- 立川市内には10か所(東京都の助成対象施設の一覧に掲載されている数)。多摩地域で最多です
- ただし小学生を受け入れると公式に明記しているのは、そのうち半分ほどです
- 立川市の相談窓口リーフレットには、フリースクールについて「一定の要件を満たせば、在籍校での出席認定や成績評価の対象になります」と明記されています
- 市独自の利用料補助はありません。使えるのは東京都の月2万円の助成金です
- 教育支援センター「おおぞら」「たまがわ」は市立学校に在籍していることが条件です
この記事は、オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営する株式会社NIJINが編集しています。10番目に自社の教室を挙げていますので、自社の紹介を含む記事であることを先にお伝えします。ほかの9か所と同じ項目・同じ粒度で書き、公式サイトに書かれていないことは「記載なし」とそのまま書いています。
市内に10か所。多摩でいちばん多い市です
東京都が公開している「フリースクール等利用者支援事業(助成金)児童生徒通所施設一覧」を市ごとに数えると、立川市は10か所。府中市4か所、国分寺市2か所、昭島市1か所、東久留米市1か所、東村山市1か所という並びのなかで、立川市だけが突出しています。多摩地域でフリースクールを探すとき、立川は避けて通れない場所です。
ただし、数の多さをそのまま喜べません。10か所の内訳を見ると、通信制高校のサポート校が設けた中等部が3つ(学研WILL学園・第一学院・一ツ葉)あり、うち第一学院は「登校機会は月1〜4回程度」、一ツ葉の中等部通学コースは「毎週水曜16時から18時」です。平日の日中をまるごと過ごす場所を探している場合、この3つは条件が合いません。小学生を受け入れると公式に明記しているのは、10か所のうち半分ほどです。
費用の話をします。立川市には市独自のフリースクール利用料補助がありません。市の教育委員会の報告書に書かれている取組は「東京都によるフリースクール等利用者への支援事業の周知及び諸手続き」で、これは周知と事務であって市の補助金ではありません。使えるのは東京都フリースクール等利用者支援事業助成金(月2万円上限)だけです。
そのかわり、立川市にはほかの多摩の市には見当たらない材料があります。市が出している相談窓口のリーフレットに、フリースクール等の説明として「一定の要件を満たせば、在籍校での出席認定や成績評価の対象になります」と書かれていることです。要件や様式までは公開されていませんが、市の公式文書に出席認定の可能性が書いてある市は多くありません。学校に相談するとき、この一文を手がかりにできます。
なお、立川市教育委員会の報告によると、令和5年度の不登校は小学校233人(出現率2.72%)、中学校315人(出現率8.32%)です。中学生では12人に1人にあたります。珍しいことではありません。

NIJINアカデミーは、週4日のメタバース校舎と週1日のリアル教室を組み合わせて通えるオルタナティブスクールです。東京都内では南大沢駅のそばにリアル教室があり、毎週木曜に開いています。まずはオンラインの無料体験会から。
立川市から通えるフリースクール10選(比較一覧)
市内8か所と、青梅線・南武線で通える2か所です。費用は公式サイトに書かれている金額をそのまま載せ、書かれていないものは「非公開」としています。
| スクール名 | エリア(最寄り駅) | 対象 | 形態 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 1. 学研WILL学園 中等部 立川キャンパス | 市内(立川駅 徒歩5分) | 中1〜中3 | 通所・訪問・オンライン | 非公開 |
| 2. 飛鳥未来中等部・初等部 立川教室 | 市内(立川駅 徒歩5分) | 小4〜中3 | 通所(週5・週3・週2) | 非公開 |
| 3. RE:VISION フリースクール | 市内(錦町ほか4か所) | 小学生以上 | 通所・eスポーツ | 入会金22,000円+月50,000〜65,000円 |
| 4. 星槎ジュニアスクール PAL立川 | 市内(錦町6-9-5) | 小・中学生 | 通所 | 非公開 |
| 5. いまごこち | 市内(栄町・立川駅からバス10分) | 記載なし | 通所・居場所型 | 月15,000〜25,000円 |
