- いじめの法律上の定義と、全国の最新の数字(令和6年度調査)
- いじめ防止対策推進法が対象とする学校と、対象にならない学校
- 学校の「いじめ対策」の公表情報を、どの順番で見るか
- クラスの人数や多国籍の環境が、人間関係にどう影響するか
- 友達づくりが難しくなりやすい場面と、家庭で気づきたい変化
- 先生との距離、校内の相談体制、学校外の24時間相談窓口
- 日本の学校が合わないときの転校・編入の考え方とタイミング
- 見学・体験で学校に聞く10のこと
結論:いじめや人間関係の悩みは、学校の種類を問わず起こりうる
お子さんが今の学校で人間関係に悩んでいると、「環境を変えれば解決するのでは」と考えるのは自然なことです。インターナショナルスクールは、少人数・多国籍・英語での授業といったイメージから、「いじめがなさそう」「個性を受け入れてくれそう」と期待されることがあります。
ただ、そのイメージだけで学校を決めるのはおすすめしません。理由は3つあります。
1つ目は、「インターナショナルスクール」には法律上の定義がないことです。学校ごとに、位置づけも運営の考え方も大きく違います(詳しくはインターナショナルスクールは公立と何が違う?、メリット・デメリットをご覧ください)。2つ目は、学校の中の雰囲気は、種類より「その学校のその学年のその学級」で決まる面が大きいことです。3つ目は、環境を変えても、新しい環境に慣れるまでの時間と、お子さんのペースは別に必要になることです。
この記事は、「インターならいじめがない」と言い切る記事ではありません。逆に、「インターは危ない」と言うものでもありません。お子さんが安心して通える学校を、公表されている情報と、見学での質問で確かめるための記事です。
学校選びの結論は3つの軸で整理できます
細かい話に入る前に、全体像をつかんでください。
01
法律上の位置づけ
いじめ防止対策推進法の「学校」に入るのは一条校だけです。各種学校・無認可の学校は、体制を学校ごとに確かめる必要があります。
02
日常の環境
クラスの人数、多国籍の度合い、先生との距離。人間関係が「起きやすい・見えやすい」条件を確かめます。
03
相談と転校のしやすさ
困ったときの窓口、保護者への連絡、学校外の相談先、そして合わなかったときの動き方を確かめます。
この3つは編集部の整理です。どれか1つが満点でも、他が弱ければ安心とは言えません。
いじめの定義と、全国の数字を押さえる
まず、「いじめ」とは何かを確認します。いじめ防止対策推進法(平成25年)の第2条では、いじめを「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」と定めています。
ポイントは2つあります。1つは、行為の大きさや意図ではなく、「対象となった子どもが心身の苦痛を感じているか」で判断する点です。もう1つは、インターネット上の行為も含む点です。「ふざけ合いのつもりだった」「たたいていないから」という理由で、いじめではないと決めることはできません。
次に、全国の数字です。文部科学省の「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果では、次のように公表されています。
文部科学省の調査で見る令和6年度の全国の数字
調査の対象は、国公私立の小・中・高・特別支援学校です。
76.9万
いじめの認知件数
国公私立の小・中・高・特別支援学校で約76万9千件。過去最多と公表されています。
1,405
重大事態の発生件数
いじめの認知件数のうち、重大事態として扱われた件数。こちらも過去最多と公表されています。
35.4万
不登校の児童生徒数
小・中学校で約35万4千人。12年連続で増加したと公表されています。
出典:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(通知)」。
この数字を読むときの注意点が3つあります。第一に、「認知件数」は学校が把握して数えた件数で、実際に起きたいじめの総数そのものではありません。第二に、重大事態1,405件は、認知件数約76万9千件に対して約0.2%(編集部の計算)にあたります。件数の大半は、重大事態に至る前に把握されたものです。第三に、この調査の対象は国公私立の小・中・高・特別支援学校で、各種学校や無認可のインターナショナルスクールの数字は、この調査からは分かりません。
つまり、「インターナショナルスクールでのいじめの件数」を示す公的な統計は、確認できませんでした。インターについて「いじめが少ない」「多い」と断定する情報は、根拠を確かめる必要があります。
いじめ防止対策推進法は、どの学校が対象か
