「長崎市でフリースクールを探しているけど、どこがうちの子に合うのかわからない」「公式サイトを見てもタイプの違いがよくわからない…」
そんな不安を抱えている保護者の方は少なくありません。
全国の不登校児童生徒数は353,970人(小学校137,704人、中学校216,266人)で過去最多を更新し、12年連続で増加しています(出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)。
本記事では、長崎市で不登校のお子さんの居場所やフリースクールを探している方に向けて、市内で通える4つの施設をタイプ別にご紹介します。あわせて、長崎市が行っている不登校支援・行政の制度、学習塾以外の習い事の選択肢についてもまとめました。
長崎市には、少人数の個別支援に強いフリースクールから、通信制高校を併設する居場所、オンライン(メタバース)で参加できる選択肢まで、比較的幅広いタイプの施設がそろっています。また長崎市自身も「メタバース登校」や「学びの多様化学校」など、公的な多様な学びの場の整備を進めている自治体です。
記載内容は各施設・各制度の公式サイト等をもとに調査した情報です。料金や受け入れ状況、開校状況は変更されることがあるため、利用を検討する際は必ず各施設・長崎市教育委員会に直接ご確認ください。
【タイプ別】おすすめフリースクール4選
長崎市内、または長崎市在住のお子さんが通いやすいフリースクールを4つ紹介します。なお、掲載順は各施設の優劣を示すものではありません。
1. フリースクールアリビオ|少人数個別支援型
長崎市大井手町にある、定員5人程度の少人数制フリースクールです。カウンセリング・心理的支援・社会性支援・学び直し支援・進路開拓支援を組み合わせたマンツーマン中心の支援を行っています。
在籍している学校と連携し、学習内容が成績に反映される仕組みや、出席扱いの認定制度の活用にも取り組んでいる点が特徴です。少人数だからこそ、一人ひとりの状態に合わせた関わり方をじっくり相談できます。
- 所在地:長崎市大井手町45番地 上戸ビル301号
- 対象:長崎県内在住の小・中学生(カウンセリングのみは全国対応)
- 通学スタイル:平日10:00〜15:00、曜日・時間帯は選択可能。週3回以上コースと週2回以下コースの2種類
- 向いている子:大人数が苦手で、まずはマンツーマンに近い環境で安心して学び直したい子
2. フリースクール mahana|少人数個別支援型(学習塾併設)
長崎市新大工町の個別指導塾「N-school」内に併設されたフリースクールです。学習指導だけでなく、制作活動や運動レクリエーション、写真部・イラスト部といった自由活動も用意されており、「ホッとできる場所」「人との交流」「学びの場」を大切にしています。
来所・退所の時間が自由なため、まずは短時間から通ってみるという使い方もしやすいのが特徴です。通所が難しい日はオンライン学習システムでの在宅指導にも対応しています。
- 所在地:〒850-0017 長崎市新大工町1-1 エスティビル3階(N-school内)
- 対象:中学生〜高校生(通信制高校在籍生を含む)
- 通学スタイル:月・水・金曜10:00〜15:00の間で来所・退所時間は自由。通所が難しい場合はオンライン対応も可
- 向いている子:学習塾のような環境で、学び直しと居場所づくりを同時に進めたい子
3. NPO法人フリースクール クレイン・ハーバー|若者・第三の居場所型
長崎市昭和にある、22年以上の運営実績を持つフリースクールです。「学校に行かない・行けない子どもたちの居場所」として通所型の活動を行うほか、通所が難しい家庭向けの訪問支援、広域通信制高校「長崎クレイン・ハーバーSHIP」の併設による高卒資格取得サポート、無料学習塾、夜間居場所、学生服バンクなど、支援の間口が広いのが特徴です。
2026年6月からは、長崎県内で初めてメタバース(仮想空間)を活用したオンラインフリースクール「クレイン@ホーム」も開設しています。アバターを使ってチャットや音声で交流でき、顔や名前を出さずに参加できるため、交通の便や対人不安から通所型のフリースクールに通いづらい子どもの選択肢として注目されています。
- 所在地:長崎市昭和3丁目387-1
- 対象:通所型は幅広い年齢の子ども、オンライン「クレイン@ホーム」は県内の小学3年生〜高校3年生
- 通学スタイル:通所型のほか、訪問支援、オンライン「クレイン@ホーム」(月・水・金曜開設)から選択可能
- 向いている子:通所と在宅の両方から自分に合ったペースを選びたい子、外出そのものが難しい子
4. 代々木フリースクール(長崎)|学習支援型
長崎市内に複数の校舎を展開するフリースクールで、小・中・高生の不登校生を主な対象としています。月謝制の「通い放題」で、趣味・活動・経済活動を含む「総合型」コースと、学習に特化したコースの2つの時間帯から選べます。
個別学習に加えて、戸外活動や経済活動(模擬的な社会体験)を通じて生活技能や思考力を養うプログラムを提供しており、学習塾に近い進学支援も行っています。校舎ごとに開校状況が異なる場合があるため、問い合わせ時に稼働中の校舎を確認するとよいでしょう。
- 所在地:道ノ尾校(長崎市葉山1-6-10 サニー道ノ尾店4F)ほか、市内に複数校舎
- 対象:不登校生(主に小・中・高生)
- 通学スタイル:(1)10:30〜14:30「総合型」(趣味・活動・経済・学習)/(2)15:00〜18:00「学習特化型」。送迎の相談も可能
- 向いている子:本人の意思を尊重したオーダーメイドの対応を受けながら、学習面もしっかりフォローしてほしい子
【選ぶときの視点】どんなお子さんに合っている?