| 6. 東京賢治シュタイナー学校 | 市内(柴崎町6-20-37) | 1年生〜12年生 | シュタイナー学校(転校が前提) | 入学金25万円+月56,000円〜 |
| 7. 個別指導塾にらいかない | 市内(羽衣町3-15-18) | 小1〜高3 | 個別指導塾 | 入塾費15,000円+50分7,700円 |
| 8. フリースクールグレス | 昭島市(東中神駅 徒歩1分) | 中学生(小6は要相談) | 通所・居場所型+学習 | 入学金11,000円+月33,000円 |
| 9. 谷保のネオおばあちゃん家 | 国立市(谷保駅圏) | 小1〜中3 | 通所・居場所型 | 入会金5,000円+月23,000円 |
| 10. NIJINアカデミー 南大沢校 | 八王子市南大沢(南大沢駅すぐ) | 小学生・中学生 | リアル週1+オンライン | 月51,260円(入学金33,000円) |
10か所を1か所ずつ紹介します
1. 学研WILL学園 中等部 立川キャンパス|出席認定97.5%という数字を出している
運営:学研グループ/東京都立川市柴崎町3-10-20 渡辺ビル4F
JR立川駅の南口から徒歩5分、多摩モノレールの立川南駅から徒歩3分。市内では最も駅に近い部類です。
平日は9時から21時、土曜は11時から19時。コースは、週5日通い放題の総合コース、週3日の選択コース、週5日ログインし放題のメタバースコースの3つです。訪問在宅指導とオンラインに対応しているので、外に出るのが難しい段階からでも始められます。無学年制で、農園体験や修学旅行などの体験活動もあります。通信制高校のサポート校を併設しています。
出席扱いについては「公立校の97.5%に出席認定をしてもらっており」と数字を出し、毎月在籍中学校へ報告書を提出していると説明しています。そのうえで「出席認定の最終判断は在籍校の校長先生判断となります」とも明記しています。東京都内158校の出席認定校の一覧も掲載しています。
⚠️ 対象学年の記述がサイト内で食い違っています。中等部の課程のページは「新中学1年生〜3年生が対象です」ですが、立川キャンパスのページには「小学6年生から高校3年生」とあります。小学生の利用を考えている場合は必ず電話で確かめてください。費用も非公開です。
2. 飛鳥未来中等部・初等部 立川教室|小学4年生から。通い方を週5日・週3日・週2日から選べる
運営:学校法人三幸学園/東京都立川市曙町2-19-12
JR立川駅の北口から徒歩5分、多摩モノレールの立川北駅から徒歩4分。駅の北側にあります。
対象は小学4年生から中学3年生。小学1年生から3年生は対象外です。通い方はスタンダード(月〜金の週5日)、3DAY(週3日)、2DAY(週2日)、ネットコース(月・水・金 10時から12時)の4つ。この記事のなかでは通い方の選択肢がいちばん細かい施設です。
姉妹校に通信制高校や専門学校があり、職業体験や進路支援につなげやすいのが特徴です。公式サイトには「出席認定対応可能」「助成金対応」という表示があります。ただし条件や実績の数字までは書かれていません。
⚠️ 費用は公式サイトに記載がありません。資料請求か問い合わせが必要です。
3. RE:VISION フリースクール|eスポーツが軸。費用を全部公開している
運営:eスポーツ施設 RE:VISION 立川(運営法人名は公式サイトに記載なし)/東京都立川市錦町3-6-6 ほか市内4か所
錦町3丁目を中心に市内4か所。立川駅の南口側です。最寄り駅と徒歩分数は公式サイトに記載がありません。
対象は「小学生以上の不登校又は不登校に近い状態の児童及び生徒」。小学生も受け入れています。開所は月曜から金曜の9時から17時、土曜は13時から17時です。
ゲーミングPC、配信室、トレーニング設備がそろっていて、eスポーツを中心にした活動をします。ゲームが好きな子にとっては、好きなものがそのまま入口になります。
費用は全部公開されています。入会金22,000円。体験プランが週1回11,000円・週2回22,000円・週3回33,000円、基本プランが月50,000円、RE:VISIONプランが月65,000円です。
出席扱いについては記載がありません。
4. 星槎ジュニアスクール PAL立川|在籍校との連携を前面に出している。通学定期の発行にも触れている
運営:学校法人国際学園・学校法人星槎(NPO法人星槎教育研究所の協力と監修)/東京都立川市錦町6-9-5
