「二宮町で、学校のかわりに通える場所はありますか」
二宮町は、2026年4月からフリースクールの利用料の3分の2(1人あたり月15,000円まで)を補助する制度を始めました。神奈川県が支援している市町村のフリースクール補助事業(6市町)の中で、県の西部にあるのは二宮町だけです。町内にはJR二宮駅から歩ける範囲に「フリースクール のぞみ教室」「フリースクール とどまる学園」の2か所があり、町の教育支援室「やまびこ」は通った日が在籍校の出席扱いになると公式に書かれています。この記事では、二宮町から通える5か所と補助の使い方を、公式の記載だけをもとに整理しました。
この記事でわかること
- 二宮町のフリースクール補助の対象・金額・施設の要件・申請の締切
- 二宮町から通えるフリースクール5か所の場所・対象・開所日・費用(公式サイトと県の資料で確認できた範囲)
- 補助を使った場合の、月々の負担の目安
- 町の教育支援室「やまびこ」の開室時間・入室までの流れと、全校の「ほっとルーム」
- 二宮町の不登校の推移(5年で36人→104人)
- 「通える場所がない」と感じたときに残る選択肢と、自宅から毎日「登校」できるNIJINアカデミーのメタバース校舎の特徴
この記事は、町・県の公式ページと各施設の公式サイト(公式に記載がない場合は神奈川県の団体シート)に書かれていることだけを根拠にしています。公式に記載がなかったことは「確認できませんでした」とそのまま書いています。補助の対象になるかどうかの最終判断は町が行います。費用や曜日は変わることがあるので、実際に動く前に町と各施設へご確認ください(2026年9月時点)。
二宮町の今の状況を、数字と場所で確かめる
まず、二宮町で不登校がどのくらい増えているのかを、町の公表資料で確かめます。
町の「二宮町こども計画」(令和7〜11年度)には、教育指導課のデータとして不登校の推移が載っています。計画には「二宮町の不登校児童・生徒数は増加しており、令和5年度(2023年度)で小学生が44人、中学生は60人となっています」と書かれています。グラフの値を並べると、次のとおりです。
| 年度 | 小学生 | 中学生 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 令和元年度 | 15人 | 21人 | 36人 |
| 令和2年度 | 19人 | 32人 | 51人 |
| 令和3年度 | 18人 | 37人 | 55人 |
| 令和4年度 | 32人 | 56人 | 88人 |
| 令和5年度 | 44人 | 60人 | 104人 |
5年間でおよそ2.9倍になっています(合計は計画の数値から計算しました)。町立の小学校は3校で1,080人、中学校は2校で559人(令和8年5月1日現在)なので、小さな町の中で決して少なくない人数です。令和6年度の町の人数は、公表資料では確認できませんでした。
神奈川県全体では、令和6年度の公立小・中学校の不登校は24,250人(小学校10,192人・中学校14,058人)で、前年度から621人増えています。
町はこの状況に、いくつかの手を打っています。令和7年度の施政方針には、「いち早く一色小学校に校内教育支援センター「ほっとルーム」を設置し、令和6年度には町内5校すべての小・中学校に設置を拡充いたしました」とあり、令和8年度の施政方針では、「民間施設等のフリースクールを利用する世帯への補助を新たに開始し、学校の内外を問わず、こどもたちが自分に合った環境で学びを継続できる体制を構築いたします」と書かれています。学校の中の居場所、町の教育支援室、そして民間のフリースクールへの補助と、3つの受け皿がそろったことになります。
二宮町ならではの事情は、「駅を中心に、歩ける範囲に居場所がまとまっている」ことです。町の教育支援室「やまびこ」はJR二宮駅から徒歩5分、民間ののぞみ教室は徒歩12分(スクールバスあり)、とどまる学園も最寄りは二宮駅です。町外の施設へも、JR東海道線で大磯・平塚・小田原方面に出られます。
補助があるからこそ3つの確認ポイント
二宮町の補助制度と町の事情から、先に確かめておきたいことです。
01
施設が要件を満たすか
補助の対象は「法人が経営」「1年以上の活動実績」などの要件を満たす施設です。施設名の一覧はないので、町に確認します。
02
補助は3分の2・月15,000円まで
月の利用料が22,500円までなら3分の2、それを超えると上限の15,000円になります。交通費・食費が対象かは記載がありません。
03
申請の締切がある
その年度の最初の利用日の翌月末日が締切です。3月から通い始める場合は3月中に申請します。