「うちの子にはどのタイプが合うんだろう」という視点で、タイプ別に向いているお子さんの特徴を表にまとめました。
| フリースクールのタイプ | 向いているお子さんの特徴 |
|---|---|
| 少人数個別支援型(アリビオ、mahanaなど) | 大人数が苦手で、まずはマンツーマンに近い環境で安心して学びたい子に向いています。 |
| 若者・第三の居場所型(クレイン・ハーバーなど) | 通所とオンラインを組み合わせたい子、外出そのものが難しい子に向いています。 |
| 学習支援型(代々木フリースクールなど) | 居場所づくりと並行して、学習・進学のフォローもしっかり受けたい子に向いています。 |
学校に通う以外の選択肢|オンラインで完結するオルタナティブスクールも
長崎市内のフリースクールはいずれも「通所」を前提とした施設ですが、住んでいる地域によっては通所そのものが難しいご家庭もあります。そうした場合の選択肢の一つとして、オンラインだけで完結するオルタナティブスクールもあります。
「にじいろ」を運営する株式会社NIJINが手がける「NIJINアカデミー」は、メタバース(仮想空間)の校舎を活用したオンライン完結型のオルタナティブスクールです。アバターを操作して仮想の教室に登校し、他の生徒やスタッフとリアルタイムでやり取りしながら学習や交流を進めます。通所が前提の地域のフリースクールとは異なり、自宅にいながら学校のような居場所とつながれる点が特徴です。

なお、これは長崎市が提供する「メタバース登校」(後述)とは別の、民間のオルタナティブスクールです。両者を混同しないよう、対象や仕組みの違いを確認したうえで検討することをおすすめします。詳しくはNIJINアカデミー公式サイトをご確認ください。
地域の習い事情報|学習塾以外の学びの場
フリースクール以外にも、学校が合わなかった子や発達特性のあるお子さんが無理なく通える「居場所」として、習い事を活用するご家庭もあります。習い事はフリースクールと違って出席扱いには直結しませんが、得意なことや好きなことを通じて自信や社会性を育める、居場所の選択肢の一つとして位置づけられます。
学習・プログラミング系
そろばんやプログラミングなど、集団の学習塾が合わない子でも取り組みやすい少人数制・個別指導型の教室が長崎市内にもあります。詳しい教室一覧は下記の記事で個別に紹介しています。
- そろばん教室:【2026年最新】長崎市の子ども向けそろばん教室おすすめ5選
- プログラミング教室:【2026年最新】長崎市の子ども向けプログラミング教室おすすめ7選
アート・音楽系
ピアノなどの音楽系の習い事は、他人と比べられるプレッシャーが少なく、自分のペースで取り組みやすい活動として選ばれることがあります。長崎市内のピアノ教室は下記の記事で詳しく紹介しています。
スポーツ系
体を動かす習い事は、体力づくりだけでなく生活リズムを整えるきっかけにもなります。長崎市内には、スポーツクラブ&サウナスパ ルネサンス長崎ココウォークのジュニアスイミングスクール(長崎市茂里町、095-840-9550)のように、年齢別のクラス編成で体験レッスン(1,100円・税込)を受け付けているスクールもあります。
公式サイトに発達特性への特別な配慮が明記されているわけではないため、集団レッスンでの様子や個別対応の可否は、体験レッスンや事前相談の際に直接確認することをおすすめします。
コミュニケーション・SST(ソーシャルスキルトレーニング)系
会話や集団行動に苦手さがあるお子さんには、児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所で行われているソーシャルスキルトレーニング(SST)や小集団活動も選択肢になります。長崎市内には、長崎市障害福祉センター「こども発達センター」(長崎市茂里町2-41、095-842-2525)や、サポートプラザあじさい(長崎市内に複数拠点、095-811-0050)などがあります。
これらは一般の習い事とは異なり、児童福祉法に基づく「福祉サービス」であるため、利用には市が発行する「受給者証」の取得が必要になります。習い事のように気軽に申し込めるものではありませんが、専門職による個別の療育プログラムを受けられる点が特徴です。利用を検討する場合は、長崎市のこども相談窓口や上記事業所へ直接お問い合わせください。
助成金・行政支援情報
長崎市のフリースクール等利用料補助制度について
2026年8月時点で、長崎市および長崎県内の市町村がフリースクール等の利用料そのものを直接補助する制度は確認できませんでした。フリースクールの利用料は、原則として各家庭の自己負担となります。
その代わり、長崎市は次に紹介するような公的な学びの場や相談体制の整備に力を入れています。あわせて、就学援助制度など経済的な支援制度も活用できないか確認しておくとよいでしょう。
長崎市が提供する不登校支援
長崎市教育委員会(教育研究所)は、不登校の児童生徒とその保護者に向けて、次のような支援を行っています。
