- 高校卒業資格と大学入学資格の違い
- 日本の大学を受験できる3つのルートと、その比べ方
- 国際バカロレア(IB)と評価団体の認定の基礎知識
- 日本の大学・海外の大学へ進むときの入試の考え方
- 小学部・中学部を終えたあとの進学の扱い
- 高校段階で使える就学支援金と、高卒認定という道
- 学年ごとの準備スケジュールと、入学前に確認すること
結論:卒業後の進路は「認定」と「資格」で決まる
| 学校の状態 | 日本の高校卒業資格 | 日本の大学の入学資格 |
|---|---|---|
| 一条校(国際系の私立高校など) | 出る | ある |
| 評価団体(WASC・CIS・ACSIなど)の認定校で、12年の課程を修了 | 出ない | ある |
| 国際バカロレア(IB)などの資格を取得 | 出ない | ある |
| 上のどれにも当てはまらない学校 | 出ない | 学校の卒業だけでは得られない |
「日本の高校卒業資格が出ない」ことと「日本の大学を受験できない」ことは、同じではありません。文部科学省は、大学入学資格として、国際的な評価団体の認定を受けた教育施設の12年の課程を修了した人や、国際バカロレアなどの資格を持つ人を挙げています。
「高校卒業資格」と「大学入学資格」は別のもの
この2つを分けて考えると、進路の全体像がすっきりします。
大学へ進むために必要なのは「大学入学資格」です。日本の高校卒業資格がなくても、受験できる道があります。
多くの保護者が心配するのは、「日本の高校を卒業していないと、日本の大学に入れないのでは」という点です。実際には、大学を受験するために必要なのは大学入学資格で、これは高校卒業以外の方法でも得られます。大切なのは、通っている学校がその条件を満たしているかどうかです。

日本の大学を受験できる3つのルート
ルート1:評価団体の認定校を卒業する
WASC、CIS、ACSIといった国際的な評価団体の認定を受けた学校で、12年の課程を修了するルートです。大阪府箕面市の関西学院大阪インターナショナルスクールはWASC認定校、沖縄県読谷村の沖縄クリスチャンスクールインターナショナルはWASCとACSIの認定を公表しています。
ルート2:国際バカロレア(IB)などの資格を取る
IBのディプロマ・プログラム(DP)を修了して資格を得るルートです。IBのほか、英国のGCE Aレベルなども大学入学資格として認められています。カリキュラムの違いはIGCSE・A-Level・IBの違いで解説しています。
ルート3:一条校で日本の卒業資格も取る
一条校の高校であれば、日本の高校卒業資格がそのまま出ます。那覇市の沖縄尚学高等学校は、国際文化科学コースの生徒が卒業時に日本の高校卒業証書とIBディプロマの両方を得られると公表しています。箕面市の関西学院千里国際高等部も一条校で、希望者はIBDPを履修できます。
このほか、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)に合格して大学入学資格を得る道もあります。
3つのルートを4つの観点で比べる
| 認定校を卒業 | IBなどの資格 | 一条校を卒業 | |
|---|---|---|---|
| 日本の高校卒業資格 | × | × | ○ |
| 日本の大学の入学資格 | ○ | ○ | ○ |
| 海外の大学への出願 | ○ | ○ | △ |
| 通える学校の多さ | △ | △ | × |
○=得られる・有利 △=学校や条件による ×=得られない・少ない。一条校でIBのディプロマも取れる学校では、右の列と中央の列の両方が当てはまります。
3つのルートは、どれか1つを選ぶものではありません。WASCの認定校でIBのディプロマ・プログラムを学ぶ学校もあれば、一条校でIBのディプロマを取れる学校もあります。複数の根拠を持つ学校ほど、進路の選択肢は広がります。
反対に、どのルートにも当てはまらない学校もあります。評価団体の認定がなく、IBなどの資格も取れず、一条校でもない学校です。その学校を卒業しただけでは、日本の大学の入学資格が得られないことがあります。入学の前に、必ずどのルートに当たるのかを確かめてください。
国際バカロレア(IB)と評価団体の認定の基礎知識
3つのルートに出てくる言葉を、もう少しくわしく説明します。学校案内に必ず出てくる言葉なので、意味を知っておくと資料が読みやすくなります。
国際バカロレア(IB)とは
国際バカロレア(IB)は、国際バカロレア機構が提供する教育プログラムです。年齢に応じたプログラムがあり、大学入学資格に関わるのは、高校段階のディプロマ・プログラム(DP)です。
| プログラム | 対象の年齢 | 内容 |
|---|---|---|
| PYP(プライマリー・イヤーズ・プログラム) | 3〜12歳 | 幼児・小学生向け。教科の枠をこえた探究学習が中心 |
| MYP(ミドル・イヤーズ・プログラム) | 11〜16歳 | 中学生〜高校1年生ごろ向け |
