「キャリア教育」と聞くと、将来の職業を決めることや、中学・高校での職場体験を思い浮かべるかもしれません。でも、キャリア教育は小学校から始まっていて、家庭の毎日の中にも、その力を育てる機会がたくさんあります。
キャリア教育は、一人一人が社会の中で自分らしく生きていくために必要な力を育てる教育で、職業を早く決めることが目的ではありません。家庭では、お手伝いを任せる、働く人の話を聞く、自分の好きを言葉にする、計画を立ててふりかえる、といった日常の関わりで、学校が育てる4つの力を後押しできます。
にじいろは株式会社NIJINが運営し、この記事で紹介するNIJIN放課後プロジェクトスクールも同社の事業です。
キャリア教育とは|職業を決めるための教育ではない
中央教育審議会の答申(2011年)では、キャリア教育を「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と定義しています。学習指導要領でも、学ぶことと自分の将来とのつながりを見通しながら、必要な力を身につけられるよう、キャリア教育の充実が求められています。
ここでいう「キャリア」は職業だけでなく、家庭や地域での役割も含めた、生き方全体を指します。小学生のうちは、自分を知り、人と関わり、やってみる経験を重ねることが中心です。
学校で育てる4つの力(基礎的・汎用的能力)
| 力 | どんな力か | 小学生の姿の例 |
|---|---|---|
| 人間関係形成・社会形成能力 | 多様な人の考えを理解し、協力して社会に参加する力 | 友達の意見を聞く、係の仕事を分担する |
| 自己理解・自己管理能力 | 自分のよさや得意を知り、行動を調整する力 | 好きなことを言葉にする、時間を守る |
| 課題対応能力 | 課題を見つけ、計画を立てて解決する力 | 困ったことの原因を考え、工夫する |
| キャリアプランニング能力 | 働くことの意味を理解し、将来を考えて選ぶ力 | なりたい自分を想像し、今できることを選ぶ |
この4つは、分野や職種にかかわらず社会で必要とされる基盤の力として整理されています。どれも、学校だけでなく家庭や地域の経験の中で育っていきます。
家庭や学校に加えて、企業や自治体と組むプロジェクトを通して、社会とつながる体験ができる場もあります。活動内容と参加条件を公式サイトで確かめてください。
家庭で始める5つのこと
- お手伝いを「役割」として任せる洗濯物をたたむ、食卓を整えるなど、家族の一員として担う仕事をつくります。続けることで、責任感と自己管理の力につながります。
- 働く人の話を聞く家族や親戚、近所の人に、仕事の楽しさや大変さを聞いてみます。仕事の工夫が具体的に見えてきます。
- 「好き」を言葉にする何が好きで、なぜ好きなのかを話してもらいます。自分を知る第一歩です。
- 小さな計画を立ててふりかえる週末の予定や買い物の計画を立て、終わったらうまくいったことを話します。
- 家族の前で発表する調べたことや作ったものを、家族に説明する機会をつくります。

学年別|家庭での関わり方の目安
身近な仕事に気づく時期。お店の人や働く家族の様子を一緒に見て、「どんなお仕事かな」と話します。
役割を果たす喜びを知る時期。家の仕事を一つ任せ、続けられたことを認めます。
自分の得意や将来を考え始める時期。興味のある仕事を調べたり、体験に参加したりします。
結果より、工夫や挑戦したことを言葉にしてほめる。親が答えを先に出しすぎない。
学年はあくまで目安です。子どもの興味や性格に合わせて、できることから始めましょう。
学校の外で、社会とつながる体験を選ぶ
| 種類 | 例 | 確認すること |
|---|---|---|
| お仕事体験施設 | 職業を模擬体験できるテーマパーク | 費用、予約、対象年齢 |
| 自治体・地域の催し | 職業体験、地域の大人との交流 | 広報誌や教育委員会の案内 |
| 起業体験・出店 | キッズフリマ、ビジネスコンテスト | 出店料、準備期間、保護者の付き添い |
| プロジェクト型の活動 | 企業や自治体の課題に、仲間と取り組む | 活動日、テーマ、継続の形 |

単発の体験は興味を広げるきっかけに、継続する活動は力を深める機会になります。両方を組み合わせると、子どもの「やってみたい」が育ちやすくなります。
実例|企業や自治体と組むプロジェクトで、社会とつながる
NIJIN放課後プロジェクトスクールは、小中学生がオンラインのメタバース校舎に集まり、仲間とプロジェクトに取り組む放課後のスクールです。公式サイト(2026年10月28日確認)では、週1回のクラス会議(月曜・水曜の17:00〜18:00の2クラス)、自由に活動できる金曜日、月2回の発表会が紹介されています。企業や自治体と組むプロジェクトもあり、いまの学校に通いながら参加できます。
本物の相手に向けて企画を考え、発表し、ふりかえる流れは、キャリア教育の4つの力を使う場面にあたります。どんなテーマに取り組めるかは時期によって違うため、体験会で確かめてください。
出典:PJ公式サイトの紹介内容をもとに編集部が整理。
よくある質問
小学生のうちに、将来の夢を決めたほうがいいですか?
決める必要はありません。夢は何度変わってもよいものです。いろいろな人や仕事に出会い、自分の好きや得意に気づく経験を重ねることが大切です。
共働きで、子どもと話す時間が少ないです。
親の仕事の話を短く伝えるだけでも、子どもにとっては身近な働く人の話になります。食事や移動の時間に「今日はこんな工夫をしたよ」と話してみましょう。
キャリア教育と非認知能力は関係がありますか?
人と協力する力や、自分を知り行動を調整する力は、非認知能力とも重なります。関連記事の「非認知能力が育つ習い事とは?」もあわせて読んでみてください。

社会とつながる「やってみた」を、放課後に。
企業や自治体と組むプロジェクトに、全国の仲間と取り組む。NIJIN放課後プロジェクトスクールでは、自分で決め、協力し、発表するまでを経験できます。子どもの興味に合うテーマがあるか、体験で確かめられます。
写真:PJ公式サイト掲載の活動風景。小学生・中学生対象。最新の活動・募集状況は公式案内をご確認ください。
あわせて読みたい
- 千葉県教育委員会|キャリア教育について(定義と学習指導要領での扱い)
- 厚生労働省|キャリア教育で育成すべき「基礎的・汎用的能力」(中央教育審議会答申 2011年をもとに整理)
- NIJIN放課後プロジェクトスクール公式サイト
家庭での関わり方の例は編集上の提案です。子どもによって合う方法や変化には個人差があります。
監修:佐藤仁美(作業療法士/NIJINアカデミー東金校 教室長)


