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  3. 子どもと釣りを始めるには|道具・費用・ルールと、安全に続けるための準備

子どもと釣りを始めるには|道具・費用・ルールと、安全に続けるための準備

2026 10/16
好きを力に変える方法 学びの選択肢 放課後の居場所
2026年9月16日2026年10月16日
子どもと釣りを始めるには道具・費用・ルールと、安全に続けるための準備
「釣りに行ってみたい」と言われたけれど、道具も場所も分からない。危なくないのかも気になる——そんな保護者に向けた記事です。結論から言うと、竿とリールのセットは4,000円前後から手に入り、無料で釣りができる公園もあります。ただし「どこで釣るか」で必要な準備がまるで変わり、知らずに決まりを破ってしまうこともあります。国土交通省・海上保安庁・水産庁・厚生労働省の公表資料と、実在する漁協・自治体の公式ページにあたって整理しました。
この記事でわかること
  • 海・川・管理釣り場で、必要な準備がどう変わるか
  • 川で釣るのに必要な「遊漁券」と、子どもが無料になる実例
  • 禁漁期間・体長制限・禁止漁法の具体例
  • 知らずに踏みやすい「密漁」の線引きと罰則
  • ライフジャケットの義務の範囲と、着用の有無で生存率がどれだけ変わるか
  • 釣り場が次々と立入禁止になっている理由
  • 釣った魚を食べるときの食中毒対策(厚生労働省)
  • 最初にそろえる道具と、子ども向け体験イベント
編集部より

この記事は、外で体を動かす遊びが学びにつながる場面を取材してきたにじいろ編集部が、国土交通省・海上保安庁・警察庁・水産庁・消費者庁・厚生労働省の公表資料にあたって構成しています。危ないからやめる、ではなく、危ないところだけ先に手当てする、という考え方で書きました。数字は2026年9月17日時点で確認したものです。

目次

まず「どこで釣るか」を決める

釣りの情報が分かりにくいのは、場所によって必要な手続きも道具も安全対策もまったく違うのに、ひとまとめに語られがちだからです。最初に、3つに分けて整理しておきます。

海(堤防・海釣り公園)川・湖管理釣り場
お金無料〜1,000円程度の施設利用料遊漁料が必要な場所が多い入場料・時間料金
事前に調べること立入禁止区域かどうか漁協・遊漁規則・禁漁期間営業日と持ち物
難しさ潮・風の影響を受ける川の流れと足場に注意いちばんやさしい
はじめての家族に足場のよい海釣り公園なら◎大人の下調べが要る最初の1回に向く

結論から言えば、はじめての1回は管理釣り場か、足場が整備された海釣り公園が無難です。「釣れないまま半日終わる」を避けられるうえ、転落のリスクが構造的に低いからです。

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「調べて、試して、人に伝える」を続けられる場所

NIJIN放課後プロジェクトスクールは、子ども自身が「好き」を起点にプロジェクトを立ち上げ、全国の仲間や企業と一緒に進めていく放課後のスクールです。月2回の発表会がYouTubeで生配信され、調べたこと・作ったものを人に伝える機会が毎月あります。今の学校に通いながら参加できます。

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最初にそろえるもの

釣りは道具の幅が広く、上を見ればきりがありません。ただ、始めるだけなら高額な機材は要りません。釣具のポイント(株式会社タカミヤ)のオリジナルブランドの公式ページで確認できた価格は次のとおりです。

商品内容価格
スマイルシップ 万能投げセット 270投げ竿+スピニングリール+ナイロン糸3,800円
同 330同上(長さ違い)3,980円
スマイルシップ チョイキャス II 振出 10-210T竿のみ。堤防の投げ釣り・サビキ釣りに対応4,980円

※いずれも公式ページに税込・税別の表記がありません。なお、ダイワ(グローブライド)の入門用ロッドは公式サイト上すべて「オープン価格」で、価格の記載がありませんでした。価格を確かめてから買いたい場合は、量販店のオリジナルブランドが分かりやすいと言えます。

