県シート)
- 費用:1回3,000円(10回以上は月30,000円)、1回目は無料体験(県シート)
- 出席扱い:明記なし(在籍校と連携すると記載)
2. フリースクール SACHI station(海老名市上今泉)|平日毎日、使った分だけの料金
海老名市上今泉にある、平日毎日開いているフリースクールです。綾瀬市からは、バスで海老名駅方面に出るか、車で送る形になります。
公式サイトによると、開所は「基本、平日毎日 9時から15時50分」で、対象は小学生以上です(県の団体シートでは小・中学生)。最寄駅として海老名駅と座間駅の名前が挙がっていますが、徒歩の分数は確認できませんでした。
料金は公式サイトの料金ページに細かく書かれています。1日利用3,500円、半日(食事あり)2,500円、半日(食事なし)1,500円。月の利用回数が多い場合は月9回〜30,000円、月12回〜35,000円、月16回〜40,000円で、「利用した分だけのご請求です」「食事代が含まれております」とあります。ほかに入会金10,000円(1人)と年会費5,000円(1家庭)がかかります(税込・税別の表記なし)。
県の団体シートでは「週2回コース30,000円、週3回35,000円、週4回以上40,000円」と書かれていて、公式の回数制の料金表と区分が違います。この記事では公式の料金を採用しました。出席扱いについての記載は、公式サイトにありませんでした。
- 所在地:海老名市上今泉2-3-19/最寄りは海老名駅・座間駅(徒歩分数の記載なし)
- TEL:070-8955-1305
- 対象:小学生以上(公式)
- 開所:平日 9:00〜15:50(公式)
- 費用:1日3,500円/月9回〜30,000円・月12回〜35,000円・月16回〜40,000円(食事代込み)+入会金10,000円・年会費5,000円(公式)
- 出席扱い:公式サイトに記載なし
3. IDEAコミュニティカレッジ(海老名市めぐみ町)|海老名駅すぐ、出席日数へのカウントを案内
海老名駅すぐの商業ビル(ViNA GARDENS PERCH)5階にある学びの場です。海老名駅は小田急線・相鉄線・JR相模線が集まる駅なので、綾瀬市のどの地域からでも目指しやすい場所です。
公式サイトでは「不登校・学校が合わない中学生のための平日毎日通える学びの場」と紹介されていて、在籍学校長の許可のもとで登校日時と学習内容を報告し、在籍小中学校の出席日数にカウントされることを案内しています。
費用は、公式サイトでは講座が60分7,000円(税別)などと書かれていますが、月謝はパンフレットで案内する形で、金額を公式のページで確認できませんでした。県の団体シートでは「コラーニングスペース通い放題+講座:44,000円〜」、開所は平日10〜14時です。対象は公式が中学生、県シートが小学4年生以上と書き方が違うので、小学生の場合は受け入れの可否を確認してください。
- 所在地:海老名市めぐみ町3-1 ViNA GARDENS PERCH 5階/海老名駅 徒歩すぐ
- TEL:070-1514-2022(県シート)
- 対象:中学生(公式)/小学4年生以上(県シート)
- 開所:平日(県シートは10:00〜14:00)
- 費用:通い放題+講座 月44,000円〜(県シート)
- 出席扱い:在籍校長の許可のもと出席日数にカウント(公式)
4. ミナクルあすなろの家(座間市緑ケ丘)|1日200円で過ごせる居場所
座間市の住宅地にある、小学生から若者までが過ごせる居場所です。県のNPO紹介ページではアクセスが「小田急小田原線相武台前駅より徒歩15分・バス5分」「座間駅より徒歩20分」とされています。
開所は、県の団体シートでは火曜日・木曜日の10時〜15時です(公式サイトは木曜のみの表記で、情報が古い可能性があります)。費用は公式サイトで「通常時:200円、イベント時:300円」と書かれていて、今回の5か所の中で飛びぬけて安く通えます。対象は小学生からおおむね39歳までと幅が広く、県シートには「適応指導教室との交流会(スポーツ)」も書かれています。
