高校2年生の秋。成績や出席日数を見て、「このままだと留年するかもしれない」と感じている人もいると思います。そんなときに知ってほしいのが、「3学期から通信制高校に移る」という選び方です。先にお伝えすると、3学期(2027年1月ごろ〜)からの転入を受け付けている通信制高校はあります。ただし、受け入れの時期、申し込みの締め切り、前の学校の単位の扱いは、学校によって大きく違います。公立は募集の日程が決まっていて、締め切りが12月上旬のこともあります。私立は毎月や通年で受け付ける学校が多い一方、条件は学校ごとです。この記事では、留年・休学・転入の違い、通信制に移ると何が変わるか、書類、状況別の選び方、相談の流れを、本人と保護者の方に向けて整理しました。事実は文部科学省・教育委員会・各学校の公式資料をもとに書き、学校ごとに違う点は「学校によって異なります」と明記しています。判断の前に、必ず在籍校と志望校へ直接ご確認ください。
1. 3学期から転入できる?(受け入れ時期と、申し込みの目安)
1-1. 結論:3学期から移れる学校はあります。ただし学校によって違います
結論から言うと、高校2年生の3学期(2027年1月ごろ)から通信制高校へ転入できる学校は、あります。ここでいう「転入」は、いまの高校に在籍したまま、別の高校(ここでは通信制高校)に学籍を移すことです。受け入れるかどうかは、移る先の学校が判断します。そのため、同じ「3学期から」でも、毎月入学できる学校と、年に数回の募集日だけの学校があり、「この日までなら必ず間に合う」という全国共通の線はありません。今日明日で決める必要はありませんが、公立は締め切りが早いので、10月末のいま、情報を集め始めるのがちょうどよい時期です。
1-2. 公立の通信制は、募集の日程が決まっています
公立の通信制高校は、転入を受け付ける時期と出願の期間が決まっているのが一般的です。東京都教育委員会の発表によると、令和7年度(2025年度)の第三学期に通信制の転学・編入学を募集した都立高校は2校(募集人員59名)でした。そのうち都立砂川高等学校(通信制)の募集要項では、出願は12月上旬の2日間、学力検査はその翌日、転入学式は1月8日という日程でした。応募の条件には、都内に住所または勤務先があること、土曜日のスクーリングに出席できることなどがあり、出願の前に志願先で単位の照合を受けることも求められています。令和8年度(2026年度)の第三学期の案内は、2026年10月28日時点では確認できませんでした。昨年度は11月上旬に掲載されていましたので、こまめに確認してください。
公立の募集は都道府県や学校ごとに違います。たとえば栃木県教育委員会の案内では、通信制は学年の始めと2学期(または後期)からとされ、3学期の記載は見当たりませんでした。お住まいの地域の教育委員会と、志望校の最新の募集要項で確かめるのが確実です。
1-3. 私立の通信制は、毎月・通年で受け付ける学校も多くあります
私立の通信制高校には、全国から生徒を受け入れる広域通信制の学校があり、毎月や通年で転入を受け付けるところがあります。鹿島学園高等学校の公開されている案内では、転入学・編入学は原則として毎月1日付で、前月25日までに通信制本部へ書類が届くこと、選考は書類と面接であることが示されています。星槎国際高等学校の川口学習センターの2025年度の案内では、転入学は随時受付で、3年生が年度末の卒業を希望する場合は12月末日まででした。N高等学校・S高等学校・R高等学校の公式コラムには、ネットコースの転入学は随時受付、通学系のコースは4月・7月・10月・1月の受け入れとあり、「1年次・2年次の最終転入学受け入れ月は1月」という注記もあります(どのコースに当てはまるかは公式でご確認ください)。
