こんにちは、NIJINアカデミー(以下、ニジアカ)のボランティアスタッフ、コージーです。
「不登校で、勉強もしない。このままで大丈夫なのだろうか」
そんな不安を抱えたことはありませんか。
今回お話を伺ったのは、お子さんが勉強しないことに不安を感じ、「このままで大丈夫なのだろうか」と悩んでいたお母さまです。
「学校に行けない日があっても、ここがあるから大丈夫」
そう思える場所に出会えたことが、何より大きかったと話してくださいました。
お子さんは2026年3月に小学校を卒業し、この春から中学生に。
ニジアカに出会ったのは、小学6年生の春、ちょうど1年前のことでした。
教室という空間が、どうしても合わなかった——。
それは先生やクラスメイトの問題ではなく、「学校という仕組み」との相性だったといいます。
居場所が見つからず苦しんだ日々。
そして、「やらせる」関わりから「待つ」関わりへと変わっていった親子の時間。
ニジアカとの出会いをきっかけに起きた変化と、保護者としての葛藤や気づきをお届けします。
居場所がなかったあの頃

入学前、お子さんは学校に通ってはいたものの、教室で過ごすことが難しい状況でした。
もともと自我が強く、自分の気持ちを大切にする一方で、人との関わりに難しさを感じる場面がありました。
小学3年生頃から人間関係につまずきが見え始め、学年が上がるにつれて不安を抱えながら学校生活を送るように。
さらに5年生での転校が大きな転機となりました。
環境の変化による心の負担が積み重なり、次第に教室で過ごすことが難しくなっていきます。学校には通っていても、教室には入れない。信頼できる先生の支えでなんとか登校は続けられていたものの、「学校の中に居場所がない」状態でした。
「行きたい気持ちはあるのに、いられない。その状態が、本人にとって一番つらかったと思います」
そんな状況の中で出会ったのが、ニジアカでした。
「ここにいていい」と思える場所があるという安心
ニジアカに入学して一番よかったと感じたのは、「学校に行けない日があっても大丈夫」と思えるようになったことだと話します。
オンラインで同世代の子どもたちや先生とつながることができる。無理に登校しなくても、「ここに居場所がある」と感じられる。それが、お子さんの心の安定につながっていきました。
「学校という場が、この子にとっては少し合いづらかったのだと感じています。」
強制しない関わりが、子どもの一歩を引き出す

入学当初、お子さんは緊張しながらもニジアカに参加していました。すぐに打ち解ける様子ではありませんでしたが、先生の関わり方が大きな支えになったと言います。
印象的だったのは、「やってみよう」「できそうならやってみよう」という声かけです。
「“やりなさい”ではなく、“できたらやってみよう”と選択を子どもに委ねてくれる。その上でやりたい気持ちはあってもなかなか一歩が出ない時は、励まし背中を押してもらえる。その距離感がとてもよかったです」
強制されることに強い抵抗を感じるタイプのお子さんにとって、自分で選べる環境は安心そのものでした。
入学後の面談で子どもの状況を伝えたこともあり、先生は特性を理解したうえで関わってくださいました。前向きな声かけを重ねてくれたことで、保護者としても安心して見守ることができたといいます。
リアルでの出会いがもたらした変化
大きな転機となったのは、入学後すぐに参加したリアルイベントでした。
それまで画面越しでしか会っていなかった仲間や先生と実際に会ったことで、お子さんの中で安心感が大きく変わったと言います。
「オンラインでは伝わりにくい空気感や反応が、リアルだと感じられる。本人にとって、それがとても大きかったと思います」
リアルで会った五感で感じるコミュニケーションが、お子さんの心を開くきっかけとなり、ニジアカへの前向きな気持ちが生まれていきました。
「勉強しなさい」をやめたとき、動き出した
お母さまとして最も大きな悩みは、「学びの遅れ」でした。
「将来、自立できなくなるのではないかという不安がずっとありました」

その不安から、「勉強しなさい」と繰り返し伝え、時には学校の先生も巻き込みながら勉強を促していた時期もあったそうです。しかし、それがかえって親子の衝突を生み、お子さんの反発を強めてしまいました。
そしてあるとき、お母さまは決断します。
「この子にはこの子のペースがあり、きっと今はそのタイミングではないのだろう。もう“勉強しなさい”はやめよう」
すぐに結果が出るわけではありません。むしろ、「このままずっとやらなかったらどうしよう」という不安と隣り合わせの日々が続きます。
それでも「待つ」と決め、関わり方を変えた結果——
6年生の12月、お子さんは自ら「勉強する」と言い出しました。
「本当に驚きました。今まで全くやらなかったのに。」
今でも、勉強を継続して取り組んでいるんです。
学力そのものよりも、「自分でやろうとする力」が芽生えたこと。それが何より大きな変化でした。
変わらなくても、不安ではなくなった理由
現在、お子さんはすべての授業に参加しているわけではありません。顔出しや発言はせず、チャットで関わることが中心です。
それでもお母さまは、不安を感じていないと言います。
「参加の仕方はどうであれ、つながっている。それだけで十分だと思えるようになりました」
もともとお母さまの中には、
「興味を持って見れば、世の中には楽しいことがたくさんある。学ぶことの楽しさを知ってほしい」
という願いがありました。
「面白そうな授業があるので、もっとやってほしい」と思うこともあります。
それでも今では、「この子なりの関わり方でいい」と受け止められるようになりました。
保護者自身の心も大切にするということ
最後に、同じように悩む保護者の方へのメッセージを伺いました。
「親だからといって、強くいなければいけないわけではないと思うんです」
しんどいときは、しんどいと思っていい。
その気持ちを否定せず、自分自身の気持ちも大切にすること。
それが結果的に、子どもとの関係にも良い影響を与えていく——。
そんな気づきがあったと話してくださいました。
インタビューを終えて