毎日通う学校のような場所ではありませんが、「週1〜2回、家の外に居場所をつくる」という最初の一歩にはとても使いやすい場所です。年齢の幅が広いので、同じ年ごろの子がいるかどうかは見学で確かめてください。
- 所在地:座間市緑ケ丘2-10-10/相武台前駅 徒歩15分・座間駅 徒歩20分(県の紹介ページ)
- TEL:046-254-2005
- 対象:小学生〜おおむね39歳
- 開所:火・木 10:00〜15:00(県シート)
- 費用:1日200円(イベント時300円)(公式)
- 出席扱い:記載なし
5. 星槎教育研究所 厚木相談室 チャレンジスクール(厚木市中町)|出席状況を毎月在籍校へ
本厚木駅の近くにある、星槎グループのフリースクールです。綾瀬市からは少し距離がありますが、出席の扱いについての記載がはっきりしているので候補に入れました。
対象は小学4年生から中学3年生で、1クラスの定員は10名。公式サイトには「チャレンジスクールでの出席状況は毎月末、在籍校へ送っています。」と書かれています。
公式サイトには曜日・時間・費用の記載がありませんでした。神奈川県の団体シートでは、開所は月・水・金の10:20〜15:20(火・金の登校は要相談)、費用は年会費18,000円に加えて、週1日で授業料17,000円+施設費3,000円、週2日で29,000円+6,000円、週3日で31,000円+9,000円(月額)、体験入学は1日3,500円となっています。
- 所在地:厚木市中町3-16-8/本厚木駅 徒歩7分(県の紹介ページ)
- TEL:046-296-5788(厚木相談室)
- 対象:小学4年生〜中学3年生(定員10名)
- 開所:月・水・金 10:20〜15:20(県シート)
- 費用:年会費18,000円+月20,000円(週1日)〜40,000円(週3日)(県シート)
- 出席扱い:出席状況を毎月末に在籍校へ送付(公式)
綾瀬市から通う場合の費用相場と、補助の有無
5か所の費用を、同じ条件で並べ直してみます。ここでは「週2回くらい通う」場合の月額で比べました。
| スクール | 週2回くらいの月額 | 最初にかかるお金 | たくさん通う場合 |
|---|---|---|---|
| plaisir | 1回3,000円×回数(県シート) | 記載なし | 10回以上は月30,000円 |
| SACHI station | 月9回〜30,000円(公式) | 入会金10,000円・年会費5,000円 | 月16回〜40,000円 |
| IDEAコミュニティカレッジ | 通い放題+講座 月44,000円〜(県シート) | 記載なし | 通い放題に含まれる |
| ミナクルあすなろの家 | 1日200円×回数(公式) | 記載なし | 開所は火・木のみ |
| 星槎 チャレンジスクール | 月35,000円(授業料29,000円+施設費6,000円・県シート) | 年会費18,000円(県シート) | 週3日 月40,000円 |
こうして並べると、週2回で月1,600円ほど(ミナクル)から月44,000円ほど(IDEA)まで、場所によって大きな差があります。平日毎日通える海老名市の3か所は月3万〜4万円台が中心です。綾瀬市の場合はこれにバス代や送迎の負担が加わります。コミュニティバス「かわせみ」の運賃は市の公式サイトで「一乗車大人180円、小児(小学生以下)90円」とされていますが、路線によって行き先が違うので、通う先に合わせてルートを確認してください。
補助について。綾瀬市の公式サイトで、保護者向けのフリースクール利用料や交通費の補助を探しましたが、確認できませんでした。神奈川県は、フリースクール等に通う子どもの保護者を支援する市町村に補助する事業を行っていますが、県のページで実施市町として挙がっているのは相模原市・鎌倉市・海老名市・藤沢市・葉山町・二宮町の6市町で、綾瀬市は含まれていません。県は「保護者の方に直接補助する制度ではございません。お住まいの市町村が事業を実施している必要があります。」と説明しています。