つまり、1月に入学できる学校は見つかりますが、1月が最終の受け入れ月の場合もあります。下の表は例です。
| 学校・課程 | 受け入れ時期の例 | 3学期(1月入学)との関係 |
|---|---|---|
| 都立砂川高等学校(通信制) | 令和7年度第三学期:出願は12月上旬、学力検査はその翌日、転入学式は1月8日 | 1月上旬の入学。出願は12月上旬と早い |
| 栃木県の公立通信制 | 学年の始めと2学期(後期)から | 3学期の記載は確認できず |
| 鹿島学園高等学校 | 原則毎月1日付。前月25日までに必着 | 年末年始の取り扱いは学校に要確認 |
| 星槎国際高等学校 川口学習センター | 転入学は随時受付。3年生で年度末の卒業を希望する場合は12月末日まで | 2年生の1月入学の可否は学校に要確認 |
| N高等学校・S高等学校・R高等学校 | ネットコースは随時。通学系コースは4月・7月・10月・1月 | 1月が受け入れ月に含まれる。最終月の注記あり |
| NIJIN高等学院(サポート校) | 通年。毎月26日までに手続きが完了すれば翌月1日から入学 | 1月入学なら12月26日までが目安。年末年始の対応は公式で確認 |
表は、各校の公開資料(都立砂川高等学校は令和7年度、星槎国際高等学校川口学習センターは2025年度、NIJIN高等学院は2026年10月確認)から整理したものです。年度ごとに変わるため、出願の前に必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。
1-4. 申し込みの目安:いつまでに何をする?
1月の入学から逆算すると、おおまかな流れは次のとおりです(目安で、学校によって前後します)。10月下旬〜11月上旬は、在籍校で単位と出席の状況を確認し、気になる学校の資料請求や説明会の申し込みをします。11月中旬〜12月上旬は、候補校へ単位の照会や相談をして、在籍校へ書類を依頼します。公立は、この時期に出願となる場合があります。12月中旬〜下旬は、私立の出願・選考・入学手続きの時期で、1月に転入となります。冬休みをはさむと在籍校の事務が動く日が限られることもあるので、書類は余裕をもって頼んでおくと安心です。
「間に合わないかも」と感じても大丈夫です。私立には、ほかの時期に入学できる学校もあります。
2. 留年・休学・転入の違い(進級や単位がどうなるか)
2-1. まず言葉を整理:転入学と編入学
在籍している高校から別の高校へ学籍を移すことを、移る先から見て「転入学」(いまの学校から見ると「転学」)といいます。一方「編入学」は、いったん高校を退学してから入り直す場合や、高等専門学校など別の種類の学校から入る場合などをさします。和歌山県教育委員会や東京都教育委員会の案内でも、転入学・転学は「高校に在学している人」、編入学は「退学した人など」と分けて説明されています。この違いは大切で、退学してしまうと「転入学」ではなく「編入学」の扱いになり、受けられる募集の時期や回数が変わることがあります。東京都立の定時制・通信制の案内では、転学は年3回(3月・8月・12月)、高校を退学した後の編入学は年1回(3月)とされています。そのため、退学の手続きは、移る先の学校に相談してからにしておくと安心です。にじいろの高校の転入と編入はどう違う?でもくわしく整理しています。
なお、学年の途中や2年次以上に入る場合、学校教育法施行規則第91条では、相当の年齢に達し、その学年にいる人と同等以上の学力があると認められることが求められています。確認の方法(書類、面接、作文、学力検査など)は学校によって異なります。
