家では普通に話せるのに、学校では声が出ない。名前を呼ばれても返事ができない。場面緘黙(ばめんかんもく)は、そういう状態を指す言葉です。「人見知り」「恥ずかしがり屋」と受け取られやすく、周囲が気づくまでに時間がかかることがあります。
この記事は、文部科学省・国立の研究機関・学術誌の記載だけを根拠に、①場面緘黙とは何か、②医学と法制度での位置づけ、③不登校との関係、④家庭と学校でできること、⑤どこに相談するか——を整理したものです。診断や治療の判断に代わるものではありませんので、心配なときは相談先の項目をご覧ください。

| 知りたいこと | 公的資料にもとづく答え |
|---|---|
| 場面緘黙とは? | 文部科学省は「発声器官等に明らかな器質的・機能的な障害はなく、機能的には話すことができるが、心理的な要因等により…特定の社会的状況において、話すことが一貫してできない状態」と説明しています |
| わざと話さないの? | 違います。国立成育医療研究センターの用語集は「わざと話さないのではありません」と明記しています |
| どんな分類? | 医学的には不安症群。学校教育では情緒障害に位置づけられ、発達障害者支援法に基づく支援の対象に含まれます |
| 不登校と関係ある? | 文科省の手引に「対人恐怖や不登校などの状態を引き起こす場合もある」と記載。学術調査では場面緘黙のある中学生の28.2%が不登校という報告があります |
| よくなることはある? | 文科省の手引は「ただし、適切な対応により症状が改善するものでもある」と記しています。ただし個人差が大きく、断定はできません |
| まずどこに相談? | 在籍校の担任・スクールカウンセラー、自治体の教育相談、発達障害者支援センター、かかりつけ医など。詳しくは本文の相談先の表へ |
場面緘黙とは|文部科学省の定義をそのまま読む
もっとも正確な説明は、文部科学省「障害のある子供の教育支援の手引」の第3編(PDF)にあります。
「選択性かん黙とは,一般的に,発声器官等に明らかな器質的・機能的な障害はなく,機能的には話すことができるが,心理的な要因等により,他の状況で話しているにも関わらず,特定の社会的状況(例えば,家族や慣れた人以外の人に対して,あるいは家庭の外など)において,話すことが一貫してできない状態である。ただし,適切な対応により症状が改善するものでもある。」
同じ手引には、発症の時期についても記載があります。「認定こども園・幼稚園・保育所に入園,入所する頃から,在園時,小学校入学時,小学校在学時に発症するケースが多く見られる」。
「選択性」という言葉が、いちばん大きな誤解を生んでいます
手引はこの点にはっきり触れています。「『選択性』という言葉から,『話さないことを自ら選んでいる』と誤解されがちであるが、一般的な原因としては,生来の対人緊張や対人不安の強さがあり,集団に入るとその不安が増強することから,不安を軽減するための自己防衛行動が固定化して発症すると考えられている。近年では「場面緘黙」と表されることが一般的になっている。」
国立成育医療研究センターの「こどもの心の診療ネットワーク事業」用語集も、同じことをより短い言葉で書いています。「ある環境(例えば家庭など)では自然に話せるけれど特定の社会的状況(例えば学校など)では話せないことが続き、日常生活に困難が生じます」「わざと話さないのではありません」「不安症のひとつとされているので、急いで話すことを強要してしまうと、より不安になり、症状が悪くなることがあります」。
| 呼び方 | 主に使われる場所 | 補足 |
|---|---|---|
| 場面緘黙(ばめんかんもく) | 保護者・支援者・近年の書籍 | 文科省の手引も「近年ではこの表記が一般的」としています |
| 選択性かん黙/選択性緘黙 | 文部科学省の通知・手引、学校の書類 | 行政文書ではこちらの表記。「選択」の語が誤解を招くと手引自身が指摘 |
| 場面緘黙症 | 医療の文脈、当事者団体 | 「症」を付けた言い方。指す状態は同じ |
| 緘黙 | 短縮した言い方 | 「かんもく」と読みます |
| selective mutism(SM) | 研究論文 | 日本場面緘黙研究会は「近年では『場面緘黙 (selective mutism)』という呼称が一般的である」としています |
医学ではどう分類され、法制度ではどう扱われるのか
ここは学校や役所とやりとりするときに効いてくる部分です。医学上の分類と学校教育での位置づけと法律上の支援対象が、それぞれ別の枠組みで整理されています。
