やりたいことがない子の習い事は、将来の夢や得意分野が決まってから始める必要はありません。普段の遊びや会話にある「少し気になる」を拾い、短く試せる体験から選びましょう。好きなことを一つに決めるより、出会う機会と、やめたり選び直したりできる余地をつくることが大切です。
「やりたいことがない」は、意欲がないと同じではない
「何か習いたいものはある?」と聞かれても、知らない活動の中から選ぶのは難しいものです。失敗したくない、続けられるか心配、学校だけで疲れているなど、言葉になっていない理由があることもあります。
まずは「何も興味がない」と決めつけず、好きな動画、何度も見る作品、つい話したくなることに目を向けてみましょう。休む時間が必要なときは、すぐ習い事を増やさなくても構いません。
OECDの「主体性」は、小さく選ぶ経験を考えるヒントに
OECDの「Learning Compass 2030」は、学習者が自分で方向を見いだしていく主体性を重視しています。参考:OECD|Learning Compass 2030。これは、子どもに早く将来の夢を決めさせるための基準ではなく、本人の選択を大切にする学び方を考える参考になります。
本記事では、この考え方を習い事選びに置き換え、「見学するか」「二つのうちどちらを試すか」「次も続けたいか」といった小さな選択から始めることを提案します。保護者は選択肢と必要な手助けを用意し、体験後の感想を一緒に整理してみましょう。
オンラインで「好き」に出会う5つのヒント
1.普段していることを、否定せずに聞く
ゲームや動画は習い事とは関係ない、と切り離す前に、何が楽しいのかを聞いてみます。キャラクターの見た目、建物の仕組み、実況の話し方など、同じ作品でも惹かれるところは違います。
「そんなことより」ではなく「どこが好き?」と尋ねると、本人が説明しやすくなります。話したくないときは質問を重ねず、一緒に見るだけの日があってもよいでしょう。
2.候補を広げすぎず、二つくらいから選ぶ
選択肢を一度にたくさん見せると、違いが分からず「どれでもいい」になりがちです。写真を撮るかゲームをつくるかなど、本人が想像できる活動を少数だけ提示してみましょう。
選べないときは「今日は見るだけ」も候補に入れます。保護者が選んだものを必ず気に入る必要はなく、反応が薄かったことも次の候補を考える材料になります。
3.長く続ける約束より、一回の体験にする
体験前から「始めたら一年は続けよう」と言われると、慎重になる子もいます。まずは一回参加し、合うか一緒に考えると伝える方が、試しやすい場合があります。
オンラインなら移動を伴わずに新しい分野に触れられます。ただし、初めての先生や画面越しの会話への緊張は残ります。接続練習や保護者の同席について、事前に相談しておきましょう。
4.上手さより「もう少し」を手がかりにする
完成度や他の子との比較だけでは、本人の興味は見えにくくなります。途中で質問した、終わってから作品を見直した、次のアイデアを話したなど、小さな動きを見てみてください。
体験後は「向いていたね」と決めつけず、「どこをもう少しやりたい?」と尋ねます。反応がなければ「疲れたところは?」でも構いません。楽しくなかった体験にも、選ぶための情報があります。
5.テーマを変えながら関われる場所を探す
最初はゲームに興味を持ち、後から絵や動画、イベントづくりに関心が移ることもあります。一つの技術を深める教室だけでなく、テーマや役割を変えられる場も選択肢です。
先生や仲間と関わりながら「自分にもできそう」を見つけるには、成果を急がされない雰囲気が大切です。初心者の受け入れ方や、見学・小さな役割から入れるかを確認しましょう。
家で見つけた興味を、習い事の候補へつなぐ
| 普段の様子 | 試してみる活動 | 最初の小さな一歩 |
|---|---|---|
| ゲームの世界をよく説明する | ゲーム制作・マイクラ | 好きな仕組みを一つ再現してみる |
| キャラクターや画像を眺める | デジタル作品・デザイン | 色や配置を変えて比べる |
| 動画の話をよくする | 動画制作・プレゼン | 短い紹介をつくって家族に見せる |
| 友だちの企画に反応する | 共同プロジェクト | 手伝ってみたい役割を選ぶ |
| まだピンとくるものがない | テーマの異なる単発体験 | 見る・聞くところから参加する |
これは候補を考えるための例で、性格や適性を判定する表ではありません。本人の反応を見ながら、活動内容を柔らかく変えてみてください。
実例|好きな表現者との出会いが、描いてみる入口に
株式会社NIJINの2026年のプレスリリースでは、VTuber・佐佐咲キキさんとの絵チャット企画が紹介されています。普段見ている表現の世界に、実際に手を動かして参加する機会をつくった事例です。
「習い事を決めよう」では気持ちが動かなくても、「この人の描き方を見てみたい」「一緒に何かつくってみたい」なら参加したくなることもあります。特定のゲストへの参加を常時約束するものではありませんが、興味から活動へつなぐ考え方の参考になります。

保護者が焦ってしまうときに、決めておきたいこと
周りが習い事を始めると、取り残されるように感じることがあります。しかし、空いた時間をすべて予定で埋めると、何となく試したり休んだりする余白がなくなります。家庭で使える時間と費用を決め、その範囲で選ぶと相談しやすくなります。
体験の後は、続ける・別のものを試す・少し休む、の三つを同じように扱いましょう。気が進まない理由が操作の難しさなのか、人への緊張なのか、活動内容なのかで、次の一手は変わります。
よくある質問
本当に何も興味を示さないときは?
今すぐ習い事を決めなくても構いません。疲れや予定の多さを見直し、日常の小さな反応を見ながら、短い体験や見学を提案してみましょう。
始めてもすぐ飽きてしまいます。
難しすぎる、簡単すぎる、テーマが変わったなど理由を分けて考えましょう。続かなかった事実だけでなく、何に反応したかを振り返ると次に生かせます。
親が候補を決めてもよいですか?
情報を集めて少数の候補を示すことはできます。最後は本人が試す・見送るを言える余地を残すと、納得して参加しやすくなります。
まとめ|「好き」を答えさせるより、出会える機会を
やりたいことは、考えるだけで見つかるとは限りません。短く試す、他の人の作品を見る、小さな役割を担うといった経験を重ねながら、本人なりの興味が見えてきます。急がず、選び直せる習い事を探してみましょう。

「まだ分からない」から、始めていい。
興味のあるテーマに触れ、仲間の作品を見て、少しだけ手を動かしてみる。NIJINアカデミー放課後プロジェクトスクールで、ゲーム制作やマインクラフト、作品づくりを入口に、自分の「好き」を探してみませんか。
対象は小学生・中学生・高校生(公式料金ページの案内)。募集状況・活動内容・参加条件は最新の公式案内をご確認ください。