立川市錦町6丁目。錦町の南側で、JR南武線の西国立駅が近い位置です。
対象は「小・中学生」。専門の職員が個別に対応し、在籍校との定期的な連携を行うと明記しています。同じ系列の星槎国際高校の60種以上のゼミ授業に参加でき、高校進学の支援まで見通せるのが特徴です。
出席扱いについては「在籍校の学校長の判断により、フリースクールに登校した日数を、正式な登校日数に振り替えたり」される場合がある、という書き方です。通学定期が発行される場合があるという記載もあります。これは交通費を考えるうえで見落とせない情報です。
⚠️ 開所日時と費用は公式サイトに記載がありません。最寄り駅の案内もないため、行き方も含めて問い合わせが必要です。
5. 不登校の子どもたちの居場所「いまごこち」|不登校を経験した当事者スタッフが運営している
運営:NPO法人ゆとりある/東京都立川市栄町5-13-2
立川市栄町5丁目。立川駅北口からバスで約10分、「東栄会」で降ります。
開所は月・水・金の週3日、10時から16時。費用は会員登録制で、全開設日に通える通常プランが月25,000円、月4回プランが月15,000円です。この記事のなかでは費用が安いほうに入ります。
特徴は2つあります。ひとつは不登校を経験した人を中心にした当事者スタッフが運営していること。もうひとつは、禁止事項をほとんど設けない「認めて伸ばす」という方針です。学習中心の場ではありません。
⚠️ 最寄り駅からバスになります。立川駅北口からバスで約10分、「東栄会」下車。国立駅・東大和市駅・玉川上水駅からもバス便があります。徒歩圏ではないので、送迎や定期代を先に計算してください。対象学年の記載はありません。
⚠️ 独立した公式サイトは確認できず、運営法人自身のnoteの記事が情報源です。
6. 東京賢治シュタイナー学校|フリースクールではなく、小中高一貫のシュタイナー学校
運営:東京賢治の学校(NPO法人)/東京都立川市柴崎町6-20-37
多摩モノレールの立川南駅から柴崎体育館駅まで1駅2分+徒歩7分。立川駅から徒歩だと約20分(1.5km)で、コミュニティバス「くるりん」や立川バスも使えます。
⚠️ ここはフリースクールではありません。1年生から12年生までの小中高一貫のシュタイナー学校で、在籍校を残したまま通う場所ではなく、その学校に移るという選択になります。幼児部も併設しています。学校教育法上の学校ではないため、義務教育段階では地元の公立校に学籍を置いたままになるのが一般的ですが、この扱いは学校と教育委員会の判断になります。必ず在籍校に確認してください。
費用は入学金が小中学部25万円・高等部30万円。月額の授業料は在校生が1人の家庭で56,000円からで、家族構成によって変わります。このほかに施設拡充費が12,000円、NPOの正会員年会費が12,000円かかります。
出席扱いについては記載がありません(そもそも転校する形が前提です)。シュタイナー教育そのものに関心がある場合の選択肢として挙げています。
7. 個別指導塾にらいかない|フリースクールではなく個別指導塾。1対1で発達障害に対応
運営:合同会社ゆいまーる/東京都立川市羽衣町3-15-18
立川市羽衣町3丁目。JR南武線の西国立駅側です。最寄り駅と徒歩分数の記載はありません。
⚠️ ここはフリースクールではなく、個別指導塾です。「週何日通える居場所」という形ではなく、指導料が50分単位で決まります。日中の居場所としてではなく、学習の立て直しのために使う場所だと考えてください。
対象は小学1年生から高校3年生。1対1の完全個別で、発達障害・学習障害・グレーゾーンへの対応をうたい、公認心理師と管理栄養士が在籍しています。不登校の支援を続けていくと明記しています。
費用は公開されています。アセスメントパック20,000円、入塾費15,000円、教室運営費が月2,000円、指導料が50分7,700円。営業は13時から20時(受付は10時から)です。
出席扱いについては記載がありません。
8. フリースクールグレス|昭島市内で唯一。ただし小学生は原則対象外
運営:合同会社GRES/東京都昭島市玉川町1-1-12 エルビル3階A号室
立川駅からJR青梅線で2駅、東中神駅を降りて徒歩1分。乗り換えなしで15分ほどです。
⚠️ 対象は中学生です。公式サイトには「中学生 ※小学六年生はご相談ください」とあり、小学5年生以下は受け入れていません。ここは最初に確かめておくべき点です。