| 枠組み | どう位置づけられているか | 出典 |
|---|---|---|
| 医学 | 不安症群のひとつ。「選択性緘黙(かんもく)は、特定の人の前では話しができるのですが、他の人々の前で話すことが必要になっても、まったく話せなくなることが特徴です」 | 国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」 |
| 学校教育 | 情緒障害として、自閉症・情緒障害特別支援学級および通級による指導の対象 | 文部科学省「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)」 |
| 法律(支援) | 「医学的には不安症群として分類されていますが、発達障害者支援法に基づく支援の対象にふくまれています」 | 国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター |
法律上の対象になる根拠は、文科省の資料からも二重にたどれます。平成17年の文部科学事務次官・厚生労働事務次官通知(別紙3)は「法の対象となる障害は…ICD-10における『心理的発達の障害(F80-F89)』及び『小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F90-F98)』に含まれる障害であること」と定め、別紙5(ICD-10抄)に「F94.0 選択(性)かん黙」が明記されています。
ICD-11についての注意
厚生労働省の令和6年度委託調査報告書(PDF)には「場面緘黙はICD-11において…『不安又は恐怖関連症群』に分類された。神経発達症からは外れた」という記載があります。ただしこれは有識者ヒアリング中の発言で、報告書自身が「国や本調査の調査委員会の見解を示すものではない」と但し書きをしています。分類の話であって、現在の日本で支援の対象から外れたという意味ではありません。
厚生労働省は「発達障害者支援施策の概要」のページで「吃音、トゥレット、場面緘黙の実態把握と支援のための調査研究(令和元年度〜2年度)」を紹介しており、そこでは場面緘黙が「顕在化しにくい発達障害」の一つとして扱われ、「症状が幼児期に限らないこと、家庭内や学校・職場以外の社会的状況においても困難度が高いことを明らかにした」と報告されています。
どのくらいの子にみられるのか
先に大事な前置きを。厚生労働省・文部科学省の公式ページに、場面緘黙の有病率の数値は掲載されていません。以下は日本場面緘黙研究会が発行する学術誌『場面緘黙研究』に掲載された論文の記載です。
| 調査 | 報告されている数値 |
|---|---|
| 国内外の論文16編の分析(趙・園山, 2018) | 0.02〜1.89%(国や調査時期によって幅がある) |
| 小学生約14万7千人を対象とした国内の大規模調査(梶・藤田, 2019) | 0.21% |
| Matsushita et al. (2019) | 幼稚園 0.66%/小学校 0.20%/中学校 0.16%。場面緘黙のある子が在籍する園・学校の割合は幼稚園28.6%、小学校40.9%、中学校46.7% |
0.21%は、おおよそ500人に1人にあたります。1学年3クラス規模の小学校なら、学校に1人はいてもおかしくない数です。日本場面緘黙研究会も「場面緘黙症とは」のページで「その認知度は低く…実際にはかなり多くの緘黙児が潜在的に存在している可能性が高い」と述べています。
場面緘黙と不登校の関係
文部科学省の手引には、対応を誤ったときに何が起きるかが書かれています。
「例えば,選択性かん黙への対応でいえば,周囲が本人の話さないことだけに着目し過ぎるために,何とか話させようという働きかけが多くなることがある。このような働きかけが続くと,逆に緊張と萎縮を生じさせてしまうことがあり,対人恐怖や不登校などの状態を引き起こす場合もある。」
数値としては、『場面緘黙研究』掲載の調査(高木潤野ほか, 2023)があります。場面緘黙症状のある幼児〜中学生210名の保護者調査で、「現在、不登校(園)になっている」に該当した割合は次のとおりでした。
| 学校段階 | 不登校(不登園)の割合 | 補足 |
|---|---|---|
| 幼児 | 4.1% | — |
| 小学生 | 14.2% | 論文は「文部科学省の統計と比較すると小学生で約17倍」と記載 |
