「下田市で、学校のかわりに通える場所はありますか」
下田市は、伊豆半島の南端にある、約47キロの海岸線をもつ温泉と海の町です。市には教育支援センター「あじさい教室」と、学校教育課の教育相談窓口があります。一方で、静岡県が公表している「フリースクール等民間施設情報」(令和8年6月29日現在)には、下田市・賀茂郡・伊東市・伊豆市の施設が1つも載っていません。この記事では、下田市から通える5か所と、市の窓口でわかっていること・わからないことを、公式の記載だけをもとに整理しました。
この記事でわかること
- 下田市から通えるフリースクール・学び場5か所の場所・対象・費用(公式サイト・公的な資料・報道で確認できた範囲)
- 伊豆急行線で伊東方面、車で伊豆の国方面へ出る場合の考え方
- 市の教育支援センター「あじさい教室」と教育相談窓口
- 静岡県の補助制度(運営団体向け)と、保護者向けの補助が確認できなかったこと
- 「通える場所がない」と感じたときに残る選択肢と、自宅から毎日「登校」できるNIJINアカデミーのメタバース校舎の特徴
この記事は、下田市・静岡県の公式資料と各施設の公式サイトに書かれていることだけを根拠にしています。公式に記載がなかったことは「確認できませんでした」とそのまま書いています。下田市の「よろづ処まごのて」は公式サイトが見当たらないため、報道(伊豆下田経済新聞)の内容をそのように明記して紹介しています。費用や曜日は変わることがあるので、実際に動く前に各施設へご確認ください(2026年9月時点)。
下田市の今の状況を、数字と場所で確かめる
まず、下田市という町の形を公式の資料で確かめておきます。市の紹介ページによると、下田市は「天城山系の南端から太平洋に至る豊かな自然に恵まれた都市」で、面積は104.38平方キロ、「約47kmに及ぶすばらしい海岸線」があり、「年平均気温は約17度と温暖」です。市の人口は令和8年9月1日時点で18,501人、世帯数は10,140世帯です。
鉄道は伊豆急行線の終点・伊豆急下田駅です。市の観光案内では、東京から特急で約2時間40分とされています。市役所の最寄りは蓮台寺駅で、徒歩5分です。
市立の学校は小学校7校(稲梓・稲生沢・白浜・浜崎・下田・大賀茂・朝日)と中学校1校(下田中学校)です。下田中学校は令和4年度に開校し、通学区域は「市内全域」とされています。市には「市内小中学校 いじめ及び不登校の状況」という資料がありますが、画像のため人数を読み取ることができませんでした。
全国では、文部科学省の調査で令和6年度の小・中学校の不登校は35万3,970人と過去最多になりました。下田市のように移動の距離が長い地域では、同じ学年に同じ立場の子が見つかりにくく、「うちだけかもしれない」と感じやすいかもしれません。でも、全国では30万人を超える子が学校以外の過ごし方を選んでいます。
知っておきたい3つの壁
公式の記載から見えてきた、下田市ならではの事情です。
01
県の一覧に近くの施設がない
静岡県の民間施設情報には、下田市・賀茂郡・伊東市・伊豆市の施設が1つも載っていません。近くの民間の場は、公式サイトや報道で一つずつ確かめる必要があります。
02
移動の距離が長い
伊東市や伊豆の国市の施設までは、電車や車でかなりの距離があります。毎日通うのは現実的でないことも多い地域です。
03
補助が確認できない
保護者向けのフリースクール利用料の補助は、市の公式サイトでも静岡県の公式ページでも確認できませんでした。
3つとも「どこに・いくら・どう通うか」を先に整理すれば前に進める壁です。このあと順番に見ていきます。
下田市から通えるフリースクール5選(比較一覧)
下田市内の2か所と、伊東市の1か所、伊豆の国市の2か所です。費用は公式サイトの金額を優先し、公式に記載がないものは静岡県の資料や報道の金額を、出典をつけて書いています。放課後等デイサービスや児童発達支援の事業所は、この記事では対象から外しました。
| 施設名(場所) | 対象 | 開所日 | 費用の目安 | 最寄駅・アクセス(公式) |
|---|---|---|---|---|