迷ったら、まず教育指導課 指導班(0463-75-9261)に「この施設は対象になりますか」と聞くのが近道です。
二宮町から通えるフリースクール5選(比較一覧)
町内の2か所と、JR東海道線で行ける大磯町・平塚市・小田原市の3か所です。費用は公式サイトの金額を優先し、公式に記載がないものは神奈川県の団体シートの金額を「県シート」として載せています。
| スクール名 | エリア・最寄り | 対象 | 開所 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|---|
| フリースクール のぞみ教室 | 二宮町二宮(町内) 二宮駅 徒歩12分・スクールバスあり | 小5〜中3(定員20名) | 月〜金(登校日は相談)/9:30〜15:00(県シート) | 授業料 月15,000円(週1日)〜52,000円(週5日)+諸費用(県シート) |
| フリースクール とどまる学園 | 二宮町二宮(町内) 最寄りは二宮駅 | 小学生〜10代(18歳以下) | 水・金(+月1回の月曜)12:00〜16:00(昼食付き) | 入学金30,000円/初等部 週1 月14,000円・週2 月22,000円(公式) |
| うみとひかりの支援室 | 大磯町大磯 (最寄駅の記載なし) | 小・中・高校生 | 火・木 12:00〜15:00 | 入会金11,000円/週1 月22,000円・週2 月33,000円+システム利用料 月2,200円(税込・公式) |
| フリースペース いろえんぴつ | 平塚市西八幡 平塚駅 徒歩20分・バス「コンフォール平塚前」徒歩3分 | 主に小中学生 | 月〜金 10:00〜15:00 | 1回2,000円または月額10,000円(公式) |
| 子どもと生活文化協会(CLCA) | 小田原市城山 (小田原駅西口前の事務所から車で移動) | 小1〜高校生(県シート) | 月〜金 9:00〜17:00(県シート) | 1週間の体験費用 通い27,500円(県シート)。月額は確認できず |
表の見方のポイントは3つです。1つ目は、町内の2か所はタイプが違うこと。のぞみ教室は平日5日から登校日を選べる学校型、とどまる学園は週2日の午後に昼食付きで集まる居場所型です。2つ目は、いちばん安く通えるのは平塚市のいろえんぴつ(月額10,000円)ですが、町の補助の要件(法人が経営)に合わない可能性があること。3つ目は、町外の3か所はJR東海道線の駅を起点に通うことです。
小田原市・平塚市の施設については、小田原市から通えるフリースクール10選|市が費用まで公表した一覧と、出席扱いガイドライン【2026年版】と平塚市から通えるフリースクール10選|県の一覧に載らない市内4か所と、無料の教育支援室【2026年版】でも紹介しています。

5か所を1か所ずつ紹介します
1. フリースクール のぞみ教室(二宮町二宮)|町内・週1日から週5日まで選べる
二宮町の保護者に、まず知ってほしい場所です。星槎学園高等部湘南校の校内で開かれているフリースクールで、神奈川県の「フリースクール等の紹介」にも載っています。
公式サイトによると、所在地は中郡二宮町二宮1352-4で、「二宮駅より徒歩12分」「スクールバス送迎もあります」と案内されています。対象は小学5年生〜中学3年生、定員20名で、月曜〜金曜の中から「週5日間の中から登校日を要相談」の形です。
費用は公式サイトに金額がありませんでした。県の団体シートでは「授業料月額15,000円(週1日)~52,000円(週5日)、別途諸費用(年額)」、時間は平日9:30〜15:00、週1日から週5日まで選べるとされています。活動は各教科の学習、SST、高校生と合同のゼミ、部活動、月1回の遠足・自然体験などです。
高校の中で過ごすので、中学卒業後の進路を身近に感じられる環境でもあります。随時見学・体験ができ、保護者だけの見学もできると案内されています。出席扱いについては、公式サイト・県シートとも記載がありませんでした。
- 所在地:中郡二宮町二宮1352-4(星槎学園高等部湘南校内)/二宮駅 徒歩12分・スクールバスあり(公式)
- TEL:0463-71-0991
- 対象:小学5年生〜中学3年生(定員20名)
- 開所:月〜金(登校日は相談)/9:30〜15:00(県シート)
- 費用:授業料 月15,000円(週1日)〜52,000円(週5日)+諸費用(年額)(県シート)
- 出席扱い:記載なし
2. フリースクール とどまる学園(二宮町二宮)|町内・週2日、昼食付きで集まる居場所