このほかに必要なものを挙げておきます。

持ち物用途・選び方
ライフジャケット最優先。子どもは体重に合ったサイズを選ぶ(後述)
仕掛け・エサ行き先を店で伝えて選んでもらうのが確実
クーラーボックス/保冷バッグ持ち帰るなら必須。氷も忘れずに
ハサミ・ペンチ糸を切る、針を外す。子ども用には先の丸いものを
タオル・ウェットティッシュ手が魚とエサで必ず汚れます
帽子・日焼け止め・飲み物水辺は日差しが反射して想像以上に強い
ごみ袋これが後半の章の主題になります
タックルボックスに並んだ釣り具

ライフジャケット|義務の範囲と、生存率の差

ここは誤解が多いところです。国土交通省は「平成30年2月からすべての小型船舶の乗船者にライフジャケットの着用を義務化しました」としています。対象は、操船に小型船舶操縦士免許が必要なすべての小型船舶の乗船者です。義務を負うのは船長で、違反すると違反点数2点が付され、再教育講習の受講が必要になります。累積すると最大6か月の免許停止です。

子どもについては重要な規定があります。着用義務にはいくつかの適用除外がありますが、国土交通省のページには「※[4]、[5]、[8]、[9]については12歳未満の小児、水上オートバイの乗船者、1人乗り漁船で漁ろうに従事する者には適用されません。」と明記されています。つまり12歳未満の子どもには、緩和のほうが適用されない——大人より厳しく、常に着用が必要だということです。

サイズは「体重」で選ぶ

国の指定検査機関である日本小型船舶検査機構(JCI)は、小児用について次のように案内しています。「小児用ライフジャケト(1才以上12才未満)は、以下の3種類あります。子供の体格にあったライフジャケットを選びましょう。体重が15kg未満(浮力4.0kg以上)体重が15kg以上40kg未満(浮力5.0kg以上)体重が40kg以上(浮力7.5kgのもの)」(原文ママ)

子どもの体重必要な浮力
15kg未満4.0kg以上
15kg以上40kg未満5.0kg以上
40kg以上7.5kg(=成人用と同じ)

船に乗る場合、原則として「桜マーク」(国土交通省の型式承認試験および検定への合格の印)のあるものが必要です。水産庁の周知資料にも「着用義務の対象となる場合、原則として、桜マークのあるライフジャケットを着用しなければなりません」とあります。安全基準は「水中で浮き上がる力が7.5kg以上あること、顔を水面上に維持できること」です。

着けているかどうかで、これだけ違う

消費者庁が公表している数字が、いちばん分かりやすい説明になります。海上保安庁「令和6年 海難の現況と対策」をもとに、釣り中の海中転落者の死亡・行方不明率を比べたものです。

死亡・行方不明率人数
ライフジャケット非着用約46%126人中58人
ライフジャケット着用約19%54人中10人

落ちた人のうち、着けていなかった人は約半数が亡くなり、着けていた人は約5人に1人でした。同じ「落ちる」でも、結果がここまで変わります。

ただし、着けていれば安心というわけでもありません。消費者庁は「ライフジャケットの効果の1つは、鼻や口を水面上に出し呼吸を確保することです。しかし調節ベルトが緩んでいる、過大なサイズを使用している場合などでは、適切に着用できていないと口が水面上に出ない場合がある」と注意を促しています。「ベルトや股紐を緩みがないようにしっかりと締めましょう」とも書かれています。

ここが大切

法律上の義務は船の上の話ですが、陸からの釣りでも着せる、を家庭の基準にしてください。足場が濡れていること、テトラポッドの隙間、堤防の高さ。子どもが落ちる条件は陸の上にいくらでもあります。「義務ではない」と「安全である」は別の話です。そして大きめを買って長く使う、は水辺では通用しません。今の体重に合うものを選んでください。

