中学生になると、自分でお金を稼いでみたい、社会に何かを届けたいという気持ちが具体的になる子がいます。一方で、部活や定期テスト、校則もあり、どこまで挑戦してよいのか迷う家庭も多いはずです。実例を手がかりに、中学生の起業体験の始め方を整理します。
親の同意とサポートがあれば、中学生でも会社をつくって事業を始められます。実例では、親が代表者として登記する「親子起業」や、学校に事業計画を説明して許可を得る形がとられています。まずは家庭と学校に相談し、小さく試してふりかえるところから始めるのが現実的です。
にじいろは株式会社NIJINが運営し、この記事で紹介するNIJIN放課後プロジェクトスクールも同社の事業です。
中学生の起業は、どんな形で始まる?
会社法には発起人の年齢制限がなく、未成年者は親権者などの同意があれば会社の設立に関われます。ただ、中学生が代表者として登記するには書類の面で難しさがあるため、親が代表取締役、子どもが「社長」として事業を担う「親子起業」という形が知られています。
親子起業などの形で法人を設立し、商品やサービスを提供する。
新聞やWebメディア、作品の発信など、会社をつくらずに活動する。
授業や生徒会、地域との協働で、模擬会社や販売を体験する。
自治体や民間の起業家育成プログラム、ビジネスコンテストに挑戦する。
実例|中学生で会社をつくった加藤路瑛さん
12歳、中学1年生で親子起業
加藤路瑛さんは2018年、中学1年生の12歳で母親と「親子起業」の形で会社を設立しました。小中高生が書き手になる職業探究のWebメディアから始め、のちに感覚過敏の人に向けた商品の開発・販売へと事業を広げています。
起業のきっかけは、小学生で起業した人が考えたカードゲームとの出会いでした。家族に相談したうえで学校に事業計画書を出し、校長先生への説明を経て活動を始めたと語っています。
この例からわかるのは、家族と学校に順番に相談し、計画を言葉にして説明したことが、挑戦を続けられる土台になったという点です。
学校や地域のプログラムに加えて、オンラインで全国の仲間と社会に向けたプロジェクトに取り組む選択肢もあります。中学生が参加できるか、活動内容と条件を公式サイトで確かめてください。
会社をつくらずに活躍する中学生もいる
中学1年生が一人で新聞を発行
中学1年生の川中だいじさんは「日本中学生新聞」を一人で立ち上げ、SNSでの発信を通じて多くの読者を集めました。会社をつくらなくても、自分の関心を形にして社会に届けている例です。
ほかにも、作品をSNSで発信する、地域のイベントで企画を担当するなど、個人で活動を広げている中学生はいます。収益の有無にかかわらず、「自分で決めて、続けて、誰かに届ける」経験は、起業と共通しています。
発信や販売を始める前に、本名や学校が特定される情報の扱い、お金のやりとりの窓口(保護者)、困ったときの相談先を家庭で決めておきましょう。
学校・自治体の起業体験プログラム
文部科学省は小・中学校等における起業体験活動の実践事例集をまとめており、中学校で生徒が株式会社の形で商品を販売した例などが紹介されています。愛知県では2022年から小中高生向けの起業家精神育成プログラムを行い、中学生は起業家の講演や事業計画づくり、模擬販売、決算までを体験しています。
| 形 | 向いている子 | 確認すること |
|---|---|---|
| 学校の授業・活動 | まず仲間と一緒に試したい | 学校の取り組みの有無、参加の仕方 |
| 自治体のプログラム | 専門家の話を聞き、計画を立ててみたい | 対象地域・学年、日程、費用 |
| ビジネスコンテスト | アイデアを発表して評価を受けたい | 応募条件、発表の形、準備期間 |
| オンラインのプロジェクト | 地域を越えて仲間と継続的に取り組みたい | 活動日、部活との両立、端末 |

家庭と学校への相談の進め方
- やりたいことを1枚にまとめる何を、誰に、なぜ届けたいのかを書きます。
- 家族で、お金と時間の線引きを決める使ってよい金額、勉強や部活との時間の配分を話し合います。
- 学校に確認する校則でアルバイトやメディア出演を制限している場合もあるため、担任の先生に相談します。
- 小さく試す知り合いに使ってもらう、イベントで少しだけ販売するなど、失敗しても困らない規模で始めます。
- ふりかえりを記録するうまくいったこと、困ったことを書き残し、次の計画に生かします。

中学生は、自分で考えて決めたい気持ちが強くなる時期です。親は先回りして決めすぎず、お金や契約、安全など大人が責任を持つ部分を担うと、子どもは自分の事業として取り組めます。
実例|部活と両立しながら、オンラインで社会とつながる
NIJIN放課後プロジェクトスクールは、小中学生がオンラインのメタバース校舎に集まり、仲間とプロジェクトに取り組む放課後のスクールです。公式サイト(2026年10月28日確認)では、週1回のクラス会議(月曜・水曜の17:00〜18:00の2クラス)、自由に活動できる金曜日、月2回の発表会が紹介されています。企業や自治体と組むプロジェクトもあり、いまの学校に通いながら参加できます。
週1回のクラス会議が基本で、それ以外の日にどれだけ活動するかは本人が決められる設計のため、部活や塾と並行しやすい形です。ただし、家での作業時間の目安などは子どもによって違うため、体験会で確かめてください。
出典:PJ公式サイトの紹介内容をもとに編集部が整理。
よくある質問
中学生の起業は、内申や受験に影響しますか?
活動そのものが不利になるとは限りませんが、校則や学校の方針によって扱いが変わります。始める前に学校に相談し、勉強や生活のバランスを家庭で確認しておくと安心です。
部活で忙しくても挑戦できますか?
毎日の活動が必要なものばかりではありません。週1回の活動や、長期休みに集中して取り組むプログラムもあります。続けられる頻度から選びましょう。
親に起業の知識がなくても大丈夫?
親がすべてを知っている必要はありません。自治体の窓口やプログラム、専門家の力を借りながら、子どもと一緒に調べる姿勢が支えになります。

社会に届けたい気持ちを、仲間と形にする。
自分の関心から企画を立て、仲間と相談し、本物の相手に届けるところまで。NIJIN放課後プロジェクトスクールは、部活や塾と並行しやすい週1回のクラス会議を軸にしています。今の生活に無理なく合うか、体験で確かめられます。
写真:PJ公式サイト掲載の活動風景。小学生・中学生対象。最新の活動・募集状況は公式案内をご確認ください。
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- J-CAST会社ウォッチ|12歳で起業した加藤路瑛さんのインタビュー
- リセマム|中学1年生で社長になった加藤路瑛さんの取材記事
- 東洋経済オンライン|小学生で起業した13歳社長のインタビュー
- 文部科学省|小・中学校等における起業体験活動実践事例集
- 愛知県|小中高生起業家精神育成事業の成果レポート
- NIJIN放課後プロジェクトスクール公式サイト
紹介した実例は報道された個別の事例で、同じ結果を保証するものではありません。会社の設立や税金、校則については、専門家や学校にご確認ください。
監修:佐藤仁美(作業療法士/NIJINアカデミー東金校 教室長)