| 中学生 | 28.2% | 同「中学生で約7倍高かった」。とくに高不安群の52.4%が現在不登校 |
※この数値は民間の研究会が発行する学術誌に掲載されたもので、全国代表性のある公的統計ではありません。ただし論文は「場面緘黙児への対応にあたっては、緘黙症状だけでなく行動の困難や不安の高さを把握し、積極的な支援や配慮を行う必要がある」と結論づけており、この方向性は文科省の手引の記述とも一致しています。
支援団体のかんもくネット(国立成育医療研究センターの用語集から公式に案内されている団体)も「適切な支援がないまま学校生活を送ると、長期的なストレスからうつ的な症状や不登校などの二次的な問題につながることがあります」と説明しています。
家庭でできること・避けたいこと
すべての資料が共通して述べているのは、話すことを急がせないということです。国立成育医療研究センターは「急いで話すことを強要してしまうと、より不安になり、症状が悪くなることがあります」と明記しています。

| 場面 | やってみたいこと | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 家で楽しそうに話しているとき | そのまま自然に話す。家庭が「安心して声を出せる場所」であることが土台になります | 「学校でもそうやって話せばいいのに」と比べる |
| 外で声が出なかったとき | うなずき・指さし・筆談・カードなど、声以外の伝え方を一緒に用意しておく | その場で「ほら、言ってごらん」と促す/代わりに全部答えてしまう |
| あいさつや注文をさせたいとき | 本人が「やってみる」と言ったときだけ。段階を小さく刻む(見ているだけ→指さし→小声→短い言葉) | 「これくらいできるでしょう」と一気に段階を飛ばす |
| 学校の出来事を聞きたいとき | はい・いいえで答えられる聞き方や、書いて伝える方法にする | 「今日は誰と話したの」と話した量を確認する |
| きょうだいや親戚がいる場面 | 事前に「答えられないときは代わりに言うね」と本人と決めておく | 親戚の前で「この子、しゃべらないの」と説明してしまう |
厚生労働省の調査研究では、支援の具体例として「メモパッドや身振り、ICT機器の活用など、幅広い支援ニーズ」が明らかにされ、支援マニュアルが作成されています(厚生労働科学研究成果データベース)。声にこだわらず、伝える手段を増やすことが実務的な出発点になります。
学校で受けられる支援|通級・特別支援学級・合理的配慮
学校に相談するときの根拠は文部科学省「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)」です。ここに、場面緘黙が明確に書かれています。
| 学びの場 | 通知の文言 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 自閉症・情緒障害特別支援学級 | 「主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので,社会生活への適応が困難である程度のもの」 | 学校教育法第81条第2項 |
| 通級による指導(情緒障害) | 「主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので,通常の学級での学習におおむね参加でき,一部特別な指導を必要とする程度のもの」 | 学校教育法施行規則第140条・第141条 |
大切なのは、同じ通知に「医学的な診断の有無のみにとらわれることのないよう留意し,総合的な見地から判断すること」と書かれている点です。診断書がないから相談できない、ということはありません。
また文部科学省「所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針の策定について」(5文科初第1788号/令和6年1月17日)には、「法の対象となる障害者は…いわゆる障害者手帳の所持者に限られないこと」と明記されています。令和6年4月1日からは事業者による合理的配慮の提供が義務となりました(内閣府・関係府省庁の対応指針一覧)。
| 場面 | お願いしたい配慮 |
|---|---|
| 出席確認 | 声での返事の代わりに、挙手・うなずき・カードの提示を認めてもらう |
| 音読・発表 | 事前録音の再生、書いたものを先生が代読、小グループでの実施、パスの選択肢 |