通う先が海老名市でも、海老名市の補助は海老名市民向けの制度なので、綾瀬市民が使えるとは考えにくいです。費用をできるだけ抑えたいときは、①市の教育支援教室(費用は電話で確認)→②1日200円のミナクルや、1回ごとに払えるplaisir・SACHI stationで様子を見る→③必要に応じて通う日数を増やす、という順番で考えると無理がありません。

その前に確認したい、綾瀬市の公的な窓口
民間のフリースクールを探す前に(あるいは同時に)、市の窓口も確認しておきましょう。綾瀬市では、2026年4月に総合教育支援センター(愛称「あやぴぃす」)が新しく開き、教育相談と教育支援教室がここに集まりました。
教育支援教室(ルピナス教室)(通う場所)
市の公式ページによると、教育支援教室は「様々な理由で学校へ行けない市内の小・中学生」が対象で、「学習やスポーツ、調理や工作など、できることを中心に活動」しています。専任教員のほか、臨床心理士を含む教育相談員がいて、訪問指導も行っていると書かれています。
- 所在地:綾瀬市早川城山一丁目3番8号(「嫁ケ久保」バス停下車 徒歩3分)。「令和8年4月より、新たな場所で支援を実施しています」
- 開室:9:30〜14:30(土曜日・日曜日・祝祭日を除く)。広報あやせ(令和8年4月1日号)では「水曜日午後の教室なし」とされています
- 電話:080-7572-9879(ルピナス教室)
- 費用:公式ページに記載がなく、確認できませんでした
- 出席の扱い:公式ページに記載がなく、確認できませんでした
- 申込:教室のページには記載がありません。市の「よくある質問」では、まず「学校の担任やスクールカウンセラーにご相談ください。または、総合教育支援センター 相談専用電話番号 0467‐79‐0222の教育相談員にご相談ください」とされています
注意:インターネット上のまとめサイトには、旧所在地(深谷中5丁目)や旧電話番号がまだ残っています。今の場所は早川城山1丁目の「あやぴぃす」です。広報あやせによると、1階に学習室2部屋とカウンセリングルーム、2階に大人数で活動できる教室と学習室1部屋があります。以前の施設では席が12しかなく定員を超えていたことを考えると、受け入れの余裕は大きくなったはずです。
総合教育支援センターの教育相談(相談の入り口)
- 相談専用電話:0467-79-0222
- 受付:9:00〜15:00(土曜日・日曜日・祝祭日を除く)。電話か来所で相談できます
- 対象:「市民(児童・生徒を含む)・教職員を対象とする進路や学習・生活指導及び教育全般に関する相談」
学校に言い出しにくい時期は、学校を通さずにこの相談電話から始めて構いません。電話のときに「ルピナス教室の費用はかかりますか」「通った日は在籍校で出席扱いになりますか」の2つも聞いてみてください。
学校の中の居場所と、市内の親子の居場所
市の「綾瀬の教育」(令和6年度実績)によると、小学校10校に市費の「不登校等支援員」11名、中学校5校に県費の「校内教育支援センター支援員」5名が配置されています。教室には入れないけれど学校には行ける、という段階なら、まず在籍校の校内の居場所を聞いてみるのも1つの方法です。
また、市内の綾瀬市健康福祉プラザ(深谷中4-7-10)では、不登校の子と保護者の居場所・親の会「ふぃーか」が月2回、土曜日に開かれています(10〜12時または13〜15時・居場所は6〜18歳、県のNPO紹介ページより)。毎日通う場所ではありませんが、同じ状況の保護者とつながれる場として知っておくと心強いはずです。
それでも「合いそうな場所がない」と思ったら
ここまで読んで、「隣の市まで毎日送るのは難しい」「バスでの通い方がまだ組み立てられない」と感じた方もいると思います。そのときに残る選択肢がオンラインのフリースクールです。まず、3つの選択肢を正直に比べてみます。
通所・公的な窓口・オンラインを5つの観点で
| フリースクール (通所) | 綾瀬市の 公的な窓口 | オンライン (自宅から) | |
|---|---|---|---|
