「すぐに飽きてしまう」「習い事が続かない」。子どものやり抜く力が気になる保護者は多いものです。でも、やり抜く力は、我慢を強いることで育つわけではありません。好きなことに夢中になり、小さな目標を越える経験の積み重ねで育っていきます。
やり抜く力(グリット)は、長期的な目標に向かって、情熱と粘り強さを持ち続ける力です。OECDの整理では「目標の達成」(忍耐力、自己抑制、目標への情熱)にあたります。育てるには、本人が夢中になれるテーマを選び、小さな目標を一緒に決め、失敗したときに立て直す経験を重ねることが大切です。合わないものを無理に続けさせる必要はありません。
にじいろは株式会社NIJINが運営し、この記事で紹介するNIJIN放課後プロジェクトスクールも同社の事業です。
やり抜く力(グリット)とは
やり抜く力は、英語の「グリット(grit)」の訳として広まった言葉で、長い目標に向かって情熱と粘り強さを持ち続ける力を指します。心理学の研究から注目され、才能だけでなく、この力が成果に関わるといわれるようになりました。
非認知能力を整理したOECDの社会情動的スキルでは、「目標の達成」というカテゴリーに、忍耐力・自己抑制・目標への情熱が含まれています。やり抜く力は、このカテゴリーとほぼ重なる力と考えられます。
やり抜く力は「我慢する力」とは違います。嫌なことをひたすら耐えるのではなく、自分が大切だと思う目標に向かって、工夫しながら続ける力です。
やり抜く力が育つ、4つの経験
好きなこと、面白いと感じることに出会う。情熱の出発点です。
少し頑張れば届く目標を決め、達成する経験を重ねる。
うまくいかなかった理由を考え、やり方を変えて再挑戦する。
自分の取り組みが、誰かの役に立つ、喜ばれると実感する。
この4つは、特定の習い事だけで得られるものではありません。遊びや家のお手伝い、友達との企画の中でも経験できます。

習い事に加えて、自分で決めたテーマを長い期間かけて形にしていくプロジェクト型の活動もあります。活動の流れと参加条件を公式サイトで確かめてください。
続けやすい習い事の条件
| 条件 | 理由 | 見学で確かめたいこと |
|---|---|---|
| 本人が興味を持っている | 情熱がないと、粘り強さも続きにくい | 体験のあと「またやりたい」と言ったか |
| 目標が段階的に設定されている | 小さな達成を重ねられる | 級や課題、発表など、区切りがあるか |
| 失敗を責めない雰囲気 | 挑戦をやめずにすむ | 先生がミスにどう声をかけているか |
| 生活に無理がない | 疲れすぎると続かない | 頻度、時間帯、送迎の負担 |
続かないのは、子どもの意志が弱いからとは限りません。時間帯や人間関係、内容が合っていないこともあります。
「やめたい」と言われたら|やめどきの考え方
習い事をやめたいと言われると、やり抜く力が育たないのでは、と心配になります。でも、合わないことを無理に続けるより、理由を整理して次の選択につなげるほうが大切な場合もあります。
- 活動そのものが嫌になった? それとも、先生や仲間、時間帯が合わない?
- 一時的に疲れているだけ? しばらく続いている気持ち?
- やめたら、代わりにやってみたいことはある?
- 「ここまでやってから決める」という区切りをつけられる?
「次の発表会まで」「今月まで」など区切りを決めて取り組み、そのうえで続けるかを本人と決めるのも一つの方法です。区切りまでやり切った経験そのものが、やり抜く力の練習になります。
家庭での声かけのコツ
| 場面 | 言い換えの例 |
|---|---|
| うまくいったとき | 「すごいね」より「何回も練習したからだね」と、過程を伝える |
| 失敗したとき | 「残念だったね。どこまではできた?」と、できた部分から聞く |
| 途中で投げ出しそうなとき | 「今日はどこまでにする?」と、小さな区切りを本人に決めてもらう |
| 目標を決めるとき | 「どうなったらうれしい?」と、本人の言葉で目標を考えてもらう |

実例|長い期間をかけて、仲間とプロジェクトを形にする
NIJIN放課後プロジェクトスクールは、小中学生がオンラインのメタバース校舎に集まり、仲間とプロジェクトに取り組む放課後のスクールです。公式サイト(2026年10月28日確認)では、週1回のクラス会議(月曜・水曜の17:00〜18:00の2クラス)、自由に活動できる金曜日、月2回の発表会が紹介されています。企業や自治体と組むプロジェクトもあり、いまの学校に通いながら参加できます。
一つのプロジェクトに数週間、数か月と取り組み、途中で発表とふりかえりをはさむ流れは、小さな目標を越えながら長い目標に向かう経験になります。進め方は子どもによって違うため、体験会で確かめてください。
出典:PJ公式サイトの紹介内容をもとに編集部が整理。
よくある質問
何をやっても続かない子は、やり抜く力がないのでしょうか?
まだ夢中になれるものに出会っていないだけかもしれません。いろいろ試す時期があってもよいので、続かなかった理由を一緒にふりかえり、次の選択に生かしましょう。
やり抜く力は、何歳からでも育ちますか?
非認知能力は、小学生以降もさまざまな経験を通して伸びていくとされています。年齢にかかわらず、小さな成功体験を重ねることが大切です。
厳しく言ったほうが、続けられるようになりますか?
厳しさだけでは、活動自体が嫌になってしまうこともあります。目標を本人と決め、過程を認める関わりのほうが、長く続けやすくなります。

自分で決めたことを、最後まで形にする放課後へ。
自分でテーマを決め、仲間と相談しながら、発表まで取り組む。NIJIN放課後プロジェクトスクールでは、週1回のクラス会議を軸に、長い期間をかけてプロジェクトを進めます。子どもが夢中になれるテーマがあるか、体験で確かめられます。
写真:PJ公式サイト掲載の活動風景。小学生・中学生対象。最新の活動・募集状況は公式案内をご確認ください。
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家庭での関わり方の例は編集上の提案です。子どもによって合う方法や変化には個人差があります。
監修:佐藤仁美(作業療法士/NIJINアカデミー東金校 教室長)


