「ホームスクーリングを選ぶと、友達と関わる機会が減ってしまうのでは?」
「地域に、同じ年頃の子どもが安心して参加できる場所が見つからない」
家庭を中心に学ぶことを考えたとき、学習内容と同じくらい気になるのが、人とのつながりではないでしょうか。家で穏やかに過ごせるようになっても、同年代の子どもと出会う機会が少ないことに、不安を感じる保護者もいます。
けれど、ホームスクーリングは「家の中で一人きりで学ぶこと」ではありません。オンラインを活用すれば、住んでいる地域にかかわらず、共通の興味を持つ仲間と出会えます。
そのきっかけの一つが、マインクラフト(以下、マイクラ)です。会話が得意でなくても、作った建物を見せたり、仲間の作品にリアクションを送ったりするところから関係を始められます。
この記事では、ホームスクーリング中の子どもがマイクラを通して全国の友達とつながる方法と、安心して参加できるオンラインサークルのポイントを紹介します。
ホームスクーリングは「家庭だけで学ぶこと」ではない
ホームスクーリングとは、学校だけを学びの場とせず、家庭を拠点に学び方を組み立てるスタイルです。教科書やドリルに取り組む日もあれば、オンライン授業を受ける日、興味のあるテーマを調べる日、地域の活動へ出かける日もあります。
大切なのは、学ぶ場所が家庭であっても、学びの相手まで家族だけに限る必要はないということです。オンラインの授業やサークルを利用すれば、全国の子どもや先生、専門家とつながれます。
学校のように、同じ年齢の子どもが同じ時間割で動く必要もありません。午前中に集中しやすい子もいれば、午後から活動しやすい子もいます。その日の体調や気持ちに合わせながら、自分に合った時間と方法で社会との接点を持てることは、ホームスクーリングの強みです。
ホームスクーリング中の「友達づくり」が難しく感じる理由
「友達をつくるために、同年代の集まりへ参加させよう」と考えても、その場が子どもに合うとは限りません。すでにできている集団へ入ること、大人数の前で自己紹介をすること、すぐに会話を返すことが負担になる子もいます。
特に、対人関係で傷ついた経験がある子や、発達特性によって会話のタイミングをつかみにくい子にとって、「友達をつくろう」と求められること自体がプレッシャーになる場合があります。
だからこそ、最初から会話を目的にしないつながり方が大切です。好きなものを見せる。相手の作品を見る。絵文字で反応する。短い言葉を一つ送る。小さな関わりを重ねるうちに、「この子も同じものが好きなんだ」という親しみが生まれます。
マイクラは、言葉より先に気持ちを伝えられる
マイクラでは、ブロックを組み合わせて家や城、街、乗り物、映画の世界などを自由に作れます。作品には、子どもの好きな色、興味のあるテーマ、こだわった仕組みがそのまま表れます。
「何を話せばよいか分からない」という子でも、作品があれば関わりの入口ができます。「この建物、すごい」「どうやって作ったの?」「私も同じ素材が好き」。マイクラが共通言語になり、作品を間に置いた会話が始まります。
顔出しや声出しが難しい日でも、作品画像を投稿することはできます。返事をすぐに考えられなくても、自分のペースでコメントを読めます。対面での会話とは違う、少しゆっくりとしたコミュニケーションが合う子もいます。

全国とつながるから、気の合う仲間を見つけやすい

地域の中だけで探すと、年齢や場所、開催時間などの条件が合わず、参加できるコミュニティが限られることがあります。マイクラが好きな子が近所にいるとも限りません。
オンラインサークルなら、北海道から沖縄まで、住んでいる場所に関係なく参加できます。学校や学年が違っても、「マイクラが好き」という共通点があれば関係を始められます。
同じ建築が好きな子、サバイバルを楽しみたい子、装置づくりが得意な子、動画を作ってみたい子など、マイクラの中でも興味はさまざまです。参加する人数や地域が広がるほど、自分と似た「好き」を持つ仲間と出会える可能性も高まります。
友達とは、毎日一緒に話す人だけではありません。作品に反応をくれる人、困ったときに作り方を教えてくれる人、次の活動を楽しみに待ってくれる人も、その子にとって大切な仲間です。
子どものオンラインサークルは「誰が見守るか」が重要

オンラインで子ども同士がつながるとき、同じゲームが好きな子が集まっているだけでは、安心できる場とはいえません。運営者が分かること、困ったときに相談できる大人がいること、子どもの発達段階に合わせたサポートがあることが重要です。
NIJINアカデミーのサークル活動では、子どもたちの「好き」から活動が生まれます。活動の主役は子どもですが、それぞれのサークルには担当の先生がいます。元教員をはじめ、子どもと関わってきた経験のある大人が見守る中で、交流を深められます。
大人がすべての会話を決めるのではありません。子どもが自分で話したり、企画したりできる余白を残しながら、言葉の行き違いが起きたときに間へ入ります。「こんなふうに伝えてみたらどうかな」と一緒に考えることも、コミュニケーションを学ぶ機会になります。
また、声や顔だけを参加条件にしないことも大切です。作品を投稿する、文字で伝える、リアクションだけ送るなど、複数の参加方法があれば、子どもは自分に合うところから始められます。
マイクラの交流は、学びにも広がっていく
マイクラで建物を作るとき、子どもは広さ、高さ、奥行き、素材、光の入り方、移動しやすさなどを考えています。完成までに何度も作り直すこともあります。
作品を仲間に見せるためには、「何を作ったのか」「どこを工夫したのか」を説明します。感想や質問を受け取ると、自分では気づかなかった視点にも出会えます。作る、見せる、伝える、もう一度試すという流れが生まれます。
Minecraft Education公式サイトでも、マイクラを使った活動は、協働、創造的な問題解決、コミュニケーション、システム思考などを使う機会になると紹介されています。
ただし、マイクラをしていれば、自動的にすべての力が伸びるわけではありません。安心して挑戦できること、工夫を言葉にすること、仲間から反応を受け取ることが、遊びを学びへ広げます。
年長・小学生から、自分に合った参加方法を考えられる

