まずは、選択肢を知ることから
お子さんが学校に行きづらくなったとき、多くの保護者が「何から始めればいいのか」と悩みます。情報を集めようとしても、選択肢が多く、どこに相談すればよいか分かりにくいこともあります。
この記事では、学校以外の居場所や相談先について、事実を整理してお伝えします。
焦って結論を出す必要はありません。まずは、どんな選択肢があるのかを知ることから始めてみませんか。
不登校は、珍しいことではありません
文部科学省の調査によると、令和6年度の不登校児童生徒数は、全国で35万人を超えました。これは12年連続の増加で、過去最多の数字です。
特定のご家庭だけの問題ではなく、多くの子どもたちが経験していることが分かります。

学校以外にも、居場所や相談先があります
学校へ通うことが難しくなった場合でも、学びの場は学校だけではありません。現在は、子ども一人ひとりの状況や気持ちに合わせて、多様な学び方を選べるよう、国や自治体でもさまざまな取り組みが進められています。
例えば、次のような選択肢があります。
- ✅ 在籍校の別室登校・保健室登校、スクールカウンセラーへの相談
- ✅ 自治体が運営する教育相談や適応指導教室
- ✅ フリースクール・オルタナティブスクール
- ✅ 家庭学習やオンライン教材を活用した学び
どの選択肢が合うかは、お子さんの性格や状況、ご家庭の考え方によって異なります。
大切なのは、「学校へ戻ること」だけを目標にするのではなく、お子さんが安心して過ごし、自分らしく学べる環境を見つけることです。
また、フリースクールなどでの学びが、学校の判断によって「出席」として認められる場合もあります。ただし、出席扱いの基準は学校や自治体によって異なるため、気になる方は在籍校へ確認してみると安心です。
なお、このような学校以外の学びの場を大切にする考え方は、「教育機会確保法」(正式名称:義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)にも示されており、国や自治体には子どもたちの多様な学びを支える役割があるとされています。
荒川区にお住まいの方が相談できる窓口
西日暮里は荒川区にあります。区内には、次のような相談窓口があります。
- 教育相談:荒川区立教育センター 03-3801-4338(直通)/月〜金 午前9時〜午後5時/オンライン相談の予約は070-1579-5250
- 適応指導教室「みらい」:教育センター内にあり、直通は03-3802-5720(内線231)。在籍校を通じての申し込みが必要です
- フリースクール利用の費用補助:東京都フリースクール等利用者支援事業(月額上限2万円)に、荒川区独自の上乗せ補助(月額上限2万円)を組み合わせられる制度があります(金額・要件は年度により変動します)
「こんなことを聞いてもいいのだろうか」と迷う内容でも、まずは話してみることで、次の一歩が見えてくることがあります。
居場所を選ぶときに大切にしたい視点

公的な支援を選ぶ場合も、民間のフリースクールを選ぶ場合も、次のような視点で見ていくと、お子さんに合うかどうかを判断しやすくなります。
- ✅ お子さんが安心して過ごせる雰囲気があるか
- ✅ 「できないこと」ではなく、興味や個性を尊重してくれるか
- ✅ 通う頻度や場所が、家庭の生活リズムに無理なく合うか
- ✅ 費用や出席の取り扱いについて、事前に説明があるか
資料だけで判断せず、実際に見学や体験に足を運んでみることも一つの方法です。
雰囲気や相性は、行ってみて初めて分かることも少なくありません。フリースクールごとに、通学スタイルや大切にしていることはさまざまです。
お子さんやご家庭に合った場所を見つけるためにも、それぞれの特徴を知り、比較しながら検討してみることをおすすめします。
西日暮里のフリースクールまとめ
荒川区・西日暮里エリアには、公的な支援のほかにも、民間が運営する居場所や学びの場がいくつかあります。ここでは代表的な例を紹介します。運営状況や対象年齢は変わることがあるため、詳細は各施設の公式サイトでご確認ください。
フリースペースAoba(荒川区西尾久7-32-3 都電荒川車庫前駅徒歩2分)
小学4年生から高校生までを対象にした、自由参加型の居場所です。静かな学習スペースとゲーム・交流スペースがあり、個々のペースで学びと遊びを両立できます。週1回から利用でき、無料体験も可能です。
たぶんか(Tabunka)フリースクール(荒川区荒川3-74-6 千代田線「町屋駅」徒歩12分)
外国にルーツを持つ子どもたちを対象に、日本語や教科の学習、高校進学に向けたサポートを行う居場所です。日本語を母語としないお子さんが安心して過ごせる環境を大切にしています。
サドベリースクール アルママ(荒川区荒川1-57-6)
小学生から高校生までを対象に、子ども自身が学びたいことを選び、自分のペースで過ごせるサドベリースクールです。カリキュラムやテストはなく、話し合いで運営方針を決めるのが特徴です。通学・オンライン両方に対応しています。
このほかにも荒川区内にはいくつかのフリースクールがあります。より幅広く比較したい場合は、東京都の「TOKYO多様な学びの場・居場所ナビ(荒川区版)」も参考になります。
小1〜中3対象 「週4日メタバース、週1日リアル教室」という選択肢
フリースクールは、それぞれ通学日数や学び方に特色があります。その一例として、オンラインとリアルを組み合わせた学びを取り入れているNIJINアカデミーをご紹介します。
オンラインのメタバース校舎と週1回のリアル教室を組み合わせた、新しいスタイルのフリースクールです。リアル教室である「町屋・南千住校」は、西日暮里から千代田線で約2分、乗り換えなしで通える距離にあります。
NIJINアカデミー町屋・南千住校は、オンラインとリアルを組み合わせたアートの居場所
NIJINアカデミー町屋・南千住校は、週1回のリアル教室とオンラインのメタバース校舎を組み合わせた少人数制のフリースクールです。
子ども向けアート教室「アトリエキラリ」が運営し、水彩画やアクリル画、レジンなど70種類以上の表現活動を通して、一人ひとりの「好き」を育みます。
普段は自宅からメタバース校舎で全国の仲間や先生とつながり、週に1回はリアル教室でアート制作や体験活動を楽しみます。
また、町屋・南千住校は同じ荒川区内にあり、西日暮里からも無理なく通いやすい立地です。
「近所の人に会うのがつらい」「地域の目が気になる」と感じるご家庭の中には、あえて生活圏とは少し離れた場所を選ぶことで、周囲を気にせず通いやすくなったと感じるケースもあります。
安心できるオンラインの居場所と、無理なく通えるリアルな居場所。その両方を大切にしていることが町屋・南千住校の特徴です。
焦らず、一歩ずつで大丈夫です
居場所選びに、決まった正解はありません。まずは荒川区立教育センターに連絡してみる、という方法もあります。公的な支援と民間のフリースクールを、比べながら検討していくことも一つの方法です。
焦らず、お子さんに合う場所を、少しずつ探していきましょうね。
動画で見る|不登校・引きこもり・発達障害など学校に合わないすべての子どもが輝く教育機関
この記事の内容を確かめるための一次資料
学校以外の学びの場は、この10年で制度が大きく変わりました。いまは「学校復帰だけがゴールではない」というのが国の公式な立場です。選択肢の全体像と、それぞれが制度上どう扱われるかを押さえておくと、進路の話が現実的になります。
下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| 文部科学省「学びの多様化学校の設置者一覧」 | 全国84校。旧・不登校特例校の全リスト |
| 文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」 | 高校に通わずに大学受験資格を得る制度 |
| 文部科学省「就学援助」 | 学用品費・給食費などの経済的支援 |
| 文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」 | 小中の不登校353,970人。全国の最新の実数 |
| 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」 | 「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針 |