| よろづ処まごのて (下田市) | 賀茂地域の小学生〜高校生(報道) | 火・水・金 9:00〜12:00(報道) | 月16,500円〜、1日4,000円(報道) | — |
| 加藤塾 不登校支援 (下田市吉佐美) | 小学生〜高校生 | 昼間も対応(曜日は要相談) | 80分 3,000円 | 記載なし |
| フリースクール まいぷれーす えん (静岡県伊東市松原) | 公式に対象学年の明記なし | 9:00〜17:30 | 週3 23,000円〜通い放題 28,000円 | 記載なし |
| MOAスクール大仁校 (静岡県伊豆の国市浮橋) | 小1〜中3(高校生以上は要相談) | 記載なし | 月額14,000円〜(週1回・給食付き) | 熱海駅から車で約30分 |
| オルタナティブスクール あおぞら学校 (静岡県伊豆の国市天野) | 4歳〜18歳 | 記載なし | ビジター 週1 月12,000円〜(県資料) | 記載なし |
一覧にすると、「家からの近さ」「費用」「通い方」で5か所の性格がかなり違うことがわかります。市内で通えるのは「よろづ処まごのて」と加藤塾の不登校支援、通い放題で毎日通えるのは伊東市の「まいぷれーす えん」、長く続いている学校型の場所は伊豆の国市のMOAスクールとあおぞら学校です。
下田市からは、伊豆急行線で伊東方面に出られます。伊豆の国市の2か所は伊豆半島の中央部にあり、県の資料ではMOAスクールについて「熱海駅から車で約30分」とされています。下田市から各施設までの所要時間は公式の資料で確認していないため、実際に通う時間帯の時刻表や道のりで確かめてください。

5か所を1か所ずつ紹介します
ここからは、5か所の公式サイトと公的な資料に書かれていることを1か所ずつまとめます。資料によって書き方が違うところは、両方を載せています。「出席扱い」について公式に書かれていない施設が多いので、その点は見学のときに必ず聞いてください。
1. よろづ処まごのて(下田市)|賀茂地域で初めてと報じられた、自律型フリースクール
下田市の旧岡方村で2024年4月に開いたと報じられた「自律型フリースクール」です。公式サイトは見当たらず、情報の発信はSNSが中心のため、以下は伊豆下田経済新聞(2024年5月9日)の記事に書かれている内容です。
- 対象:「賀茂地域に在住する全ての小学生~高校生」
- 開校:火曜・水曜・金曜の9時〜12時
- 過ごし方:自分の決めた教科を学習する「自学」と、自分の「好き」や興味を突き詰める「自活」を、1日3コマの中で自由に組み合わせる
- 費用(報道・税表記なし):月16,500円〜。単発で1日4,000円の受け入れプランもあり
賀茂地域の子を広く受け入れると報じられた、地元の数少ない学び場です。ただし報道から2年以上たっているので、今も同じ形で開いているか、料金が変わっていないかを必ず確認してください。
2. 加藤塾の不登校支援(下田市吉佐美)|昼間の時間に、1回80分から学べる
下田市吉佐美1556の学習塾です。公式サイトには「加藤塾では不登校支援も行なっております。小学生から高校生まで。昼間の時間でも対応できます。」と書かれています。フリースクールではなく、学習塾の中の支援です。
- 対象:小学生から高校生までの不登校の子
- 費用(公式パンフレット・税表記なし):基本 勉強時間80分 3,000円。「勉強以外のことでもOK」
- 電話:0558-23-5967/0558-23-1451
1回単位で、昼間に大人と1対1に近い形で過ごせるのが強みです。曜日と出席扱いについては公式に記載がないので、問い合わせで確認してください。
3. フリースクール まいぷれーす えん(静岡県伊東市松原)|伊豆急で伊東へ。通い放題もあるフリースクール
NPO法人えんが運営するフリースクールで、所在地は伊東市松原771-12です。同じ法人は高齢者向けの認知症専門デイサービスや保育所も運営しています(放課後等デイサービスは事業一覧にありません)。公式サイトには「2026年10月よりAletheia Schoolと連携し、伊豆高原サテライト教室が始まります!」とあり、一般の受け入れは2026年10月16日から、12月末までは試行期間とされています。