ここが、学校選びで見落とされやすい点です。いじめ防止対策推進法でいう「学校」は、学校教育法第1条に規定する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除く)と定義されています(第2条第2項)。いわゆる「一条校」です。
文部科学省の「就学事務Q&A」では、インターナショナルスクールについて、法令上の特別な規定はなく、一条校として認可されたものは少なく、多くは各種学校か無認可施設であると説明されています。つまり、多くのインターナショナルスクールは、この法律でいう「学校」の定義に入りません。
法の対象になる学校には、次のことが定められています。学校いじめ防止基本方針を定めること(第13条)、複数の教職員や心理・福祉の専門家などで構成する対策組織を置くこと(第22条)、そして、生命・心身・財産への重大な被害の疑いや、相当の期間の欠席を余儀なくされている疑いがあるときの重大事態への対処(第28条)です。
法の対象かどうかで変わること
○は法が定める対象、×は法の「学校」の定義に入らないことを表します。
| 一条校 | 各種学校・無認可 | オンラインのみの学校 | |
|---|---|---|---|
| 学校いじめ防止基本方針(第13条) | ○ | × | × |
| 対策組織の設置(第22条) | ○ | × | × |
| 重大事態への法的な対処(第28条) | ○ | × | × |
| 体制の公表・内容 | △ | △ | △ |
△は、法の対象かどうかにかかわらず、学校ごとに内容が違うため確認が必要という意味です。表は編集部の整理で、個別の学校の位置づけは公式サイトや募集要項で確認してください。
誤解のないように書きます。法の対象外であることは、「対応しない学校」という意味ではありません。独自にいじめ防止の方針を定め、相談窓口や対応の流れを公開している学校もあり得ます。ただし、それは法の義務ではなく、学校の考え方と運営によります。だからこそ、学校ごとに「どんな体制か」を自分の目で確かめる必要があります。
反対に、一条校だから安心、という話でもありません。法で枠組みが決まっていても、運用は学校や学級で違います。位置づけの違いは、「確認する項目が変わる」と捉えてください。学校の種類ごとの違いは、インターナショナルスクールの選び方で詳しく整理しています。

公表情報の見方:学校の体制を確かめる順番
「いじめ対策はしっかりしています」という言葉だけでは、中身が分かりません。公表されている情報を、決まった順番で見ていくと、学校の姿勢が見えてきます。以下は、編集部が整理した確認の順番です。
公表情報は5つの順番で見ます
上から順に、公式サイト・募集要項・説明会で確かめます。
公表されていないことが、そのまま「問題がある」という意味ではありません。分からないことを、そのままにしないための手順です。
特に大切なのは、「書いてあること」と「実際の運用」を分けて見ることです。方針が立派でも、現場に伝わっていなければ機能しません。反対に、小さな学校で方針の文書は短くても、先生と保護者の距離が近く、実際は丁寧に動いている場合もあります。だからこそ、見学での質問(後半の「見学・体験で聞く10のこと」)で、運用を確かめます。
どこで何を確かめるか
資料ごとに、見られる情報が違います。
| 確認する場所 | 見られること |
|---|---|
| 公式サイトの学校概要 | 学校の種類(一条校か各種学校か)、学年の範囲、教育方針 |
| 募集要項・入学案内 | 在籍の条件、転入学・編入学の時期、費用、出願の流れ |
| 保護者向けの規約・ハンドブック | 生活上のルール、欠席・遅刻の連絡、相談や苦情の窓口が載っていることがあります |
| 説明会・見学・体験 | クラスの人数、先生との関わり、子どもたちの様子、質問への答え方 |
載っている資料の種類は学校ごとに違います。見つからないときは、問い合わせて確認してください。
クラスの人数と多国籍の環境で、人間関係はどう変わるか
インターナショナルスクールの特徴としてよく挙がるのが、少人数と多国籍です。これらが人間関係にどう影響するのかを、よい面と、気をつけたい面の両方から整理します。ここからの内容は、特定の統計に基づくものではなく、編集部の一般論としての整理です。
まず、クラスの人数です。学校によって、1クラスの人数は大きく違います。公式サイトで人数を公表している学校もあれば、公表していない学校もあります。例えば、オンラインのNIJIN GLOBAL ACADEMYは、公式サイトで1クラス8名の少人数制としています。人数は、見学で必ず確かめたい項目です。
少人数と多国籍のよい面・気をつけたい面
どちらも、学校の運営次第で逆に働くことがあります。