ライフジャケットを留める男の子

数字で見る、釣り中の事故

警察庁「令和7年における水難の概況等」(2026年6月18日公表)によると、令和7年中の水難者は1,599人、うち死者・行方不明者は760人でした。行為別に見ると「魚とり・釣り」中の死者・行方不明者は168人で、全体の22.1%を占めます。中学生以下の水難者は177人、うち死者・行方不明者は27人です。

海上保安庁の「令和7年における海難発生状況(速報値)」(2026年1月21日公表)では、マリンレジャーに伴う人身事故者数702人のうち、釣り中の事故者数は213人、死者・行方不明者は69人でした。中学生以下の人身事故者数は86人です。

同資料には、釣り中の事故者数の5年推移も載っています。326人(107人)→265人(82人)→249人(87人)→216人(74人)→213人(69人)。括弧内は死者・行方不明者です。減少傾向にはあるものの、毎年200人を超える人が事故に遭っています。

この2つの統計は調査の対象範囲が違うので、足し算はできません。ただ、どちらを見ても釣りは水難の主要な原因の一つであることは共通しています。

川で釣るなら、遊漁券が要ることが多い

海と川でいちばん違うのがここです。川や湖の多くには漁業権が設定されていて、釣るためにお金を払う必要があります。

水産庁の説明はこうです。「地元の内水面漁協が第5種共同漁業権の免許を受けている水面が多く存在します」「漁協は、その漁場内で組合員以外の者が行う漁業権対象魚種の採捕(遊漁)については、都道府県知事の認可を受けて遊漁規則を定め、一定の制限を行っています」「この遊漁規則には、遊漁料、遊漁承認証、遊漁期間等が定められています」

「川の魚は誰のものでもないのでは」と思われるかもしれませんが、漁協は稚魚の放流や河川の清掃・環境整備を行っており、遊漁料はその費用に充てられています。払うことそのものが、川を維持する仕組みの一部だということです。

子どもは無料・減額になることが多い

ここは、知っておくと家計にも効く話です。実在する漁協の公式サイトで確認できた例を挙げます。

漁協子どもの扱い大人の遊漁料(一例)
大井川非出資漁業協同組合(静岡県)「中学生以下は無料(鑑札不要)です。」高校生も専用許可証で無料(事前申請・学生証確認)—
那珂川北部漁業協同組合(栃木県大田原市)「中学生以下の全魚種釣りは無料とする。但し、網の場合は4,000円を納入する」日釣券3,000円/渓流魚日釣券2,000円/雑魚日釣券1,500円/年券14,000円(令和8年度)
木津川漁業協同組合(京都・奈良・三重)「小学生以下は遊漁料を免除します。」鮎日券(甲)3,100円/雑魚日券(乙)700円/あまご日券2,100円

中学生以下は無料、という漁協が複数あります。つまり親の分だけ払えばよい場所が多いということです。ただし扱いは漁協ごとにまったく違います。「無料だと思って行ったら有料だった」を避けるため、行き先が決まったらその漁協の公式ページを必ず確認してください。

川辺で釣り竿を持つ人

禁漁期間・体長制限・禁止漁法

遊漁料とは別に、都道府県の「内水面漁業調整規則」で決まっているルールがあります。これは釣り人が知らないうちに破りやすいところです。東京都と岡山県の規則から、具体例を挙げます。

体長制限(東京都の例)

魚種この大きさ以下は採ってはいけない
あゆ全長10cm以下
やまめ・いわな・にじます全長12cm以下
こい全長18cm以下
うなぎ全長26cm以下
しじみ殻長1.5cm以下

岡山県では、あまご・やまめ15cm、こい15cm、うなぎ20cm未満が禁止と、県によって数字が違います。「小さいから逃がす」は優しさではなく、多くの場合ルールそのものです。

禁漁期間(東京都の例)