2-2. 留年(原級留置)とは
留年は、正式には「原級留置」といい、その学年の課程を修了したと認められず、同じ学年にとどまることです。学則には、所定の教育課程を修了できなかった生徒を「原級に留め置くことがある」と定めている例があります(ある県立高校の学則)。何がどこまで足りないと留年になるかは学校の規程で決まり、全国共通の基準はありません。単位制の学校では、学年ではなく修得した単位の数で「相当学年」が決まる仕組みもあります。自分の学校でどうなるかは、教務の先生に聞くのがいちばん確実です。
2-3. 休学とは
休学は、学籍を残したまま、一定の期間学校を休む手続きです。多くの学校で、病気などやむを得ない理由があるときに、保護者が休学願を出し、校長の許可を受ける形になっています。学則の例には、診断書などの書類を求め、期間は学年の終わりまで、更新しても通算2年を超えないと定める県立高校があります。通信制のヒューマンキャンパスのぞみ高等学校の学則には、3か月以上出校できない場合の休学が定められています。要件も期間も学校によって違うので、休学中の科目の扱い(履修中の科目が単位になるのか、復学後にやり直しになるのか)も、先に確認しておくのがおすすめです。手続きや費用は、にじいろの通信制高校の休学はできる?でも整理しています。
2-4. 留年・休学・転入を並べて比べる
| 選択肢 | 進級・学年 | 単位 | 在籍期間 | メリット | 注意したい点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 留年(原級留置) | 同じ学年をもう一度。進級の基準は学校の規程による | 修得済みの単位の扱いは学校の規程による | 在籍は続くが、卒業が遅れることがある | 同じ学校・同じ環境で続けられる | 在学できる年数に上限がある場合がある。学費の扱いも学校に確認 |
| 休学 | 学籍は残る。復学後にどの学年に戻るかは学校の規程による | 休学中の科目の扱いは学校による | 在籍期間に数えるかは学校による(含めない学校もある) | 体調や環境を整える時間がとれる | 許可制で、書類や期間の上限がある場合がある。学費や就学支援金の扱いも確認 |
| 転入(通信制へ) | 単位制の学校が多く、学年でなく修得した単位を積み上げて進む | 前の学校の修得単位を、転入先が卒業に必要な単位に加えられる(範囲は転入先が判断) | 前の学校の在籍期間を、転入先が考慮する(通算の範囲は学校による) | 学び方・通い方を選べる。留年の不安を、単位の積み上げで考え直せる | 受け入れ時期・募集日程に制約がある。書類の準備と単位の照合が必要。卒業時期は単位次第。学費は学校ごとに違う |
表は、公開資料をもとにした整理です。実際の取り扱いは学校ごとの規程が優先されますので、必ず在籍校と志望校にご確認ください。
2-5. 休学中でも転入できる?休学期間は在籍期間に入る?
休学中の人が転入できるかは、転入先によります。NIJIN高等学院は、公式サイトで「年度途中、休学中、中退後も対象」と案内しています。一方、都立高校の転学・編入学の募集案内には、休学についての記載を確認できませんでした。休学期間が在籍期間に数えられるかも学校ごとに違い、N高等学校・S高等学校・R高等学校の公式コラムには「休学期間中は在籍期間に含めることができない」と書かれています。法令や文部科学省の資料で一律に定められているかは、今回は確認できませんでした。そこで、転入先の候補に「休学中でも受け付けてもらえるか」「休学期間は在籍期間に入るか」を先に聞いておくと、卒業の時期が想定とずれるのを防げます。
3. 高2で留年しそうなとき、通信制に移ると何が変わる?