- 時間:9:00〜17:30(14:30以降は延長。延長利用料 1日1,000円・要相談)
- 費用(公式・税表記なし):通い放題 28,000円/週4 26,000円/週3 23,000円/スポット利用 3,000円。ほかに施設利用料 月2,000円、教材費 月500円、入学時事務手数料10,000円。兄弟姉妹割引・シングル割引(各20%)あり
- 活動:料理、絵、手芸、園芸、ゲーム、運動など
- 電話:0557-36-5566
スポット利用(1回3,000円)から始められて、慣れたら通い放題にできるのが特徴です。対象学年、最寄駅、伊豆高原サテライト教室の場所と曜日は公式に書かれていないので、問い合わせで確認してください。静岡県の「フリースクール等民間施設情報」には載っていません。
4. MOAスクール大仁校(静岡県伊豆の国市浮橋)|20年の実績がある、森の中のフリースクール
伊豆の国市浮橋1601-1にあるフリースクールで、静岡県の「フリースクール等民間施設情報」(令和8年6月29日現在)に載っています。県の資料には「熱海駅から車で約30分、伊豆の国市の自然豊かな森の中にあるフリースクールです。2005年の開校から20年間に130名ほどの児童生徒の自立を支援してきました。」と紹介されています。
- 対象:小学1年生から中学3年生まで(高校生以上は要相談)
- 費用(静岡県の資料・税表記なし):入会金なし、月額14,000円(給食付きで週1回受講の場合)
- 電話:090-8209-5144
入会金がなく、週1回・給食付きで月14,000円から通えます。伊豆半島の東側からは距離があるので、通い方(送迎の有無など)を問い合わせで確認してください。出席扱いについては記載がありませんでした。
5. オルタナティブスクール あおぞら学校(静岡県伊豆の国市天野)|「個性を生きる」を理念にした、4歳から通える学校
伊豆の国市天野304-5にあるオルタナティブスクールで、静岡県の資料に載っています。県の資料には「当校は「個性を生きる」を理念とし、2019年4月に開校した新しいタイプの学校です。」と紹介されています。
- 対象:4歳〜18歳まで
- 費用(静岡県の資料・税表記なし):正規生徒 入学金30,000円・学費 月30,000円(兄弟姉妹2人目からは月1万円)。ビジター生徒 入学金30,000円・週1コース 月12,000円/週2コース 月18,000円/週3コース 月24,000円
- 電話:080-5455-5829
ビジター(週1〜3日)から通えるので、在籍校に籍を置いたまま、週に何日かだけ通う形も考えられます。伊豆半島の東側・南側からは距離があるので、通い方を問い合わせで確認してください。出席扱いについては記載がありませんでした。
下田市から通う場合の費用相場と、補助の有無
5か所の費用を、入会金と月額で並べました。交通費・昼食代・教材費は別になることがあります。
| 施設名 | 入会金 | 月額の目安 | 出典 |
|---|---|---|---|
| よろづ処まごのて | — | 月16,500円〜、単発1日4,000円 | 報道(2024年5月・税表記なし) |
| 加藤塾 不登校支援 | 記載なし | 80分 3,000円 | 公式(税表記なし) |
| まいぷれーす えん | 入学時事務手数料10,000円 | 週3 23,000円〜通い放題 28,000円+施設利用料2,000円・教材費500円 | 公式(税表記なし) |
| MOAスクール大仁校 | なし | 14,000円(週1回・給食付き) | 静岡県資料(税表記なし) |
| あおぞら学校 | 30,000円 | 正規 月30,000円/ビジター 週1 12,000円〜週3 24,000円 | 静岡県資料(税表記なし) |
金額がわかるものに限ると、5か所の費用は1回3,000円〜月3万円ほどです。下田市の場合は、施設の費用に加えて交通費と移動時間がとても大きくなりやすいので、両方を合わせて続けやすさを考えてください。