あゆは1月1日から5月31日まで、やまめ・いわなは10月1日から翌年2月末日まで、かじかは1月1日から4月30日までが採捕禁止です。産卵期と稚魚の時期を守るための決まりで、この期間に釣ってしまうと規則違反になります。

禁止されている漁法

東京都では、やな、三枚網、水中銃などの弾力を利用する錯具、火光を利用する漁具・漁法、電流を利用する漁具・漁法、張切網、なで網、かい掘、瀬干などが禁止されています。岡山県も「水中に電流を通じてする漁法」「びん漬(セル瓶など)」「石倉」「水中鉄砲」「堰干」を挙げ、「日没から日の出までの間」の照明利用も規制しています。

子どもが「網でとりたい」と言い出すことはよくありますが、網や仕掛けは、竿での釣りとは別の規制がかかることがあります。ここは事前に確認しておくところです。

知らずに踏むと重い「密漁」の線引き

ここは軽く扱えない話なので、罰則まで書いておきます。

水産庁の資料によると、令和2年12月1日施行の改正で、漁業権または組合員行使権の侵害(漁業法第195条)の罰金は20万円から100万円に引き上げられました。さらに、アワビ・ナマコ・シラスウナギなど「特定水産動植物」を許可なく採捕した場合は、水産庁の言葉で「3年以下の拘禁刑又は3,000万円以下の罰金」です。密漁品の運搬・保管・取得なども同じ罰則の対象になります。

子ども連れで気をつけたいこと

海辺で貝をとる・ウニをとる・磯の生き物を持ち帰るは、場所によっては漁業権の侵害にあたります。「潮干狩り場として開放されている場所かどうか」が分かれ目です。子どもは目についたものを拾いたがるので、出かける前に「持ち帰っていいのは釣った魚だけ」と決めておくのが安全です。迷ったら、その場のものは持ち帰らない。写真を撮って帰る、で十分楽しめます。

ライフジャケットを着けて水辺にいる子ども

釣り場が、次々と立入禁止になっている

マナーの話は説教くさくなりがちですが、これは実際に釣り場が減っているという現実の話です。

水産庁は「漁港における釣り利用・調整ガイドライン(案)」(令和5年6月12日公表)で、「立ち入り禁止区域への侵入による危険行為、ごみの放置、無断駐車などのマナー違反によるトラブルが発生しています」と指摘しています。

大阪市港湾局は、防波堤について「港内の平穏や海岸の保全を目的として設置された施設であり、一般の方の立ち入りを想定した構造になっていない」「釣りなどの目的でこれらの施設に立ち入ることは危険ですので、おやめください」と案内しています。一方で、一部の施設は「釣り人のルール・マナーの遵守を前提に、必要最低限の安全対策を講じたうえで」開放されており、その条件として「救命胴衣(ライフジャケット)を着用すること」「一人で釣りを行わないこと」が挙げられています。

公益財団法人日本釣振興会は、もっと直接的に書いています。「現在全国各地で釣りに対する規制が強まっており、釣り場が閉鎖されるケースが相次いでいます」「釣り人によるゴミの放置問題は全国で発生しています」「漁港が立入禁止になる一番の原因はこうした漁業者とのトラブルです」。そして、「これ以上釣り場がなくならないよう、釣り人一人一人がルール、マナーを守り、安全に配慮して釣りをすることが、釣り場を守ることにつながってきます」と結んでいます。

子どもに伝えるなら、「ごみを捨てるな」より「ここで釣れなくなるのは、ごみを置いていく人がいるから」のほうが届きます。事実だからです。

都市部でも行ける場所

施設運営料金
横浜フィッシングピアーズ 本牧・大黒 海づり施設横浜市大人900円/中学生450円/小学生300円(1回券)
同 磯子海づり施設横浜市大人500円/中学生・小学生300円
若洲海浜公園 海釣り施設(東京都江東区)東京港埠頭株式会社人工磯・護岸部分は無料