NPO法人とどまる会が町内で開いているフリースクールです。所在地は中郡二宮町二宮1126-2の3階で、最寄りはJR東海道線の二宮駅です(徒歩の分数は確認できませんでした)。
公式サイトでは、活動は「毎週水曜、金曜日の週2回、そして月曜日(月一回)12:00~16:00(昼食付き)」とされ、土曜日にはクラブ活動や特別活動、学習支援もあります。対象は小学生から10代(18歳以下)です。お昼から始まるので、朝が苦手な子でも通い始めやすい時間帯です。
学費は公式サイトに細かく書かれています。入学金30,000円、体験入学は1か月(4回)で10,000円。初等部は週1で月14,000円(授業料11,000円+活動費3,000円)、週2で月22,000円、中等部は週1で月19,000円、週2で月25,000円です。入学金のいらない「ときどきとどまるコース」(初等部4,000円・中等部4,500円)もあります(税込・税別の表記なし)。出席扱いについての記載はありませんでした。
- 所在地:中郡二宮町二宮1126-2 3F/最寄りは二宮駅
- TEL:0463-71-7445
- 対象:小学生〜10代(18歳以下)
- 開所:水・金(+月1回の月曜)12:00〜16:00(昼食付き)
- 費用:入学金30,000円/初等部 月14,000円〜22,000円・中等部 月19,000円〜25,000円(公式)
- 出席扱い:記載なし
3. うみとひかりの支援室(大磯町大磯)|隣町で、出席扱いの考え方まで公式に説明
二宮町の東隣、大磯町の「大磯勉強団」の中にある支援室です。運営はうみとひかりの合同会社です。最寄駅と徒歩の分数は、公式サイトで確認できませんでした。
対象は小・中・高校生で、開室は火曜・木曜の12:00〜15:00。費用は公式サイトに税込で、入会金11,000円、週1回 月22,000円、週2回 月33,000円、システム利用料 月2,200円と書かれています。任意の教材(ワークパレット・月13,500円)や、学習レポート作成(1回3,300円)もあります。
出席扱いについては、「最終的な決定権は、お子様が在籍する学校の『校長先生』にあります」と公式に説明しています。学習レポートを作ってもらえるので、学校と相談するときの材料をそろえやすい施設です。
- 所在地:中郡大磯町大磯1699(大磯勉強団 内)
- TEL:0463-43-0579
- 対象:小・中・高校生
- 開所:火・木 12:00〜15:00
- 費用:入会金11,000円/週1回 月22,000円・週2回 月33,000円+システム利用料 月2,200円(税込・公式)
- 出席扱い:最終判断は在籍校の校長と説明(公式)
4. フリースペース いろえんぴつ(平塚市西八幡)|平日毎日、月額10,000円
平塚市西八幡のビルの3階にあるフリースペースです。公式サイトでは「子どもに関わる仕事や市民活動に取り組んでいる有志」が運営していると紹介されています。アクセスは「JR平塚駅から徒歩20分」、バスなら「コンフォール平塚前」下車、徒歩3分です。
対象は主に小中学生で、開いているのは月曜〜金曜の10:00〜15:00。費用は「1回2,000円、または月額10,000円(2回の無料体験があります)」と公式サイトに書かれています。平日毎日開いていて月額10,000円というのは、今回の5か所の中でいちばん費用を抑えられる条件です。
ただし、二宮町の補助の要件には「法人が経営していること」があります。いろえんぴつは法人格を確認できなかったため、町の補助の対象にならない可能性があります(町の判断は確認できていません)。補助を前提に考える場合は、先に町の教育指導課に確認してください。出席扱いについての記載はありませんでした。
- 所在地:平塚市西八幡1-1-27 さかえビル3階/平塚駅 徒歩20分・バス「コンフォール平塚前」徒歩3分(公式)
- TEL:080-5923-1127
- 対象:主に小中学生
- 開所:月〜金 10:00〜15:00
- 費用:1回2,000円または月額10,000円・無料体験2回(公式)
- 町の補助:法人の要件に合わない可能性あり(要確認)
5. 子どもと生活文化協会(CLCA)(小田原市城山)|自然の中の活動拠点へ車で移動
小田原市のNPO法人で、神奈川県の「フリースクール等の紹介」に載っている県西部の3団体のうちの1つです。事務所は小田原市城山1-6-32 Sビル2Fで、県のNPO紹介ページでは、主な活動場所は小田原市久野の「宏南庵」で、小田原駅西口前の事務所から車で移動すると書かれています。