| 綾瀬市内に場所がある | × 県の一覧に 市内は0件 | ○ あやぴぃす (早川城山) | ○ 自宅から |
| 送迎・移動がいらない | × 市外へ バスか車で | △ 市内だが バス等で移動 | ○ 移動なし |
| 平日毎日通える | △ 5か所中3か所が 平日5日 | △ 平日(水曜は 午前のみ) | ○ 時間割が公開 |
| 費用が事前にわかる | △ 公式に金額がない 施設もある | × 費用の記載なし | ○ 料金表が公開 |
| 対面で人と直接会える | ○ 同じ部屋で 過ごせる | ○ 職員・仲間と 過ごせる | × 画面越し (対面はない) |
○=対応 △=一部 ×=非対応 / ※各施設・自治体の公式サイトと神奈川県の公表資料の記載をもとにした一般的な傾向です。制度・費用は2026年9月時点。
表のとおり、駅のない綾瀬市では、オンラインの「移動がいらない」という強みがほかの市以上に大きくなります。一方で、同じ部屋で人と直接会うことはできません。どれか1つが正解というより、お子さんの今の状態に合わせて組み合わせるものだと考えてください。
オンラインが向いているとき
綾瀬市は市内に鉄道駅がなく、市外の施設に通うには毎回バスか車での移動が必要です。「まず生活のリズムを戻したい」「送迎の負担を先に減らしたい」という段階では、オンラインが向いています。朝決まった時間に画面の前に座る形なら、天候や家族の仕事の都合に左右されずに続けられます。人が多い場所が苦手な子にとっても、最初の一歩としてハードルが低いことがあります。
逆に、体を動かしたい、同じ部屋で誰かと過ごしたいという気持ちが強い子には、オンラインだけでは足りません。上の表でオンラインに×を付けたのはそこです。綾瀬市の場合は、市内に新しい「あやぴぃす」があり、隣の座間市には週2日・1日200円のミナクルもあるので、「オンラインで毎日の生活を整えながら、週に何日か対面の場所へ」という組み合わせがしやすい地域でもあります。
オンラインを選ぶ前に確認したい4つのこと
- 出席の扱い:在籍校で出席扱いになった実績があるか。手続きの書類を出してもらえるか
- 同じ時間に同じ仲間と過ごせるか:録画の授業を見るだけか、決まった時間に先生や仲間と会えるか
- 料金の総額:月額のほかに入学金・施設利用料・オプションがあるか。税込か
- 対面の機会:リアルの教室やイベントがあるか。ある場合、神奈川県内のどこか
この4つは、このあと紹介するNIJINアカデミーを含め、どのオンラインスクールを検討するときにも同じように聞いてください。
NIJINアカデミーのメタバース校舎|綾瀬市の自宅から毎日「登校」する学校
オンラインの選択肢の1つとして、にじいろを運営する株式会社NIJINのオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を紹介します。自社のサービスなので、良い点だけでなく、合わないかもしれない点も書きます。
NIJINアカデミーのいちばんの特徴は、オンラインを「通所の代わり」ではなく「本校舎」にしていることです。公式サイトには「メタバース校舎が、毎日みんなが通う本校舎です」とあり、朝アバターで登校して、授業を受けて、休み時間に雑談して、帰るという、学校と同じ1日がメタバースの中で続きます。録画の授業を見るだけの学習サービスとも、週1回のオンライン面談とも違う形です。公式サイトでは「日本初、公教育を持ち運び可能にしたオルタナティブスクール小中高一貫校」と紹介されています。
「通えない」を前提につくったメタバース校舎
公式サイトの記載から、ほかのオンラインスクールと違う点を3つにまとめました。
01
顔も声も出さなくていい
カメラはOFFのまま、アバターが教室にいてくれます。発言はチャットでも、反応はリアクションボタンでも大丈夫。しんどくなったら途中で抜けてもいい、と公式に書かれています。
02
関わる人数を自分で選べる
担任と1対1→クラス(8〜12人)→校舎(約150人)→全校、と出ていく範囲を自分で決められます。校舎を4つ(サン・ムーン・ゴールド・スター)に分けているのは、人が顔と名前を覚えられる約150人を超えないためです。