| 質問・困りごとの伝達 | 筆談ボードやサインカードを使う。合図を決めておく |
| 体調・トイレ | 声を出さずに伝えられる方法(カード、ジェスチャー)を担任と共有する |
| 評価 | 「発表しない=意欲がない」と評価されないよう、別の方法での評価を相談する |
| 担任の関わり | 手引は「選択性かん黙のある子供にとって学級担任の存在そのものが大きな環境因子となる」「どの子供であっても話しかけやすい教師でいることが重要」と述べています |
なお手引は、背景要因について「対人緊張や不安以外の背景要因として,知的障害や自閉症の他,吃音や構音障害などの言葉の問題がある場合もあり,多方面からの調査を基にした総合的な判断が必要」「自閉症との判別が付けにくいことがあることに留意が必要」とも述べています。家庭だけで判断せず、専門機関と一緒に見ていくことが勧められています。国立特別支援教育総合研究所の発達障害教育推進センターの解説も参考になります。
どこに相談すればいい?──場面緘黙の相談先マップ
「場面緘黙症 どこに相談」で探している方が多いテーマです。窓口はひとつではなく、年齢と、いま困っていることの中身によって適した先が変わります。
| 相談先 | どんなときに | 公式ページ |
|---|---|---|
| 在籍校の担任・スクールカウンセラー・特別支援教育コーディネーター | 学校での配慮、通級や特別支援学級の相談。まずここから | —(学校に直接。連絡帳や電話でも可) |
| 自治体の教育相談センター | 学校とうまく話が進まないとき、就学相談 | 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」 |
| 発達障害者支援センター | 発達の特性を含めて相談したいとき(都道府県・政令市に設置) | 発達障害者支援センター・一覧(国立障害者リハビリテーションセンター) |
| 市町村の保健センター・保健所 | 就学前の子ども、心身の健康の相談 | 保健所所管区域案内(厚生労働省) |
| 精神保健福祉センター | こころの健康、医療につなぐ相談 | 全国精神保健福祉センター一覧/NCNP「相談しあう・支えあう」 |
| 児童相談所 | 家庭の状況を含めた相談 | 児童相談所一覧(こども家庭庁) |
| かかりつけ医・小児科/児童精神科 | 診断や治療について相談したいとき | —(紹介が必要な場合があります。まずかかりつけ医へ) |
| こども家庭庁 相談窓口 | 自治体別の相談先を探したいとき | こども家庭庁「相談窓口」 |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者がつらいとき(0120-0-78310・24時間・無料) | 文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」について |
相談窓口
つらい気持ちが強いときは 24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(文部科学省・年中無休・無料)へ。おとなの方は 厚生労働省「まもろうよ こころ」 からも相談先を探せます。この記事は公的資料・学術資料の記載を整理したもので、診断や治療の判断に代わるものではありません。気になる症状が続く場合は、かかりつけ医や専門機関にご相談ください。
「治ったきっかけ」を探している方へ
検索でよく見かけるのが「場面緘黙 治ったきっかけ」という言葉です。ここは慎重に書きます。
文部科学省の手引は「ただし、適切な対応により症状が改善するものでもある」と述べています。日本場面緘黙研究会も「適切な治療的介入を行えば症状の改善が可能である。逆に、積極的な介入が行われなければ、症状が改善されずに固定化し…」と説明しています。つまり「放っておけば自然に治る」でも「一生変わらない」でもなく、対応次第で変わりうる、というのが公的・学術資料の共通した記述です。
一方で、「これをやったら話せるようになる」という単一のきっかけを示した公的資料はありません。個人差が大きく、年齢・環境・併存する特性によって経過が異なるためです。体験談は励みになりますが、そのまま自分の子に当てはめないほうが安全です。
| 方向 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 話すことを強要しない | 「急いで話すことを強要してしまうと、より不安になり、症状が悪くなることがあります」(国立成育医療研究センター) |
