子どもが写真を好きになったら|カメラの選び方・コンテスト・肖像権の基本【2026年版】

写真が好きな子のカメラ選びと、撮った写真の見せ方
スマホを渡すと何十枚も撮っている。カメラを買ってあげたほうがいいのか、スマホで十分なのか——迷っている保護者に向けた記事です。結論から言うと、まずはいま手元にある機材で「撮った写真をどうするか」を作るほうが先です。そのうえで、カメラを選ぶときの基準、応募できるコンテスト、人が写った写真を扱うときの決まりを整理しました。
この記事でわかること
  • スマホとカメラは、何がどう違うのか(センサーサイズ)
  • 公式に価格と対象年齢を確認できた子ども向けカメラ
  • 小中学生が応募できる写真コンテスト
  • 人が写った写真をネットに出すときの決まり(総務省)
  • 撮るだけで終わらせないための3つの習慣
編集部より

この記事の価格は、2026年9月16日時点で各メーカーの公式サイト・ニュースリリースに掲載されていた金額です。実売価格とは異なる場合があります。

目次

まず「撮ったあと」を作る

機材の話の前に、順番の話をさせてください。写真が続く子と続かない子を分けるのは、カメラの性能ではなく撮った写真に行き先があるかどうかです。

撮る → スマホのフォルダに溜まる → 見返さない。この流れだと、どんなに良いカメラを買っても数か月で飽きます。逆に、撮る → 選ぶ → 人に見せる、という一巡があると、次に撮るときの見方が変わります。

だから最初にやることは、機材を買うことではなく、「見せる相手」と「見せる形」を決めることです。家族のグループに毎週1枚だけ送る。プリントして冷蔵庫に貼る。月に1冊、その月のベスト10を作る。どれでも構いません。

スマホとカメラは、何が違うのか

「専用機のほうがきれい」と言われる理由の一つが、イメージセンサーの大きさです。キヤノンの用語集によると、35mmフルサイズは約36×24mm、APS-Cは22.3×14.9mmなど、フォーサーズは約18×13.5mm。コンパクトデジタルカメラは1/1.8型・1/2.3型が主流で、スマートフォンは1/3.2型や1/4型程度のさらに小さい映像素子とされています。

一般に、センサーが大きいほど画質の面で有利になります。ただし、暗い場所や動きの速い被写体でなければ、スマホの写真で困る場面はそう多くありません。差が出るのはどういう場面かを本人が言えるようになってから、機材を検討しても遅くないと考えています。

カメラを構える子ども

公式に確認できたカメラと価格

製品メーカー価格(公式表記)対象年齢
デジタルトイカメラ FUNSHOT株式会社タカラトミー希望小売価格 7,480円(税込)6歳以上
PENTAX WG-90(防水コンパクト)リコーイメージング株式会社66,000円(税別)※2023年11月発表時記載なし
PowerShot V10 ほかキヤノン59,950円〜(オンラインショップ価格)記載なし
instax(チェキ)シリーズ富士フイルム全機種オープン価格記載なし

公式サイトで対象年齢が明記されていたのは、タカラトミーのFUNSHOT(6歳以上)だけでした。他社の製品には年齢の記載がありません。つまり「子ども向けカメラ」というカテゴリは、実際にはあまり明確ではない、ということです。

選ぶときの現実的な基準は次の3つです。

1|落とす前提で選ぶ。防水・耐衝撃をうたうモデル(PENTAX WGシリーズなど)は、水深14mでの水中撮影に対応するものもあります。海や川に持っていくなら候補になります。

2|すぐ見られるか。撮った写真をその場で人に見せられるか、プリントできるか。instaxのようなインスタントカメラは、この一点で子どもの熱量が変わります。

3|親の機材のお下がりで始める。使わなくなったコンパクトデジタルカメラやスマートフォンがあるなら、まずそれで十分です。

応募できるコンテスト

コンテスト主催応募資格
アイデム写真コンテスト「はたらくすがた」株式会社アイデム小学生の部・中学生の部・高校生の部。テーマは「身のまわりで働く大人の姿」(被写体の撮影許可が必要)
中学生・高校生フォトコンテスト「身近な自然史」公益財団法人 藤原ナチュラルヒストリー振興財団中学生・高校生(小学生は対象外)
全国学芸サイエンスコンクール 環境部門(写真)株式会社旺文社(後援:文部科学省、環境省、こども家庭庁)応募資格の学年は公式トップページで確認できず。募集要項での確認が必要

小学生から応募できると公式に確認できたのは、アイデム写真コンテストです。第21回の応募締切は2026年9月16日でした。毎年実施されているので、次回に向けて撮りためるという目標の立て方ができます。

なお、日本写真家協会のJPS展「ヤングアイ」は写真授業を有する大学・専門学校が対象で、小中学生は応募できません。「子ども向け」と紹介されているコンテストでも、応募資格は必ず公式で確認してください。