3-1. 通信制の多くは「単位制」。学年で止まる仕組みではありません
通信制高校の多くは、単位を積み上げて卒業をめざす「単位制」です。学校教育法施行規則には、学年による教育課程の区分を設けない課程を置けることが定められています(第103条)。たとえば、全日制で「ある科目が足りなくて、高校3年生に進級できないかもしれない」という状況でも、単位制の学校に移れば、足りない科目を含めて必要な単位を積み上げる形に切り替わります。「留年」という言葉があてはまりにくくなるのが、この仕組みの特徴です。ただし、必要な単位を取りきれなければ卒業は遅れます。
3-2. 卒業の条件と、前の学校の単位・在籍期間
通信制高校の卒業には、3年以上の在籍(学校教育法第56条)、74単位以上の修得(高等学校学習指導要領)、特別活動への参加(30単位時間以上。文部科学省のガイドライン)が必要です。転入すると、前の学校で修得した単位は、転入先が卒業に必要な単位数に加えることができると、単位制高等学校教育規程に定められています。前の学校の在籍期間も、転入先が定める「在学すべき期間」の中で考えられます。そのため、積んできた単位や在籍期間が生かされることが多いのですが、どこまで認めるかは転入先の判断で、学校によって異なります。卒業時期の見通しは、「74単位から修得済みの単位を引いた残りを、残りの期間で積めるか」で考えます。
3-3. 学び方と通い方は、学校ごとに大きく違います
通信制では、レポート(添削指導)、スクーリング(面接指導)、試験で単位を修得するのが基本です。通い方は学校によってさまざまで、都立砂川高等学校(通信制)のように土曜日にスクーリングがある学校もあれば、NIJIN高等学院の提携校のように年に1〜8日ほどの宿泊型スクーリングの学校もあります。「週に何日、どこへ通うのか」を数字で確認しておくと、入学後の生活がイメージしやすくなります。自分で学習の計画を立てる場面が増えるため、相談できる体制も大切です。文部科学省のガイドラインでは、不登校経験のある生徒が多く在籍する学校は、教員配置の充実や、スクールカウンセラーなどの支援スタッフとの連携に努めることとされています(文部科学省「通信制高校の質の確保・向上」)。見学のときに、相談できる人がいるか聞いてみてください。
通信制高校と両立しながら通う、同じ高校2年生の1週間
通い方のイメージの参考に。さきはN高に、ゆっきーは全日制高校に通いながら、ニジ高にも参加している在校生です(転入の経緯は記事では語られていません)。
3-4. 転入後にかかる費用の考え方(学費と就学支援金)
費用は、通信制高校の学費(入学金・授業料・施設費など)に、教材費、スクーリングの交通費や宿泊費が加わり、サポート校を併用する場合はその費用も別にかかります。金額は学校・コース・単位数で変わるため、この記事では載せていません。「1年あたり」と「卒業までの総額」の両方を、学校ごとに書面で確認するのがおすすめです。
国の就学支援金は、文部科学省のQ&Aによると、支給期間は全日制が原則36月まで、定時制・通信制が原則48月までです。全日制から通信制へ転学した場合は、前の学校で在学した月数を換算して、通信制での支給期間を計算する例が示されています。休学中に授業料を徴収されない場合は、「支給停止の申出」を出すと、その期間は支給期間の計算も止まります(詳しくは文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」)。星槎国際高等学校や鹿島学園高等学校の案内にも、転入の場合は前の学校での履修単位数や在籍期間によって、支援金が受けられない、または加算される場合があると書かれています。制度は年度で見直されるため、最新の内容は転入先と文部科学省のページで確認してください。
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4. 転入前にそろえる書類(単位修得証明書など)
4-1. 転入までの全体の流れ
図:転入までの大まかな流れ(イメージ)。順番は学校によって前後します。たとえば都立高校は出願の前に志願先での単位の照合が必要です。
4-2. 書類の例:学校ごとに名前も様式も違います
必要な書類は、学校によって名前も様式も違います。例を挙げます。都立高校の転学・編入学募集では、入学願書、住所または勤務先を確認できる書類(住民票記載事項証明書など)、転学の場合は在籍校の校長が発行する転学照会書、在学証明書、成績・単位修得証明書が示されています(編入学は最終在籍校の単位修得証明書のみ)。星槎国際高等学校の川口学習センター(2025年度)では、願書、作文、調査書、転学照会状(転入のみ)、在学証明書などです。鹿島学園高等学校では、入学願書、生徒調査書、転学についての照会書、在学証明書(転入のみ)などです。N高等学校等の公式コラムには、在籍証明書、学籍・就学状況証明書、成績・単位修得証明書とあります。
健康診断書などが必要かどうかは、今回確認した範囲では分かりませんでした。学校によって異なりますので、必ず志望校の募集要項で確認してください。手続きの流れは、にじいろの全日制から通信制へ転入・編入するには?でも紹介しています。
4-3. 3学期に移るとき、今年度の科目はどうなる?