補助については、下田市の公式サイトではフリースクールの利用料の補助を確認できませんでした。静岡県には、フリースクールを運営する団体向けの助成制度(補助対象経費の2分の1以内、1運営主体あたり年100万円が上限)がありますが、保護者への利用料の補助は県の公式ページには書かれていません。
費用をおさえる方法としては、①市の教育支援センターを中心にして、民間は週1回にとどめる、②1回ごとの料金や会費の安い場所から始めて、合うかどうかを確かめる、③移動がいらないオンラインと組み合わせて、交通費と移動時間をかけない、の3つが考えられます。

その前に確認したい、下田市の公的な窓口
民間の場所を探す前に、市の窓口も知っておくと選択肢が広がります。
下田市教育支援センター「あじさい教室」(通う場所)
静岡県教育委員会の「不登校児童生徒への支援ガイド」(令和7年度版)では、下田市の教育支援センターは「あじさい教室」(下田市東本郷2-12-4)、電話は0558-23-3929、対象は小・中学生とされています。市の相談窓口のページでは、教育支援センターの対象は「下田市立小・中学校に在籍し、不登校またはその傾向にある児童生徒」と書かれています。
開室日や時間、費用、出席扱いは、市の公式サイトでは確認できませんでした。まずは学校教育課(0558-23-3929)か在籍校に、見学や相談ができるか聞いてみてください。
教育相談窓口(相談の入り口)
- 窓口:下田市教育委員会 学校教育課(下田市河内101番地の1)
- 受付:月曜日から金曜日(祝日を除く)午前9時から午後4時まで
- 電話:0558-23-3929
- 相談内容:「いじめ、非行などの問題行動や不登校に関する相談」
子育て全般の相談は、子ども家庭総合支援窓口(0558-22-2216)でも受けています。学校の中の居場所(校内教育支援センター)については、市の公式サイトでは確認できませんでした。
それでも「合いそうな場所がない」と思ったら
ここまで読んで、「伊東や伊豆の国まで毎日通うのは、距離を考えると難しい」と感じた方もいると思います。そのときに残る選択肢がオンラインのフリースクールです。まず、3つの選択肢を正直に比べてみます。
通所・公的な窓口・オンラインを5つの観点で
| フリースクール (通所) | 下田市の 公的な窓口 | オンライン (自宅から) | |
|---|---|---|---|
| 市内に場所がある | △ 市内は 2か所 | ○ あじさい 教室 | ○ 自宅から |
| 送迎・移動がいらない | × 市外は 長い移動 | △ 市内だが 移動は必要 | ○ 移動なし |
| 平日毎日通える | △ 毎日通えるのは 市外 | △ 公式に 記載なし | ○ 時間割が公開 |
| 費用が事前にわかる | △ 報道の情報 のみの場所も | △ 公式に 記載なし | ○ 公式に金額を公開 |
| 同じ部屋で人と会える | ○ スタッフ・ 仲間と対面 | ○ 先生・ 仲間と対面 | × 画面越し |
○=対応 △=一部 ×=非対応 / ※各施設・自治体の公式サイトと静岡県の公表資料の記載をもとにした一般的な傾向です。制度・費用は2026年9月時点。
オンラインが向いているとき
下田市から民間の施設に通うには、市内の2か所をのぞくと、伊豆急行線や車で長い距離を移動することになります。「まず生活のリズムを戻したい」「長い移動がまだ負担」という段階では、オンラインが向いています。朝決まった時間に画面の前に座る形なら、天候や交通の状況に左右されずに続けられます。
逆に、体を動かしたい、同じ部屋で誰かと過ごしたいという気持ちが強い子には、オンラインだけでは足りません。上の表でオンラインに×を付けたのはそこです。下田市の場合は、市の「あじさい教室」や市内の学び場があるので、「オンラインで毎日の学びを続けながら、週に何日かは市内の対面の場所へ」という組み合わせも考えられます。
オンラインを選ぶ前に確認したい4つのこと