若洲海浜公園は投げ釣り・ルアー釣り・撒き餌が禁止で、竿は混雑時2本まで。人工磯の利用にはライフジャケットの着用が推奨されています。なお売店は令和7年8月31日で営業を終了しているため、エサや道具は事前に用意していってください。

こうした施設は、柵があり、足場が平らで、トイレがあり、係員がいます。最初の数回は「釣れるかどうか」より「安全に半日過ごせるかどうか」で場所を選ぶほうが、結果的に長く続きます。

海辺で釣り竿を持つ子ども

体験イベントから入るという手

道具も場所も分からないうちは、教えてくれる人がいる場に行くのが早道です。公益財団法人日本釣振興会は、「全国にある支部において、初心者・ジュニア・シニア世代を対象にした釣り教室・大会を実施」しています。

たとえば大阪府支部の「JFW親子マス釣り体験教室2026」は、小学生以上中学生までの子どもを含むファミリーが対象で、参加費は大人2,000円・子ども1,000円(遊漁料・竿・仕掛け・エサ・保冷バッグ代を含む)。定員は釣り初心者100名、会場は大阪府千早川マス釣り場でした。

埼玉県支部も「初めての魚釣り体験」「家族釣りの祭典」「小学生親子釣り大会inかすみ川」といった催しを公式サイトで案内しています。開催は年度ごとに変わり、対象年齢や参加費は各支部にしか載っていないことも多いため、参加を検討するときは各支部のサイトで最新情報を確認してください。

釣った魚を食べるなら、ここだけは押さえる

釣りの楽しみの半分は、持ち帰って食べるところにあります。ただし生食には食中毒のリスクがあります。

厚生労働省の統計によると、令和6年(2024年)の食中毒で、アニサキスは事件数331件・患者数341人。病因物質別で最多(全事件数の31.8%)でした。令和7年も事件数280件で、ノロウイルス・カンピロバクターと並ぶ上位3つに入っています。

予防方法(厚生労働省の案内)

方法条件
冷凍-20℃で24時間以上
加熱70℃以上、または60℃なら1分
目視調理のときに幼虫を確認して除去する
下処理新鮮なものを選び、速やかに内臓を取り除く

そして重要なのがここです。厚生労働省は「一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません」と明記しています。しめ鯖にしたから大丈夫、わさび醤油だから大丈夫、はいずれも誤りです。

症状については、急性胃アニサキス症で「12時間以内に、激しいみぞおちの痛み、吐き気、嘔吐を生じます」とされています。

子どもと一緒なら、最初のうちは生で食べさせず、焼く・揚げる・煮るから始めるのが無難です。釣ったその日に塩焼きにする。それだけで十分ごちそうになります。

釣った魚を持って見せる子ども

釣りで何が育つのか

釣れるまでの時間は長く、何も起きない時間がほとんどです。そのあいだに子どもがやっているのは、仮説を立てて試すことです。ここではダメだったから場所を変える。エサを変える。タナ(深さ)を変える。結果がすぐ返ってくる遊びではないぶん、粘り強さと観察が要ります。

釣った魚を持ち帰って食べれば、そこから料理につながります。種類を調べれば図鑑の世界に入ります。写真を撮って記録すれば、それが積み上がって作品になります。入り口は一つでも、出口はいくつもあるのがこの遊びの面白いところです。

そしてもうひとつ。この記事を書くために調べていて気づいたのは、釣りは「調べること」が異様に多い遊びだということです。どこで釣れるか、遊漁券は要るか、禁漁期間ではないか、この魚は何cm以上か、持ち帰っていいのか、どう食べれば安全か。これを親子で調べる作業そのものが、探究のかたちをしています。

「調べて、試して、人に伝える」を続けられる場所

NIJIN放課後プロジェクトスクールは、子ども自身が「好き」を起点にプロジェクトを立ち上げ、全国の仲間や企業と一緒に進めていく放課後のスクールです。月2回の発表会がYouTubeで生配信され、調べたこと・作ったものを人に伝える機会が毎月あります。今の学校に通いながら参加できます。