マイクラが好きな子の中には、小学生だけでなく、5歳、6歳の年長児もいます。操作に慣れていても、オンラインでのやり取りには保護者のサポートが必要な場合があります。
年齢だけで一律に判断するのではなく、子どもの操作状況、言葉でのやり取り、困ったときに大人へ伝えられるかなどを確認しながら、無理のない参加方法を考えることが大切です。就学前の参加については、事前に運営へ相談しましょう。
学校へ通っていない子やホームスクーリング中の子は、日中の学びや居場所を含めてNIJINアカデミーへ相談できます。学校へ通いながら放課後に参加したい子には、NIJIN放課後プロジェクトスクールという選択肢もあります。
「友達をつくらせる」のではなく、好きなものを一緒に楽しめる場所へ
子どもに友達が少ないように見えると、保護者は心配になります。しかし、友達づくりを急がせるほど、子どもが緊張してしまうこともあります。
まずは、「自分の作品を誰かに見てほしい」「この人の作品をもっと見たい」と思える場所を見つけることです。会話が生まれるのは、そのあとでもかまいません。
ホームスクーリング中でも、自宅から全国の仲間とつながれます。地域や学年を越えて、「マイクラが好き」という気持ちを共有できます。
一つの作品、一つのリアクションから始まった関わりが、子どもにとって安心できる友達や、新しい学びとの出会いになるかもしれません。
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動画で見る|【生徒物語】顔も声も出せなかった不登校のNさんがフリースクールで見せた変化と見つけた目標
この記事の内容を確かめるための一次資料
学校以外の学びの場は、この10年で制度が大きく変わりました。いまは「学校復帰だけがゴールではない」というのが国の公式な立場です。選択肢の全体像と、それぞれが制度上どう扱われるかを押さえておくと、進路の話が現実的になります。
下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| 文部科学省「学びの多様化学校の設置者一覧」 | 全国84校。旧・不登校特例校の全リスト |
| 文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」 | 高校に通わずに大学受験資格を得る制度 |
| 文部科学省「就学援助」 | 学用品費・給食費などの経済的支援 |
| 文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」 | 小中の不登校353,970人。全国の最新の実数 |
| 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」 | 「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針 |
| 同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合) | 教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件 |
| 同 別記2(自宅でICT等を活用した学習) | 自宅学習を出席扱いにする7つの要件 |
| 文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」 | 2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件 |
| 文部科学省「COCOLOプラン」 | 誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策 |
| 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」 | 全国1,045市区町村の公式相談窓口 |
| 教育機会確保法(e-Gov法令検索) | 第13条が「休養の必要性」を条文で認めている |
| こども家庭庁「子育て支援」 | 子育て世帯が使える支援制度の全体像 |
| 国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」 | 研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料 |
学校に相談するときの進め方
① 支援の目標をすり合わせる
「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。
② 具体的な場所を挙げる
「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。
③ 出席扱いの要件を一緒に確認する
「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。
④ 決めたことを記録に残す
面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
家庭でいまできること
制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。
いま家庭で確かめておきたいこと
睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)
食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか
頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)
「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか
保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか
学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか
声のかけ方で迷ったときは
「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。
逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。
| 相談先 | 聞けること | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー) | 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 | 無料 | まず学校での配慮を相談したいとき |
| 教育支援センター(市区町村) | 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い | 原則無料 | 学校の外に一歩を踏み出したいとき |
| フリースクール(民間) | 体験活動中心の居場所、少人数の学び | 月1〜5万円程度 | 興味や「やってみたい」から入りたいとき |
| オンライン | 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 | スクールにより異なる | 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき |
| 医療機関(小児科・児童精神科) | 体の不調の背景、診断と治療 | 保険診療 | 睡眠・食事・体の症状が続くとき |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者どちらの相談も | 無料・24時間 | いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310) |
どこから始めればいいか迷ったら
学校に伝えるときの文例
言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。
① しばらく休むことを伝える
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。
毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。
② 配慮をお願いする
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。
「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。
③ 出席扱いについて相談する
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。
ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。
④ 面談のあとに送る確認メール
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。
口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
伝える相手の順番
この記事のテーマについて、よく寄せられる質問
同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。
Q. 欠席が多いと高校に行けませんか?
A. 行けます。出席日数を選抜に使わない高校は増えており、通信制高校では欠席日数を問わないところがほとんどです。中学校卒業程度認定試験や高等学校卒業程度認定試験という道もあります。
Q. フリースクールに通うと出席扱いになりますか?
A. 要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできます。ただし文部科学省の通知では教育支援センター等の公的機関が第一に想定されており、民間施設は「公的機関に通えない場合」に考慮される位置づけです。詳しくは教育支援センターとはをご覧ください。
Q. 費用が心配です
A. 教育支援センターは原則無料です。民間のフリースクールについては、利用料の補助制度を設けている自治体が増えています。就学援助もあわせて教育委員会に確認してください。
Q. 学校に戻ることを目標にしなくていいのですか?
A. はい。文部科学省の通知が「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す」と明記しています。学校復帰は選択肢のひとつであって、唯一のゴールではありません。
Q. 近くに通える場所がありません
A. ①校内の別室、②教育支援センターの訪問型支援、③自宅でのICT学習を出席扱いにする道(別記2)、④オンライン——の順で確認するのが現実的です。地域に選択肢がないことは、家庭の責任ではありません。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

