「非認知能力が育つ習い事」という言葉をよく見かけるようになりました。でも、非認知能力とは何なのか、どの習い事を選べばいいのかは、意外とはっきりしません。この記事では、公的な資料の整理をもとに、習い事を選ぶときの見方をまとめます。
非認知能力は、テストの点数のような認知能力以外の力で、OECDは「目標の達成」「他者との協働」「情動の制御」の3つに整理しています。特定の習い事だけで育つものではなく、どの習い事でも、自分で決める・仲間と協力する・うまくいかないときに立て直す場面があるかが大切です。
にじいろは株式会社NIJINが運営し、この記事で紹介するNIJIN放課後プロジェクトスクールも同社の事業です。
非認知能力とは|OECDの3つの整理
非認知能力は、知識や思考力などの「認知能力」以外の力を指す言葉です。研究者によって呼び方や範囲が違い、OECD(経済協力開発機構)は、そのうち社会や経済での成功に関わり、測ることができ、伸ばすことができるものを「社会情動的スキル」と呼んでいます。文部科学省の会議資料でも、この整理が紹介されています。
| カテゴリー | 含まれる力 | 子どもの姿の例 |
|---|---|---|
| 目標の達成 | 忍耐力、自己抑制、目標への情熱 | 練習を続ける、やると決めたことに取り組む |
| 他者との協働 | 社交性、敬意、思いやり | 仲間と相談する、相手の意見を聞く |
| 情動の制御 | 自尊心、楽観性、自信 | 失敗しても気持ちを立て直す、自分を認める |
学校の学習指導要領でいう「学びに向かう力、人間性等」も、こうした力と重なる部分があります。
「この習い事なら育つ」とは言い切れない理由
非認知能力は、特定の習い事に通えば自動的に身につくものではありません。同じサッカーでも、指示どおりに動くだけの練習と、仲間と作戦を考えて試す練習とでは、経験の中身が違います。
つまり、見るべきなのは習い事の種類より、その場でどんな経験ができるかです。次の章では、習い事の種類ごとに、育ちやすい場面と確かめたいポイントを整理します。

スポーツや芸術の習い事に加えて、仲間と企画し、発表するプロジェクト型の活動もあります。どんな場面があるか、活動内容と参加条件を公式サイトで確かめてください。
習い事の種類別|育ちやすい場面と確認ポイント
| 習い事 | 育ちやすい場面 | 見学で確かめたいこと |
|---|---|---|
| チームスポーツ | 仲間との連携、勝ち負けの受け止め | 子ども同士で話し合う時間があるか |
| 個人スポーツ・武道 | 目標を決めて練習を続ける | 小さな目標を本人と決めているか |
| 音楽・美術 | 表現を試す、発表で緊張と向き合う | 失敗しても試し直せる雰囲気か |
| プログラミング・ものづくり | 試行錯誤、うまくいかない原因を探す | 完成形を押しつけず、工夫を認めているか |
| プロジェクト型の活動 | テーマを決め、仲間と役割を分け、発表する | 子どもが決める場面がどれだけあるか |
どの習い事にも長所があります。子どもが楽しく続けられることが、何より大切です。
習い事を選ぶときの3つのチェック
- 自分で決める場面があるか:目標ややり方を、子どもが選べる時間があるか
- 仲間と協力する場面があるか:教え合う、相談する、役割を分ける時間があるか
- 失敗を立て直せるか:うまくいかないとき、先生がどう声をかけているか

人前で話すのが苦手な子、集団が苦手な子もいます。参加の形が一つに決まっていないか、本人に合った関わり方ができるかも、確かめておきたいポイントです。
家庭でできる関わり方
非認知能力は、習い事の時間だけでなく、家庭の中でも育ちます。特別な教材は必要ありません。
料理の一品、週末の予定など、小さなことを子どもに任せる。
うまくいかないとき、すぐに答えを出さず、本人が考える時間をとる。
結果より、工夫したことや続けたことを言葉にして伝える。
「何が楽しかった?」「次はどうする?」と本人の言葉を引き出す。
テーマ別に深める|関連記事ガイド
非認知能力の中でも、保護者の関心が高いテーマを個別の記事で詳しく紹介しています。気になるものから読んでみてください。
| 知りたいこと | 記事 |
|---|---|
| 最後までやり抜く力を育てたい | やり抜く力(グリット)を子どもに育てるには? |
| 自分を認める気持ちを育てたい | 自己肯定感が育つ小学生の習い事 |
| 将来につながる力を家庭で育てたい | キャリア教育は家庭でもできる|小学生と始める5つのこと |
| 失敗を怖がる子への声かけ | 失敗を怖がる子どもへの声かけ |
| 自主性を育てたい | 子どもの自主性を育てる親の関わり方 |
| 習い事で伸びる力を比べたい | 子どもの習い事で伸びる力を比較 |
| 好きなことから伸ばしたい | 料理が好きな子を伸ばす/マイクラは遊び?学び?/人前で話すのが苦手な子のプレゼン練習 |
実例|決める・協力する・発表するがそろうプロジェクト
NIJIN放課後プロジェクトスクールは、小中学生がオンラインのメタバース校舎に集まり、仲間とプロジェクトに取り組む放課後のスクールです。公式サイト(2026年10月28日確認)では、週1回のクラス会議(月曜・水曜の17:00〜18:00の2クラス)、自由に活動できる金曜日、月2回の発表会が紹介されています。企業や自治体と組むプロジェクトもあり、いまの学校に通いながら参加できます。
公式の教育モデルでは、社会で挑戦し、対話でふりかえり、学びを言葉にして、再び社会で生かすという4つの段階を行き来すると説明されています。非認知能力の3つのカテゴリーにあたる場面が、活動の中に組み込まれているかを体験で確かめてみてください。
出典:PJ公式サイトの紹介内容をもとに編集部が整理。
よくある質問
非認知能力は何歳までに育てるべきですか?
幼児期の大切さがよく言われますが、小学生以降も、さまざまな経験を通して伸びていくとされています。年齢で焦らず、今の子どもに合った経験を重ねましょう。
非認知能力は測れますか?
OECDは測定できるものを社会情動的スキルとして整理していますが、家庭で数値にする必要はありません。子どもの様子の変化を、本人と一緒にふりかえる程度で十分です。
習い事を増やせば、非認知能力も伸びますか?
数を増やすより、一つの場で自分で決め、協力し、立て直す経験ができるかが大切です。疲れすぎると逆効果になることもあります。

決めて、協力して、伝える放課後へ。
自分でテーマを決め、仲間と相談しながら形にし、発表する。NIJIN放課後プロジェクトスクールでは、こうした流れを週1回のクラス会議を軸に進めています。子どもに合った関わり方ができるか、体験で確かめられます。
写真:PJ公式サイト掲載の活動風景。小学生・中学生対象。最新の活動・募集状況は公式案内をご確認ください。
あわせて読みたい
- 文部科学省 教育課程企画特別部会 参考資料(2025年4月25日)|非認知的能力(社会情動的スキル)の捉え方
- 国立青少年教育振興機構|青少年の体験活動等に関する意識調査(令和元年度調査)
- NIJIN放課後プロジェクトスクール公式サイト
家庭での関わり方の例は編集上の提案です。子どもによって合う方法や変化には個人差があります。
監修:佐藤仁美(作業療法士/NIJINアカデミー東金校 教室長)