03
学年も地域もこえて学べる
現役教員のリアルタイム授業が月100コマ以上あり、受けたい授業を自分で選べます(学年もこえられる)。42都道府県の子どもと、共創してきた100社の企業・自治体・大学の大人が同じ校舎に集まります。
「家から出られない時期」でも、学び・友だち・会話・運動を切らさずにいられる、というのが公式の考え方です。
1日の過ごし方も、学校にかなり近い形です。公式サイトによると、朝の会・帰りの会で1日を始めて終え、月100コマ以上の授業から受けたいものを選びます。画面の前で体を動かす「ホーム体育」、クラスの困りごとを自分たちで話し合う「クラス会議」、毎週火曜13:00の「全校ホームルーム」(YouTubeでも生配信)、マイクラ・イラスト・将棋・鉄道などのサークル活動、学園祭などの年間イベントもあります。授業は日本最大級の教師団体「授業てらす」と連携していて、アーカイブは500本以上と公表されています。
学び方には3つの段階があります。公式の教育モデルでは、まず「自分を好きになる」(〜6か月)、次に「学びを好きになる」(〜8か月)、そして「社会を好きになる」(〜12か月)という順番で、最後の段階では100以上の企業・自治体・機関と連携しながら、地域課題の解決や商品アイディア、アプリ開発、ラジオ配信など「誰かのために何かをしたい」という思いを形にしていきます。
先ほどの「確認したい4つのこと」に、NIJINアカデミーを当てはめるとこうなります。
| 確認したいこと | NIJINアカデミーの場合(公式の記載) |
|---|---|
| 出席の扱い | 出席認定は希望者の97%(公式サイトの表記)。最終的に判断するのは在籍校の校長です |
| 同じ時間に同じ仲間と過ごせるか | 朝の会・帰りの会があり、クラスは8〜12人。担任と1対1で話せる時間もあります |
| 料金の総額 | メタバース通学 月25,443円(税込・メタバース料23,760円+施設利用料1,683円)/入学金33,000円(税込・初月のみ)。専任サポート(月16,500円)などのオプションあり |
| 対面の機会 | 全国52か所にリアル教室があり、神奈川県内では綾瀬市の隣の座間市(グランワルツ相武台校)のほか、横浜市(横浜反町校など)・川崎市(武蔵新城校)に教室があります。ハイブリッド通学は月41,943円〜(リアル教室の料金・開校日は教室ごとに異なる) |
合わないかもしれない点も正直に書いておきます。1つ目は、同じ部屋で人と直接会うことはできないこと(上の比較表で×にしたところです)。2つ目は、月額はミナクル(1日200円)やplaisir(1回3,000円)の少ない回数の利用より高いこと。3つ目は、公式に「自宅からPCひとつでワンクリック登校」とあるとおり、パソコンと通信環境が必要なことです。体を動かしたい・人と直接会いたい気持ちが強い子は、あやぴぃすや近くの居場所と組み合わせる形を考えてみてください(併用できるかどうかは、それぞれに確認が必要です)。
それでも、「駅まで出ること自体がまだ負担」「送迎できる日が限られる」という段階を考えると、通学時間0分で毎日同じ仲間と過ごせるメタバース校舎は、ほかの5か所とは違う役割を持つ選択肢です。隣の座間市にリアル教室があるので、慣れてきたら対面の日を足す、という形も考えられます。
送迎できない日も、
自宅から「登校」できる学校。
NIJINアカデミーは、メタバースの本校舎に毎日通えるオルタナティブスクールです。カメラOFF・チャットでの発言でも参加できます。
見学で聞いておきたいこと
通所でもオンラインでも、見学や体験のときに聞いておくと後で困らない質問をまとめました。綾瀬市から通う場合に特に大事なものに印をつけています。
- 【綾瀬市から通う場合に特に大事】家から施設までの行き方。最寄りのバス停・駅から施設まで何分か、子ども1人で通えるルートか、送迎が必要か。plaisirは神奈中バス「弥生神社前」から徒歩4分、ミナクルは相武台前駅から徒歩15分、星槎は本厚木駅から徒歩7分(いずれも県の紹介ページ)です