| 早めに相談・介入する | 「適切な治療的介入を行えば症状の改善が可能」「積極的な介入が行われなければ…固定化し」(日本場面緘黙研究会) |
| 緘黙以外の困難も見る | 「緘黙症状だけでなく行動の困難や不安の高さを把握し、積極的な支援や配慮を行う必要がある」(『場面緘黙研究』掲載論文) |
| 環境(とくに担任)を整える | 「学級担任の存在そのものが大きな環境因子となる」(文部科学省の手引) |
| 声以外の手段を増やす | 「メモパッドや身振り、ICT機器の活用など、幅広い支援ニーズ」(厚生労働科学研究) |
関連する動画(YouTube)
不登校専門家のタツロー校長が、不安の強い子と学校の関係について解説しています。
学校がつらくなったときの、学びの場の選択肢
場面緘黙のある子が学校で消耗しきってしまったとき、学びを止めないための場所を用意しておくと、回復の途中でも進路が閉じません。自治体の教育支援センター(適応指導教室)は原則無料で、在籍校の出席扱いにも対応しやすい場です。国の施策の全体像はCOCOLOプランにまとまっています。
声を出さずに参加できるという点で、オンラインの居場所が合う子もいます(チャットでの参加、カメラオフ、少人数など)。NIJINアカデミーは、不登校の子どもがオンラインで学び、人とつながることを目的としたオンラインスクールです。ほかの選択肢と並べて比べたうえで、合いそうなら相談してみてください。
声が出せない場所が増えてきたら、一度話してみませんか
NIJINアカデミーの無料オンライン相談では、参加の仕方(チャットのみ・カメラオフなど)についても相談できます。入会が前提ではありません。
よくある質問(場面緘黙)
Q. 人見知りとは違うのですか?
A. 人見知りは時間とともにやわらぐことが多いのに対し、場面緘黙は特定の状況で話せない状態が一貫して続く点が異なります。文部科学省の手引は「機能的には話すことができるが…話すことが一貫してできない状態」と定義しています。日本場面緘黙研究会が紹介するDSM-5の基準にも「持続期間は少なくとも1ヶ月(学校の最初の1ヶ月だけに限定されない)」という項目があります。
Q. 診断がないと学校に相談できませんか?
A. できます。文部科学省の通知は、通級等の判断について「医学的な診断の有無のみにとらわれることのないよう留意し,総合的な見地から判断すること」と明記しています。また合理的配慮の対象は「いわゆる障害者手帳の所持者に限られない」とされています。
Q. 学校では話せないのに家では話します。家では甘えているのでしょうか?
A. 違います。家で話せることは場面緘黙の特徴そのものです。文科省の定義も「他の状況で話しているにも関わらず、特定の社会的状況において話すことが一貫してできない状態」としています。家が安心して声を出せる場所であることは、支援の土台になります。
Q. 場面緘黙は発達障害ですか?
A. 医学的な分類では不安症群です。ただし国立障害者リハビリテーションセンターは「医学的には不安症群として分類されていますが、発達障害者支援法に基づく支援の対象にふくまれています」と説明しており、支援の枠組みとしては発達障害者支援の対象になります。
Q. どのくらいの子にみられますか?
A. 公的機関のページに数値の記載はありません。学術誌『場面緘黙研究』掲載論文によると、国内の小学生約14万7千人を対象とした調査で0.21%(およそ500人に1人)という報告があります。
まとめ
- 場面緘黙は「機能的には話せるのに、特定の状況で一貫して話せない状態」(文部科学省の定義)
- 「選択性」という語から誤解されがちだが、わざと話さないのではない
- 医学的には不安症群、学校教育では情緒障害、法制度では発達障害者支援法の支援対象
- 話すことを強要すると悪化することがある。声以外の伝え方を増やすのが出発点
- 診断がなくても学校に相談できる。通級・特別支援学級・合理的配慮の根拠が通知に明記されている
- 不登校につながることがある。早めに相談し、学びの場を確保しておくことが子どもを守ります
🔗 あわせて読みたい
場面緘黙の小学生|学校でできる支援
場面緘黙の子を支える保護者のかかわり方
母子分離不安とは? 学校に行けない子に共通する背景
小学生の行き渋り|理由と対応、連絡帳の書き方
教育支援センター(適応指導教室)とは
不登校でも高校には行ける|進路5つの選択肢