3学期から移る場合に、いちばん迷いやすいのが「今年度の1学期・2学期に受けた科目は、どうなるのか」です。ここは学校によって違います。年度の途中ではまだ単位が確定していない科目があり、書類でも「修得済み」と「履修中・見込み」が分けて書かれることがあります。都立高校の転学・編入学の募集要項には、成績・単位修得証明書に、前の年度までの評定と修得単位、現在の修得単位数の合計、履修中の科目ごとの単位数と最新の評価、未確定の単位数は( )をつけて書くことなどが示されています。文部科学省のガイドラインでも、学期の途中で受け入れる場合は前の学校の学習状況を十分に確認することとされています。
ですから、転入先には「今年度の履修中の科目を、どう扱いますか」と、具体的な科目名で聞いておくと確実です。不足している科目があっても、単位を数えるために必要な情報ですので、そのまま伝えて大丈夫です。
4-4. 在籍校には、どう伝える?
転学照会書や在学証明書は、いまの学校が発行する書類です。そのため、書類をそろえる段階では、在籍校の先生に相談することになります。まずは担任や教務の先生、スクールカウンセラーに、「進路を考えるために、単位の状況と進級の条件を教えてください」と聞いてみるのがおすすめです。「転校したい」とすぐに言い出せなくても大丈夫です。保護者の方は、事実(単位の状況)と希望を分けて伝えると、話が進みやすくなります。
5. 状況別おすすめ(留年が確定 / 休学したい / 不登校が続いている)
5-1. 状況別の選び方(一覧)
| いまの状況 | 選択肢の例 | まず確認したいこと | 動き出すめやす |
|---|---|---|---|
| 留年が確定した(確定しそう) | いまの学校で原級留置のまま続ける / 通信制へ転入して、足りない単位を積み直す | 足りない単位。転入先が認める単位の範囲。卒業の見込み時期 | 在籍校で単位の状況を確認。私立は随時入学、公立は募集日程を確認 |
| 休学したい | 休学して整えてから復学する / 休学中の転入を受け付ける学校を探す | 休学の条件と期間。休学期間が在籍期間に入るか。休学中の転入の可否 | 休学願を出す前に、転入先の候補にも聞いておく |
| 不登校が続いている | 在籍のまま別室や時間の調整を相談する / 在籍校の通信教育による単位修得 / 通信制へ転入 | 本人の体調と気持ち。在籍校の支援策。出席扱いの制度 | まず在籍校とスクールカウンセラーに相談。急がず並行して情報を集める |
実際に選べる選択肢は学校や地域によって違います。体調や心の面で心配があるときは、医療機関やスクールカウンセラーなどの専門の相談先にご相談ください。
5-2. 留年が確定した(確定しそう)とき
留年が決まったとき、または決まりそうなとき、まず知っておいてほしいのは、「同じ学年をもう一度」だけが道ではないということです。選択肢は大きく、いまの学校で原級留置のまま続ける道と、通信制など別の学校へ転入して足りない単位を積み直す道があります。後者では、転入先が前の学校の単位をどこまで認めるか、残りの単位をいつまでに取りきれるか、の2つを確認します。同級生と同じ2028年3月に卒業できるかは、「在籍期間3年以上」と「74単位以上」を満たせるかで決まるため、転入先に具体的な数字で聞いてみましょう。
「年度末の判定を待ってから動く」か「3学期から動き出す」かは、どちらにも良い面があります。待てば単位が確定して書類がシンプルになり、動けば新しい環境で早く単位を積み始められます。
5-3. 休学したいとき
心や体を休める時間が必要なときは、休学が選択肢になります。判断は、本人の体調や気持ち、学校の先生、必要に応じて医療機関やスクールカウンセラーと一緒に考えてください。休学は学校の許可を受ける手続きで、理由を示す書類や期間の上限は学校によって違います。通信制のヒューマンキャンパスのぞみ高等学校の学則のように、休学中の授業料を施設費相当額のみとする定めがある学校もあり、費用の扱いも学校ごとに決まっています。
