教育現場でICTをどう使えば、子どもが自分で学び方を調整し、安心して友だちと学べるのでしょうか。文部科学省は2026年10月7日、「GIGA StuDXメールマガジン第107号」で、鳥取市立面影小学校の実践を紹介しました。
発表された内容
面影小学校では、端末を特別な機械ではなく、鉛筆やノートと同じ「文房具」と位置付けています。そのうえで、ユニバーサルデザイン(UD)の視点から、子どもが自分の学びを調整しやすい環境づくりを進めてきました。
紹介された具体的な工夫が、「学び・調べスキルブック」と「つながりレベル表」という支援カードです。前者は、学びや調べものを進めるときにどんな方法があるかを確認するためのもの。後者は、協働学習の場面で、どのように発言し、相手の話にどう反応すればよいかを考える手がかりになります。
文科省の紹介では、カードを参考にすることで、子どもが話し合いに参加しやすくなったり、困っている友だちに教えたり、先に進んでいる友だちにヒントを求めたりする姿が見られたとされています。
家庭や学校にとっての意味
今回のポイントは、「端末を配れば学びが変わる」という話ではありません。端末を使う目的を、子どもが自分で選び、困ったときに助けを求め、周囲とつながるための環境づくりとして捉えている点です。
例えば、授業中に「まず何を調べるか」「分からないときは誰に、どんな言葉で聞くか」「話し合いの途中で休憩や別の方法を選べるか」を見える形にしておくと、見通しを持ちにくい子どもにも参加の入口が生まれます。これは発達特性の有無にかかわらず、学級全体の安心につながる可能性があります。
家庭から学校に相談するときは、「端末を使わせてほしい」とだけ伝えるより、「指示を見える化してほしい」「話し合いの参加方法を複数用意してほしい」「困ったときの相談先を子どもと確認したい」と、困りごとと必要な環境を具体的に伝えると話し合いやすくなります。
注意したい点
今回の情報は、文科省のメールマガジンが一つの学校の実践を紹介したものです。全国の学校を対象に効果を比較した調査ではなく、この取組によって学力や出席、発達上の変化が生じたと因果関係を示すものでもありません。面影小学校で使われているカードが、すべての子どもに同じように合うとは限らず、学年や教科、本人の希望に合わせた調整が必要です。
また、ICTの利用では、個人情報の扱い、撮影・共有の範囲、端末を使わない選択肢、目や姿勢への配慮も欠かせません。学校で導入する際は、ツールの機能だけでなく、誰がどの場面でどんな支援をするのかを確認することが大切です。
一次情報
文部科学省「GIGA StuDXメールマガジン第107号(令和8年10月7日)」
発表日:2026年10月7日 ※本記事は公式発表をもとに、家庭・学校で考える際のポイントを整理したものです。