県の団体シートでは、対象は小学1年生から高校生まで、日時は月〜金の9:00〜17:00です。申込は「相談室に電話(0465ー35ー9527)の後、面談し、本人の意思を確認した後、1週間の体験」という流れで、体験費用は通い27,500円・宿泊38,500円とされています。通常の月額の費用は、公式サイト・県シートとも確認できませんでした。面談のときに必ず確認してください。
- 所在地:小田原市城山1-6-32 Sビル2F(活動場所は久野の宏南庵)
- TEL:0465-35-8420(相談室 0465-35-9527)
- 対象:小学1年生〜高校生(県シート)
- 開所:月〜金 9:00〜17:00(県シート)
- 費用:1週間の体験 通い27,500円・宿泊38,500円(県シート)。月額は確認できず
- 出席扱い:記載なし
二宮町のフリースクール補助と、月々の負担の目安
二宮町の補助は、令和8年4月1日に施行された「二宮町フリースクール等利用児童生徒支援事業補助金」です。町は令和8年4月14日に「フリースクール等の利用料の補助を開始します」と記者発表しています。
補助の中身
| 項目 | 内容(町の公式ページ・要綱より) |
|---|---|
| 補助額 | 「1月につき利用料の3分の2で、上限15,000円」(1人あたり。100円未満切り捨て) |
| 対象になる保護者 | 次のすべてに当てはまる方:①二宮町内に在住し、二宮町立の小学校または中学校に在籍する児童生徒の保護者 ②児童生徒が心理的、情緒的理由等により申請前1年以内におおむね30日以上在籍する学校に登校していないこと ③月1回以上、対象となるフリースクール等を利用していること ④施設が在籍する学校等に情報を提供することに承諾すること ⑤利用料の補助について、他の補助を受けていないこと |
| 所得制限 | 記載なし |
| 出席扱いの要件 | なし(施設から学校への情報提供に同意することが要件) |
| 対象の経費 | 「入学費、授業料、実習費、教材費等」の利用料。交通費・食費の記載はなし |
| 対象施設 | 施設名の一覧はなく、要件で判断:①法人が経営していること ②1年以上の活動実績があること ③原則として週に1回以上開所し、主に学校の授業時間内に受け入れができること ④学習支援・生活習慣の改善指導・教育相談等の取組 ⑤相談業務ができる人員の配置 ⑥学校との連携 ⑦個人情報の適切な取扱い |
| 申請の締切 | その年度の最初の利用日の翌月末日(3月開始の場合は3月中) |
| その後 | 利用状況報告を年2回(4〜9月分は10月中、10〜3月分は3月1日〜4月10日)→確定→請求・支払い |
| 問い合わせ | 二宮町教育委員会 教育部 教育指導課 指導班 0463-75-9261 |
ポイントは、補助率が3分の2と高いことです。月の利用料が22,500円までなら利用料の3分の2が補助され、それを超えると上限の15,000円になります。一方で、施設名の一覧がないので、通いたい施設が要件を満たすかどうかは町に確認が必要です。町の要綱でも、学校の授業時間内に受け入れていることや、学校と連携できることが求められています。
補助を使った場合の、月々の負担の目安
今回の施設で、補助が満額出た場合の月々の負担を計算してみます(入学金などは除いた月額。実際に対象になるか、対象の経費と金額は町が決めます)。
| スクール | 月額(公式・県シート) | 補助(2/3・上限15,000円) | 補助後の目安 |
|---|---|---|---|
| のぞみ教室(週1日) | 15,000円 | 10,000円 | 5,000円 |
| のぞみ教室(週5日) | 52,000円 | 15,000円(上限) | 37,000円 |
| とどまる学園(初等部・週2) | 22,000円 | 14,600円 | 7,400円 |
| とどまる学園(中等部・週2) | 25,000円 | 15,000円(上限) | 10,000円 |
| うみとひかり(週1+システム料) | 24,200円 | 15,000円(上限) | 9,200円 |
| いろえんぴつ(月額) | 10,000円 | 法人要件のため対象外の可能性 | 10,000円 |
週1〜2日の利用なら、補助で負担が3分の1ほどになる施設が多いことがわかります。のぞみ教室に毎日通う場合は、上限に当たるので月3万円台の負担が残ります。

その前に確認したい、二宮町の公的な窓口
民間のフリースクールを探す前に(あるいは同時に)、町の窓口も確認しておきましょう。二宮町には、町の教育相談室・教育支援室「やまびこ」と、町内の全小・中学校にある「ほっとルーム」があります。