- 先生の目が届きやすく、子どもの変化に気づかれやすい
- 「みんな同じ」を前提としない雰囲気が生まれやすい
- 日本語以外の言語・文化の友達と出会える
- 自分の意見を言う練習の機会が多い
- 人数が少ないと、合わない相手を避けにくいことがある
- 言葉や文化の違いから、誤解が生まれることがある
- 同じ国・言語のグループができやすいことがある
- 在籍の入れ替わりが多いと、友達関係が変わりやすい
編集部の一般論としての整理で、学校ごとに状況は異なります。
多国籍の環境では、「違うのが普通」という空気が生まれる場合があります。日本の学校で「みんなと同じ」であることに息苦しさを感じていたお子さんにとって、これは大きな安心になるかもしれません。一方で、多国籍であることと、いじめが起きないことは別の話です。言葉の壁から、冗談が通じずに誤解が生じたり、文化の違いが「からかい」の対象になったりすることも、起こりうると考えておく必要があります。
見るべきなのは、人数や国籍の数そのものより、違いを話し合って解決する習慣が、学校にあるかです。ルールが明確か、先生が間に入る文化があるか、子ども同士が話し合う時間があるか。こうした点は、見学のときに授業や休み時間の様子から読み取れます。
在籍期間についても確認してください。家庭の事情で入れ替わる子どもが多い学校もあれば、そうでない学校もあります(学校による)。入れ替わりが多い環境は、新しい子を迎え入れる文化がある一方、仲よくなった友達が転校していく経験が重なることもあります。「新しい子が入ってきたとき、学校はどう迎えますか」という質問は、学校の姿勢をよく表します。
友達づくりが難しくなる場面と時期
環境が変わっても、友達づくりにはどうしても時間がかかります。お子さんが「友達ができない」と感じやすい場面を、あらかじめ知っておくと、親の側が落ち着いて見守れます。以下は、一般にありがちな場面の整理で、特定の統計に基づくものではありません。
友達づくりが難しくなりやすい場面
編集部の整理です。すべてのお子さんに当てはまるわけではありません。
「時期」はあくまで目安です。長引く・強まるときは、学校や専門機関に相談してください。
大切なのは、「友達がまだいない」ことと、「いじめられている」ことを分けて考えることです。前者は、時間と環境づくりで変わっていくことが多く、後者は、早めに大人が動く必要があります。見分けるポイントは、「自分から距離を置いているのか、周りから不当に扱われているのか」「お子さんが苦痛を感じているか」です。
家庭で気づきたい変化の例を、次の表にまとめました。これらがあれば必ずいじめがある、という意味ではありません。いくつか重なるとき、または続くときに、声をかけるきっかけにしてください。
家庭で気づきたい変化の例
一般にいわれる変化の例です。診断ではありません。
登校前だけ体調を崩すことが続くとき。
以前は話していたのに、急に口が重くなったとき。
理由を聞いても、はっきり答えないとき。
眠れない、食べられない、笑顔が減ったとき。
理由を言えないまま、強く拒むとき。
スマホを隠す、通知におびえるなど。
心身の不調が強いとき、続くときは、学校だけでなく、医療機関や下記の学校外の相談窓口にも相談してください。

先生との距離と、相談体制の確かめ方
いじめや人間関係の悩みが深くならないかどうかは、「気づける仕組み」と「話せる相手」があるかで大きく変わります。インターナショナルスクールでは、先生との距離が近いことを魅力に挙げる学校が多くあります。ただ、距離が近いことと、相談しやすい体制が整っていることは同じではありません。
確かめたいのは、次の3層です。家庭、学校の中、そして学校の外。どれか1つに頼るのではなく、複数の相談先を持っておくことが、お子さんを守る土台になります。
相談先は3つの層で持っておく
学校の中だけで解決しようとしない。外にも出口をつくります。
3層のうち、2と3は、入学の前に確認できます。
学校の中の窓口では、次の点を確かめてください。担任の先生が日本語と英語のどちらで保護者と話せるか。担任以外に相談できる先生や専門職(カウンセラーなど)がいるか。子どもが直接相談できる方法があるか。保護者への連絡が、メール・アプリ・面談のどれで、どれくらいの頻度か。これらは、公式サイトに載っていないことも多いため、見学や面談での質問が頼りになります。
学校の外の窓口は、文部科学省や法務省などの公的な相談先を、あらかじめ把握しておくと安心です。公式で確認できた2つを紹介します。
学校の外の相談窓口を知っておく
公式サイトで確認できた番号のみ掲載します。
出典:文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」、法務省「子どもの人権110番」。番号・受付時間は変わることがあるため、かける前に公式サイトで確認してください。
