不登校の「出席扱い」に対応した家庭学習教材を比較|すらら・天神・スマイルゼミ・進研ゼミ【2026年版】

「この教材を使えば出席扱いになる」という言葉を見て、申し込もうか迷っている——。けれど、教材を契約しただけで出席扱いになる制度ではありません。認められるかどうかを決めるのは在籍校の校長で、国が示した要件には「教材」という項目そのものがないからです。この記事では、要件のどこに教材が関わるのかを整理したうえで、主な教材が2026年9月時点で公式に何を提供しているかを、出典を示しながら比較します。
この記事でわかること
  • 教材を選んでも自動的に出席扱いにはならない理由(国が示した要件のどこに教材が関わるのか)
  • 教材選びで本当に見るべき4つの点
  • すらら・天神・スマイルゼミ・進研ゼミ・Z会が公式に示している対応(2026年9月5日時点)
  • 教材では埋められない「対面指導」をどう用意するか
NIJINアカデミーより

この記事は、全国から900名を超える子どもたちが通うオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の知見も踏まえて構成しています。学校との出席扱いの相談に立ち会ってきた経験から、教材選びの前に確かめておきたい順番を整理しました。

※本記事は2026年9月5日時点の情報です。制度・各社の料金やサービス内容は変わることがあります。契約前には必ず各社の公式サイトと在籍校でご確認ください。

目次

前提|「出席扱いに対応した教材」でも、契約すれば自動で認められるわけではありません

自宅でのICT学習を指導要録上の出席扱いにできる根拠は、文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日・元文科初第698号)と、そこに示された要件です。要件には次のようなものが並びます。

自宅でのICT学習が出席扱いになる主な要件
  • 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること
  • 訪問等による対面指導が定期的かつ継続的に行われることを前提とすること
  • 学習活動が、その子の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること
  • 校長が対面指導や学習活動の状況を十分に把握していること
  • 基本的に、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること

ここに「どの教材を使うか」という要件は含まれていません。教材は、3つ目の「計画的な学習プログラム」と、4つ目の「校長が状況を把握できること」を成立させるための道具にあたります。だからこそ、教材を選ぶ基準は「出席扱いに対応と書いてあるか」ではなく、学校が中身と記録を確認しやすいかどうかになります。

特に見落とされやすい2つの要件

ひとつは対面指導です。自宅学習だけで完結する制度ではなく、誰かが定期的・継続的に本人と直接関わることが前提になっています。これは教材の外側で用意するもので、どんなに機能が充実した教材を選んでも代わりにはなりません。

もうひとつは「公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合」という条件です。国の考え方としては、教育支援センター(適応指導教室)などに通える状況ならそちらが先で、自宅ICT学習はそれが難しいときの選択肢という順序になっています。学校に相談したときに「まず教育支援センターの見学を」と言われることがあるのは、この要件が背景にあります。

教材選びで本当に見るべき4つの点

1. 学習記録を「学校に見せられる形」で出せるか

校長が状況を把握できることが要件なので、何をどれだけ学んだかが第三者にわかる形で残るかどうかが最も重要です。画面で見られるだけでなく、印刷できるか、先生と共有できるかまで確認しておくと、学期ごとの提出がぐっと楽になります。

2. 学年をさかのぼって学べるか

学校を離れている期間が長いほど、いまの学年の内容だけを渡されても手が止まります。無学年式でさかのぼれる教材は、「計画的な学習プログラム」を組みやすいという点でも要件と相性がよいです。

3. 対面指導を誰が担うかの見通しがあるか

前述のとおり、対面指導は教材の外側の話です。担任、別室の先生、スクールカウンセラー、教育支援センターの職員、フリースクールのスタッフなど、誰が担えるのかを学校と相談して決めます。教材を申し込む前に、ここの見通しを先につけておくほうが順序としては安全です。

4. 体調の波があっても続けられる負担か

料金だけでなく、1回あたりの学習時間や、休んだ日のリカバリーのしやすさも見ておきたい点です。続かなければ記録も途切れ、結果として要件を満たしにくくなります。

主な教材の対応状況(2026年9月5日時点・各社公式サイトで確認)

各社の公式サイトに書かれている内容だけをまとめました。公式に記載が見つからなかったものは「確認できず」と記しています。「載っていない=対応していない」という意味ではありませんので、気になる教材には直接お問い合わせください。

教材学習記録の共有学年をさかのぼれるか料金(税込)出席扱いに関する公式の記載
すらら公式サイトにサポートの記載あり無学年式入会金7,700円/11,000円
月額8,228〜13,178円
あり(「出席扱い制度もお任せください」)
天神出席認定に必要な学習記録をワンタッチで出力できると明記公式トップでは確認できず公式サイトに金額の記載なし(問い合わせ)あり(不登校向けの専用ページあり)
スマイルゼミ「みまもるネット」に先生を招待して学習履歴を共有できると記載無学年式の学習に対応月額7,800円〜(税込8,580円〜/中学生コース)あり(不登校向けの専用ページあり)
進研ゼミ中学講座学習履歴を一覧化して自宅で印刷できると記載公式の該当ページでは確認できず該当ページに受講費の記載なしあり(出席扱い向けの専用ページあり)
Z会今回確認した公式ページでは確認できず今回確認した公式ページでは確認できず