教育支援室「やまびこ」(通う場所)
町の公式ページとパンフレットによると、やまびこは「学校に行きたくても登校できない小学生・中学生とその保護者」のための場所です。教科学習、創作活動(絵画・書道・手芸等)、体験的な活動(農業体験・キャンプ等)、スポーツやレクリエーション、相談の時間があります。
- 所在地:二宮町二宮961番地(二宮町教育委員会2階)/JR二宮駅より徒歩5分
- 開室:月曜日〜金曜日 9:30〜15:00(月曜・水曜は14:30まで)。土日祝日と学校の長期休業中は休室
- 出席の扱い:「学校に籍をおいたまま通え、やまびこ通室は在籍校の出席扱いとなります」
- 相談:「まずは学校の先生や教育支援室にご相談ください。相談面接を行い、今後について一緒に考えていきます」
- 入室までの流れ:教育相談 → やまびこ見学 → 体験通室(2週間〜) → 通室の最終協議 → 正式通室決定(体験通室届・通室申込書は学校に持参)
- 費用:公式ページ・パンフレットに記載がなく、確認できませんでした
- 電話:0463-72-2883(直通)/0463-75-9261(指導班)
通った日が出席扱いになると公式に書かれていること、そして2週間以上の体験通室があることは、やまびこの大きな特徴です。いきなり正式に通い始めるのではなく、試しながら決められます。相談は学校を通しても、保護者が直接やまびこに電話しても大丈夫な書き方です。「費用はかかりますか」も、この電話で聞いてみてください。
全校の「ほっとルーム」(学校の中の居場所)
町は、一色小学校から始めた校内教育支援センター「ほっとルーム」を、令和6年度に町内5校すべての小・中学校に設置しました。令和8年度の施政方針では「昨年度、全小中学校への支援教育補助員の常駐を実現いたしましたが、今後は、『安らぎの居場所』として、さらに居心地の良い空間づくりを進めてまいります」とされています。「教室は無理だけど学校なら行ける」という段階なら、まず在籍校のほっとルームを聞いてみてください。
なお、二宮町の小・中学校は、令和5年4月から町内すべての学校が1つの施設分離型小中一貫教育校「にのみや学園」としてスタートしています。9年間を見通した教育の中で、ほっとルーム・やまびこ・民間のフリースクールをどう組み合わせるかを、学校と一緒に考えられる環境です。
それでも「合いそうな場所がない」と思ったら
ここまで読んで、「町内の2か所は曜日や学年が合わない」「東海道線で毎日通うのはまだ難しい」と感じた方もいると思います。そのときに残る選択肢がオンラインのフリースクールです。まず、3つの選択肢を正直に比べてみます。
通所・公的な窓口・オンラインを5つの観点で
| フリースクール (通所) | 二宮町の 公的な窓口 | オンライン (自宅から) | |
|---|---|---|---|
| 二宮町内に場所がある | ○ 町内に2か所 (のぞみ・とどまる) | ○ やまびこ (二宮駅徒歩5分) | ○ 自宅から |
| 送迎・移動がいらない | △ 町内は駅から 歩ける範囲 | △ 町内だが 移動は必要 | ○ 移動なし |
| 平日毎日通える | △ のぞみ教室は 週5日まで選べる | ○ 月〜金 9:30〜15:00 | ○ 時間割が公開 |
| 費用が事前にわかる | △ 公式に金額がない 施設もある | × 費用の記載なし | ○ 料金表が公開 |
| 対面で人と直接会える | ○ 同じ部屋で 過ごせる | ○ 職員・仲間と 過ごせる | × 画面越し (対面はない) |
○=対応 △=一部 ×=非対応 / ※各施設・自治体の公式サイトと神奈川県の公表資料の記載をもとにした一般的な傾向です。制度・費用は2026年9月時点。
表のとおり、二宮町は町内に通える場所がそろっている町です。オンラインは移動がいらない・時間割や料金が公開されている点で強い一方、同じ部屋で人と直接会うことはできません。どれか1つが正解というより、お子さんの今の状態に合わせて組み合わせるものだと考えてください。
オンラインが向いているとき
二宮町は町内の居場所が駅の近くにまとまっていますが、「家から出ること自体がまだ難しい」「朝起きて出かける生活リズムがまだつくれない」という段階では、どこへ通うにも最初のハードルがあります。そうしたときは、オンラインが向いています。朝決まった時間に画面の前に座る形なら、天候や家族の仕事の都合に左右されずに続けられます。人が多い場所が苦手な子にとっても、最初の一歩としてハードルが低いことがあります。
