「学生時代に力を入れたこと」を聞かれる就職活動。そこで、留学やボランティアなどの経験の差を感じる大学生が多いことが、調査でわかってきました。子どもの頃の体験の差は、時間をかけて大人になってからの選択肢にもつながる可能性があります。
2026年卒の大学生への調査では、7割以上が就活で何らかの格差を感じ、最も多かったのは「学生時代の経験の格差」(35.3%)でした。子どもの頃の体験が豊富な大人ほど、意欲やコミュニケーション力が高い傾向を示す調査もあります。小学生のうちから、お金をかけすぎずに「自分で選び、やり切り、言葉にする」体験を重ねることが、将来の土台になります。
にじいろは株式会社NIJINが運営し、この記事で紹介するNIJIN放課後プロジェクトスクールも同社の事業です。
大学生の7割以上が、就活で「格差」を感じている
マイナビキャリアリサーチLabが紹介した2026年卒の大学生の調査では、就職活動で格差を感じたことが「特にない」学生は27.0%でした。つまり、7割以上の学生が何らかの格差を感じていたことになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学生時代の経験 | 学業や、学業以外の体験に関する経験格差。35.3%で最も多い |
| 大学 | 大学名による扱いの違い |
| 地域 | 住んでいる地域による、説明会や企業との接点の違い |
| 情報 | 就職活動について得られる情報の差 |
学生の声としては、留学などの経験が高く評価される一方で、その経験は家庭の経済状況に左右される、という意見も紹介されています。
子どもの頃の体験と、大人になってからの力
国立青少年教育振興機構は、20代から60代の5,000人を対象に、子どもの頃の体験と大人になってからの資質・能力の関係を調べています。この研究では、へこたれない力、意欲、コミュニケーション力、自己肯定感の4つを「社会を生き抜くために必要な資質・能力」と位置づけて分析しています。
また、同機構の令和元年度の調査では、家庭の背景にかかわらず、自然体験が多い子どもほど自己肯定感が高く、自分で行動する習慣が身についている傾向が示されました。体験の機会そのものに家庭による差があることは、関連記事「体験格差とは?」で詳しく紹介しています。
これらは「傾向」を示す調査で、体験さえ多ければ就職がうまくいく、という因果関係を示すものではありません。体験の量より、どう関わり、何を感じたかが大切です。
家庭や地域の体験に加えて、仲間と企画し、発表するところまで経験できるオンラインの活動もあります。活動内容と参加条件を公式サイトで確かめてください。
就活で評価される「経験」は、特別な体験だけではない
就職活動で問われるのは、留学や大会での実績のような特別な経験だけではありません。自分で課題を見つけ、周りと協力し、うまくいかなかったときにどう工夫したか、という経験のプロセスを自分の言葉で語れるかが大切にされます。
これは、子どもの頃の体験にも当てはまります。家族のために料理の献立を考える、地域の行事で役割を担う、友達と企画を最後までやり切る。どれも、大がかりなお金をかけずにできる体験です。

小学生のうちに家庭でできる、体験の積み方
- 自分で選ぶ行き先や遊び方、手伝う家事など、小さなことから本人に選んでもらいます。
- 最後までやってみる途中で形を変えてもよいので、終わりを決めて取り組みます。
- 人と関わる家族以外の大人や、年齢の違う子と関わる機会をつくります。
- 言葉にしてふりかえる「何が楽しかった?」「次はどうしたい?」と聞き、本人の言葉で話してもらいます。
- 誰かに発表する家族の前で話す、作品を見せるなど、伝える経験を重ねます。

特に5の「発表する」経験は、将来の面接やプレゼンテーションの練習にもなります。人前で話すのが苦手な子には、少人数や家族の前から始めるのがおすすめです。
学校のキャリア教育とのつながり
学校では、一人一人の社会的・職業的自立に向けて必要な力を育てる「キャリア教育」が、小学校から行われています。キャリア教育で育てたい力には、人と関わる力、自分を理解し管理する力、課題に対応する力、将来を計画する力が挙げられています。
家庭での体験は、こうした力を学校の外で使ってみる機会になります。家庭でできるキャリア教育については、関連記事で具体的に紹介しています。
実例|発表まで経験できる、オンラインのプロジェクト
NIJIN放課後プロジェクトスクールは、小中学生がオンラインのメタバース校舎に集まり、仲間とプロジェクトに取り組む放課後のスクールです。公式サイト(2026年10月28日確認)では、週1回のクラス会議(月曜・水曜の17:00〜18:00の2クラス)、自由に活動できる金曜日、月2回の発表会が紹介されています。企業や自治体と組むプロジェクトもあり、いまの学校に通いながら参加できます。
月2回の発表会は、自分が取り組んだことを人に伝える練習の場にもなります。どんなプロジェクトがあるか、発表の形はどうかは、体験会で確かめてください。
出典:PJ公式サイトの紹介内容をもとに編集部が整理。
よくある質問
小学生から就活を意識する必要はありますか?
就活を目標にする必要はありません。子どもが夢中になれる体験を重ね、それを言葉にする習慣をつけることが、結果として将来の土台になります。
費用をかけられないと、不利になりますか?
特別な体験でなくても、自分で選び、工夫し、ふりかえる経験は家庭や地域でつくれます。図書館や自治体の催しなど、無料の機会も活用しましょう。
どんな体験から始めればいいですか?
子どもが興味を持っていることから始めるのがいちばんです。家族への小さな発表会や、料理・買い物の計画など、家の中の挑戦から始められます。

選んで、やり切って、言葉にする放課後へ。
仲間と企画を考え、取り組み、発表するところまで。NIJIN放課後プロジェクトスクールでは、企業や自治体と組むプロジェクトにも取り組んでいます。子どもが夢中になれるテーマがあるか、体験で確かめられます。
写真:PJ公式サイト掲載の活動風景。小学生・中学生対象。最新の活動・募集状況は公式案内をご確認ください。
あわせて読みたい
- マイナビキャリアリサーチLab|「地域・体験・情報格差」就活の“見えない壁”に迫る
- 国立青少年教育振興機構|青少年の体験活動等に関する意識調査(令和元年度調査)
- 国立青少年教育振興機構の調査研究「子どもの頃の体験がはぐくむ力」の紹介(枚方市立菅原小学校 学校だより)
- 厚生労働省|キャリア教育で育成すべき「基礎的・汎用的能力」(中央教育審議会答申 2011年をもとに整理)
- NIJIN放課後プロジェクトスクール公式サイト
調査結果は各調査の対象・方法にもとづくもので、体験と就職の結果の因果関係を示すものではありません。数値は各出典の要約です。
監修:佐藤仁美(作業療法士/NIJINアカデミー東金校 教室長)