開所は火曜・木曜が10時から15時、水曜が9時45分から12時10分の週3日。費用は入学金11,000円、授業料が月33,000円です。市内の施設で費用を公開しているのはここだけです。
「居場所型 × 学習型」を掲げ、個別学習とメンタル面・生活面の支援を組み合わせています。併設の「GRES高等学院」の体験授業にも参加できるので、高校段階まで見通せます。
出席扱いについては、公式サイトにもブログにも記載がありません。在籍校に相談したうえで確認してください。
9. 谷保のネオおばあちゃん家|社会福祉士が常駐している。小学1年生から
運営:非営利型一般社団法人ネオおば/東京都国立市富士見台1-47-3
立川駅からJR南武線で谷保駅まで数駅。富士見台1丁目は谷保駅側です。最寄り駅と徒歩分数は公式サイトに記載がありません。
対象は小学1年生から中学3年生。低学年から受け入れているところは多くないので、その点で貴重です。開所は水・木・金の週3日、10時から14時です。
いちばんの特徴は社会福祉士(ソーシャルワーカー)が常駐して相談に応じることです。子どもの居場所であると同時に、家庭の相談先にもなります。駄菓子屋とフリースペースを併設し、科学教室・茶道・演奏会などの多世代交流もあります。
費用は入会金5,000円、月額の授業料20,000円、月額の管理費3,000円。「都内小中学生は東京都フリースクール等利用者助成金で最大2万円/月」と明記しています。
出席扱いについては「学校の出席扱いのご相談にも応じています」という書き方です。認定を断定はしていません。
10. NIJINアカデミー 南大沢校|週1日のリアル教室と、残りの平日のオンライン
運営:株式会社NIJIN(このサイト「にじいろ」の運営会社です)/東京都八王子市南大沢2-27 フレスコビル2F/042-682-2528
立川駅からはJR南武線で分倍河原へ出て京王線に乗り換え、調布でもう一度乗り換えて南大沢まで。50分前後かかります。教室ページが通学圏として案内しているのは八王子市・多摩市・町田市・相模原市で、立川市は明記されていません。市内に8か所ある立川から、わざわざ通う距離ではないというのが正直なところです。それでも挙げているのは、次に書くオンラインとの組み合わせがあるからです。
この教室の組み立ては、ほかの9か所と少し違います。週1日はリアル教室に通い、ほかの平日はメタバース校舎に通うハイブリッド型です。リアルに通えるのが週1日でも、残りの平日の学びが途切れないようにしてあります。運営しているのは八王子市を拠点に40年ほど学習塾を続けてきた教育企業で、プログラミング教育を軸に、Scratch、Python、HTMLとCSSとJavaScript、Unityへと段階的に進みます。脱出ゲームづくりのようなプロジェクト型の活動を、子どもたち自身が企画して進めていきます。

- 開校場所:八王子市南大沢2-27 フレスコビル2F
- 開校日:毎週木曜日 9:30〜14:30
- 対象:小学生・中学生
- 定員:8名
- 費用:ハイブリッド通学 月51,260円(税込)。内訳はメタバース授業料23,760円(年払いは19,800円)+施設使用料1,683円+リアル教室16,500円+南大沢校授業料11,000円。初月のみ入学金33,000円
- 連絡先:042-682-2528
出席扱いについては、希望した方の97%が認定されています(2026年4月時点の実績値)。ただしこれは実績であって、必ず認定されるという意味ではありません。判断するのは在籍校の校長です。
なお、リアル教室に週1日通うのが難しい場合は、メタバース校舎だけを使うこともできます。その場合は月25,443円(初月のみ入学金33,000円)で、南大沢まで行く必要はありません。

立川市のフリースクールの費用相場と、使える補助制度
まず相場です。この10か所のうち、月額を公式サイトで公開しているのは6か所。立川市内の8か所にかぎると、公開しているのはRE:VISION、いまごこち、東京賢治シュタイナー学校、にらいかないの4か所で、学研WILL学園・飛鳥未来・星槎PAL立川の3つは非公開です。市内で最も知名度の高い施設ほど費用が分からないという状態なので、「立川市の相場はいくら」と言い切ることはできません。公開されている金額の幅は、月15,000円から月65,000円まで開いています。