無料体験を見てみる

NIJIN放課後プロジェクトスクールという選択肢

釣りが好きになった子が、次にどこへ進めるか。ここでひとつの選択肢として、NIJIN放課後プロジェクトスクールを紹介します。運営はにじいろと同じ株式会社NIJINです。

「釣りが好き」は、そのままプロジェクトになる

最初に正直に書いておきます。このスクールに「釣りコース」はありません。いま動いているのは、マインクラフト、Vtuber、沖縄観光課題解決の3つです。

それでもここを挙げるのは、このスクールのプロジェクトが、大人の用意したコースに子どもを当てはめるものではなく、子ども自身が立ち上げるものだからです。公式サイトでも、動いている3つはすべて「〜が好きな子どもたちが立ち上げたプロジェクト」と説明されています。体験会の入口として挙げられているのも「ゲームをつくりたい」「絵やVtuberに挑戦したい」「地元をよくしたい」「宇宙を調べたい」の4つで、既存の3つに限られていません。

釣りが好きな子が立ち上げられるプロジェクトは、想像しやすいはずです。

・地元の川や海に、どんな魚がいるかを調べて地図にする
・釣り場のごみ問題を調べて、地元に提案する
・子どもでも安全に釣れる場所のガイドを作る
・釣り場が減っている理由を調べて、漁協や自治体に聞きに行く

※これらはこのスクールに実在するプロジェクトではなく、あくまで想定の例です。何をやるかは、参加した子が決めることになります。

「地域の課題を調べて、大人に提案する」の実例がある

いま挙げた方向がただの絵空事でないことは、実在するプロジェクトが示しています。

沖縄観光課題解決プロジェクトは、公式サイトによれば「沖縄に住む小学生が立ち上げたプロジェクト」で、「地域課題を解決するために、沖縄の企業と関わりながら」進められています。共創ストーリーには「小学5年生が企業にプレゼン!ともに沖縄の観光課題を解決したい」という記録も載っています。

この記事の後半で扱った「釣り場が次々と立入禁止になっている」という話は、まさに地域の課題そのものです。水産庁がガイドラインを出し、自治体が立入禁止区域を設定し、日本釣振興会が「これ以上釣り場がなくならないよう」と呼びかけている。子どもが当事者として入っていける余地が、ちゃんとあるテーマです。

クラスの構成も噛み合います。水曜日のせれてぃクラスは、得意なプロジェクトとして「地方創生(地域課題の解決)/イベント企画・デザイン系」が挙げられています。月曜日のあおたりクラスは「クリエイティブ系/『好き』を深めていくこと」です。

調べたことを、本物の大人に見てもらえる

釣りの調べものが家庭の中で完結すると、そこで止まります。このスクールで用意されているのは、その先です。

用意されているもの内容
週1回のクラス会議担任の先生と少人数の仲間でプロジェクトを進める(月曜・水曜の17:00〜18:00)
月2回の発表会進行中のプロジェクトをプレゼン。YouTubeで生配信され、保護者も見届けられる
企業・地域との共創共創してきた企業・クリエイターは10社以上。JTBやアイビスペイントとの共創実績あり
メタバース校舎oviceを使った校舎に平日毎日いつでも入れる。金曜は自由活動デー
Slack調べて分かったことを、思い立ったときに先生や仲間へ共有できる
リアル校舎千葉・東金校(毎週木曜15:30〜17:30)/神奈川・武蔵新城校

公式サイトのFAQには、このスクールで身につくものとして「自分のアイデアを形にする」「人を集める、伝える」「お金の流れを考える」が挙げられています。多くの塾や習い事が「正解を早く出す力」に重きを置くのに対し、「正解のない問いに向き合う力を育てる場所」と説明されています。