逆に、体を動かしたい、同じ部屋で誰かと過ごしたいという気持ちが強い子には、オンラインだけでは足りません。上の表でオンラインに×を付けたのはそこです。二宮町の場合は、町内にやまびこ・のぞみ教室・とどまる学園があるので、「オンラインで毎日の生活を整えながら、週に何日か町内の場所へ」という組み合わせがしやすい地域でもあります。
オンラインを選ぶ前に確認したい4つのこと
- 出席の扱い:在籍校で出席扱いになった実績があるか。手続きの書類を出してもらえるか
- 同じ時間に同じ仲間と過ごせるか:録画の授業を見るだけか、決まった時間に先生や仲間と会えるか
- 料金の総額:月額のほかに入学金・施設利用料・オプションがあるか。税込か
- 対面の機会:リアルの教室やイベントがあるか。ある場合、神奈川県内のどこか
この4つは、このあと紹介するNIJINアカデミーを含め、どのオンラインスクールを検討するときにも同じように聞いてください。
NIJINアカデミーのメタバース校舎|二宮町の自宅から毎日「登校」する学校
オンラインの選択肢の1つとして、にじいろを運営する株式会社NIJINのオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を紹介します。自社のサービスなので、良い点だけでなく、合わないかもしれない点も書きます。
NIJINアカデミーのいちばんの特徴は、オンラインを「通所の代わり」ではなく「本校舎」にしていることです。公式サイトには「メタバース校舎が、毎日みんなが通う本校舎です」とあり、朝アバターで登校して、授業を受けて、休み時間に雑談して、帰るという、学校と同じ1日がメタバースの中で続きます。録画の授業を見るだけの学習サービスとも、週1回のオンライン面談とも違う形です。公式サイトでは「日本初、公教育を持ち運び可能にしたオルタナティブスクール小中高一貫校」と紹介されています。
「通えない」を前提につくったメタバース校舎
公式サイトの記載から、ほかのオンラインスクールと違う点を3つにまとめました。
01
顔も声も出さなくていい
カメラはOFFのまま、アバターが教室にいてくれます。発言はチャットでも、反応はリアクションボタンでも大丈夫。しんどくなったら途中で抜けてもいい、と公式に書かれています。
02
関わる人数を自分で選べる
担任と1対1→クラス(8〜12人)→校舎(約150人)→全校、と出ていく範囲を自分で決められます。校舎を4つ(サン・ムーン・ゴールド・スター)に分けているのは、人が顔と名前を覚えられる約150人を超えないためです。
03
学年も地域もこえて学べる
現役教員のリアルタイム授業が月100コマ以上あり、受けたい授業を自分で選べます(学年もこえられる)。42都道府県の子どもと、共創してきた100社の企業・自治体・大学の大人が同じ校舎に集まります。
「家から出られない時期」でも、学び・友だち・会話・運動を切らさずにいられる、というのが公式の考え方です。
1日の過ごし方も、学校にかなり近い形です。公式サイトによると、朝の会・帰りの会で1日を始めて終え、月100コマ以上の授業から受けたいものを選びます。画面の前で体を動かす「ホーム体育」、クラスの困りごとを自分たちで話し合う「クラス会議」、毎週火曜13:00の「全校ホームルーム」(YouTubeでも生配信)、マイクラ・イラスト・将棋・鉄道などのサークル活動、学園祭などの年間イベントもあります。授業は日本最大級の教師団体「授業てらす」と連携していて、アーカイブは500本以上と公表されています。
学び方には3つの段階があります。公式の教育モデルでは、まず「自分を好きになる」(〜6か月)、次に「学びを好きになる」(〜8か月)、そして「社会を好きになる」(〜12か月)という順番で、最後の段階では100以上の企業・自治体・機関と連携しながら、地域課題の解決や商品アイディア、アプリ開発、ラジオ配信など「誰かのために何かをしたい」という思いを形にしていきます。
先ほどの「確認したい4つのこと」に、NIJINアカデミーを当てはめるとこうなります。
| 確認したいこと | NIJINアカデミーの場合(公式の記載) |
|---|---|
| 出席の扱い | 出席認定は希望者の97%(公式サイトの表記)。最終的に判断するのは在籍校の校長です |
| 同じ時間に同じ仲間と過ごせるか | 朝の会・帰りの会があり、クラスは8〜12人。担任と1対1で話せる時間もあります |
| 料金の総額 | メタバース通学 月25,443円(税込・メタバース料23,760円+施設利用料1,683円)/入学金33,000円(税込・初月のみ)。専任サポート(月16,500円)などのオプションあり |