- 出席の扱い:在籍校で出席扱いになった実績があるか。手続きの書類を出してもらえるか
- 同じ時間に同じ仲間と過ごせるか:録画の授業を見るだけか、決まった時間に先生や仲間と会えるか
- 料金の総額:月額のほかに入学金・施設利用料・オプションがあるか。税込か
- 対面の機会:リアルの教室やイベントがあるか。ある場合、静岡県内のどこか
この4つは、このあと紹介するNIJINアカデミーを含め、どのオンラインスクールを検討するときにも同じように聞いてください。
NIJINアカデミーのメタバース校舎|下田市の自宅から毎日「登校」する学校
オンラインの選択肢の1つとして、にじいろを運営する株式会社NIJINのオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を紹介します。自社のサービスなので、良い点だけでなく、合わないかもしれない点も書きます。
NIJINアカデミーのいちばんの特徴は、オンラインを「通所の代わり」ではなく「本校舎」にしていることです。公式サイトには「メタバース校舎が、毎日みんなが通う本校舎です」とあり、朝アバターで登校して、授業を受けて、休み時間に雑談して、帰るという、学校と同じ1日がメタバースの中で続きます。録画の授業を見るだけの学習サービスとも、週1回のオンライン面談とも違う形です。公式サイトでは「日本初、公教育を持ち運び可能にしたオルタナティブスクール小中高一貫校」と紹介されています。
「通えない」を前提につくったメタバース校舎
公式サイトの記載から、ほかのオンラインスクールと違う点を3つにまとめました。
01
顔も声も出さなくていい
カメラはOFFのまま、アバターが教室にいてくれます。発言はチャットでも、反応はリアクションボタンでも大丈夫。しんどくなったら途中で抜けてもいい、と公式に書かれています。
02
関わる人数を自分で選べる
担任と1対1→クラス(8〜12人)→校舎(約150人)→全校、と出ていく範囲を自分で決められます。校舎を4つ(サン・ムーン・ゴールド・スター)に分けているのは、人が顔と名前を覚えられる約150人を超えないためです。
03
学年も地域もこえて学べる
現役教員のリアルタイム授業が月100コマ以上あり、受けたい授業を自分で選べます(学年もこえられる)。42都道府県の子どもと、共創してきた100社の企業・自治体・大学の大人が同じ校舎に集まります。
「家から出られない時期」でも、学び・友だち・会話・運動を切らさずにいられる、というのが公式の考え方です。
1日の過ごし方も、学校にかなり近い形です。公式サイトによると、朝の会・帰りの会で1日を始めて終え、月100コマ以上の授業から受けたいものを選びます。画面の前で体を動かす「ホーム体育」、クラスの困りごとを自分たちで話し合う「クラス会議」、毎週火曜13:00の「全校ホームルーム」(YouTubeでも生配信)、マイクラ・イラスト・将棋・鉄道などのサークル活動、学園祭などの年間イベントもあります。授業は日本最大級の教師団体「授業てらす」と連携していて、アーカイブは500本以上と公表されています。
学び方には3つの段階があります。公式の教育モデルでは、まず「自分を好きになる」(〜6か月)、次に「学びを好きになる」(〜8か月)、そして「社会を好きになる」(〜12か月)という順番で、最後の段階では100以上の企業・自治体・機関と連携しながら、地域課題の解決や商品アイディア、アプリ開発、ラジオ配信など「誰かのために何かをしたい」という思いを形にしていきます。
先ほどの「確認したい4つのこと」に、NIJINアカデミーを当てはめるとこうなります。
| 確認したいこと | NIJINアカデミーの場合(公式の記載) |
|---|---|
| 出席の扱い | 出席認定は希望者の97%(公式サイトの表記)。最終的に判断するのは在籍校の校長です |
| 同じ時間に同じ仲間と過ごせるか | 朝の会・帰りの会があり、クラスは8〜12人。担任と1対1で話せる時間もあります |