釣り場のごみ問題にも、地元の川の魚が減った理由にも、正解は用意されていません。まさにこの種類の問いです。

費用と、確認しておきたいこと

メタバース校舎リアル校舎
月謝12,683円/月(税込)23,683円/月(税込)
入学金22,000円(税込・初回のみ)
対象小学生・中学生

月謝に含まれるのは、週1回のプロジェクト活動、メタバース校舎の使い放題、企業・地域と連携したプロジェクトへの参加、イベント・発表会の参加費、教材費、保護者からの相談・面談です。

公式サイト内で記載が分かれている点

学費ページには「教材費・イベント参加費などの追加費用はいただきません」とありますが、よくある質問のページには「そのほか、備品・教材費や、希望選択制の特別行事(社会科見学など)で追加費用が必要になる場合があります」との記載もあります。実際にかかる費用は、無料体験や説明会の場で直接確認することをおすすめします。

なお、公式サイトに載っている「累計入学者数900名超」「リアル教室52か所」という数字は、母体であるNIJINアカデミーの実績です(公式サイト自身がそう注記しています)。プロジェクトスクールは、その教育基盤の上に立つ、放課後・休日のコースという位置づけです。

釣りで身についた「調べる力」を、社会に届くところまで

地元の川のこと、釣り場が減っている理由、子どもが安全に釣れる場所。調べたことを地図やガイドにまとめ、地域の大人や企業に届けるところまで進める場所があります。プロジェクトは、その子自身が立ち上げるものです。まずは1回、実際のプロジェクトを見てみてください。

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よくある質問

何歳から始められますか。
法令上の年齢制限はありません。目安になるのは、保護者が目を離さずにいられる人数かどうかです。子ども1人に大人1人がつけるなら低学年でも可能ですが、きょうだいが複数いる場合は、足場のよい海釣り公園や管理釣り場から始めるほうが安全です。
釣った魚がかわいそう、と言い出したらどうすれば。
その感覚は否定しなくていいものです。逃がす(リリースする)という選択もあります。ただし、逃がすかどうかは場所のルールにもよります。食べる場合は、その場で締めて持ち帰るところまで一緒にやると、命をもらっている実感が残ります。どちらを選ぶかを本人に決めさせてください。
道具は釣具店とネット通販のどちらがいいですか。
最初の1本は店で買うことをおすすめします。行き先を伝えれば、その場所で釣れる魚に合った仕掛けを教えてもらえます。道具そのものより、この情報のほうが価値があります。
遊漁券はどこで買えますか。
漁協の事務所のほか、近隣の釣具店・コンビニ・オンラインで買える場合があります。販売所は漁協の公式サイトに一覧が載っていることが多いので、出かける前に確認してください。なお、現場で買うと「現場売り」として割高になる漁協もあります。中学生以下が無料の漁協も複数ありますが、扱いは漁協ごとに違います。
ライフジャケットは何を買えばいいですか。
まず体重で選びます(15kg未満は浮力4.0kg以上、15〜40kg未満は5.0kg以上、40kg以上は7.5kg)。船に乗る予定があるなら、国土交通省の型式承認品である「桜マーク」付きが原則必要です。サイズが大きすぎると、落ちたときに口が水面上に出ないことがあると消費者庁が注意喚起しているので、大きめを買って長く使うのは避けてください。
釣った魚を刺身にしても大丈夫ですか。
アニサキスのリスクがあります。厚生労働省は「-20℃で24時間以上」の冷凍か「70℃以上、または60℃なら1分」の加熱を案内しており、酢・塩・醤油・わさびでは死滅しないと明記しています。子どもが食べるなら、まずは加熱調理から始めるのが安全です。
海辺で貝や磯の生き物を採るのは大丈夫ですか。
場所によっては漁業権の侵害にあたり、漁業法第195条で100万円以下の罰金の対象になります。アワビ・ナマコ・シラスウナギなどはさらに重い罰則が定められています。潮干狩り場として開放されている場所かどうかが分かれ目です。迷ったら持ち帰らない、を家庭のルールにしてください。
一度行ったきり、続きません。
よくあることです。釣れないまま終わると、子どもの中に「つまらなかった」だけが残ります。2回目は管理釣り場など、釣れる確率が高い場所を選んでみてください。1匹釣れた経験があると、次からは釣れない時間も待てるようになります。