全国の数字と比べます。文部科学省が民間の団体・施設に対して行った調査では、入会金が1施設あたり平均で約53,000円、月額会費が約33,000円でした。この数字はよく引用されますが、調査は平成27年(2015年)のもので、11年前の数値です。いま通う施設の見積もりとしてそのまま使わないでください。立川市内で公開されている金額を見ると、この平均よりも上の施設がいくつかあります。
月謝以外にかかるものも確かめてください。入会金(RE:VISION 22,000円、にらいかない 入塾費15,000円、東京賢治 入学金25万円)、教室運営費、施設維持費、保険料。東京都の助成金が対象にするのは月額利用料だけで、入会金・施設維持費・教材費は対象外です。これらは全額が自己負担になります。月謝ではなく、1年間にいくら払うことになるのかを聞いてください。
そのうえで、補助制度がどうなっているかを表にします。
| 自治体 | 制度 | だれが対象か | 上限 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | フリースクール等利用者支援事業助成金 | 都内在住の不登校の小中学生の保護者(区市町村立への在籍は不要。施設の所在地は問わない) | 月20,000円(利用料のみ) |
| 立川市 | 市独自の利用料補助は確認できず(市がしているのは都の支援事業の周知と諸手続き) | — | — |
| 昭島市・国立市・国分寺市など近隣 | 市独自の利用料助成は確認できず | — | — |
| 港区・品川区・北区・荒川区・足立区・葛飾区など | 都の助成への上乗せ | その区に住んでいる保護者(多摩地域の市民は対象外) | 区により月20,000円程度 |
| 東京都(別事業) | フリースクール等支援事業 | 施設の運営者。保護者は申請できません | 人件費等の補助 |
取り違えやすい点を書いておきます。検索すると「東京都はフリースクールに月2万円出る」「23区は上乗せがある」という情報が並びます。立川市民が使えるのは都の月2万円だけで、区の上乗せは住所要件で対象外です。
ここでひとつ、立川市民にとって有利な事実があります。東京都のよくある質問には「フリースクール等の所在地は、助成の要件ではありません」と書かれています。つまり施設が何市にあっても、子どもが都内に住んでいれば対象です。立川から昭島・国立・八王子まで範囲を広げても、助成の条件は変わりません。
また、都の制度は名前のよく似た施設向けの事業と混ざりやすいので、申請サイトの名前を確かめてください。保護者向けは「フリースクール等利用者支援事業助成金」です。申請先は市ではなく東京都で、令和8年度の受付は令和8年5月27日から令和9年2月12日まで。年度内であれば令和8年4月分までさかのぼって申請できます(前年度分はさかのぼれません)。
補助対象施設の一覧については注意が必要です。東京都が公開しているのは令和6年度版で、しかも「掲載に同意した施設」のリストです。この一覧に載っていないから対象外、ということにはなりません。実際には交付申請のときに、助成の要件を満たしているかを都が個別に審査します。施設側にも「フリースクール等確認書」の記入をお願いすることになるので、見学のときに「都の助成金の確認書は書いてもらえますか」と聞いておくと確実です。
その前に。無料かもしれない公的な窓口も確認してください
立川市には、民間より先に確かめておきたい公的な選択肢があります。
ひとつめが教育支援センターです。小学生向けの「おおぞら」(立川市柏町4-8-4・柏小学校西側校舎/042-534-0327/平日9時から15時、水曜は13時まで)と、中学生向けの「たまがわ」(立川市錦町3-12-25・錦学習館2階/042-506-0016/平日9時から15時)の2か所に分かれています。
⚠️ 対象は「立川市立小・中学校に在籍しており、何らかの理由で在籍校に通学できないことの多い者」です。市立学校に在籍していることが条件なので、私立や国立に通っている子は対象になりません。ここは東京都の助成金(市立在籍は不要)と条件が違うので、取り違えないでください。
⚠️ 利用料が無料かどうかは、公式ページに記載がなく確認できませんでした。教育支援センターは無料であることが多いのですが、この記事では断定しません。入室には学校と相談したうえで「教育支援センター入室申込書」を校長に提出する手順が要ります。