| 料金の総額 | メタバース通学 月25,443円(税込・メタバース料23,760円+施設利用料1,683円)/入学金33,000円(税込・初月のみ)。専任サポート(月16,500円)などのオプションあり |
| 対面の機会 | 全国52か所にリアル教室があり、静岡県内では掛川市(NIJINアカデミー静岡掛川校・毎週火曜)に教室があります。ハイブリッド通学は月41,943円〜(リアル教室の料金・開校日は教室ごとに異なる) |
合わないかもしれない点も正直に書いておきます。1つ目は、同じ部屋で人と直接会うことはできないこと(上の比較表で×にしたところです)。2つ目は、月額はあおぞら学校の正規生徒(月30,000円)より低い一方、メタバースだけの場合は対面の時間はないこと。3つ目は、公式に「自宅からPCひとつでワンクリック登校」とあるとおり、パソコンと通信環境が必要なことです。体を動かしたい・人と直接会いたい気持ちが強い子は、市の「あじさい教室」や市内の学び場と組み合わせる形を考えてみてください(併用できるかどうかは、それぞれに確認が必要です)。
海と山にかこまれた伊豆半島の南端・下田市では、同じ年ごろの仲間と出会える場所まで、どうしても距離があります。42都道府県の子どもと、100社の企業・自治体・大学の大人が集まるメタバース校舎なら、移動時間ゼロで毎日いろいろな人とつながれます。ほかの5か所とは違う役割を持つ選択肢です。
遠くまで通えない日も、自宅から「登校」できる学校。
NIJINアカデミーは、メタバースの本校舎に毎日通えるオルタナティブスクールです。カメラOFF・チャットでの発言でも参加できます。
見学で聞いておきたいこと
通所でもオンラインでも、見学や体験のときに聞いておくと後で困らない質問をまとめました。下田市から通う場合に特に大事なものに印をつけています。
- 【下田市ならでは】今も同じ形で開いているか。公式サイトがない学び場もあるので、今の曜日・時間・料金と、在籍校への報告の方法を、電話や見学で必ず確かめる
- 【特に大事】出席扱いの実績。在籍校に出す書類(通所の記録・活動報告など)を作ってもらえるか。下田市立の学校で実績があるか
- 月会費に含まれるもの。昼食、教材、イベント、交通費は別か
- 1日の過ごし方。来る時間・帰る時間は自由か。勉強の時間はあるか。何もしないで過ごしてもよいか
- 同じ年ごろの子がいるか。年齢の幅が広い施設では、年の近い子がいるかどうかで居心地が変わります
- スタッフの人数と経歴。教員経験者や相談員がいるか。保護者との連絡の頻度と方法
- 休んだとき・やめるときの扱い。月謝制の場合、休んだ日の分はどうなるか。途中でやめるときの手続き
- 体験できる回数。1回だけか、何回か試せるか。体験の費用
見学のときは、お子さんが「ここならいてもいいかも」と感じるかどうかがいちばん大事です。保護者が良いと思っても、本人が落ち着かない場所なら続きません。市外の施設を見学するときは、実際に通う曜日と時間帯で行ってみると、移動の負担がわかります。

よくある質問
下田市にフリースクールはありますか。
静岡県の「フリースクール等民間施設情報」(令和8年6月29日現在)には、下田市の施設は載っていません。報道では、2024年4月に下田市の旧岡方村で「よろづ処まごのて」が開いたと伝えられています。市内の学習塾・加藤塾も、昼間の不登校支援を公式に案内しています。
下田市の教育支援センターはどこにありますか。
静岡県教育委員会の支援ガイド(令和7年度版)では、「あじさい教室」(下田市東本郷2-12-4、電話0558-23-3929)です。対象は下田市立小・中学校に在籍し、不登校またはその傾向にある児童生徒です。
相談だけしたいときは、どこに連絡すればいいですか。
下田市教育委員会 学校教育課の教育相談窓口(0558-23-3929、月〜金 9時〜16時)に相談できます。子育て全般の相談は子ども家庭総合支援窓口(0558-22-2216)でも受けています。
下田市や静岡県に、フリースクールの費用の補助はありますか。