- 【特に大事】出席扱いの実績。在籍校に出す書類(通所の記録・活動報告など)を作ってもらえるか。綾瀬市立の学校で実績があるか
- 月会費に含まれるもの。昼食、教材、イベント、交通費は別か
- 1日の過ごし方。来る時間・帰る時間は自由か。勉強の時間はあるか。何もしないで過ごしてもよいか
- 同じ年ごろの子がいるか。年齢の幅が広い施設では、年の近い子がいるかどうかで居心地が変わります
- スタッフの人数と経歴。教員経験者や相談員がいるか。保護者との連絡の頻度と方法
- 休んだとき・やめるときの扱い。月謝制の場合、休んだ日の分はどうなるか。途中でやめるときの手続き
- 体験できる回数。1回だけか、何回か試せるか。体験の費用
見学のときは、お子さんが「ここならいてもいいかも」と感じるかどうかがいちばん大事です。保護者が良いと思っても、本人が落ち着かない場所なら続きません。見学は1か所で決めず、できれば海老名市の施設と座間市のミナクルなど、タイプの違う2か所を比べてみてください。

よくある質問
綾瀬市内にフリースクールはありますか。
神奈川県の「フリースクール等の紹介」(令和8年度)には、綾瀬市の団体は掲載されていませんでした。市内にあるのは、市の教育支援教室(ルピナス教室・早川城山の「あやぴぃす」内)と、月2回土曜日に開かれる親子の居場所「ふぃーか」です。平日に通える民間施設は、隣の海老名市(3か所)・座間市(1か所)などにあります。
綾瀬市には駅がありませんが、どうやって通えばいいですか。
市の公式サイトにも「市内に鉄道駅がない」と書かれています。市外の施設へは、路線バスや市のコミュニティバス「かわせみ」(大人180円・小児90円)で周りの市の駅に出るか、車で送る形になります。たとえばplaisirは神奈中バス「弥生神社前」から徒歩4分と、県の紹介ページに書かれています。
綾瀬市の教育支援教室はどこにありますか。無料ですか。
2026年4月から、綾瀬市早川城山一丁目3番8号の総合教育支援センター「あやぴぃす」内に移りました(「嫁ケ久保」バス停から徒歩3分)。開室は9:30〜14:30(土日祝を除く)です。費用は公式ページに記載がなく、確認できませんでした。この記事では推測で「無料」とは書いていません。
教育支援教室に通うには、まずどこに連絡すればいいですか。
市の「よくある質問」では、まず学校の担任やスクールカウンセラー、または総合教育支援センターの相談専用電話(0467-79-0222・平日9〜15時)に相談するよう案内されています。学校を通さず、保護者が相談電話に直接かけても大丈夫です。
綾瀬市の不登校の人数はどれくらいですか。
市教育委員会の整備基本構想(令和6年3月)によると、令和4年度は3.6%で248人(全国平均3.2%)でした。令和2年度の155人から2年で約1.6倍です。市は2043年に約434人になる見込みも示しています。令和5年度以降の人数は、市の公表資料では確認できませんでした。
綾瀬市にフリースクールの利用料の補助はありますか。
綾瀬市の公式サイトでは、保護者向けのフリースクール利用料や交通費の補助は確認できませんでした。神奈川県が支援している市町村の補助事業の実施市町(相模原市・鎌倉市・海老名市・藤沢市・葉山町・二宮町)にも、綾瀬市は含まれていません。
フリースクールに通うと、学校の出席扱いになりますか。
出席扱いにするかどうかは、在籍している学校の校長が判断します。今回紹介した施設のうち、星槎の厚木相談室チャレンジスクールは「出席状況は毎月末、在籍校へ送っています」、IDEAコミュニティカレッジは在籍校長の許可のもと出席日数にカウントされる旨を公式に書いています。plaisirは「在籍校や関係支援諸機関と密に連携を図ります」としています。
オンラインのフリースクールでも、学校の出席扱いになりますか。