ふたつめが、東京都がやっているバーチャル・ラーニング・プラットフォーム(VLP)です。立川市のページには中学生向けとして、原則水曜と金曜の14時から16時という案内が出ています。オンラインで参加できる公的な選択肢です。
みっつめが校内別室指導です。市の相談窓口リーフレットには「学校には行けるけれど自分のクラスには入れない時や、少し気持ちを落ち着かせてリラックスしたい時に利用できる学校内の空き教室等を活用した居場所」と説明されています。⚠️ ただし統一された名称も、全校に設置されているかどうかも、そこに登校した日を出席として扱うかどうかも、市の公式サイトには書かれていません。在籍校に直接聞いてください。
相談の入口は教育支援課 教育相談係(立川市錦町3-3-6 子育て支援・保健センター3階/042-527-6171/月曜から土曜の9時から17時)です。土曜も開いているのは、共働きの家庭にとって現実的な窓口です。
なお、立川市に学びの多様化学校(不登校特例校)はありません。隣の八王子市には高尾山学園がありますが、転入学の要件が「八王子市内に住所を有し、八王子市立小・中学校等に在籍している」ことなので、立川市民は通えません。府中市の「かがやき」、調布市の「はしうち教室」も同様に当該市立中学校の在籍が条件です。都内で居住地の条件がないのは、東京シューレ葛飾中学校・東京シューレ江戸川小学校・東京みらい中学校(足立区)といった私立の学びの多様化学校です。

それでも「合いそうな場所がない」と思ったら
ここまで10か所を見てきて、どれも今の子どもには難しそうだと感じた方もいると思います。
立川市は選択肢が多い市です。それでも「合う場所がない」と感じるとしたら、それは選び方が悪いからではありません。小学校低学年を受け入れている施設が限られていること、費用を公開していない施設が多いこと、通信制のサポート校系は登校の頻度が低いこと。数は多いのに、条件で絞ると急に減るというのが立川の実情です。
そのときに検討したいのが、家から参加できるオンラインです。まず、通所とオンラインで何がどう違うのかを並べます。
| 観点 | オンライン(例:NIJINアカデミー) | 通所フリースクール |
|---|---|---|
| 通いやすさ | 自宅から参加でき、近所の目が気にならない | 立川駅の周辺なら徒歩5分。ただしバスが前提の施設や、昭島・国立まで出る場合は片道20〜40分かかります |
| 費用 | 月25,443円(初月のみ入学金33,000円)。交通費はかからない | 公開されている範囲で月15,000〜65,000円。ここに定期代やバス代が毎月加わります |
| 人とのつながり | 少人数の学級制で、カメラをオフにしたままの参加もできる | 同じ場所に集まって、同じものを見ながら過ごせる強みがあります |
| 出席扱い | 希望した方の97%が認定されています(2026年4月時点の実績値。必ず認定されるという意味ではありません) | 10か所のうち、数字や実績を示しているのは学研WILL学園の1か所だけ。立川市は独自のガイドラインを公開しておらず、在籍校の校長判断になります |
| 始めるまでの早さ | 転校の手続きは要りません | 見学・面談・空き待ちがあります |
| 向いている時期 | 外に出ること自体が難しい段階 | 外に出ることに慣らしていく段階 |
オンラインが向いているのは、こういうときです
- 家から出ること自体に、まだ大きな負担がある
- 近所の人や同級生に会うことが不安で、通所そのものが壁になっている
- 受け入れている施設が見つからない学年である
- 体調に波があり、行ける日と行けない日の差が大きい
とくに3つ目が大きいです。立川市内の8か所のうち、小学校低学年から受け入れているとサイトに明記しているのは、にらいかないと東京賢治シュタイナー学校だけでした。
オンラインを選ぶとき、必ず確認したい4つのこと
ただし、オンラインなら何でもいいわけではありません。
- ①録画を見るだけなのか、人と会う時間があるのか。動画配信型と、担任と学級がある型では別物です
- ②在籍校への報告をしてもらえるか。出席扱いの前提は、学校と日常的に連絡が取れていることです
- ③東京都の助成金の確認書を書いてもらえるか。書いてもらえないと月2万円が使えません