- 学びの多様化学校「のぞみ教室」(長崎市立桜馬場中学校分教室):不登校生徒の学びの機会を保障するため、特別の教育課程を編成した学びの多様化学校。2026年4月に市民会館2階に開室
- 長崎市メタバース登校(2025年6月運用開始):自宅から出ることが難しく、学校内外の支援機関の支援を定期的に受けられない児童生徒が主な対象。市立小・中学校在籍の小学4年生〜中学3年生を対象に、毎週火・木曜の午前中に仮想空間での交流・面談・学びの場を提供。利用を希望する場合は在籍校に相談
- 不登校支援スクールカウンセラー:教育研究所に配置され、学校でのカウンセリングのほか、家庭訪問や関係機関での相談にも対応
- 長崎市学びの支援センター「ひかり」:集団・個別の相談指導を行い、通所が難しい場合はオンラインや家庭訪問での支援も実施
- 校内学びの支援センター:登校はできても教室に入りづらい児童生徒のために、各学校に別室支援員を配置
- 保護者座談会:臨床心理士をコーディネーターに、不登校児童生徒を持つ保護者同士が情報交換できる場を毎月開催
- 学校外施設との連携:不登校児童生徒が利用しているフリースクール等と、電話や訪問による連携を実施
いずれも窓口は長崎市教育委員会学校教育部 教育研究所(〒850-0874 長崎市魚の町5-1 市民会館7F、Tel:095-824-4814)です。
長崎市の就学援助制度
フリースクールの利用料そのものは対象になりませんが、学校生活にかかる費用を援助する就学援助制度があります。
- 対象:長崎市立小・中学校(特別支援学校を含む)に就学する児童生徒の保護者で、生活保護受給世帯や、それに準ずる経済的に困難な状況にある世帯
- 援助内容:新入学用品費(小学1年生64,300円、中学1年生81,000円)、学用品費(学年により11,630円〜25,000円)、給食費・修学旅行費・校外活動費等の実費相当分など
- 申請方法:在籍校で申請書を受け取るか、電子申請フォームから申請。当初申請期間は例年2月16日〜4月15日で、以降は随時受付
- 問い合わせ先:長崎市教育委員会学務課(Tel:095-829-1196)
見学・問い合わせ時に確認したいポイント
一覧だけではわからない部分も多いため、実際に問い合わせる際は次のような点を確認しておくと比較しやすくなります。
- 対象年齢・対象学年…小学生から受け入れているか、中学生・高校生のみか
- 通い方…毎日通う前提か、週1日からでも利用できるか。曜日や時間帯を選べるか
- 費用の総額…月謝だけでなく、入会金や教材費、体験活動費なども含めた年間の総額
- 出席扱いの実績…在籍校の校長判断で「出席扱い」となるかどうかは、施設と学校の連携次第です。実績や手続きの流れを聞いておくと安心です
- 学習内容と評価方法…教科学習中心か、体験活動中心か。定期テストの代わりにどのような形で成長を伝えてもらえるか
- スタッフ体制…カウンセラーや発達支援の専門職が常駐しているか、必要に応じて医療・福祉機関と連携できるか
- 見学・体験の可否…多くの施設が見学や体験を実施しています。雰囲気やスタッフとの相性は、実際に足を運んでみないとわからない部分が大きいです
費用面の情報
本記事で紹介したフリースクールの費用の目安を表にまとめました。
| 施設名 | 費用の目安 |
|---|---|
| フリースクールアリビオ | 入校金15,000円、週3回以上コース月額30,000円、週2回以下コース月額22,000円(すべて税込) |
| フリースクール mahana | N-school個別指導塾の授業料基準で設定(具体的な金額は要問い合わせ) |
| クレイン・ハーバー(通所・クレイン@ホーム) | 要問い合わせ(参考:月謝目安3万円程度との情報あり) |
| 代々木フリースクール(長崎) | 月謝27,000円(税別)で通い放題 |
前述のとおり、2026年8月時点で長崎市独自のフリースクール利用料補助制度は確認できていません。費用面で負担が大きいと感じる場合は、無料相談を実施している施設や、市の公的な支援(学びの支援センター「ひかり」など)もあわせて検討するとよいでしょう。
まとめ
長崎市には、少人数の個別支援に強いフリースクールから、通信制高校を併設した居場所、オンラインのメタバースで参加できる選択肢まで、多様なタイプの施設があります。あわせて、長崎市自身も「メタバース登校」や学びの多様化学校「のぞみ教室」など、公的な多様な学びの場の整備を進めています。
お子さんの年齢や性格、通いやすさを踏まえて、まずは見学や体験、教育研究所への相談から始めてみることをおすすめします。長崎県内の高校進学や発達に関する情報は、以下の記事もあわせてご覧ください。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報をもとに作成しています。対象学年・助成内容・活動内容は変更される場合があるため、利用を検討する際は必ず各施設または長崎市教育委員会の公式窓口で最新情報をご確認ください。