| 対面の機会 | 全国52か所にリアル教室があり、神奈川県内では座間市(グランワルツ相武台校)・横浜市(横浜反町校など)・川崎市(武蔵新城校)に教室があります。ハイブリッド通学は月41,943円〜(リアル教室の料金・開校日は教室ごとに異なる) |
合わないかもしれない点も正直に書いておきます。1つ目は、同じ部屋で人と直接会うことはできないこと(上の比較表で×にしたところです)。2つ目は、二宮町の補助の対象になるかは町の判断で、補助を前提にできないこと。3つ目は、公式に「自宅からPCひとつでワンクリック登校」とあるとおり、パソコンと通信環境が必要なことです。NIJINアカデミーは法人が運営していますが、町の要件(学校の授業時間内の受け入れ、学校との連携など)に当てはまるかは、利用を考える前に町の教育指導課に確認してください。体を動かしたい・人と直接会いたい気持ちが強い子は、町内の居場所と組み合わせる形を考えてみてください。
それでも、「毎日同じ時間に先生や仲間と過ごしたいけれど、まだ家から出られない」という段階を考えると、通学時間0分で毎日同じ仲間と過ごせるメタバース校舎は、ほかの5か所とは違う役割を持つ選択肢です。
家から出られない日も、
自宅から「登校」できる学校。
NIJINアカデミーは、メタバースの本校舎に毎日通えるオルタナティブスクールです。カメラOFF・チャットでの発言でも参加できます。
見学で聞いておきたいこと
通所でもオンラインでも、見学や体験のときに聞いておくと後で困らない質問をまとめました。二宮町から通う場合に特に大事なものに印をつけています。
- 【二宮町から通う場合に特に大事】町の補助の対象になるか。施設が「法人が経営」「1年以上の活動実績」などの要件を満たすか、申請に必要な「利用確認」や「施設の実績」「利用料がわかる書類」を施設が出してくれるか。あわせて、学校への情報提供の方法も聞いておきましょう
- 【特に大事】出席扱いの実績。在籍校に出す書類(通所の記録・活動報告など)を作ってもらえるか。二宮町立の学校で実績があるか
- 月会費に含まれるもの。昼食、教材、イベント、交通費は別か
- 1日の過ごし方。来る時間・帰る時間は自由か。勉強の時間はあるか。何もしないで過ごしてもよいか
- 同じ年ごろの子がいるか。年齢の幅が広い施設では、年の近い子がいるかどうかで居心地が変わります
- スタッフの人数と経歴。教員経験者や相談員がいるか。保護者との連絡の頻度と方法
- 休んだとき・やめるときの扱い。月謝制の場合、休んだ日の分はどうなるか。途中でやめるときの手続き
- 体験できる回数。1回だけか、何回か試せるか。体験の費用
見学のときは、お子さんが「ここならいてもいいかも」と感じるかどうかがいちばん大事です。保護者が良いと思っても、本人が落ち着かない場所なら続きません。見学は1か所で決めず、できれば町内の「学校型」ののぞみ教室と「居場所型」のとどまる学園を両方見てみてください。

よくある質問
二宮町にはフリースクールの補助がありますか。
あります。令和8年4月から始まった「二宮町フリースクール等利用児童生徒支援事業補助金」で、フリースクール等の利用料の3分の2、1人あたり月15,000円までが補助されます。町内に住み、町立の小・中学校に在籍し、申請前1年以内におおむね30日以上登校していない児童生徒の保護者などが対象です。
どのフリースクールが補助の対象になりますか。
施設名の一覧はなく、「法人が経営していること」「1年以上の活動実績があること」「原則として週に1回以上開所し、主に学校の授業時間内に受け入れができること」などの要件で判断されます。通いたい施設が対象になるかは、教育指導課 指導班(0463-75-9261)に確認してください。
補助の申請はいつまでにすればいいですか。
その年度の最初の利用日の翌月末日が締切です。3月から利用を始める場合は、3月中に申請します。申請後は、年2回(4〜9月分は10月中、10〜3月分は3月1日〜4月10日)に利用状況を報告します。
補助で交通費や食費も出ますか。
町の要綱では、対象経費は「入学費、授業料、実習費、教材費等」の利用料とされていて、交通費や食費についての記載はありませんでした。対象になるかどうかは町に確認してください。
二宮町の不登校の人数はどれくらいですか。
「二宮町こども計画」によると、令和5年度は小学生44人・中学生60人の計104人でした。令和元年度の36人(小15人・中21人)から、5年でおよそ2.9倍に増えています。令和6年度の町の人数は、公表資料では確認できませんでした。
町の教育支援室「やまびこ」は出席扱いになりますか。