休学は「次を考える時間」にもできます。休学しながら転入先を探すこともできます。ただし、休学中の転入を受け付けるかどうか、休学期間が在籍期間に入るかは学校ごとに違います(第2章)。休学の手続きの前に、転入先の候補にも確認しておくと安心です。
5-4. 不登校が続いているとき
学校に行けない日が続くと、「行けない自分」を責めてしまうことがあります。けれども、それは努力が足りないからではありません。まずは、在籍校の担任、養護教諭、スクールカウンセラーに、いまの状況を話してみてください。「24時間子供SOSダイヤル」などの公的な相談窓口もあります。
制度の面では、令和6年(2024年)4月から、不登校の生徒が全日制・定時制の高校に在籍したまま、遠隔授業や通信教育で単位を修得できる仕組みが整えられました。学習意欲はあるのに登校できない生徒が、原級留置、転学、中途退学をせずに卒業できるようにすることが目的とされています。ただし、実施するかどうかは学校長の判断で、すべての学校が行うわけではありません。詳しくは文部科学省の通知「高等学校等における多様な学習ニーズに対応した柔軟で質の高い学びの実現について」をご覧ください。在籍校に「この仕組みを使えますか」と聞いてみるのも一つです。
6. 相談先はどこ?主な相談先と、NIJIN高等学院という選択肢
6-1. 相談先はひとつに絞らなくて大丈夫です
転入や休学を考え始めたとき、相談できる先はいくつかあります。「どこに話せばいいか分からない」という場合は、まず身近な在籍校から始めて、並行して志望校の候補にも聞いてみてください。それぞれ答えられることが違うため、在籍校には「いまの進級の条件と、書類の出し方」、転入先の候補には「単位の引き継ぎと、受け入れ時期」というように、聞く内容を分けると話が早く進みます。NIJIN高等学院(ニジ高)も、その選択肢の一つです。
| 相談先 | 相談できること | 向いている場面 | 注意したい点 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・教務・スクールカウンセラー) | 進級・卒業の条件、休学や転学の手続き、必要な書類(在学証明書・単位修得証明書など)の発行 | まず現状を正確に知りたいとき。書類を準備するとき | 転入先の受け入れ条件は、在籍校では分からない。転入先の候補へ別に確認が必要 |
| 教育委員会・教育センターなどの教育相談 | 学校に行きにくいことや進路の相談、地域の学校・支援の情報 | 在籍校に話しにくいとき。地域でどんな選択肢があるか知りたいとき | 窓口の名前や受付時間は自治体ごとに違う。個別の学校の単位の扱いまでは答えられないことがある |
| 公立の通信制高校(志望校の窓口) | 転入学・編入学の募集日程、出願書類、単位の認定の考え方 | 費用を抑えたいとき。募集の時期が合うか確かめたいとき | 募集期間が決まっていて、3学期の募集がない都道府県・学校もある |
| 私立の通信制高校・サポート校(個別相談・説明会) | 通い方、コース、卒業までの見通し、学費、転入の時期 | 通う頻度や学び方を自分に合わせたいとき。1月に間に合うか知りたいとき | 学校ごとに通い方も費用も違う。複数校を並べて比べる |
| NIJIN高等学院(ニジ高) | オンライン中心で学ぶ通信制高校のサポート校。体験説明会(無料・オンライン)で、いまの単位の扱いや入学時期を質問できる | 自宅で、少人数・オンラインで学びたいとき | 選択肢の一つ。ほかの学校と並べて比べてください |
| 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省) | 悩みを話す、気持ちを聞いてもらう。電話番号は0120-0-78310で、夜間・休日もつながります | 誰にも言えない、いま話したいとき | 通じにくいときはかけ直し。住んでいる地域の教育委員会の相談窓口につながります |