相談できる時間の長さを比べる
1日あたりの受付時間です(編集部の計算)。
夜間や休日に不安になったときは、24時間の窓口が頼りになります。平日の昼間なら、人権110番も選べます。
なお、命に関わる緊急のときや、お子さんの心身の不調が強いときは、相談窓口だけに頼らず、医療機関や自治体の相談窓口、緊急の場合は119番・110番など、すぐに動ける方法を優先してください。
日本の学校が合わないとき、転校の前に整理すること
「日本の学校が合わない」と感じる理由は、お子さんによってさまざまです。人間関係だけが原因とは限りません。転校や進路変更を考える前に、何が合わないのかを整理しておくと、次の学校選びの失敗を減らせます。
「合わない」を2つに分けて考える
原因によって、選ぶべき環境が変わります。
- 特定の相手との関係がつらい
- 集団の中にいること自体が負担
- 言葉・文化の違いで孤立している
- → 人数、先生の関わり、相談体制を重視
- 授業のペースや内容が合わない
- 音や人混み、時間割がつらい
- 得意なことを活かす場がない
- → 学び方の柔軟さ、選択肢を重視
実際には、複数が重なることも多くあります。
人間関係が主な原因のときは、まず今の学校の中でできることがあります。担任や学年主任への相談、スクールカウンセラーへの相談、席替えやクラス替えの配慮の依頼などです。それでも状況が変わらない、または学校に相談しても動いてもらえないときに、転校や学校外の学びの場を考えます。
「学校を変えること」は、逃げではありません。お子さんの安心を守るための、選択肢の1つです。ただ、いじめが理由で急いで学校を変える場合ほど、転校先でも同じことが起こらないかを確かめる余裕がなくなりがちです。事前に、公表情報と見学で確かめる順番を決めておくと、慌てずに済みます。
また、すぐに転校しない選択肢もあります。文部科学省は、不登校の児童生徒が学校外の公的機関や民間施設で指導を受けている場合の、指導要録上の出席の扱いについて通知で示しています(令和元年10月25日「不登校児童生徒への支援の在り方について」)。自宅でICT等を活用した学習をした場合の出席の扱いも、同じ通知で示されています。出席として扱うかどうかは、在籍している学校が判断するため、まず学校に相談してください。不登校の中でインターナショナルスクールを選ぶ考え方は、不登校とインターナショナルスクールで整理しています。
転校・編入のタイミングと進め方
日本の学校からインターナショナルスクールへ移る場合、特に小・中学生のときは、制度の確認が欠かせません。文部科学省の「就学事務Q&A」では、一条校でないインターナショナルスクールに通わせても、就学義務を履行したことにはならないと説明されています。詳しくは、インターナショナルスクールと義務教育をご覧ください。
そのうえで、教育委員会は、やむを得ない事情により学齢の子どもが未就学とならないよう留意する、とも示されています。転校や編入を考えるときは、先に住んでいる市区町村の教育委員会に相談することをおすすめします。
転校・編入の進め方の例
学校ごとに違うため、順番は目安です。
手続きの詳細は、インターナショナルスクールへの編入・転校もあわせてご覧ください。
タイミングについては、学校によって、年度の途中の受け入れの可否や、受け入れ可能な時期が違います。学期の切れ目に合わせる学校もあれば、空きがあればいつでも、という学校もあります。学年の始まりが日本と違う学校もあるため、「いつ入れるか」は必ず各校に直接確認してください。
もう1つ大切なのは、お子さんの状態が落ち着いてから動けるかです。心身の疲れが強いときは、すぐに転校の手続きを進めるより、休息をとり、安心できる時間をつくることを先にする選択もあります。急がなくてよいケースと、早く動いたほうがよいケース(欠席が続く、心身の不調が強い、重大な被害の疑いがあるなど)があります。判断に迷うときは、教育委員会や学校外の相談窓口に相談してください。

家庭でできる関わり方
学校選びと同じくらい大切なのが、家庭でのかかわり方です。お子さんが人間関係で悩んでいるとき、親ができる最も大きなことは、安心して話せる場所であることです。ここでは、編集部が整理した、一般的な関わり方の例を紹介します。
声かけは「聞く」から始める
よい声かけと、避けたい声かけの例です。
- 「話してくれてありがとう」
- 「それはつらかったね」
- 「どうしたいか、一緒に考えよう」
- 「あなたは悪くないよ」
- 「あなたにも原因があるのでは」
- 「そんなこと気にしないで」
- 「やり返しなさい」
- 「もう少し頑張ってみたら」