今回、インタビューをお聞きしながら、私自身の経験と重なる部分が多く、強く共感しました。
特に、「子どもが動き出すまで待つ」と決めたときの葛藤は、痛いほどよくわかります。本当はあれこれ言いたい。でも、ぐっとこらえる。その時間がいつ終わるのかもわからない中で待ち続けるのは、本当に辛く、歯がゆいものでした。
私もかつて、「転ばぬ先の杖」のつもりで、勉強するように言い続けていました。しかし今回のお話を通して、改めて思います。転ぶことにも意味があり、そこからしか得られない学びや成長があるのではないか、と。
それでも、「このまま動き出さなかったらどうしよう」「周りに取り残されたらどうしよう」という不安は、親として消えることはありません。
だからこそ、「待つ」という選択は簡単ではないのだと思います。
それでも今、振り返ると——
あのとき「待つ」と決めてよかったと、心から思います。
同じように悩んでいる保護者の方にとって、このお話がひとつのヒントや支えになれば嬉しいです。

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動画で見る|【不登校】夏休み明けに増えるのは「子どもが急に行きたくなくなる」からではありません。子どもが学校に行けなくなるまでの本当の理由
この記事の内容を確かめるための一次資料
学校とのやりとりは、担任個人の考え方に左右されやすい部分です。だからこそ国が学校に何を求めているかを知っておくと、話が噛み合いやすくなります。「認めてください」ではなく「要件を満たすには何を用意すればよいですか」と聞くのが、実務上いちばん通ります。
下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| 文部科学省「生徒指導提要」 | 学校の生徒指導の基本方針(改訂版) |
| 文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業」 | SC・SSWの役割と配置の考え方 |
| 文部科学省「就学援助」 | 学用品費・給食費などの経済的支援 |
| 文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」 | 小中の不登校353,970人。全国の最新の実数 |
| 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」 | 「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針 |
| 同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合) | 教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件 |
| 同 別記2(自宅でICT等を活用した学習) | 自宅学習を出席扱いにする7つの要件 |
| 文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」 | 2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件 |
| 文部科学省「COCOLOプラン」 | 誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策 |
| 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」 | 全国1,045市区町村の公式相談窓口 |
| 教育機会確保法(e-Gov法令検索) | 第13条が「休養の必要性」を条文で認めている |
| こども家庭庁「子育て支援」 | 子育て世帯が使える支援制度の全体像 |
| 国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」 | 研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料 |
学校に相談するときの進め方
① 支援の目標をすり合わせる
「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。
② 具体的な場所を挙げる
「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。
③ 出席扱いの要件を一緒に確認する
「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。
④ 決めたことを記録に残す
面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
家庭でいまできること
制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。
いま家庭で確かめておきたいこと
睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)
食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか
頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)
「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか
保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか
学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか
声のかけ方で迷ったときは
「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。
逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。
| 相談先 | 聞けること | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー) | 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 | 無料 | まず学校での配慮を相談したいとき |
| 教育支援センター(市区町村) | 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い | 原則無料 | 学校の外に一歩を踏み出したいとき |
| フリースクール(民間) | 体験活動中心の居場所、少人数の学び | 月1〜5万円程度 | 興味や「やってみたい」から入りたいとき |
| オンライン | 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 | スクールにより異なる | 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき |
| 医療機関(小児科・児童精神科) | 体の不調の背景、診断と治療 | 保険診療 | 睡眠・食事・体の症状が続くとき |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者どちらの相談も | 無料・24時間 | いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310) |
どこから始めればいいか迷ったら
学校に伝えるときの文例
言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。
① しばらく休むことを伝える
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。
毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。
② 配慮をお願いする
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。
「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。
③ 出席扱いについて相談する
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。
ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。
④ 面談のあとに送る確認メール
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。
口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
伝える相手の順番
この記事のテーマについて、よく寄せられる質問
同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。
Q. 欠席が多いと高校に行けませんか?
A. 行けます。出席日数を選抜に使わない高校は増えており、通信制高校では欠席日数を問わないところがほとんどです。中学校卒業程度認定試験や高等学校卒業程度認定試験という道もあります。
Q. フリースクールに通うと出席扱いになりますか?
A. 要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできます。ただし文部科学省の通知では教育支援センター等の公的機関が第一に想定されており、民間施設は「公的機関に通えない場合」に考慮される位置づけです。詳しくは教育支援センターとはをご覧ください。
Q. 費用が心配です
A. 教育支援センターは原則無料です。民間のフリースクールについては、利用料の補助制度を設けている自治体が増えています。就学援助もあわせて教育委員会に確認してください。
Q. 学校に戻ることを目標にしなくていいのですか?
A. はい。文部科学省の通知が「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す」と明記しています。学校復帰は選択肢のひとつであって、唯一のゴールではありません。
Q. 近くに通える場所がありません
A. ①校内の別室、②教育支援センターの訪問型支援、③自宅でのICT学習を出席扱いにする道(別記2)、④オンライン——の順で確認するのが現実的です。地域に選択肢がないことは、家庭の責任ではありません。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