| DP(ディプロマ・プログラム) | 16〜19歳 | 高校の最後の2年間。最終試験を経て、国際的に通用する大学入学資格(IB資格)を得られる |
学校がIBのプログラムを実施するには、プログラムごとに認定を受ける必要があります。「PYPの認定校」であっても、「DPの認定校」とは限りません。大学入学資格に関わるのはDPです。PYPだけの認定校に通っても、それだけでは大学入学資格にはつながりません。
また、「候補校」は認定校ではありません。認定に向けた準備の段階にある学校です。にじいろが調べた学校では、藤沢市の湘南インターナショナルスクールがPYPの候補校でした。候補校を選ぶ場合は、認定の見通しを学校に確かめてください。
国内のIB認定校は168校——半分以上が一条校
IBはインターナショナルスクールだけのものではありません。
文部科学省IB教育推進コンソーシアムの公表にもとづく数。認定を受けたプログラムの種類(PYP・MYP・DPなど)は学校によって異なります。
IB認定校の半分以上は、日本の学校として認可された一条校です。一条校でDPを学べば、日本の高校卒業資格とIBの資格の両方を得られます。那覇市の沖縄尚学高等学校が、その例です。
評価団体の認定(WASC・CIS・ACSI)とは
WASC、CIS、ACSIは、学校の教育の質を審査する国際的な団体です。文部科学省は、これらの団体の認定を受けた教育施設で12年の課程を修了した人に、大学入学資格を認めています。
ここでも「認定」と「加盟」は違います。団体の会員になっているだけの学校は、認定校ではありません。学校案内に「WASC」と書かれていたら、「認定を受けているのか」「いつ受けたのか」「何年生までが対象か」を確かめてください。関西学院大阪インターナショナルスクールは、WASCの認定を公式サイトで公表しています。
実例で見る——学校ごとの卒業後の資格
| 学校 | 位置づけ | 大学入学資格の根拠 | 地域 |
|---|---|---|---|
| 関西学院大阪インターナショナルスクール | 各種学校 | WASC認定、IB DP | 大阪・箕面 |
| 関西学院千里国際高等部 | 一条校 | 日本の高校卒業資格(希望者はIBDP) | 大阪・箕面 |
| 沖縄クリスチャンスクールインターナショナル | 各種学校 | WASC・ACSI認定 | 沖縄・那覇 |
| オキナワインターナショナルスクール 高等部 | 専修学校高等課程 | 大学入学資格付与校の認定(学校公式の説明)、IB DP | 沖縄・那覇 |
| 沖縄尚学高等学校 | 一条校 | 日本の高校卒業証書とIBディプロマ | 沖縄・那覇 |
| 東京ウエストインターナショナルスクール | 公式サイトに記載なし | 通信制を利用し、日本とアメリカ両方の高校卒業資格を取得できると案内 | 相模原の通学圏 |
| Rugby School Japan | 各種学校 | IGCSE・A-Level | 千葉 |
同じ学校でも、学部によって位置づけが変わることがあります。オキナワインターナショナルスクールは、幼児が認可外保育施設、小中が各種学校、高等部が専修学校高等課程です。「いま通っている学部」ではなく「卒業する学部」の資格を確認してください。

日本の大学へ進むときの入試の考え方
大学入学資格があれば、日本の大学を受験できます。ただし、どの入試方式で受けるかによって、準備の中身が変わります。大学ごとに出願の条件が違うので、ここでは考え方だけを整理します。
| 入試の方式 | 概要 | 確認すること |
|---|---|---|
| 総合型選抜・学校推薦型選抜 | 書類・面接・小論文などで評価する方式 | 出願資格に、インターナショナルスクールの卒業(見込み)が含まれるか |
| IBの成績を使う入試 | IBのディプロマの成績を出願に使える方式 | 必要な科目とスコア。実施している学部 |
| 帰国生を対象とした入試 | 海外で学んだ生徒を対象とする方式 | 国内のインターナショナルスクール出身者が対象に含まれるか |
| 英語で学位を取るプログラム | 授業を英語で行う学部・コース | 出願時期(秋入学かどうか)と必要な英語試験のスコア |
| 一般選抜 | 学力試験で評価する方式 | 日本語での受験になるため、国語などの準備が必要 |
注意したいのは、「帰国生入試」の対象です。海外の学校で学んだことを条件にする大学が多く、日本国内のインターナショナルスクールの卒業生は対象にならないことがあります。志望する大学の募集要項を、高校段階の早い時期に読んでおいてください。
日本語の力も、進路に関わります。面接や小論文が日本語で行われる入試では、日本語で考えを書く力が求められます。英語で受けられる入試だけに絞るのか、日本語の入試も視野に入れるのかで、高校での科目の選び方が変わります。
海外の大学へ進む場合