町の公式ページに「学校に籍をおいたまま通え、やまびこ通室は在籍校の出席扱いとなります」と書かれています。JR二宮駅から徒歩5分の町教育委員会2階にあり、月〜金の9:30〜15:00(月・水は14:30まで)開いています。費用は公式ページに記載がなく、確認できませんでした。
フリースクールに通うと、学校の出席扱いになりますか。
出席扱いにするかどうかは、在籍している学校の校長が判断します。大磯町のうみとひかりの支援室は「最終的な決定権は、お子様が在籍する学校の『校長先生』にあります」と説明しています。町の補助は出席扱いになっていることを条件にしていないので、出席扱いかどうかにかかわらず補助の対象になりえます。
オンラインのフリースクールでも、学校の出席扱いになりますか。
文部科学省の考え方では、自宅でのICTを使った学習も、一定の要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできるとされています。判断するのは在籍校の校長なので、まず学校に相談してください。たとえばNIJINアカデミーは、出席認定を「希望者の97%」と公式サイトで公表しています。検討しているスクールがあれば、在籍校とのやりとりをどこまで手伝ってもらえるかを聞いておくと安心です。
二宮町内のフリースクールはどこにありますか。
町内には、星槎学園高等部湘南校の中にある「フリースクール のぞみ教室」(二宮町二宮1352-4・二宮駅から徒歩12分・スクールバスあり・小5〜中3)と、NPO法人とどまる会の「フリースクール とどまる学園」(二宮町二宮1126-2 3F・水金の12〜16時・昼食付き)があります。
まとめ
二宮町でフリースクールを探すときに押さえておきたいことを、もう一度まとめます。
- 二宮町の不登校は令和5年度に104人で、5年でおよそ2.9倍に増えている
- 令和8年4月からフリースクール利用料の補助(3分の2・月15,000円まで)がある。所得制限・出席扱いの要件はなし。施設は要件で判断されるので、町に確認が必要
- 町内にはのぞみ教室(週1〜5日・小5〜中3)ととどまる学園(水金の午後・昼食付き)があり、東海道線で大磯・平塚・小田原の施設にも通える
- 町の教育支援室「やまびこ」は二宮駅から徒歩5分で、通室は在籍校の出席扱い。2週間以上の体験通室がある
- 全5校に「ほっとルーム」があり、支援教育補助員が常駐している
最初の一歩としては、①やまびこ(0463-72-2883)か学校に相談して、見学と体験通室の流れを聞く、②教育指導課 指導班(0463-75-9261)に、通いたいフリースクールが補助の対象になるかを確認する、の2つを同じ週に進めるのがおすすめです。二宮町は、町の窓口・民間の居場所・補助の3つがそろっている町です。焦らず、お子さんのペースで組み合わせを考えていきましょう。

この記事の内容を確かめるための一次資料
- 二宮町「フリースクール等利用児童生徒支援事業補助金」
- 二宮町「フリースクール等利用児童生徒支援事業補助金交付要綱」
- 二宮町 記者発表「フリースクール等の利用料の補助を開始します」(令和8年4月14日)
- 二宮町「教育相談室・教育支援室『やまびこ』」
- 二宮町こども計画(令和7〜11年度)
- 二宮町 令和8年度施政方針
- 二宮町 令和7年度施政方針
- 二宮町「施設分離型小中一貫教育校 にのみや学園」
- 神奈川県「フリースクール等の紹介」(令和8年度・2026年7月2日更新)
- 神奈川県「フリースクール等に通う子どもへの支援(市町村による取組を支援)」(2026年5月20日更新)
- 神奈川県「令和6年度 児童・生徒の問題行動・不登校等調査」(2025年10月29日発表)
- 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)について」
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日・自宅でのICT等を活用した学習活動の出席扱い)
- フリースクール のぞみ教室 公式サイト
- 神奈川県 団体シート「フリースクール のぞみ教室」
- フリースクール とどまる学園 公式サイト
- うみとひかりの支援室 公式サイト
- フリースペース いろえんぴつ 公式サイト
- 神奈川県 団体シート「子どもと生活文化協会(CLCA)」
- NIJINアカデミー 公式サイト(累計入学者数・出席認定率・学費・メタバース校舎・教育モデル)
※確認日:2026年9月29日
文責:にじいろ編集部
公開日:2026年9月29日 / 最終更新:2026年9月29日