市の公式サイトでは、保護者向けのフリースクール利用料の補助を確認できませんでした。静岡県の制度は、フリースクールを運営する団体向けの助成(補助対象経費の2分の1以内、年100万円が上限)です。
伊東市のフリースクールには、どうやって通いますか。
伊豆急行線で伊東方面に出る形になります。「まいぷれーす えん」は伊東市松原にあり、2026年10月からは伊豆高原でのサテライト教室も始まると公式に書かれています。サテライト教室の場所と曜日は問い合わせで確認してください。
費用をいちばんおさえられるのはどこですか。
加藤塾の不登校支援は80分3,000円(公式パンフレット)、「まいぷれーす えん」はスポット利用1回3,000円です。MOAスクール大仁校は週1回・給食付きで月14,000円(静岡県の資料)です。
小学校低学年でも通える場所はありますか。
MOAスクール大仁校(小1〜中3)、あおぞら学校(4歳〜18歳)、加藤塾(小学生〜高校生)が小学生を受け入れています。報道では、よろづ処まごのても小学生〜高校生が対象とされています。
オンラインのフリースクールでも、学校の出席扱いになりますか。
文部科学省の考え方では、自宅でのICTを使った学習も、一定の要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできるとされています。判断するのは在籍校の校長なので、まず学校に相談してください。たとえばNIJINアカデミーは、出席認定を「希望者の97%」と公式サイトで公表しています。検討しているスクールがあれば、在籍校とのやりとりをどこまで手伝ってもらえるかを聞いておくと安心です。
まとめ
下田市には、静岡県の一覧に載っている民間の施設はありませんが、市の「あじさい教室」と教育相談窓口があり、市内には報道で紹介されたよろづ処まごのてや加藤塾の不登校支援もあります。伊東市や伊豆の国市まで出れば、通い放題や学校型の選択肢もあります。
- まず相談したいとき:学校教育課の教育相談窓口(0558-23-3929)
- 市内で通える場所を探すとき:あじさい教室、よろづ処まごのて、加藤塾の不登校支援
- 毎日通える場所を探すとき:まいぷれーす えん(伊東市)
- 長く続いている学校型を探すとき:MOAスクール大仁校、あおぞら学校(伊豆の国市)
- 移動がまだ難しいとき:自宅から「登校」できるオンラインのフリースクール
下田市ではフリースクールの利用料の補助が公式に確認できないので、費用は家庭の負担になる前提で考えておく必要があります。だからこそ、「週何日・どこで・いくらで」を先に決めてから見学に行くと、比べやすくなります。お子さんが「ここならいてもいいかも」と思える場所は、市の中にも、市の外にも、画面の向こうにもあります。焦らず、一つずつ確かめていきましょう。

この記事の内容を確かめるための一次資料
- 下田市「下田市の紹介」
- 下田市「男女別人口・世帯数」
- 下田市「通学区域」
- 下田市「教育に関する相談窓口」
- NPO法人えん「伊豆高原サテライト」
- NIJINアカデミー 静岡掛川校
- 伊豆下田経済新聞「下田に地域初のフリースクール『よろづ処まごのて』」(2024年5月9日)
- 加藤塾 公式サイト
- NPO法人えん「フリースクール まいぷれーす えん」
- MOAスクール
- オルタナティブスクール あおぞら学校
- 文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
- 静岡県「民間施設(フリースクール)等との連携について」
- 静岡県「フリースクール運営費助成制度」
- 静岡県「フリースクール等民間施設情報」(令和8年6月29日現在)
- 静岡県教育委員会「不登校児童生徒への支援ガイド」(令和7年度版)
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
- NIJINアカデミー 公式サイト(累計入学者数・出席認定率・学費・メタバース校舎・教育モデル)
※確認日:2026年9月29日
文責:にじいろ編集部
公開日:2026年9月29日 / 最終更新:2026年9月29日