インターナショナルスクールを選ぶ理由として、海外の大学への進学を挙げる家庭は少なくありません。IBのディプロマや、英国のA-Levelは、海外の大学への出願で広く使われている資格です。千葉県柏市のRugby School Japanは、IGCSEとA-Levelのカリキュラムで学びます。
- 必要な資格と成績は、国と大学で違う。志望する国が決まっているなら、その国の大学が求める資格を、高校の科目選びの前に調べます
- 英語の試験のスコアを求められることがある。英語で授業を受けてきた生徒は免除される場合もありますが、条件は大学ごとに違います
- 出願の時期が日本と違う。秋に始まる大学が多く、出願は高校の最終学年の前半から始まります
- 費用は授業料だけではない。海外の大学は、授業料に加えて生活費がかかります。高校卒業までの学費とは別に、資金の見通しが必要です
学校に進路指導の担当者(カレッジ・カウンセラーなどと呼ばれます)がいるかどうかも、確かめておきたい点です。卒業生がどの国のどの大学へ進んだかは、学校の進路指導の力を表します。カリキュラムの違いはIGCSE・A-Level・IBの違いで解説しています。
小学部・中学部を終えたあとの進学
高校卒業後だけでなく、途中の進学にも注意が必要です。
つまずきやすい3つの時期
進路の問題は、高校卒業より前に起きることがあります。
01
小学部を終えるとき
文部科学省は、一条校でないインターの小学部を終えた子どもが一条校の中学校へ入学することは認められないと説明しています。実際の扱いは教育委員会との相談になります。
02
中学部を終えるとき
日本の高校を受験する場合、中学校卒業の資格が問題になります。志望校と教育委員会に、受験資格の扱いを早めに確認します。
03
学校が途中で終わるとき
小学6年生まで、中学3年生までの学校があります。幕張インターナショナルスクールは小学校まで、沖縄アミークスインターナショナルは中学校までです。
入学の時点で、その学校が何年生まであるのかを確かめておきます。
義務教育の扱いはインターナショナルスクールと義務教育で、転校の手続きはインターナショナルスクールの編入・転校で詳しく解説しています。
学校が何年生まであるかは、にじいろが調べた学校でもさまざまでした。幼児から高校3年生に当たるGrade 12まで一貫して通える学校もあれば、小学部までの学校もあります。途中で終わる学校を選ぶ場合は、「その次にどこへ進むか」を入学の時点で考えておく必要があります。
進路を左右する3つの分かれ道
分かれ道の2〜3年前から調べ始めると、選べる道が増えます。
高校段階で使える就学支援金
文部科学省は、高等学校等就学支援金の対象になる外国人学校を一覧で公表しています(2026年3月1日現在)。にじいろが確認した範囲では、次の学校が載っています。
- 大阪府:関西学院大阪インターナショナルスクール、コリア国際学園
- 神奈川県:横浜インターナショナルスクール、サンモール インターナショナル スクール、ホライゾンジャパンインターナショナルスクール
- 千葉県:Rugby School Japan
- 沖縄県:沖縄クリスチャンスクールインターナショナル
一覧に載っていない学校は対象になりません。詳しくはインターナショナルスクールの無償化・補助金を見てください。
就学支援金の対象になる学年は、学校によって決まっています。関西学院大阪インターナショナルスクールは、Grade 10〜12の生徒が申請できると公式サイトで案内しています。沖縄クリスチャンスクールインターナショナルは、文部科学省の一覧で、高等部の第二学年から第四学年までの課程が対象とされています。
高校段階は、インターナショナルスクールの授業料がいちばん高くなる時期です。関西学院大阪インターナショナルスクールのGrade 11〜12は年282万8,000円、横浜インターナショナルスクールのGrade 12は年344万円です。就学支援金の対象かどうかで、家庭の負担は変わります。
高校段階の年間授業料——小学生より高い
同じ学校の小学生の授業料と並べました。
各校の公式サイトの料金表(年額)。

高卒認定という、もう1つの道
通っている学校が3つのルートのどれにも当てはまらない場合や、途中で学校をやめた場合でも、大学入学資格を得る方法があります。高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)です。
- 文部科学省が実施する試験で、合格すると大学・短大・専門学校の受験資格が得られます
- 試験は年に2回行われます
- 受験する年度の終わりまでに満16歳以上になる人が受験できます
- 合格しても、18歳になるまでは大学入学資格は生じません
- 高校を卒業した資格(高卒の学歴)になるわけではありません
高卒認定は、日本語で出題される試験です。英語中心で学んできた子どもにとっては、国語や地理歴史などの科目の準備が必要になります。「最後は高卒認定がある」と考えるより、認定や資格のある学校を選んでおくほうが、子どもの負担は小さくなります。
学年ごとの準備スケジュール