| 同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合) | 教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件 |
| 同 別記2(自宅でICT等を活用した学習) | 自宅学習を出席扱いにする7つの要件 |
| 文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」 | 2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件 |
| 文部科学省「COCOLOプラン」 | 誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策 |
| 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」 | 全国1,045市区町村の公式相談窓口 |
| 教育機会確保法(e-Gov法令検索) | 第13条が「休養の必要性」を条文で認めている |
| こども家庭庁「子育て支援」 | 子育て世帯が使える支援制度の全体像 |
| 国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」 | 研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料 |
学校に相談するときの進め方
① 支援の目標をすり合わせる
「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。
② 具体的な場所を挙げる
「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。
③ 出席扱いの要件を一緒に確認する
「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。
④ 決めたことを記録に残す
面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
家庭でいまできること
制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。
いま家庭で確かめておきたいこと
睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)
食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか
頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)
「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか
保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか
学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか
声のかけ方で迷ったときは
「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。
逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。
| 相談先 | 聞けること | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー) | 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 | 無料 | まず学校での配慮を相談したいとき |
| 教育支援センター(市区町村) | 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い | 原則無料 | 学校の外に一歩を踏み出したいとき |
| フリースクール(民間) | 体験活動中心の居場所、少人数の学び | 月1〜5万円程度 | 興味や「やってみたい」から入りたいとき |
| オンライン | 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 | スクールにより異なる | 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき |
| 医療機関(小児科・児童精神科) | 体の不調の背景、診断と治療 | 保険診療 | 睡眠・食事・体の症状が続くとき |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者どちらの相談も | 無料・24時間 | いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310) |
どこから始めればいいか迷ったら
学校に伝えるときの文例
言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。
① しばらく休むことを伝える
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。
毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。
② 配慮をお願いする
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。
「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。
③ 出席扱いについて相談する
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。
ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。
④ 面談のあとに送る確認メール
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。
口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
伝える相手の順番
この記事のテーマについて、よく寄せられる質問
同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。
Q. 欠席が多いと高校に行けませんか?
A. 行けます。出席日数を選抜に使わない高校は増えており、通信制高校では欠席日数を問わないところがほとんどです。中学校卒業程度認定試験や高等学校卒業程度認定試験という道もあります。
Q. フリースクールに通うと出席扱いになりますか?
A. 要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできます。ただし文部科学省の通知では教育支援センター等の公的機関が第一に想定されており、民間施設は「公的機関に通えない場合」に考慮される位置づけです。詳しくは教育支援センターとはをご覧ください。
Q. 費用が心配です
A. 教育支援センターは原則無料です。民間のフリースクールについては、利用料の補助制度を設けている自治体が増えています。就学援助もあわせて教育委員会に確認してください。
Q. 学校に戻ることを目標にしなくていいのですか?
A. はい。文部科学省の通知が「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す」と明記しています。学校復帰は選択肢のひとつであって、唯一のゴールではありません。
Q. 近くに通える場所がありません
A. ①校内の別室、②教育支援センターの訪問型支援、③自宅でのICT学習を出席扱いにする道(別記2)、④オンライン——の順で確認するのが現実的です。地域に選択肢がないことは、家庭の責任ではありません。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。