文部科学省の考え方では、自宅でのICTを使った学習も、一定の要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできるとされています。判断するのは在籍校の校長なので、まず学校に相談してください。たとえばNIJINアカデミーは、出席認定を「希望者の97%」と公式サイトで公表しています。検討しているスクールがあれば、在籍校とのやりとりをどこまで手伝ってもらえるかを聞いておくと安心です。
費用をいちばん抑えられるのはどこですか。
公式・県の資料で確認できた範囲では、座間市のミナクルあすなろの家(1日200円・火木)がいちばん安く通えます。平日毎日通える施設では、1回ごとに払えるplaisir(1回3,000円・10回以上は月30,000円)とSACHI station(1日3,500円)が、少ない回数から試しやすい料金体系です。
まとめ
綾瀬市でフリースクールを探すときに押さえておきたいことを、もう一度まとめます。
- 綾瀬市の不登校は令和4年度に248人(3.6%)で全国平均を上回り、市は今後も増える見通しを示している
- 市内に鉄道駅がなく、県の一覧に市内の団体は0件。平日に通える施設は隣の海老名市(plaisir・SACHI station・IDEA)と座間市(ミナクル)、厚木市(星槎)にある
- 市の公的な受け皿は、2026年4月に開いた「あやぴぃす」の教育支援教室(ルピナス教室・9:30〜14:30)。相談は学校か相談専用電話(0467-79-0222)へ。費用と出席の扱いは公式ページで確認できなかった
- 保護者向けの利用料補助は確認できなかった。県の補助は6市町の事業が対象で、綾瀬市は含まれていない
- 移動の負担が大きい市なので、オンラインと対面の組み合わせも現実的な選択肢になる
最初の一歩としては、①相談専用電話(0467-79-0222)で、ルピナス教室の費用と出席の扱い、見学の方法を聞く、②綾瀬市を対象地域に挙げているplaisirの初回無料体験を申し込む、の2つを同じ週に進めるのがおすすめです。市の窓口と民間の施設を並べて比べられるので、お子さんに合う場所を選びやすくなります。焦らず、お子さんのペースで進めていきましょう。

この記事の内容を確かめるための一次資料
- 綾瀬市「教育支援教室(ルピナス教室)」
- 綾瀬市「よくある質問(不登校の相談)」
- 綾瀬市「教育相談」
- 綾瀬市教育委員会「(仮称)綾瀬市総合教育支援センター整備基本構想」(令和6年3月)
- 広報あやせ 令和8年4月1日号
- 綾瀬市「令和7年度版 綾瀬の教育」
- 綾瀬市「区画整理事業」(市内に鉄道駅がないことの記載)
- 綾瀬市「コミュニティバス かわせみ」
- 神奈川県「フリースクール等の紹介」(令和8年度・2026年7月2日更新)
- 神奈川県「フリースクール等に通う子どもへの支援(市町村による取組を支援)」(2026年5月20日更新)
- 神奈川県「令和6年度 児童・生徒の問題行動・不登校等調査」(2025年10月29日発表)
- 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)について」
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日・自宅でのICT等を活用した学習活動の出席扱い)
- 神奈川県 団体シート「フリースクールplaisir」
- 神奈川県 NPO紹介「NPO法人grand-mere(plaisir)」
- フリースクール SACHI station 公式サイト
- IDEAコミュニティカレッジ 公式サイト
- ミナクルあすなろの家 公式サイト
- 神奈川県 団体シート「ミナクルあすなろの家」
- 星槎教育研究所 厚木相談室 チャレンジスクール 公式サイト
- 神奈川県 団体シート「星槎教育研究所 厚木相談室チャレンジスクール」
- 神奈川県 NPO紹介「ふぃーか」
- NIJINアカデミー 公式サイト(累計入学者数・出席認定率・学費・メタバース校舎・教育モデル)
※確認日:2026年9月29日
文責:にじいろ編集部
公開日:2026年9月29日 / 最終更新:2026年9月29日