高校段階の4年間(Grade 9〜12)で、いつ何をするかの目安を示します。学校のカリキュラムによって違うので、大まかな流れとして見てください。
進路の準備はGrade 9から始まる
学年の呼び方と日本の学年との対応は、学校によって異なります。

進路で困らないために、入学前に確認すること
| 確認すること | なぜ必要か |
|---|---|
| 評価団体の認定は「認定」か「候補」か「加盟」か | 大学入学資格の根拠になるのは認定です |
| IBはどのプログラムまで認定されているか(PYP・MYP・DP) | 大学入学資格に関わるのはDPです |
| 学校は何年生まであるか | 途中で終わる学校は、次の進学先が必要です |
| 卒業生が日本の大学・海外の大学にどう進んだか | 実績は学校の言葉で確かめます |
| 文部科学省の就学支援金の指定校か | 高校段階の負担が変わります |
学校に聞いておく8つのこと
「入学資格は得られますか」と聞くだけでなく、「その根拠は何ですか」まで聞いてください。
大学のあと——就職や資格試験への影響
進路は大学で終わりではありません。日本の高校卒業資格がないことが、その先で関わる場面も知っておきましょう。
大学を卒業すれば、最終学歴は大学卒業になります。就職の場面で高校の卒業資格を問われることは、多くありません。一方で、資格試験や採用試験のなかには、受験資格を「高等学校を卒業した者」などと定めているものがあります。大学入学資格を持つ人を同じように扱う試験もあれば、そうでない試験もあります。目指す資格や職業が決まっているなら、その試験の受験資格を早めに確かめてください。
もう1つは、日本語の力です。日本で働くなら、日本語で文書を読み、書く力が求められます。英語で学んできた強みを生かすためにも、高校段階まで日本語の学習を続けておくことが、進路の幅を広げます。
目指す進路で選ぶ学校が変わる
01
日本の大学が第一志望
日本の高校卒業資格も取れる一条校の国際系か、認定校でIBのDPを学べる学校が候補です。日本語の小論文や面接の準備も続けます。
02
海外の大学が第一志望
IBのDPやA-Levelを学べる認定校が候補です。卒業生の海外進学の実績と、進路指導の体制を確かめます。
03
まだ決まっていない
日本と海外の両方に出願できる根拠を持つ学校を選ぶと、あとから道を変えやすくなります。認定と資格の両方がある学校が安心です。
編集部が作成した想定例です。
進路が決まっていない家庭ほど、「根拠が複数ある学校」を選ぶ意味が大きくなります。
進路についてのよくある誤解
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| インターを卒業すると日本の大学には入れない | 認定校の卒業やIBなどの資格で、大学入学資格が得られます |
| IBと名前が付いていれば大学入学資格が得られる | 関わるのはDPです。PYPやMYPだけの認定、候補校では足りません |
| 大学入学資格があれば、日本の高校を卒業したことになる | 別のものです。日本の高校卒業資格は、一条校を卒業しないと得られません |
| 帰国生入試は、国内のインター出身でも受けられる | 海外の学校で学んだことを条件にする大学が多く、対象外のことがあります |
| どのインターでも就学支援金が使える | 文部科学省が指定した学校だけが対象です |
誤解の多くは、「卒業資格」「入学資格」「認定」「候補」という、似た言葉の取り違えから生まれます。学校案内を読むときは、この4つの言葉が出てくるたびに、どの意味で使われているかを確かめてください。わからなければ、学校に「それは日本の大学の入学資格になりますか」と、そのまま聞いてかまいません。はっきり答えられる学校は、卒業後の進路まで責任を持って考えている学校です。

よくある質問
この記事の内容を確かめるための一次資料
- 文部科学省「大学入学資格について」(ページ)
- 文部科学省「就学事務Q&A 11. 学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」(ページ)
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度の対象として指定した外国人学校等の一覧」(ページ)
- Osaka International School of Kwansei Gakuin「Accreditation & Evaluation」(ページ)
- 沖縄尚学高等学校「国際バカロレア認定校」(ページ)
- オキナワインターナショナルスクール「スクールについて」(ページ)
- 東京ウエストインターナショナルスクール(ページ)
- NIJIN GLOBAL ACADEMY 公式サイト(ページ)
- 文部科学省IB教育推進コンソーシアム「国際バカロレア認定校・候補校」(ページ)
- 文部科学省「高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)」(ページ)