料金は2026年9月5日に各社公式サイトで確認した金額です。プランや時期によって変わるため、申し込み前に必ず最新の情報をご確認ください。

ここが大切

「対応している教材」=「必ず認められる教材」ではありません。要件を満たすのは家庭と学校の連携そのものであって、教材はその材料のひとつです。実際、同じ教材を使っていても、学校や自治体によって判断が分かれることがあります。

教材だけでは埋まらない「対面指導」をどう用意するか

対面指導について、国の通知は「訪問等による対面指導が適切に行われることを前提とする」「学習支援や将来の自立に向けた支援などが定期的かつ継続的に行われるもの」と示しています。誰が担うかまでは限定していないため、実際には学校との相談で決まります。

よくあるのは、担任や別室担当の先生が定期的に家庭訪問する形、教育支援センターの職員が関わる形、通っているフリースクールのスタッフが担う形です。保護者だけで抱え込む部分ではないので、最初の相談の時点で「対面指導は誰にお願いできますか」と聞いてしまうほうが早く進みます。

また、要件の順序としては「公的機関や民間施設で相談・指導を受けられない場合」が前提になっています。教育支援センターやフリースクールに通える状況であれば、そちらの通所を出席扱いにするほうが手続きはシンプルです。自宅ICT学習は、通所が難しいときの選択肢だと考えておくと、学校との話がかみ合いやすくなります。

オンラインのオルタナティブスクールに通うという形もあります。NIJINアカデミーでは、在籍校や教育委員会と学習状況を共有することで出席として扱われるケースがあり、希望した生徒の9割以上が在籍校の出席認定を得ています(2025年4月時点・株式会社NIJIN公式発表)。ただしこれも最終的な判断は在籍校の校長で、どの教材・どのスクールを選んでも自動的に認められるわけではない点は同じです。

申し込む前に、学校に確認しておきたい3つのこと

最初の相談で聞いておきたいこと
  • 出席扱いについて相談する窓口は誰か(担任か、学年主任か、管理職か)
  • 学習記録はどんな形式で、どのくらいの頻度で提出すればよいか
  • 対面指導は誰が担当できるか

この3つが決まっていれば、教材に求める条件は自然に絞れます。逆にここが決まらないまま教材を契約すると、機能が足りなかったり、逆に使わない機能にお金を払い続けたりすることになりがちです。相談の具体的な進め方や、そのまま使える依頼文は別の記事にまとめています。

タツロー校長からのメッセージ

「明るくない子どもなんていない。問題児なんてたったの一人もいない」——これは、公立小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長がNIJINアカデミーを設立した原点にある言葉です。教材選びで迷う時間の裏側には、「この子の学びを止めたくない」という願いがあるはずです。出席日数は、その願いを支える手段のひとつにすぎません。

よくある質問

教材を始めれば、さかのぼって過去の欠席も出席扱いにしてもらえますか?
さかのぼっての変更は難しいことが多いです。要件のひとつに「校長がその状況を十分に把握していること」があり、記録や連携が始まっていない期間については確認のしようがないためです。判断は学校によるので、気になる場合は在籍校にご確認ください。
無料の教材やアプリでも出席扱いになりますか?
有料か無料かは要件になっていません。見られているのは、学習内容が在籍校の教育課程に照らして適切か、そして学習の状況を学校が把握できるかどうかです。無料の教材でも、記録を残して共有できる形になっていれば相談の土台にはなります。
高校生でも同じ制度が使えますか?
高校は義務教育段階とは仕組みが異なり、単位認定の考え方が中心になります。この記事で紹介した要件は主に小学校・中学校を対象としたものです。高校生の場合は在籍校に個別にご確認ください。

まとめ

出席扱いは、教材を契約すれば始まる制度ではありません。国が示した要件の中心にあるのは、保護者と学校の連携、定期的な対面指導、そして学校が学習の状況を把握できていることの3つです。教材はそれを支える道具なので、選ぶときは「対応と書いてあるか」ではなく、記録を学校に見せられるか、さかのぼって学べるか、体調の波があっても続けられるか、という現実的な物差しで比べてみてください。そして何より、教材を申し込む前に一度、在籍校に「出席扱いについて相談したい」と伝えるところから始めるのが、いちばん遠回りに見えて近い道です。

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この記事の内容を確かめるための一次資料

  • 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日(元文科初第698号)
  • 文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」
  • 文部科学省「出席扱いの主な要件について(義務教育段階)」
  • 各社公式サイト(すらら/天神/スマイルゼミ/進研ゼミ中学講座/Z会)2026年9月5日確認
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