子どもの気持ちを否定せず、まず受け止めることを優先します。
お子さんが話してくれたときは、次の順番で動くと整理しやすくなります。
話してくれたときの動き方
慌てて動かず、順番を決めて進めます。
お子さんの安全と安心を最優先にします。
お子さんの状態を見ながら、親自身が抱え込みすぎないことも大切です。保護者の方が相談できる場所を持つことは、お子さんの安心にもつながります。オンラインでの居場所づくりについては、オンラインで友達をつくる居場所や、オンラインスクールで友達はできる?もご覧ください。
よくある誤解を整理する
インターナショナルスクールと、いじめ・友達づくりをめぐっては、いくつかの思い込みが広がりがちです。学校選びで判断を誤らないよう、よくある誤解と、確認できる事実を並べます。
よくある5つの誤解
「そう思われがち」と「確かめられること」を分けます。
インターならいじめはない
少人数なら安心
英語ができないと孤立する
法の対象外なら何もしない
転校すれば解決する
誤解の整理は編集部によるものです。個別の学校の状況は、公式の情報と見学で確認してください。
「インターならいじめがない」という言葉は、魅力的に聞こえますが、根拠なく信じるのはおすすめしません。実際には、学校の方針、先生の関わり、学級の雰囲気といった、一つひとつを確かめることが近道です。
また、「友達ができるかどうか」を学校の種類だけで決めることもできません。お子さんの性格、これまでの経験、得意なこと、苦手なことによって、合う環境は違います。同じ学校でも、ある子には居心地がよく、別の子には合わない、ということが起こります。学校のよい面・悪い面は、インターナショナルスクールのメリット・デメリットでも整理しています。
通学型とオンラインを比べる
人間関係に悩むお子さんにとって、「毎日、学校に通って人と会う」ことが負担になる場合があります。一方で、人と関わる経験そのものを減らしたいわけではない、ということも多くあります。ここでは、通学型の学校とオンラインの学校を、人間関係の面から比べます。以下は、編集部が一般論として整理した比較です。
通学型・オンラインを人間関係の面で比べる
○・△・×は優劣ではなく、向き・不向きの目安です。
| 通学型(一条校) | 通学型(各種学校など) | オンライン | |
|---|---|---|---|
| 対面で遊ぶ・体を動かす機会 | ○ | ○ | × |
| 人混み・移動の負担の少なさ | × | × | ○ |
| 先生・友達との距離の近さ | △ | ○ | △ |
| 法に基づくいじめ防止の枠組み | ○ | × | × |
| 合わないときの距離のとりやすさ | △ | △ | ○ |
編集部の一般論です。学校ごとに状況は異なります。オンラインは、画面越しのいじめ(チャットなど)にも注意が必要です。
オンラインの学びは、人混みや移動の負担を減らせる一方、画面越しの関わりだけでは、友達との距離感が育ちにくいと感じる子もいます。また、チャットや画像の共有などで、対面とは別の形の人間関係の問題が起きることもあります。オンラインの場合は、「チャットのルール」「先生がモニターしているか」「録画やログの扱い」などを確かめましょう。オンラインで友達ができるのかについては、オンラインスクールで友達はできる?で詳しく解説しています。
通学型とオンラインのどちらが「よい」ということではありません。お子さんの今の状態に合う選び方があります。通学型で人間関係が重いなら、まずオンラインで安心を取り戻し、少しずつ対面の機会を増やす、という使い方もあります。逆に、オンラインだけでは物足りなくなったら、通学型や習い事など、対面の場を足していく方法もあります。ダブルスクールという考え方もあります。

見学・体験で聞く10のこと
公表情報で分からないことは、見学や体験で直接聞きます。「いじめはありますか」と聞くだけでは、「ありません」と返されて終わりかもしれません。起きたときの動き方を、具体的に聞くのがコツです。以下の10項目を、印刷やメモに使ってください。
見学・体験で聞く10のこと
質問は、答えをメモに残すところまでがセットです。
一条校か各種学校か。文書になっているか、見せてもらえるか。
担任のほかに、補助の先生や専門職がいるか。
報告、事実確認、保護者への連絡、再発防止の流れ。
メール、アプリ、面談。頻度や、日本語での対応。
担任以外の窓口、カウンセラー、匿名で言える方法があるか。
先生がいる場所、子どもだけの時間と場所。
編入生へのサポート、友達づくりのきっかけ。
授業の言語、サポートの内容や費用。
学校のルール、スマホの扱い、オンラインでの問題への対応。
学校としての考え方、転出の手続き、返金などの規定。