- ④入会金と月額のほかに、施設使用料や教材費がかかるか。助成の対象は月額利用料だけです
③と④は特に見落とされます。月額だけを比べて決めてしまうと、あとから年間で数万円の差が出ます。
⚠️ NIJINアカデミーは当サイトの運営会社が運営しています。上の4つは、自社を選んでもらうためではなく、どのオンラインスクールを見るときにも同じように確かめてほしい項目として挙げています。
見学で聞いておきたいこと
見学に行くとき、パンフレットに書いてあることを聞いても意味がありません。書いていないことを聞いてください。立川市の場合、次の7つです。
- 1年間の総額はいくらですか。入会金・月額・教材費・保険料・年会費・施設維持費をすべて足した金額を聞く
- 東京都の助成金の「フリースクール等確認書」を書いてもらえますか。書いてもらえるかどうかで、年間24万円の差が出ます
- 週に何日、何時から何時まで開いていますか。この記事の10か所のうち3か所は、開所日時が公式サイトに載っていません
- うちの子の学年は受け入れていますか。立川は中学生向けの施設が多く、小学校低学年は対象外のところがあります
- 在籍校への出席の報告は、どういう形でしていますか。「出席扱いになりますか」ではなく「報告の形」を聞くほうが、実態が分かります
- いま何人が在籍していて、空きはありますか。定員が数名という小さな施設もあります
- 休んだ月の扱いはどうなりますか。体調に波がある場合、月額制か回数制かで負担が変わります

よくある質問
まとめ
立川市は、多摩地域でフリースクールの数がいちばん多い市です。東京都の助成対象施設の一覧に、市内だけで10か所が載っています。
ただし、条件で絞ると数は急に減ります。通信制のサポート校系の中等部は登校の頻度が低く、小学校低学年を受け入れると明記している施設は限られ、市内で知名度の高い3施設は費用を公開していません。「数が多いから見つかるだろう」と構えず、対象学年・開所日・総額の3つで先に絞ってください。
市独自の補助はありません。使えるのは東京都の月額20,000円の助成金だけで、23区の上乗せ制度は住所要件で対象外です。ただし施設の所在地は問われないので、昭島・国立・八王子まで範囲を広げても助成の条件は変わりません。
公的な選択肢としては、小学生向けの「おおぞら」と中学生向けの「たまがわ」があります。どちらも市立学校に在籍していることが条件です。あわせて、市のリーフレットに「一定の要件を満たせば、在籍校での出席認定や成績評価の対象になります」と書かれている点は、学校に相談するときの手がかりになります。
通所そのものが難しい段階であれば、家から参加できるオンラインという選択肢があります。その場合も、在籍校への報告と、東京都の助成金の確認書を書いてもらえるかどうかは、必ず先に確かめてください。

内容を確かめるための一次資料
- 東京都「東京都フリースクール等利用者支援事業助成金 事業概要」(ページ)
- 東京都「東京都フリースクール等利用者支援事業助成金 よくあるご質問」(ページ)
- 東京都生活文化局「令和6年度 東京都フリースクール等利用者支援事業(助成金)児童生徒通所施設一覧」(PDF)
- 東京都「東京都フリースクール等支援事業(施設向け)事業概要」(ページ)
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日(ページ)
- 文部科学省「別記1 不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」(ページ)
- 文部科学省「学びの多様化学校の設置者等一覧」(ページ)
- 文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」平成27年8月(ページ)
- 港区「フリースクール等利用料助成」(ページ)
- 立川市「適応指導教室(教育支援センター)」(ページ)
- 立川市「教育相談」(ページ)
- 立川市教育委員会「立川市立小中学校の不登校の現状と対策について」令和6年12月(PDF)
- 東京都「TOKYO多様な学びの場・居場所ナビ 立川市」(ページ)
- 八王子市立高尾山学園「転入学について」(ページ)
- 学研WILL学園 立川キャンパス(ページ)
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