表は公開資料をもとにした整理です。窓口の名称や受付時間は地域・学校ごとに異なりますので、最新の案内でご確認ください。
なお、株式会社NIJINは、義務教育段階向けの「NIJINアカデミー」も運営しています。中学生のきょうだいがいる場合などは、こちらも参考にしてください。
6-2. どこに相談するときも、持っていくもの・聞くこと
どの相談先でも、個別相談の前に次の4つを用意しておくと、話が具体的になります。
| 持っていくもの | 内容の例 | 用意のしかた |
|---|---|---|
| ① 成績や単位の状況 | 成績表、修得済みの単位が分かるもの | 在籍校でもらえる範囲で。分からないときは教務の先生に聞く |
| ② 在籍校の進級の条件 | 進級・卒業に必要な単位数や出席の条件 | 教務の先生から聞いた内容をメモしておく |
| ③ 本人が困っていること・続けたいこと | 行きにくい理由、続けたい活動、通えそうな頻度 | 箇条書きで十分。本人の言葉でまとめる |
| ④ 保護者の方が気になっている点 | 費用、卒業の時期、進路など | 事前に書き出して、本人とも共有しておく |
そのうえで、次の6つを聞いておくと、学校ごとの違いが比べやすくなります。
| 聞くこと | なぜ聞くのか | 主に聞く相手 |
|---|---|---|
| いまの修得単位は、どこまで引き継げますか | 引き継げる単位で、卒業までに必要な残りの単位が変わるため | 転入先の候補 |
| 1月に入学できますか。締め切りはいつですか | 3学期の受け入れ時期と締め切りは、学校ごとに違うため | 転入先の候補 |
| 休学中でも転入できますか。休学期間は在籍期間に入りますか | 休学中の扱いや在籍期間の数え方は、学校によって異なるため | 転入先の候補・在籍校 |
| 卒業は最短でいつになりますか | 単位や在籍期間の数え方で、卒業の時期が変わるため | 転入先の候補 |
| スクーリングの日数と場所は | 通い方が、いまの生活や体調に合うかを確かめるため | 転入先の候補 |
| 費用の総額は | 授業料のほかにかかる費用も含めて比べるため | 転入先の候補 |
質問のリストは、ニジ高公式サイトの通信制高校の個別相談で聞くことにもまとまっています。
まとめ
高校2年生の3学期(2027年1月ごろ)から通信制高校へ転入できる学校は、あります。公立は募集の日程が決まっていて、東京都の昨年度の例では出願が12月上旬でした。私立は毎月や通年で受け付ける学校が多い一方、1月が最終の受け入れ月になっている場合もあります。「いつまでに動くか」は学校ごとに違うので、早めに情報を集め始めることが、選択肢を広く持つ近道です。
留年・休学・転入は、どれが正解というものではありません。転入は在籍中に学籍を移す手続きで、退学すると「編入学」の扱いになり、募集の時期が変わることがあります。単位や在籍期間をどこまで認めるかは転入先の判断で、休学中の転入、休学期間の数え方、今年度の科目の扱いは学校によって異なります。退学や休学の手続きの前に、転入先の候補へ具体的に聞いておくことをおすすめします。
焦らなくて大丈夫です。留年しそうだと感じたことも、学校に行けない日が続いていることも、あなたの価値を下げるものではありません。ひとつずつ確かめながら進めてください。
なお、この記事の情報は2026年10月28日時点のもので、学校の案内の日付や数字には令和7年度・2025年度のものを含みます。募集の日程は変わることがありますので、必ず在籍校と志望校の最新の案内をご確認ください。
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