聞いた日・相手・答えをメモに残すと、複数の学校を比べやすくなります。
質問したときの答え方にも注目してください。具体的な手順や事例(個人が特定されない形)で答えてくれるか。分からないことを「確認します」と言ってくれるか。保護者の不安に丁寧に向き合ってくれるか。答えの中身と同じくらい、答える姿勢が、その学校の文化を表します。可能なら、お子さんが授業や休み時間に参加できる体験を選び、お子さん本人の感想も聞いてください。
なお、学費や入学時の費用もあわせて確認してください。インターナショナルスクールの学費はいくら?では、初年度の総額を、公式サイトで確認した実額で整理しています。
NIJIN GLOBAL ACADEMYという選択肢
ここまで、通学型・オンラインを問わず確かめる軸を整理してきました。最後に、にじいろを運営する株式会社NIJINが企画するオンラインインターナショナルスクール「NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)」を、公式サイトで確認できた内容から紹介します。自社の学校のため、弱みも含めて、書いてあることと書かれていないことを分けて整理します。
NGAを3つの数字で
公式サイトの記載にもとづく内容です。
8名
1クラスの人数
少人数制のライブ授業。対話を軸にした授業と、公式サイトに記載があります。
6〜18歳
対象年齢
小学生・中学生・高校生が対象と記載されています。
2027年9月
開校予定
公式サイトでは、開校予定と記載されています。
出典:NIJIN GLOBAL ACADEMY公式サイト。内容は変更されることがあります。
公式サイトには、アジア・オセアニアのタイムゾーンの子どもたちが、同じクラスで毎日学ぶことや、日英バイリンガルのメンターが一人ひとりに伴走することが書かれています。フルスクール型と、放課後・土曜に通うダブルスクール型があり、入学試験・選抜はなく、対話形式の個別相談を行うとのことです。無料体験クラスは、2026年9月から毎月開催予定と記載されています。日程や申込方法は、公式サイトで確認してください。
NGAが向く場合・向かない場合
弱みも含めて、正直に整理します。
- 人混みや移動が負担で、自宅から参加したい
- 少人数で、先生や友達と話す機会がほしい
- 今の学校に在籍しながら、ダブルスクールで試したい
- 海外の子どもたちとの交流に関心がある
- 対面で体を動かす活動を中心に求めている
- 日本の高校卒業資格を、この学校だけで得たい(公式に、発行しないと記載)
- 学費や実績が公表されたうえで比べたい(開校前のため、学費は公式に未公表)
- 開校前の学校であることに不安がある
NGAは一条校ではなく、いじめ防止対策推進法の「学校」の定義には入りません。体制は、学校ごとに確認が必要です。
確認できなかった点も、はっきり書きます。保護者向けの相談体制、いじめが起きたときの対応の流れは、公式サイトのトップページでは確認できませんでした。学費の具体額も、公式では開校情報の登録者に案内する予定とのことで、確認できていません。気になる方は、無料体験や個別相談の場で、本記事の「見学・体験で聞く10のこと」をそのままお聞きになってください。
NGAは、「いじめがない」ことを約束する学校ではありません。お子さんが少しでも安心して人と関われる、選択肢の1つとして、見ていただければと思います。通学型のインターの選び方はインターナショナルスクールの選び方で、卒業後の進路は卒業後の進路で解説しています。
よくある質問
この記事の内容を確かめるための一次資料
- 文部科学省「いじめ防止対策推進法」(ページ)
- 文部科学省「いじめ防止対策」関連資料・リンク集(ページ)
- 文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」(ページ)
- 文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」(ページ)
- 法務省「子どもの人権110番」(ページ)
- 文部科学省「就学事務Q&A 11. 学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」(ページ)
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日(ページ)
- NIJIN GLOBAL ACADEMY 公式サイト(ページ)
このほか、文部科学省の「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」(令和6年8月)は、上記の「いじめ防止対策」関連のページから確認できます。PDFのため、本記事では内容を確認していません。