まとめ

釣りは、竿とリールのセットが4,000円前後、無料で釣れる公園もあり、始めるハードルは高くありません。一方で、釣り中の水難は令和7年で死者・行方不明者の22.1%を占め、落ちたときの死亡・行方不明率はライフジャケット非着用で約46%、着用で約19%と大きく変わります。陸からの釣りでも着せる、を家庭の基準にしてください。

川で釣るなら遊漁券が要る場所が多く、中学生以下は無料の漁協も複数あります。禁漁期間・体長制限・禁止漁法は都道府県ごとに違い、海で貝や磯の生き物を採ると漁業権の侵害になることがあります。釣った魚を生で食べるなら、アニサキス対策は冷凍か加熱のどちらかです。

調べることが多い遊びですが、その調べる作業こそが、この遊びのいちばんの中身かもしれません。親子で一緒に調べてから出かけてください。

この記事の内容を確かめるための一次資料

  1. 国土交通省海事局「ライフジャケットの着用義務拡大」(ページ)/「ライフジャケットの安全基準と技術基準」(ページ)
  2. 日本小型船舶検査機構(JCI)「ライフジャケット」(ページ)
  3. 消費者庁「子ども安全メール Vol.663」2025年6月27日(ページ)※原典は海上保安庁「令和6年 海難の現況と対策」
  4. 海上保安庁「ウォーターセーフティガイド」ライフジャケット(ページ)
  5. 警察庁生活安全局「令和7年における水難の概況等」2026年6月18日(PDF)
  6. 海上保安庁「令和7年における海難発生状況(速報値)」2026年1月21日(ページ)
  7. 水産庁「遊漁・海面利用の基本的ルール」(ページ)/「内水面の遊漁に関する制度」(ページ)/「密漁を許さない」(ページ)/「漁港における釣り利用・調整ガイドライン(案)」2023年6月12日(ページ)
  8. 大井川非出資漁業協同組合「遊漁料」(ページ)/那珂川北部漁業協同組合「遊漁料金」(ページ)
  9. 東京都例規集「東京都内水面漁業調整規則」(ページ)/岡山県「内水面漁業調整規則」(ページ)
  10. 大阪市港湾局「大阪港の港湾施設の『立入禁止区域』について」(ページ)
  11. 公益財団法人日本釣振興会「釣り場の規制」(ページ)/「事業内容」(ページ)/埼玉県支部(ページ)
  12. 厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」(ページ)
  13. 株式会社タカミヤ「スマイルシップ 万能投げセット」(ページ)/「チョイキャス II 振出」(ページ)
  14. 横浜市「横浜フィッシングピアーズ」(ページ)/東京港埠頭株式会社「若洲海浜公園 釣りを楽しむ」(ページ)
  15. NIJIN放課後プロジェクトスクール 公式(トップ/プロジェクト一覧/学費/よくある質問)
NIJIN放課後プロジェクトスクール
「好き」を、ひとりで終わらせない放課後へ

週1回のクラス会議で仲間とプロジェクトを進め、メタバース校舎には平日毎日いつでも入れます。月2回の発表会はYouTubeで生配信され、月1回以上のイベント・コンテストにも参加費なしで出られます。今の学校に通いながら参加でき、メタバース校舎は入学金22,000円・月額12,683円(税込)。

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文責:にじいろ編集部(編集部について/訂正・修正に関する方針)
公開日:2026年9月16日 / 最終更新:2026年9月17日
好きを力に変える方法 学びの選択肢 放課後の居場所

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