人が写った写真は、勝手に出せない

ここは、撮る量が増えると必ずぶつかる問題です。

総務省の解説によると、肖像権とは「他人から無断で写真を撮られたり、撮られた写真が無断で公表・利用されないように主張できる権利」で、タレントに限らずすべての人に認められます。写真は「撮った人などが著作権を有するだけではなく、写っている人に肖像権があります」。

そして保護者にとって重要な一文が、同じページにあります。

「自分の子どもの写真であっても、子どもの意思や気持ちを尊重し、承諾を得るようにしましょう」

つまりこれは、子どもに教える話であると同時に、大人が自分の投稿を見直す話でもあります。子どもの写真をSNSに載せる前に本人に聞く。この習慣が、そのまま子ども自身の行動の基準になります。

投稿そのもののリスクについては、総務省「インターネットトラブル事例集」が具体的です。「投稿した写真の背景などから、居場所が分かってしまうこともあります」「どんなに気を付けていても、他のアカウントやSNSの内容を組み合わせると、その人の行動が分かってしまいます」。対策として「『鍵アカ』などで特定の人とだけ共有する方法もあります」「不安や違和感を感じたときは、必ず大人に相談しましょう」とも書かれています。

撮った写真を見せ合う子どもたち

撮るだけで終わらせない3つの習慣

1|1日の終わりに3枚選ぶ。100枚撮ったら、そのうち3枚を選ぶ。選ぶという行為が、写真を見る目を作ります。撮る技術より、選ぶ目のほうが先に伸びます。

2|なぜこれを選んだかを一言そえる。「色がきれいだった」「顔が笑ってた」で構いません。言葉にすると、自分が何を良いと思っているかが見えてきます。

3|同じ場所・同じ被写体を何度も撮る。季節、時間、天気。条件を変えて同じものを撮ると、違いが分かるようになります。これは理科の観察とほとんど同じ作業で、自由研究にもそのまま使えます。

学校では、写真をどう扱うか

写真や映像を学校で扱う根拠について調べたところ、中学校学習指導要領(平成20年告示)の美術には「美術の表現の可能性を広げるために、写真・ビデオ・コンピュータ等の映像メディアの積極的な活用を図るようにすること」という記述がありました。

ただし、現行の平成29年告示版で同じ記述があるかどうかは、今回の取材では確認できませんでした。この記事では、確認できたものを告示年とともに示すにとどめます。

いずれにせよ、学校で写真を扱う時間は多くありません。撮る量も、見せる機会も、家庭でどれだけ作れるかにかかっています。

カメラをのぞく子ども

よくある質問

友だちの写真を撮ってSNSに載せたがります。
写っている人に肖像権があり、公開には許諾が必要になる場合があります。友だち本人だけでなく、その家庭の考え方も違います。「載せる前に本人に聞く」を絶対のルールにしてください。撮ること自体と、公開することは別の行為です。
高価なカメラをねだられています。
「何が撮れないから欲しいのか」を説明できるかどうかを基準にしてみてください。「暗いところでぶれる」「遠くの鳥が小さくしか写らない」と具体的に言えるなら、その不満を解決する機材を一緒に探す段階に来ています。「みんな持ってるから」なら、まだ早いかもしれません。
撮った写真を整理できず、溜まる一方です。
全部を整理しようとすると続きません。「月に10枚だけ残す」と決めて、残りは触らない、という割り切りが現実的です。選ばれた10枚が1年で120枚になれば、それが立派な作品集になります。

まとめ

カメラを買う前に、撮った写真の行き先を作ってください。スマホとカメラの差はセンサーの大きさに表れますが、困る場面を本人が言えるようになるまでは、いまある機材で十分です。小学生から応募できるコンテストも実在します。そして、人が写った写真には肖像権があり、自分の子どもの写真であっても本人の承諾を得るよう総務省が呼びかけています。撮る・選ぶ・見せるの一巡を作れば、あとは勝手に続いていきます。

この記事の内容を確かめるための一次資料

  1. 株式会社タカラトミー ニュースリリース「デジタルトイカメラ FUNSHOT」2025年8月26日(ページ
  2. リコーイメージング「PENTAX WG-90 新発売」2023年11月15日(ページ
  3. キヤノン「PowerShot / IXY カメラ本体」(ページ)/「イメージセンサーサイズ集:写真用語集」(ページ
  4. 富士フイルム「instax カメラ 価格表」(ページ
  5. 株式会社アイデム「アイデム写真コンテスト『はたらくすがた』」(ページニュースリリース
  6. 公益財団法人藤原ナチュラルヒストリー振興財団「中高生フォトコンテスト」(ページ
  7. 株式会社旺文社「全国学芸サイエンスコンクール」(ページ
  8. 総務省「安心・安全なインターネット利用ガイド:肖像権侵害」(ページ
  9. 総務省「インターネットトラブル事例集」事例17(ページ
  10. 文部科学省「中学校学習指導要領(平成20年改訂)第2章 各教科 第6節 美術」(ページ
撮ったものを、見てくれる人がいる場所へ

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文責:にじいろ編集部(編集部について訂正・修正に関する方針
公開日:2026年9月16日 / 最終更新:2026年9月16日
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